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【cinema】maru's BEST MOVIE 2014

2014-12-31 21:28:51 | cinema

【cinema】maru's BEST MOVIE 2014


今年見た映画はDVD、WOWOW等テレビ放送での鑑賞を含めて141本。今年は例年より40本近く増えたけど、試写会含めて劇場鑑賞は38本とあまり多くないので、DVDやテレビ鑑賞が増えたということで、結構引きこもりがちだったのかも


今年も2014年日本公開作品限定。一部映画祭での上映作品も含まれているけど、一応2014年に日本で公的に上映されたということで含めます!( ・Θ・)ゞピヨッ 今年も洋画と邦画と分けるほど見れていないので、一括して選出! 図らずも映画鑑賞記事がきっかけでblog移転することになったので、その記念(?)に今年は15位まで選んでみた! 


1位:『ホビット 決戦のゆくえ』&『ホビット 竜に奪われた王国


合わせ技で1位(笑) どちらも大好きだけど、やっぱり今年初めに『ホビット 竜に奪われた王国』を見て、ものすごく面白くて、『ホビット 決戦のゆくえ』をずっと待ってたことが、感動を倍増させた部分もあるかなと思うので LotRから13年間中つ国を旅出来て楽しかった! LotRと無限ループできるように、物語を終えてくれたピーター・ジャクソン監督に敬意を込めて1位とさせていただきます!( ・∀・ )ゞ


2位:『インターステラー

以前から作品は見ていたけど『ダークナイト』でハマったクリストファー・ノーラン監督。SF&家族愛ってことでちょっぴり心配だったけど、やっぱり自分はノーラン作品好きなんだなと思えた作品。ツッコミどころもあるけれど、力技でねじ伏せられる感じが好き


3位:『ゴーン・ガール

この映画の感想記事のおかげでblog移転することになってしまった でも、文句なくおもしろかった! こんなに役者がピッタリハマった映画って他にないんじゃ?っていうくらいベン・アフレックがハマってた! ロザムンド・パイクの体当たり演技も見事 2時間半あっという間だった! Amazing


4位:『草原の実験

こちらが未公開作品。WOWOWでの鑑賞だけど、今年のTIFFで上映されたのでランクインさせちゃった(o´ェ`o)ゞ 本当に衝撃のラスト! このラストを見せるために、余分なものは一切排除したかのような、シンプルだけど計算された演出が見事


5位:『LUPIN THE ⅢRD 次元大介の墓標

期間限定特別上映なので、こちらもちょっと特殊だったりするのかな? とにかく長年の次元大介ファンとしては、こんな映画が見たかった!というくらい次元がカッコイイ! 次元役の小林清志さんの舞台挨拶も見れて至福 これは是非長編映画化して欲しい作品。


6位:『グランド・ブタペスト・ホテル

とにかくお菓子みたいにかわいくて、でも実は毒があるウエス・アンダーソン節全開の作品。もうチラシ見ただけでもスゴイ豪華キャスト! 彼らが嬉々として演じているのも見どころ。ホントにおとぎ話を見ているような感覚。好き


7位:『X-MEN:フューチャー&パスト

実はこのシリーズ1本くらいしか見たことなくて、しかも地上波吹替えでながら見だったため全く覚えてなかった ヒュー・ジャックマン登壇のプレミア試写会が当たったため、慌てて前作『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』と『X-MEN』を見たらスゴイおもしろかった! 期待大で見に行ったこけど、期待を裏切らない面白さ! まぁ半分くらいはマイケル・ファスベンダーのマグニートー票だけど(笑)


8位:『オオカミは嘘をつく

それなりに長い映画鑑賞人生で『迷子の警察音楽隊』以来2本目のイスラエル映画。クライム・サスペンス映画だと思って見ていたら、実はこれバカ映画っだった(笑) こちらのblogでは始めて使う言葉かな? この"バカ映画"というのは「一生懸命作った結果バカになっている作品」という、尊敬するMJことみうらじゅん氏の定義した"バカ映画"というジャンルに、独自の解釈を加えたホメ言葉です! ということで、とってもホメてます


9位:『LIFE!

自分の中で食わず嫌いしていたベン・スティラー監督主演作品。もしかしたら自分には合わないかもしれないと心配しながら見に行ったら、これがとっても良くてビックリ! しかも今まで一度も思ったことなかったのに、ベン・スティラーがカッコよく見えて来る始末 ファンにはなってませんが(o´ェ`o)ゞ ということで9位にランクイン!


10位:『猫侍

話としては既視感たっぷりではあるものの、強面が災いして妻子とすら上手くコミュニケーションの取れない剣豪と、超絶美猫の組み合わせが絶妙。猫の玉之丞役は3匹の猫が演じているけれど、メインで演じたあなごちゃんと、主演の北村一輝の信頼関係が画面からも感じられてほんわか 猫枠です


11位:『1/11 じゅういちぶんのいち

実はこの作品を11位にしたくて15位まで発表することにした部分も。ええ、ダジャレです(笑) ダジャレじゃないか(o´ェ`o)ゞ 応援している片岡翔監督の長編デビュー作品。自主映画と違い、いろいろな制約があったと思うけれど、とってもよくまとまっていると思う。若い役者さんたちのキラキラ感が素敵彼らも含めて応援したくなる!


12位:『プリズナーズ

正義とは何かというドゥニ・ヴィルヌーブ監督の問題提起もさることながら、とにかく役者たちの演技がスゴイ! ジェイク・ギレンホールを初めてカッコイイと思った←失礼


13位:『馬々と人間たち

おそらく人生初のアイスランド映画。馬と人間の生活を不思議なタッチで描いている。映画の内容もさることながら、アイスランド人にはファーストネームがなく、○○の息子の××、△△の娘の□□という名前だということにビックリ!


14位:『西遊記 はじまりのはじまり

チャウ・シンチー監督7年ぶりの新作。ご本人出演がなくて残念だったけど、まさかのラストのアレが大爆笑だった(笑) ドタバタ映画かと思わせて、しっかり感動させちゃうのはさすが


15位:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

単純におもしろかった! 続編作る気満々っぽいので、今作は人物や設定紹介的な部分が多かった気もするので、続編にも期待


ということで、今年も残すところあと数時間! ホントにあっという間 どうやら来年の獅子座は12年に1度という最強運らしいけど、とにかく健康で楽しく過ごせるといいなぁ 今年より多く映画が見れますように!


年末にblog移転したので、gooではあまり馴染みがないかもしれませんが、旧blog(・*・etoile・*・|yaplog)共々、今年も大変お世話になりました! 来年もよろしくお願いいたします!

