'12.03.24 『ドライヴ』(試写会)@なかのZEROホール
KLYさんのおこぼれにあずかって、総勢4名で見てきたー☆ 見たくて試写会応募しまくってたのでうれしい♪
*ネタバレありです!
「ハリウッドのカースタントマンでもあるドライバーは、犯罪者を現場から逃走させる闇の仕事もしていた。一目惚れした隣人アイリーンの夫の窮地を救うため、強盗計画の逃走を請負ったが・・・」という話。これはおもしろかった。余分な背景というか、説明などは一切排除。その潔さがスタイリッシュな感じを生んでいる。ライアン・ゴズリングを初めとする、出演者たちの魅力と、演技によるところが大きいとは思うけれど、この感じは好き。
ジェイムズ・サリスの人気クライム小説の映画化。この試写見た後、文庫本を購入して今半分くらい・・・ 原作のドライバーの方が、生い立ちなども描かれているし、より感情表現もあって人間的。ただ、個人的には、この辺りのことを一切排除して、あくまで謎の人物のままだったのは、ライアン・ゴズリングの演技と合ってたかなと思う。ライアン・ゴズリングの出演作品って何か見たかな・・・ 何故かいつもジェイク・ギレンホールとごっちゃになってしまう(笑) どうやら、今回が初見だったらしい。初めて見るのがコレだったのが、よかったのかどうかは謎だけど、ライアンのちょっと近目な感じや、目の下長めな顔がこの役に合ってる気がする。ホメてます! ライアンはカナダ出身だし、ドライバーは映画では、出身地は不明だけど、原作ではアメリカ。北米はルーツがいろいろなので、複雑ではあるけど、この映画のドライバー、ちょっとロシアとか旧ユーゴとか、そっちの方の訓練された軍人を思わせる。その感じがライアン・ゴズリングの容姿と合ってる気がした。
舞台はドライバーが映画のカースタントをしているわけだから、ハリウッド周辺なのでしょう。冒頭、副業(本業?)の仕事場面。何の説明もなく逃げて来る男2人を乗せて車を発進させる。夜景がキレイ。いわゆるカーチェイス的な部分が多いけれど、例えば路駐の車に紛れてみたりと、単純にテクニックと度胸だけのドライバーではないということが分かる。この手の映画にありがちな、腕はあるけど自信過剰で、周囲に迷惑をかける苦手なタイプではないのが、個人的にはうれしい(笑) 野球場の駐車場に滑り込むように車を止めて、キャップ(似合わない)を被って人混みに紛れる。見事! これはカッコイイ! この後、自宅のあるアパートの地下で、運命の女性アイリーンと出会う。一目惚れ。この一目惚れの瞬間もロマンチック過ぎず、スタイリッシュで良かった。
このアパートがまたちょっと古い感じで良かった。何度が登場する廊下のシーン。映画でよく見る海外のアパートと違っている気がして、最初はてっきり安ホテルなのかと思っていた。この廊下の古い感じも好き。ドライバーの部屋は出てきたかな? 出てきたとしても、全景はなかったと思う。それに対してアイリーンと彼の息子ベニシオが暮らす部屋が出てくる。日本人にはとっても親近感のわく狭い間取り。でも、とってもかわいらしく暮らしている。この部屋のインテリアとか、小物もかわいかくて好きだった。アイリーンに合ってる。
アイリーンについてもあまり多くは語られない。夫のスタンダードは現在服役中で、もうすぐ出所してくるということくらい。・・・だったと思う(笑)実は、ドライバー全編を通じてほとんどセリフがなく、彼や登場人物に関する説明的な部分も、シーンとしての映像で見せて、こちらに想像させる感じ。前半部分は淡々としてて、寝るまでは行かなかったけど、一瞬カクッとなってしまった・・・ なので、見落としているかも? 原作ではもう少し元気というか、肝っ玉系のキャラだけど、映画のアイリーンははかなげ。謎の女と書くとファム・ファタール的な感じになってしまうけど、そうではなくて最後の線までは踏み込ませない感じがする。一線を超えるってことじゃなくて、自分には夫がいるからという倫理感というか・・・ 原作では2人はそういう仲になっているけど、映画ではそういうシーンはあえて描いていない。2人の間に何かあったかは別として、アイリーンの気持ちはドライバーに傾いているけど、彼は彼女の心を手に入れきれない感じ。その感じが切なくていい。だからこそ、エレベーターのシーンが美しく、その後の壮絶さとの緩急になっている。このシーンはスゴイ!