よいお年を~


【参考:過去のmaru's BEST】

maru's BEST MOVIE 2013

maru's BEST MOVIE 2012

maru's BEST MOVIE 2011

maru's BEST MOVIE 2010

 

コメント (10)
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【cinema / DVD】『8月の家族たち』鑑賞@TSUTAYAレンタル

2014-12-31 16:09:22 | cinema / DVD

『8月の家族たち』見た!舞台っぽいなと思ったら、戯曲の映画化だった!セリフに何度も登場してたけど、まさにcomplicated!←使いたかったw 普通に生きるってことも大変だ。演技上手い俳優たちばかりだから見応えあった!主演2人がスゴイ!バッチせつない。・゜・(ノД`)・゜・。

 

公開時見たいと思っていたけど見逃してた 仕事納めの12月30日、年末年始に向けてTSUTAYAでDVDレンタルしてきた! そして早速鑑賞(笑)


ネタバレありです! 


「父親が失踪したとの連絡が入り、実家のオクラホマに帰って来たバーバラ。口腔癌と闘う母は相変わらずの毒舌。久しぶりに集まった親戚たちも、それぞれ秘密を抱えていて・・・」という話。限られた場面で話が展開して、登場人物たちが次々に登場してくる感じ、そして次々に退場していく感じ、そしてセリフの感じが舞台っぽいなと思ったら、これはビュリッツァー賞&トニー賞をW受賞した舞台の映画化なのね? やっぱり( ̄ー ̄)ニヤリ


見たかった理由はベネディクト・カンバーバッチが出演していたから。でも、これよく見るとスゴイ豪華キャスト! 予告編を見た感じではコメディなのかと思ったら、結構重い内容。まぁでもWikipediaにもあるように、これはブラックコメディなのでしょう。


アメリカの田舎の"家族"のことについて、あまり分かっていないのだけど、おそらくこの家族は、メリル・ストリープ演じる母親バイオレットが中心の家庭だったのでしょう。一応、夫であり3人娘の父親でもあるべバリーが、親族の集まりなどでは家長を演じてはいたのでしょうけれど・・・ べバリーもバイオレットも恵まれない子供時代を過ごした。娘たちが30~40代らしいので、母親たちは60~70代というところかな? 第二次大戦後で田舎の生活は苦しかったのかもしれない。べバリーは6歳まで両親と車で生活していたというし、バイオレットの母親は虐待とまではいかないまでも、彼女に愛情を見せることはなかった様子。ラスト近く、バイオレットが娘たちに話す母親の仕打ちが本当だとしたら酷い・・・ 中学生の頃、憧れの同級生が履いていた皮のブーツ。同じブーツを履いたら、彼が自分を認めてくれるのではないかと考えたバーバラは、クリスマスプレゼントにブーツをお願いする。母親はブーツが入っていると思われるプレゼントをツリーの下に置いておいてくれた。楽しみにクリスマスの朝を待ち、箱を開けると中には先が破れ、靴紐は切れ、埃まみれで犬の糞がついた男物のブーツが入っていた。呆然とするバイオレットの姿を見て、母親は大笑いしていたらしい。娘にこんな仕打ちが出来る母親っていったい何?! 意地が悪いといかいう問題じゃないと思うけど・・・ これって何か精神病的な疾患があるんじゃ? 普通の感覚じゃ到底理解できない。


バイオレットは口腔内の癌と闘っていることもあり、薬漬けの日々。間違いなくドラッグ中毒になっている。長女のバーバラが後に、薬を処方しまくった医者に訴訟を起こすとまくしたてるシーンがあるけど、マイケル・ジャクソンの例といい、アメリカの医者は薬を大量に処方しがちなのかな? 覚せい剤のような違法な薬物ではなくても、ハイになる薬ってあるのかな? いつでもハイテンションというか、毒舌でまくし立てている。冒頭、バイオレットのために雇った住み込みの家政婦をインディアン呼ばわりして、べバリーの表情を曇らせる。一方のべバリーはアル中。そして彼は失踪してしまう。その知らせを受けて夫のビルと娘ジーンと共に実家戻って来たバーバラ。バイオレットはバーバラを心待ちにしていたにも関わらず、いつもの毒舌が出てしまいバーバラをうんざりさせる。毒舌というわけではないかもしれないけれど、気の強さや言葉の鋭さはバーバラも負けていない。なので2人はいつも言い合いになる。これは大変だ(笑) 


結局、べバリーはボートを漕ぎ出して溺死。彼の死の真相は謎だけれど、おそらく自殺と思われる。葬儀のため親族たちが集まり始める。地元に住んでいる次女アイビーと、既に来ていたバーバラを除けば、最初に到着したのはバイオレットの妹マティ・フェイと、その夫のチャールズ。恰幅よく陽気なマティ・エフィだけど、何故か自分の息子に対しては評価が厳しい。この息子がベネディクト・カンバーバッチだけど、登場はもう少し後。葬儀のため教会に向かうバーバラたちの車を、猛スピードで抜かして行く真っ赤なオープンカー。三女のカレンと婚約者のスティーブ。大事なプレゼンよりも、自分の父親の葬儀を優先してくれたとカレンがベタ褒めするスティーブは、見るからに女好きで胡散臭い男(笑) 持っている車がそれなのだから、真っ赤なオープンカーで葬儀に来るのは仕方ないとしても、猛スピードでキャーキャー言いながらやって来るのはどうなの? その後、カレンはバーバラの車に同乗し、ビルとジーンはスティーブのオープンカーに乗ったようだけれど、スティーブはまたしても煽って来て、並走した挙句、猛スピードで追い抜かして行く。いくらなんでも父親を亡くしたばかりの人たちに対する態度とは思えない。そして、父親が亡くなったばかりなのに、男性遍歴を姉に披露するカレンにも違和感。


3人娘の長女バーバラは、今は別の州で暮らしている。夫の浮気が原因で別居中、思春期の娘との関係にも悩んでいる。1人故郷に残ったアイビーは従兄のリトル・チャールズと密かに愛し合っている。三女のカレンは男好き。映画としてはバイオレットとバーバラを中心に描かれているので、どうしても2人が言い争うシーンが多いけれど、それぞれ問題を抱えていて、その問題の根本は"愛されたい"という思いなんだと思う。バイオレットは間違いなく娘たちを愛していると思うし、特にしっかり者で真面目な長女を頼りに思っているけれど、自身が母親に愛されなかったために、愛し方が分からない。バーバラと言い争った後、自分が癌になった時には帰って来てくれなかったのに、父親が失踪したら直ぐに帰って来たと嘆くシーンがある。この感情自体は、同じ体験をすれば誰もが思うことだと思う。それを口に出すか、出さないかの違い。人にはそれぞれの思いや事情があって、そうしたくても出来ないこともあるし、そうしたくない場合もある。それを推し量って自分を苦しめてしまうのは辛いことだけど、きっと多くの人が同じことをしていると思う。ただ、ほとんどの人が、それを自分の中で飲み込んでいるのだと思う。でもバイオレットは言ってしまう。そう言われてしまえばバーバラは謝罪するしかない。ただ、彼女が謝罪してくれたからといって、それで気持ちが晴れることはないと思う。そうすることで自分の中のわだかまりや、傷が全て癒えてしまうのならば、それこそ子供と同じ。それが分かっているから、皆飲み込んでいるのだと思う。


女性たちに比べて影の薄い男性たち。まぁ、女系家族の集まりで、皆○○の夫、もしくは彼氏という立場だから仕方がないけど、この所在なさげな感じは、アメリカ人でもあまり変わらないのかな(笑) バイオレットの妹マティ・フェイとチャールズの息子リトル・チャールズは、寝坊して葬儀に遅れてしまう。バスでやって来た彼を迎えた父親に、涙を浮かべて謝るリトル・チャールズ。ベネディクト・カンバーバッチが演じているのだから、少なくとも30歳過ぎの設定だろうに、まさかの寝坊で伯父の葬儀を欠席し、さらに「父さんに迷惑をかけた、みんなが僕をどう思っているか知ってる」と泣きべそをかくなんて・・・┐(´-д-`)┌と思うけれど、ここまでの失態ではなくても、大人になると自分の失敗から受けるダメージは大きい。彼が感じていることは、ミスをした時少なからず思うこと。ただ、これもバイオレット同様、口に出すか出さないか。バイオレットとリトル・チャールズは一見真逆だけど、結局根本は同じで自分を認めて欲しい、自分を愛して欲しいという思いから来ているのだと思う。本人が意識しているかは別として・・・


葬儀の後、皆で食事。家長がする祈りの言葉。いつもならばべバリーがしていたけど、今回はチャーリーの役目。詩人だったべバリーはこの役目を、きっと簡潔にそして感動的にしていたのでしょう。残念ながらチャーリーのそれは凡長 皆も当惑気味ではあるけれど、イライラを隠すどころか、あからさまにため息をついたり、頭を抱えたりするバイオレット。だったら人に押し付けずに、自分がやったらいいのに(笑) 彼女のこういう感じが、べバリーや娘たちの自信を奪っていたのだろうと思ったりする。バイオレットがまた毒舌を展開し、バーバラに「何故、努力をしなかったのか? 大統領にだってなれたのに!」というシーンがある。確かに、アメリカの大統領になれる可能性は誰にでもある。確率の分母がどんどん大きくなって、限りなく0に近づいて行くけど、完全に0という人はいない。でもねぇ・・・ バーバラには文章を書く才能が有り、詩人だったべバリーも期待をかけていたらしい。そんな娘が、平凡な主婦をして、夫に浮気されて、このまま年をとっていくのかと思ったら、切ない部分もあるのかもしれないけれど、バーバラの人生はバーバラのもの。彼女に小説家になる気持ちがないのであれば、それを強要することはできない。何をもって人生の成功者とするのか、基準は人それぞれ。バーバラは家庭の問題を抱えていて、それに対して改善の努力をしているとは言えないかもしれないけれど、この叱責は辛い お尻を叩く意味もあるのかもしれないけど、自分の人生を否定されたショックの方が大き過ぎる気がする。


でも、バイオレットの言葉に触発された人物が! リトル・チャールズ。アイビーとの仲を宣言しようと立ち上がる。しかし、このタイミングは・・・ まぁ、こういう部分がリトル・チャールズたる所以なのでしょう。いい意味でも、悪い意味でも。結局、アイビーにアイコンタクトで止められて、機転を利かせて寝坊の原因は目覚まし時計のかけ忘れであることを告白するという形で切り抜け退席してしまう。そんな2人の仲を不審に思った人物がいる。リトル・チャールズの母マティ・フェイ。彼女が2人の仲に過敏に反応するには訳があった。その後もバイオレットの毒舌は続き、薬を大量に飲み始める。それを止めようとしたバーバラと取っ組み合いのケンカに。なるほど、これはコメディでもあるのか。いわゆる、心の底から笑うという意味でのコメディではなくて、ブラック・コメディ的な・・・


夜、庭の東屋のようなところで集まり語り合う3姉妹。医者に軽い認知症が出ていると言われている母親を今後どうするのか? 唯一地元に残ったアイビーは、リトル・チャールズとNew Yorkに行くと話す。母親はどうするのだ?と問い詰められるけれど、計画があるのだと言う。この後、衝撃の事実が発覚するので、2人の計画が一体なんだったのかは不明のまま。そこにバイオレットがやって来て、前述した母親からのクリスマスプレゼントの話をする。その話にある程度衝撃は受けているようだけれど、それでも3人の心が動くようなことはないらしい。バイオレットがこのタイミングでこの話をしたのは、おそらく娘たちに対して、自分が彼女たちを上手く愛せないことの言い訳的なものなのだろうと思う。自分は愛されなかった。娘たちはバイオレットが祖母に愛されなかったことに対しては同情するけれど、だからと言って自分たちを罵倒することを受け入れることはできないということなのでしょう。まぁ、それはそうだろうと思う。


順番がちょっと曖昧になってしまったのだけど、バーバラがアイビーとリトル・チャールズのことを聞かれたのは、この東屋の告白の後だっけ? 前だっけ? マティ・フェイがリトル・チャールズのことを罵倒して、夫のチャールズに叱られるシーンがある。「何故、自分の息子をそんなに悪く言うのだ? 28年間結婚してきたけれど、これ以上リトル・チャールズに辛くあたるなら、29年目はない!」と捨て台詞を残して部屋を出て行ってしまう。チャールズは、陽気ではあるものの、実は気の強いマティ・フェイに対して、いつも我慢して誤魔化してきた部分があったのかもしれない。そして、それがマティ・フェイを不安にしたり、苛立たせていたのかも? ここでチャールズがマティ・フェイに本気で向き合ったことは、お互いにとって良かったのでしょう。29年目があるのかどうかは別として(笑)