映画ではアイリーンの息子ベニシオとの関係も描いていて、実の父親よりもドライバーになついている様子。原作はまだ途中だけど、この息子との関係はほとんど描かれていない。アイリーンとの関係をストイックな感じにしたことにより、切なさが増したけれども、それによりドライバーが命懸けで彼らを守ろうとすることの説得力が薄まった気はする。この変更は良かったと思う。ドライバーは彼らと家族になりたかったのかも。その辺りもサラリと描いていて良かった。より切ない。
何とか愛する2人を助けたいということで、出所したスタンダードの借金返済のための強盗のドライバーを買って出ることになる。原作では妻との仲を承知しつつも、ドライバーと奇妙な友情を築く姿が描かれていて、2人は何度か組んで仕事をしている。映画ではそこまで深い友情とはならないながら、彼に憐れみのようなものを感じているっぽい。その辺りの2人の演技も良かった。ただし、この仕事が運命を大きく狂わせていくことになる。
ここからは一気にフィルム・ノワールの世界。思っていたよりバイオレンス(笑) かなり痛い・・・ 前半で何気なく出ていたオッサン達が、本来の姿を見せる。この辺りの関係がちょっと分かりにくかった・・・ ドライバーが唯一心を許しているシャノンが、よかれと思ってした行動が、ドライバーも彼自身をも窮地に追い込んで行く。この感じが切ない・・・ シャノンは悪ぶっているけれど、人のいいおじさん。その彼と向き合うバーニーの複雑な思いが伝わってくる。彼の腕への傷が、バーニーのシャノンへの思いってこと。その分、怒りはドライバーへ向くことになるけど・・・
ピザ屋のニーノとバーニーの関係とか、位置づけが分かりにくかったのだけど、巻き込まれたバーニーの後始末は敵ながらあっぱれではあった。ドライバーがまたスゴイ! この辺りはネタバレしてしまうと面白くないので、伏せておくけど、訓練された軍人を連想するくらいスゴイ! ストリップ・バー(?)の楽屋に乗り込んで行く姿とか、バーニーと相対する姿とか、カッコイイ! かなり痛いけど映像が美しいので、見れちゃう。不死身!?とか思うけど、ラストの感じも良かった。見る側に委ねる感じだけど、孤高な感じがドライバーに合ってる。
キャストがいい。ほぼ紅一点のキャリー・マリガン良かった。はかなげで、この笑顔を守りたいとドライバーが思うの分かる! 適度にかわいくて、適度にセクシー。でも、実は自分をしっかり持ってる。多分、彼女は行かないでしょう・・・ その辺りもしっかり伝わる。演技上手い。そして、やっぱりかわいいと思う。シャノンのブライアン・クランストン良かった。唯一ドライバーが心を許す恩人。小物感とか、でもいい人な感じがしっかり伝わる。ニーノのロン・パールマンは『ヘル・ボーイ』の人だね! 個性的過ぎるお顔。でも、この容姿を生かせる職業に巡り会えてよかった!←失礼 イヤ、カッとなりやすくて、ちょっと考えの足りないニーノにピッタリ! もちろん容姿だけではなくて、演技も上手い。バーニーのアルバート・ブルックスも良かった。黒幕というより巻き込まれてしまい、事を収拾しようとしてるわけで、その怒りや悲しみが感じられる。最初登場した時は、オッサン感漂っていたのに、実はかなりスゴイ人物だった。その緩急も見事。前述したシャノンとのシーンが良かった!
ライアン・ゴズリングがイイ!この役カッコイイわー まぁ、ファンにはならなかったけど(笑) ほとんどセリフもないし、表情もほとんど変わらない。多分、映画としてはドライバーの感情をそんなに伝えようとは思ってない気がする。でも、ドライバーがCoolな分、逆に切なさがないとグッとこない。その辺りをちょっと眉毛をひそめた横顔で見せたりする。その表情が良かった。監督は西部劇や黒澤映画の孤高のヒーローをイメージしたそうで、なるほどそんな感じはする。個人的には旧共産圏の特殊部隊出身みたいな気がしたけど、これは最近「グラーグ57」を読んだせいかも(笑) 監督は黒澤明監督と三船敏郎のように、ライアン・ゴズリングとコンビを組んで映画を作って行きたいそうで、ちょっと楽しみ♪
ニコラス・ウィンディング・レフン監督は、色がハッキリしてないと見えないという障害があるそうで、それでこのコントラストの強い映像になっているとのこと。色の使い方が確かに面白い。特に黒の強い夜景が印象的。あとは赤かな・・・ このスタイリッシュな映像は好きだった。前述したけど、ちょっと古い感じのするアパートも好き。光の使い方もおもしろい。
スタイリッシュなサスペンス映画が見たい方オススメ! ライアン・ゴズリング目当てだと、痛いシーン多いけど、かなりカッコイイのでファンの方は是非!