そんな2人のやり取りを、バーバラは偶然立ち聞きしてしまう。そして、アイビーとリトル・チャールズのことを聞かれる。バーバラは最初は誤魔化すものの、2人が愛し合っていることを話してしまう。New York行きを止めなきゃと言ってたような気がするから、タイミング的にはここでOKか? まぁいいけど(o´ェ`o)ゞ 愛し合っているのだし、2人も大人なのだから心配ないと言うバーバラに、マティ・フェイは衝撃の告白をする。リトル・チャールズはマティ・フェイとべバリーとの間に生まれた子供だった。そう、アイビーとリトル・チャールズは異母兄弟なのだった!工工工エエェェ(゜Д゜)ェェエエ工工工 しかも、マティ・フェイは2人を止める方法はバーバラが考えろと言う。えー?! まぁ、(マティ・フェイ的には)隠し通してきた秘密なのだから、その事実を伝えずに2人の仲を裂かなければならないわけで、それがマティ・フェイには出来ない以上、誰かに託すしかないわけで、この場合バーバラが適任だとは思うけれど、それにしたって過去の過ちの尻拭いを姪に押し付けるなんて・・・ まぁ、でもバーバラは長女ということで、こういう役回りを押し付けられること多かったんだろうなと推察。そりゃ、うんざりもするよと(笑)


その夜、ある事件が起きる。見るからに女好きで、胡散臭いカレンの婚約者スティーブが、バーバラの娘ジーンと庭で話をしている。スティーブは前にもジーンに好奇の目を向け、上物のマリファナの話をしていた。マリファナにも彼にも少し興味があるジーン。もちろん、彼に恋しているわけではないけれど、そういう際どいことをしてみたい年頃というか・・・ この年頃の少女には、自分が男性にとって魅力的であるかどうかが重要な問題だったりもする。もちろん、全ての少女がそうではないけれど、少なくとも祖父の葬儀後の食事の席で、肉食は動物の恐怖を食べることだと主張するような、やや頭でっかちな少女にとって、頭ではダメだと思いつつも、実は興味津々なのだと思う。スティーブがジーンとあわよくばと思っていたのかは不明だけど、彼のような男性は女性に対してこういう接し方しかできないのでしょう。男性に口説かれることは、女性にとって喜びだと思っている感じ。なので、これはある意味社交辞令的なものなのかも。その辺り、本能的にジーンは気づいているかもしれない。適当に受けて、見事にかわせる女性もいるでしょうけれど、まだ14歳のジーンは、その辺りがちょっと危なっかしことは確か。その2人の様子に激しく反応したのが、家政婦のジョナ。彼女は棒のようなものを持ち出して、スティーブを後ろから叩いて攻撃! 大騒ぎとなる。これ、多分爆笑するシーンなんだよね? 夜中に見ていたせいか、クスッとはなったけど、爆笑とはならなかった。


さて、この騒動で三女カレンはスティーブと共にカリフォルニアに帰ってしまう。彼女は自分の生き方が破滅型であることは分かっている。でも、自分には恋をして男性にすがる生き方しかできない。だから、恋人がいない時には、酷い生活をしていることもあると、怒りと涙でぐちゃぐちゃになりながら告白。明言はしていないけれど、おそらくそういう職業をしているということでしょう・・・ もう若くはない彼女の、この先の人生がどんなものなのかは誰にも分からない。それでも、この生き方しかできないのであれば、それはそれで彼女の人生。個人的には共感は出来ないけれど、人の人生を批判できるほど、素晴らしい人間ではない(笑) ただカレンが、スティーブだけが悪いわけじゃないと言うセリフに対して、一瞬この期に及んでまだそんなこと言ってるのか?と思ったけれど、確かにそういう側面があることは間違いない。14歳の少女が、例え祖母の家の庭であっても、夜中に叔母の恋人と2人きりで会うというのは、それで危ない目に遭ってしまったとしても、自分にもその気があったじゃないかと言われても、全面否定はできないのでは? その辺りに危機感を感じたから、バーバラはジーンを叱ったのだと思うし・・・


父親というのはどうしてこうなのかと思うけれど、ジーンにも落ち度があったことに対して認めてはいるものの、彼女を叱るバーバラを責めるビル。まぁ、夫婦揃って叱ってはジーンの逃げ場がなくなってしまうし、バーバラの叱り方が激昂型だったの確か。でもねぇ・・・ 結局、彼はジーンを連れて別居中の彼の家へと帰ってしまう。夫だけでなく娘も失ってしまったバーバラ。修復の余地はあるのだろうか? 


1人去り、2人去りと退場して行き、残ったのはバイオレット、バーバラ、アイビー、そして家政婦のジョナ。3人での朝食。その席でアイビーは町を出ること、New Yorkでリトル・チャールズと暮らすことを宣言する。東屋では最終的には支持してくれたはずのバーバラが急に反対し始める。アイビーを守るため本当の理由は言えないので、従兄とはダメだとか、50も近くなってNew Yorkに行くなんて無茶だとか、今更何故そんなことを?という理由でしか反対出来ない。当然、アイビーは納得できない。すると、バイオレットが口を開く。例の毒舌口調で、リトル・チャールズが異母兄弟であることを告げてしまう。ショックを受けて混乱し、それでもリトル・チャールズと出て行くと言い、車に向かうアイビー。追いかけて必死で止めるバーバラを振り切って去ってしまう。うーん・・・


戻って来たバーバラは当然、バイオレットに怒りをぶつける。バイオレットは全て知っていた。おそらくチャールズも気づいていると思うと語る。自分の夫と実の妹が浮気をしていたばかりか、子どもまでもうけていることを知りながら、それを一言も語らないバイオレットもスゴイけれど、バイオレットが知っていることに気づきながら、夫婦として暮らしてきたべバリーもまたスゴイな・・・ スゴイって感心したりホメたりしているのとも違うのだけど(o´ェ`o)ゞ そりゃ、べバリーは何度も失踪するわ・・・ 自業自得とはいえ、いたたまれなかったでしょう。自身の人生にも、バイオレットの人生にも絶望し、背負いきれなくなって、今回は自殺を実行してしまったということなのかな。2人の間にはもちろん愛情があった時期もあったはずだし、離婚しなかったのは宗教的な理由とか、世間体とかいろいろあったかもしれないけれど、情のようなものもあったのかもしれない。お互いの身に何かがあったら、貸金庫を開けるという約束を、べバリーの遺体が発見される前に実行したのは、今回は彼が戻ってこないと感じていたからなのかもしれない。バーバラはそれをバイオレットの冷たさだと思っている。そんなに冷静でいて欲しくなかったのでしょう。でも、長年連れ添った夫婦というのは、そういうものなのかもしれない。もちろん、いつまでも恋した頃のような気持で、お互いを愛せる夫婦もいると思うけれど、バイオレットほどではなくても、長年の間に生まれる波風を乗り越えて、それによって生じた溝を埋めようと努力するのか、溝など気づかないことにするかの違いというか・・・ 


結局、バーバラも車に乗って家を出てしまう。行かないでくれと家の中で泣き叫ぶバイオレット。彼女を抱きしめたのはインディアン呼ばわりしていたジョナ。登場人物の中で、スティーブを除けば唯一の他人であるジョナは、家族を俯瞰で見れていたから、バイオレットの高圧的な毒舌の裏の孤独に気づいたのかもしれない。そして、これってもしかしてちょっと「リア王」とかなのかも? ちゃんと読んだことないけど・・・(o´ェ`o)ゞ 


映画は車を止めて、草原(?)で一呼吸置いて、再び車を走らせるバーバラの画で終わる。バーバラがバイオレットの元に戻ったのか、そのまま去ったのかは不明。だから、バイオレットがどうなるのかも、アイビーがどんな決断を下したのかも分からない。まぁ、全ての登場人物たちにも言えることだけど(笑) それでも彼らの人生は続くわけで、それが見ている側に納得できるものであっても、承服しかねるものであっても、それは彼らの人生。バイオレットやべバリーの生い立ちは辛いものだったし、家族の抱える秘密も重かったけれど、普通の人々の人生の一部を描いている。だから、誰かしらに共感したり、感情移入したりしつつ見れるんじゃないかな? 自身は未婚で子供もいないので、テーマの1つでもある結婚や子供との関係については理解出来ていないかもしれないけれど、やっぱり長女で長子のバーバラに感情移入していた。甘えベタで、長女だからと気負って空回る感じとか(笑) 頼りにされて重荷なのに、母親の評価を気にしてしまう感じとか。母娘関係については、ここまでじゃないけど思い当ることもあり(笑)


前述したとおりキャストは豪華! お目当てのベネディクト・カンバーバッチは、出番は少なかったけど良かったと思う。心優しいけれど、母親との関係もあり自分に自信が持てず、何をやっても上手く行かない。ダメ男ではあるけれど、アイビーが恋する相手なのだから、どこかに納得できる部分を感じさせないといけない。そういう部分はピアノ弾き語りシーンで演出されているけれど、それに見事に応えたのはさすがバッチさん アイビーのジュリアン・ニコルソンは初めて見たけど、ダメ男に恋してしまうのは、やっぱり両親とも姉を頼りにしていて、自分は愛されていないと感じているからなのだと思う。その辺りを感じさせたのは良かった。化粧気なしでも女性らしさが漂う感じもイイ。カレンのジュリエット・ルイスが老けててビックリしたけど、もう41歳なんだねぇ・・・ イヤ、もっと若いと思ってて、似てるけど違うよなぁとか思っていた(笑) 次女のアイビーですら、両親の愛情を疑っているのだから、三女のカレンも当然感じているハズで、その空洞を埋めるのために恋愛に走り、男性にすがってしまうのだと思う。誰かに愛されていると、分かりやすくアピールするには、恋愛が手っ取り早い。彼女がうんざりするほど、恋愛について語ったり、必要以上に人前でベタベタしてしまうのは、自分には愛してくれる人がいるのだというアピールなのだと思う。本人が意識しているかは別として・・・ そこに切なさを感じさせたのはジュリエット・ルイスの演技のおかげ。


べバリーのサム・シェパードが短いシーンながら存在感を残す。この家族の悲劇の一端は彼が担っていたわけで、それらが明るみに出たきっかけは彼の葬儀なのだし。ユアン・マクレガーも、頭の回転が速く、真面目でいつも白黒つけたがるバーバラに息苦しさを感じていたとしても、浮気夫という部の悪い役柄ながら、同情できる余地を残したのは良かったと思う。でも、特別ユアン・マクレガーじゃなきゃダメという役ではなかった気も・・・ 陽気で悩みなどなさそうなガサツな太った叔母さんマティ・フェイを演じた、マーゴ・マーティンデイルも初めて見たけど良かった! 意外に黒幕(?)だったし(笑) ただのデブの叔母さんじゃない的な発言が、本人からもバイオレットからもあったように思うけれど、太った平凡な女性ということで、ちょっと下に見られてきた部分はあるのだろうし、そのことに劣等感を感じていたのはあるのでしょう。そういう過去も感じさせて良かった。チャーリーのクリス・クーパーがさすがの演技。まさに女系といえるこの一家にあって、唯一の味方だったべバリーを亡くした寂しさや、不器用ながらも"息子"を愛そうとしている感じが伝わる。そこがきちんと伝わってこないと、リトル・チャールズが彼の息子ではないという事実が分かってから、切ない感動にならない。そういう意味で、とっても良かったと思う!


そして、なんと言ってもジュリア・ロバーツと、メリル・ストリープがスゴイ! アカデミー賞のノミネート状況によると、メリル・ストリープが主演で、ジュリア・ロバーツが助演ということのようで、それは確かにそうだと思うのだけど、W主演ともいえるくらいバーバラの役のボリューム感があったし、2人の演技合戦も見応えがあった。バイオレットに比べれば、やや分が良い部分もあるけれど、バーバラは好感の持てる役柄でもはない。不機嫌でイライラしていて、何を言っても反対意見が返って来るようなイメージ。でも、彼女がそんな感じなのは、実は生真面目で不器用だからなのだと思わせたのは、ジュリア・ロバーツのおかげ。女優がスッピンで汚れ役を演じたりすることを、体当たりの演技とホメたりすることは多いけれど、なんだかそれだけを評価している気がしてあまり好きではないけれど、この役はこの地味な外見が必要だったと思う。バイオレットは頭の良い女性だけれど、普通の主婦が家族の問題や、自分の人生に悩む役なので。メリル・ストリープも、抗がん剤の影響で髪が抜けてしまっている姿や、やつれた外見のアプローチも含め、相変わらず素晴らしい演技。バイオレットの生い立ちや、その後の人生を考えると、同情すべき点があると思うし、彼女の発言は間違っているわけではなくて正論の場合もある。でも、人をうんざりさせてしまう。見ている側は、何故こんなにいつも攻撃的で、人を嫌な気持ちにさせるのだろうと思うので、その理由を探ろうとするし、理由もきちんと提示されているけれど、それが分かったからといって、彼女に我慢できるかというとやっぱり出来ない。だから、最後に彼女が1人になってしまっても、仕方がないと思ってしまう。そして、きっとそう思わせるように演出されているのだと思う。バイオレットのことを、嫌な人ではあるけど、魅力的とは思わせない、でも見続けることが出来たのはメリル・ストリープのおかげ。