『ドライヴ』Official Site
KLYさんのおこぼれにあずかって、総勢4名で見てきたー☆ 見たくて試写会応募しまくってたのでうれしい♪
*ネタバレありです!
「ハリウッドのカースタントマンでもあるドライバーは、犯罪者を現場から逃走させる闇の仕事もしていた。一目惚れした隣人アイリーンの夫の窮地を救うため、強盗計画の逃走を請負ったが・・・」という話。これはおもしろかった。余分な背景というか、説明などは一切排除。その潔さがスタイリッシュな感じを生んでいる。ライアン・ゴズリングを初めとする、出演者たちの魅力と、演技によるところが大きいとは思うけれど、この感じは好き。
ジェイムズ・サリスの人気クライム小説の映画化。この試写見た後、文庫本を購入して今半分くらい・・・ 原作のドライバーの方が、生い立ちなども描かれているし、より感情表現もあって人間的。ただ、個人的には、この辺りのことを一切排除して、あくまで謎の人物のままだったのは、ライアン・ゴズリングの演技と合ってたかなと思う。ライアン・ゴズリングの出演作品って何か見たかな・・・ 何故かいつもジェイク・ギレンホールとごっちゃになってしまう(笑) どうやら、今回が初見だったらしい。初めて見るのがコレだったのが、よかったのかどうかは謎だけど、ライアンのちょっと近目な感じや、目の下長めな顔がこの役に合ってる気がする。ホメてます! ライアンはカナダ出身だし、ドライバーは映画では、出身地は不明だけど、原作ではアメリカ。北米はルーツがいろいろなので、複雑ではあるけど、この映画のドライバー、ちょっとロシアとか旧ユーゴとか、そっちの方の訓練された軍人を思わせる。その感じがライアン・ゴズリングの容姿と合ってる気がした。
舞台はドライバーが映画のカースタントをしているわけだから、ハリウッド周辺なのでしょう。冒頭、副業(本業?)の仕事場面。何の説明もなく逃げて来る男2人を乗せて車を発進させる。夜景がキレイ。いわゆるカーチェイス的な部分が多いけれど、例えば路駐の車に紛れてみたりと、単純にテクニックと度胸だけのドライバーではないということが分かる。この手の映画にありがちな、腕はあるけど自信過剰で、周囲に迷惑をかける苦手なタイプではないのが、個人的にはうれしい(笑) 野球場の駐車場に滑り込むように車を止めて、キャップ(似合わない)を被って人混みに紛れる。見事! これはカッコイイ! この後、自宅のあるアパートの地下で、運命の女性アイリーンと出会う。一目惚れ。この一目惚れの瞬間もロマンチック過ぎず、スタイリッシュで良かった。
このアパートがまたちょっと古い感じで良かった。何度が登場する廊下のシーン。映画でよく見る海外のアパートと違っている気がして、最初はてっきり安ホテルなのかと思っていた。この廊下の古い感じも好き。ドライバーの部屋は出てきたかな? 出てきたとしても、全景はなかったと思う。それに対してアイリーンと彼の息子ベニシオが暮らす部屋が出てくる。日本人にはとっても親近感のわく狭い間取り。でも、とってもかわいらしく暮らしている。この部屋のインテリアとか、小物もかわいかくて好きだった。アイリーンに合ってる。
アイリーンについてもあまり多くは語られない。夫のスタンダードは現在服役中で、もうすぐ出所してくるということくらい。・・・だったと思う(笑)実は、ドライバー全編を通じてほとんどセリフがなく、彼や登場人物に関する説明的な部分も、シーンとしての映像で見せて、こちらに想像させる感じ。前半部分は淡々としてて、寝るまでは行かなかったけど、一瞬カクッとなってしまった・・・ なので、見落としているかも? 原作ではもう少し元気というか、肝っ玉系のキャラだけど、映画のアイリーンははかなげ。謎の女と書くとファム・ファタール的な感じになってしまうけど、そうではなくて最後の線までは踏み込ませない感じがする。一線を超えるってことじゃなくて、自分には夫がいるからという倫理感というか・・・ 原作では2人はそういう仲になっているけど、映画ではそういうシーンはあえて描いていない。2人の間に何かあったかは別として、アイリーンの気持ちはドライバーに傾いているけど、彼は彼女の心を手に入れきれない感じ。その感じが切なくていい。だからこそ、エレベーターのシーンが美しく、その後の壮絶さとの緩急になっている。このシーンはスゴイ!
映画ではアイリーンの息子ベニシオとの関係も描いていて、実の父親よりもドライバーになついている様子。原作はまだ途中だけど、この息子との関係はほとんど描かれていない。アイリーンとの関係をストイックな感じにしたことにより、切なさが増したけれども、それによりドライバーが命懸けで彼らを守ろうとすることの説得力が薄まった気はする。この変更は良かったと思う。ドライバーは彼らと家族になりたかったのかも。その辺りもサラリと描いていて良かった。より切ない。
何とか愛する2人を助けたいということで、出所したスタンダードの借金返済のための強盗のドライバーを買って出ることになる。原作では妻との仲を承知しつつも、ドライバーと奇妙な友情を築く姿が描かれていて、2人は何度か組んで仕事をしている。映画ではそこまで深い友情とはならないながら、彼に憐れみのようなものを感じているっぽい。その辺りの2人の演技も良かった。ただし、この仕事が運命を大きく狂わせていくことになる。
ここからは一気にフィルム・ノワールの世界。思っていたよりバイオレンス(笑) かなり痛い・・・ 前半で何気なく出ていたオッサン達が、本来の姿を見せる。この辺りの関係がちょっと分かりにくかった・・・ ドライバーが唯一心を許しているシャノンが、よかれと思ってした行動が、ドライバーも彼自身をも窮地に追い込んで行く。この感じが切ない・・・ シャノンは悪ぶっているけれど、人のいいおじさん。その彼と向き合うバーニーの複雑な思いが伝わってくる。彼の腕への傷が、バーニーのシャノンへの思いってこと。その分、怒りはドライバーへ向くことになるけど・・・
ピザ屋のニーノとバーニーの関係とか、位置づけが分かりにくかったのだけど、巻き込まれたバーニーの後始末は敵ながらあっぱれではあった。ドライバーがまたスゴイ! この辺りはネタバレしてしまうと面白くないので、伏せておくけど、訓練された軍人を連想するくらいスゴイ! ストリップ・バー(?)の楽屋に乗り込んで行く姿とか、バーニーと相対する姿とか、カッコイイ! かなり痛いけど映像が美しいので、見れちゃう。不死身!?とか思うけど、ラストの感じも良かった。見る側に委ねる感じだけど、孤高な感じがドライバーに合ってる。
キャストがいい。ほぼ紅一点のキャリー・マリガン良かった。はかなげで、この笑顔を守りたいとドライバーが思うの分かる! 適度にかわいくて、適度にセクシー。でも、実は自分をしっかり持ってる。多分、彼女は行かないでしょう・・・ その辺りもしっかり伝わる。演技上手い。そして、やっぱりかわいいと思う。シャノンのブライアン・クランストン良かった。唯一ドライバーが心を許す恩人。小物感とか、でもいい人な感じがしっかり伝わる。ニーノのロン・パールマンは『ヘル・ボーイ』の人だね! 個性的過ぎるお顔。でも、この容姿を生かせる職業に巡り会えてよかった!←失礼 イヤ、カッとなりやすくて、ちょっと考えの足りないニーノにピッタリ! もちろん容姿だけではなくて、演技も上手い。バーニーのアルバート・ブルックスも良かった。黒幕というより巻き込まれてしまい、事を収拾しようとしてるわけで、その怒りや悲しみが感じられる。最初登場した時は、オッサン感漂っていたのに、実はかなりスゴイ人物だった。その緩急も見事。前述したシャノンとのシーンが良かった!
ライアン・ゴズリングがイイ!この役カッコイイわー まぁ、ファンにはならなかったけど(笑) ほとんどセリフもないし、表情もほとんど変わらない。多分、映画としてはドライバーの感情をそんなに伝えようとは思ってない気がする。でも、ドライバーがCoolな分、逆に切なさがないとグッとこない。その辺りをちょっと眉毛をひそめた横顔で見せたりする。その表情が良かった。監督は西部劇や黒澤映画の孤高のヒーローをイメージしたそうで、なるほどそんな感じはする。個人的には旧共産圏の特殊部隊出身みたいな気がしたけど、これは最近「グラーグ57」を読んだせいかも(笑) 監督は黒澤明監督と三船敏郎のように、ライアン・ゴズリングとコンビを組んで映画を作って行きたいそうで、ちょっと楽しみ♪
ニコラス・ウィンディング・レフン監督は、色がハッキリしてないと見えないという障害があるそうで、それでこのコントラストの強い映像になっているとのこと。色の使い方が確かに面白い。特に黒の強い夜景が印象的。あとは赤かな・・・ このスタイリッシュな映像は好きだった。前述したけど、ちょっと古い感じのするアパートも好き。光の使い方もおもしろい。
スタイリッシュなサスペンス映画が見たい方オススメ! ライアン・ゴズリング目当てだと、痛いシーン多いけど、かなりカッコイイのでファンの方は是非!
『ドライヴ』Official Site