あまりよく分かっていないのだけど、オクラホマ州は"南部"なのかな? 毎度のWikipediaによると、地理的には南中部となるようだけれど・・・ バイオレットの家や、周囲の家も『風と共に去りぬ』のオークス屋敷のような大邸宅ではないけれど、家の周囲を柱で取り囲んだ建築方式。これ何ていうんだろう? コロニアル様式? バイオレットが家族に次々去られてしまい、残ったのは家と家政婦のみというのは、『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラを思わせた。まぁ、別にいいけど(o´ェ`o)ゞ  原題は『August: Osage County』で、Osage Countyというのは、オクラホマ州オーセージ郡のことらしい。なので、8月にオーセージ郡であったことって感じの意味なのかな? バイオレットの発言の中には、自分たちが育った時代、育った土地が、自分たちの人格や人生に深く影響を与えたという主旨が含まれていたように思うので、原題にはそういう要素があるのかも? アメリカ人なら何となく分かるような、その土地独特の風土というか・・・ 自身はその辺りのことが分からなかったので、家族の問題の根底にそういう部分があったとしても、理解はできなかったのが残念


ブラック・コメディだと前述したけど、Wikipediaを見ても、ブラック・コメディだと書いているので、これはズッシリ重くなるよりも、┐(´∀`)┌ヤレヤレとなるのが正しい見方なのかもしれない。ピュリッツァー賞&トニー賞を受賞した作品なのだから、そんなに単純ではないのでしょう。とっても見応えのある作品だったと思う。


そんなに重くなり過ぎず、軽すぎず、見応えのある映画を見たい方オススメ。"ベネ様"目当てだとガッカリかもだけど、俳優ベネディクト・カンバーバッチ好きな方にはオススメ! ピアノ弾き語りシーンは是非見て! ジュリア・ロバーツ&メリル・ストリープ好きな方必見!



ピアノ弾き語りシーン


そうそう!葬儀の後、ジーンがテレビで、『オペラ座の怪人』(1925年 ロン・チェイニー主演版)を見ようとして、バーバラに叱られるシーンがある。「おじいちゃんの葬儀よりも『オペラ座の怪人』が重要なの?!」とか言われてて、ちょっと( ̄ー ̄)ニヤリ
 

『8月の家族たち』Official site

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【cinema】『草原の実験』(TOUCH!WOWOW プレミア放送)

2014-12-31 03:53:48 | cinema

'14.11.23 『草原の実験』@TOUCH!WOWOW プレミア放送


今年11月に開催された第27回東京国際映画祭で、WOWOW賞を受賞した作品が、1回のみプレミア放送されるということで録画! 期待して見てみた

 

ネタバレありです! 結末にも触れています!


「カザフスタンの草原に暮らす父娘。2人だけの静かな暮らし。少女に恋する草原の青年。迷い込んできた異国の青年も彼女に恋をする。やがて少女に悲劇が起こる。彼女はどちらを選ぶのか・・・」というあらすじだと、少女の恋愛物語かと興味を失う人もいるかもしれないけれど、これは絶対このあらすじにダマされて最後まで見た方がいいと思う! 驚愕のラストと煽られて、驚愕しないことは多々あるけれど、これは本当に驚愕した! 映画の感想記事は自分の備忘録でもあるので、一応結末まで書いてしまうけれど、本来は全く予備知識なしで見て欲しい。


第27回東京国際映画祭コンペティション部門WOWOW賞受賞作品。今年から新設されたWOWOW賞というのは、WOWOW視聴者がコンペティション部門で上映された作品の中から選出した作品ということらしい。栄えある第1回受賞作の今作は、15作品の中から選ばれ、賞金10,000ドルを獲得したのだそう。WOWOWって大作だけでなく、ミニシアター系(←ってもう言わないのかな?)の作品や、"ジャパンン・プレミアム"と称して、日本未公開作品を放送したりと、有料映画系チャンネルの先駆けとして、いろいろ頑張っているなという印象。ってエラそう(笑) イヤ、単純に映画好きとしてウレシイ!


モスクワ生まれのアレクサンドル・コット監督が脚本も担当している。今作について、新藤兼人監督の『裸の島』から影響を受けたと語る監督は、全ロシア映画大学監督コースを卒業。ポーランドのクラクフで、アンジェイ・ワイダ監督のマスタークラスを受講したとのこと。クラクフ行ったことあるけど、こじんまりした素敵な街だった!←関係ないけど(o´ェ`o)ゞ


映画は、見渡す限り緑しかない草原の真ん中、トラックの荷台で1人の男性が寝ているシーンから始まる。男性は朝青龍とキム兄こと木村祐一氏をミックスしたような感じ。お世辞にもイケメンとは言えない。美しい草原と無骨な男性の対比に、少々クスッとなって始まる。このほのぼのした雰囲気の始まりと、『草原の実験』というタイトルがどう結びつくのかと考える。この男性が誰で、ここで何をしているのか等の説明は一切なし。目覚めた男性は、トラックを運転して家に帰って来る。低い石垣で囲まれた小さな家。庭には井戸がある。周りに他の家は全く見えない。家には1人の美少女が待っている。


唐突に、家の前で何かを待っている朝青龍似の男性。そこにセスナ機が現れる。ものすごい風圧に耐える朝青龍。セスナ機は男性の鼻先で止まる。何の説明もなく彼がセスナ機を楽しそうに操縦するシーンが映される。うん? これが実験なのか?とか思うけれど、何かを散布するなどの描写もなく、単純に朝青龍が操縦を飛行を楽しんだだけ。うーん・・・


家で待つ美少女は、かいがいしく朝青龍の靴を脱がせ、靴下を脱がせ、丁寧に足を洗う。その間、椅子に腰かけ柱にもたれて眠ってしまった彼の帽子を脱がせて、枕を当ててあげる。うん? この美少女は、この無骨そうな朝青龍の若妻?!とか思ってドキドキしまう。だって、日本のOLちゃんとしては、父親の足を洗ってあげることなんて一度もなかったもので・・・(o´ェ`o)ゞ 美少女が男性の足を洗うなんて、妙にエロティックなのですもの(*´ェ`*)ポッ


で、どこで気づいたのか正確には思い出せないけど、この映画セリフが一切ない。なので、映画を見ていただけでは、この2人の関係どころか名前すら分からない。公式サイトやWikipediaなどもないので、第27回東京国際映画祭のエントリーPageや、いくつかのインタビュー記事などくらいしか情報がないのだけど、一応この2人は父娘らしく、どうやら娘はジーマで、父親はマクシムなのかな? イヤ、主要キャストであと2人男性が出てくるので、誰が誰やら・・・(笑) えーと、調べて来た! 父親はトルガトだった! でも、この潔さは良かったと思うし、見ている間はあまりの説明のなさに不安になることもあったけど、淡々とした不思議な語り口に引き込まれて、そんなに気にならない。目の前に展開していることに集中して見てしまう感じ。これはなかなかスゴイ!


とにかく主に少女の日常を淡々と見せられる。母親がなぜ不在なのかも説明がなかったと思う。もしかしたら、遺影のようなものを見せて、亡くなっている事実を見せたりしていたかもしれないけれど、そういう記憶はないし、そういうことをする映画のようにも思えない。父親の仕事は何で、毎日どこに出かけているのかも不明だけど、少女は父親とトラックに同乗し、草原の中の小さな分かれ道まで運転する。何度か映るその光景は、最初は父親がハンドルに手を添えていたので、おそらく彼女に運転を教えているのだと思われる。分かれ道に来ると車を止めて、少女はトラックを降り、運転席に座った父親は、分かれ道を左に曲がりどこかへ去って行く。一人残された少女は来た道を歩いて戻り始める。すると、どこからともなく馬に乗った青年が現れる。彼は少女を馬に同乗させて、彼女を家に送り届ける。そして、少女が汲んできた水を柄杓のようなもので飲み、残った水を日に焼けた石にかけ、また馬に乗って去って行く。このシーンだけで、青年が少女に恋していることが分かる。セリフがないからといって、無声映画のようにやや大げさな表情で見せる映画というわけでもない。それどころか、むしろ登場人物たちは無表情に近い。でも、伝わってくる。その感じがだんだん心地よくなってくる。


父親が出かけてしまうと少女は草原の家で一人で過ごす。質素な家には電気がないらしく、少女の唯一の娯楽である、ラジオで音楽を聴くにも父親のトラックから電源を取る感じ。東京隣県で生まれ育った身としては、このシンプル過ぎる暮らしを、今さらできるとは思えないけれど、この時間が大切な儀式のように描かれていて、なんだかちょっとうらやましく思ったりもする。


そんな少女の日常に変化が訪れる。相変わらず必要最低限の映像での説明しかないので、どうやらマイクロバスがエンストしてしまい、エンジンを冷やす水が必要になったらしく、近隣で唯一の家である少女の家に、一人の青年がやって来る。彼はドアをノックし、家人がいないかと家の中をのぞくが、少女は必死で隠れる。まぁ、昼間とはいえこんな草原の一軒家に一人でいるわけだから、このくらい警戒するのは当然だと思う。まして、相手は見知らぬ男性だし。青年は庭の井戸を発見し水を汲もうとするけど、井戸には南京錠がかかっている。外そうとしていると、背後にライフル銃を構えた少女が! 息を飲む青年。彼が息を飲んだのは、恐怖感だけではない。少女は南京錠を外し、青年に水を汲ませる。青年は少女の写真を撮って去って行く。彼が恋に落ちた瞬間が美しい。


この青年マクシムは度々少女の前に現れるようになる。夜に訪ねて来て少女の家の壁に、あの日撮った写真を映写機で映して見せたりする。少女が彼に惹かれていく感じも分かる。でも、それはあからさまなものではない。この凛とした美少女は、しっかりと自分の意思を持っていて、心を閉ざしているわけでは決してないけれど、そんなに簡単に恋愛に走ったりしない。初恋の初々しさも感じるけれど、この美少女の表情から感じていたのは、そういうこと。意思の強さ。でも、頑ななわけではない。すでに大人の女性のような・・・ そして少女期独特の色っぽさも感じる。自分が男性の興味を惹いてしまうことを、本能では知っているけれど、それに抵抗を感じているような・・・


そんな青年と少女の恋愛を興味津々で見守っていると、ある夜突然軍服のようなものを来た男たちが家にやって来る。彼らは父親トルガトのトラックなどを捜査している様子。そして、トラックの荷台から箱のようなものを取り出し、数値を測定して驚愕している。そして、乱暴に全裸にされて水のようなものを頭からかけられるトルガト。そして彼は車に乗せられて連れて行かれてしまう。これはいったい何? トルガトは犯罪に関わっていたの? あの箱は何? 麻薬か何か?とか思うけど、相変わらず説明は無い。きっと、このシーンだけで何が行われているのか、トルガトの身に何が起こっているのか分かる人もいると思うし、映画を見終わった後にあれはこういうことだったのかと理解できる人もいるかもしれないけれど、自身は監督インタビューを読むまで分からなかった。伝わらなければ意味がないような気がしなくもないけど、最後の衝撃が伝われば、この映画の言いたいことはほぼ伝わっているのだと思うので、全てを分かってもらわなくてもいいのかもしれない。って、自分が馬鹿なだけかもしれないけど(o´ェ`o)ゞ


後日、家に戻ってきたトルガトはあからさまに具合が悪そう。家から少し歩くと1本の枯れた木がある。その下の長椅子に横になるトルガト。少女は横に腰かけている。トルガトが少し動いたと思ったら、なんと息を引き取ってしまう。えぇ っていうか"実験"ていったい何?! まさか人体実験?とか思うけれど、たぶんそうなのだと思う。少女は家に戻り、ライフルを空に向けて撃つ。すると、馬の青年がやって来る。その後のことは映されないけれど、彼に助けを求めたということなのでしょう。まぁ、彼女一人では父親を運ぶこともできないしね・・・


少女はトルガトを埋葬した後、トラックを運転しあの分かれ道へ、そこでトラックを降りた少女は自分の足で歩き始める。すると、突然有刺鉄線が現れる。絶望というよりも悟ったような表情をする少女。彼女はどこにも行けないということ? これはやっぱり、そういう実験だったのかな? うーん・・・ 家に戻った彼女を待ってたのは、馬の青年カイスンとその家族たち。正装している。こうなった以上、少女ジーマが生きる道は、カイスンと結婚するしかないということなのか? カイスンと彼女の関係が、幼馴染み的なものなのか、それとも親同士で何か取り決めがあったのか、相変わらず情報がないので分からないのだけど、カイスンとしてはジーマに恋しているわけで、彼女に助けを求められれば飛んで来るわけだけど、ジーマにしれみれば頼れる相手はカイスンしかいないけれど、彼を伴侶にとは思えない様子。彼女は三つ編みにしていた長い髪を切る。無言の抵抗?


カイスンと2人きりになると、彼を拒否するジーマ。そこに現れたのはマクシム。2人はモンゴル相撲のようなもので決着をつけることにしたらしい。取っ組み合う2人にライフルを構えるジーマ。そして号泣するカイスン。なるほど・・・ カイスンの献身を思えば切ないけれど、ジーマはマクシムに恋しているし、彼の存在がなくてもカイスンに恋していない以上、ジーマの性格ならば彼と結婚はしなかったかも。


しかし、ライフルを構えるってスゴイな(笑) この映画には何かスペシャルなことをしている人物は出てこないけれど、日常を真剣に生きている人物ばかり。だからこそラストの衝撃がスゴイのだと思う。


マクシムが深刻な表情で海岸みたいなところで佇んでいたのって、このシーンの後だったっけ? このシーンの意味がちょっと分かりにくかったけど、おそらくジーマと共に生きる決意をしているってことだったのかな? ちょっと暗い雰囲気のシーンで、恋する男子のウキウキ感が皆無だったのが心配になったので(笑)


ジーマとマクシムが同じベッドで横になっているシーンが入っているけれど、いわゆるベッドシーンはなし。この日2人が心も体も結ばれたのかは不明。個人的には結ばれたと思っているけれど、ジーマがもう少し大人になるまで待つという選択もあるわけで、その方が美しくて切ないかもしれない。そして、ジーマが清いままの方が残酷かも。愛する人と結ばれることは穢れではないと思うけれど、聖少女的な意味で。


以下、ネタバレありです!


翌日、トルガトが亡くなった木の下で、あやとりをするジーマとマクシム。ささやかな幸せ。突然、強烈な光が2人の世界を包む。そして、爆風が全てを吹き飛ばす。現れる巨大なキノコ雲・・・ そう"草原の実験"とは、核実験。これは久々に驚愕のラスト。まさか、こんな結末が待っているなんて・・・ 今まで見ていたものが全て"無"になってしまった。この時感じた気持ちを表す言葉が浮かばない。虚無感とも違うし・・・ でもきっと、この感覚が監督の狙い。


映画の後に放送されたTIFFでの監督ティーチインによると、カザフスタンで実際に行われていた原爆の核実験を題材にしたとのこと。何も知らされていなかったカザフスタンの人々が、被爆していた事実に驚愕したからだそう。そんな実験が行われていたなんて知らなかった・・・ それはカザフスタンが行ったの? カザフスタンて核保有国だっけ? 調べてみた! これのことかな? セミパランチンスク核実験場|Wikipedia やっぱり旧ソ連か・・・ こんな言い方は何だけど、大義のためなら犠牲も厭わずみたいな感じはそんな気がする・・・ やり切れない


草原の家に軍人たちがやって来て、謎の箱を調べていたシーン。実はここで種明かしをしたくて、詳細は避けていた。謎の箱は実は放射能レベルの高い器具で、要するにトルガトとジーマ父娘は既に被爆している。なのでトルガトは病院に連れて行かれたということらしい。このシーンについての質問が一番多いらしい。まぁそうだよね(笑) トルガトがこの器具を何故持っていたのかについての説明は、インタビュー映像にはなかったので、トルガトが図らずも被爆してしまったのか、何かの意図を持って被爆させられたのかは謎。個人的には、彼の被爆自体も"実験"だったのではないかと思っている。


この映画がいつの時代を描いているのか不明だけど、セスナ機もバスも出てくるのだから、そんなにビックリするほど昔ではなさそう。現在でもこういう暮らしをしている人々はいると思う。映画としては、あえて"いつ"で"どこ"なのかは明確にしていないのだと思う。マクシム以外の登場人物たちはアジア系の顔立ちだけど、セリフが全くないのもその辺りを曖昧にする意図があるのかも?


監督としては、恋愛をするなど他愛もない日常は永遠ではないということを描きたかったそうで、それは十分過ぎるほど伝わった。前半の草原の家でのジーマとトルガトの暮らしは、慎ましやかで、穏やかだった。中盤の馬の青年カイスンとジーマの感じや、マクシムとジーマの恋もおとぎ的だった。その不思議で、美しい幸せが、根こそぎ破壊される感じ。今まで、ディザスター系の映画や、戦争映画、ホラー映画など、いろいろな映画で、人々が虐殺されたり、建物や自然が破壊されたりするのを見てきたけれど、この映画ほど"虚無"のようなものを感じさせられたことはないかも。何もかも失われたという気がした。核兵器を使うってそういうことなのだと監督は考えているということなのでしょう。


キャストはセリフがないため、表情豊かな俳優を選んだと監督が語っていたけれど、皆良かったと思う。表情豊かな俳優とおっしゃっているわりに、ほとんど無表情とも言えるくらい、抑えた演出ではあるのだけど(笑) でも、おそらくそれは狙いで、きっと誰かの日常を覗き見ているような感覚で見せたいのだと思う。ドキュメンタリータッチということではなく。上手く言えないけど・・・ 俳優さんたちは、さすがに誰も知らなかった。マクシムのダニーラ・ラッソマーヒンはロシア系とかなのかな? 彼のみ白人の容姿。繊細そうな雰囲気で、イケメン過ぎないのが良かった。カイスンのナリマン・ベクブラート=アレシェフは、この役にピッタリという感じ! 主人公を一途に好きで、無骨な感じながらいつも助けてくれるけれど、結局失恋してしまう青年が似合い過ぎる←ホメてます! トルガトのカリーム・パカチャーコフが個性的で素晴らしい。だって、え?!このお父さんからこの美少女って思わせないとね。まぁ、監督がそれを意図したのかは別として(笑) ジーマのエレーナ・アンは当時14歳で、プロの女優さんではなかったそうだけれど、その意志のハッキリとした瞳が素晴らしい! セリフがない分、いわゆるセリフ回しでの失敗は回避できるわけだけど、その分本人に魅力がないと場がもたない。彼女がただ父親のためのお弁当らしきものを用意しているシーンが延々と映されたりするわけだから。そういう意味では皆良かったと思うけれど、やっぱりエレーナ・アンの存在感がスゴイ!


見終わった直後は衝撃のラストで呆然としてしまうけれど、思い出されるのは本当に少女ジーマの日常など。撮影監督レヴァン・カパナーゼの画がどこを切り取っても美しい! 何もない草原に引かれた1本の道と、小さな分かれ道。そこに現れるジーマとトルガトの乗ったトラック。トラックが止まり、トルガトが運転席に移って去り、一人家へ歩き出すジーマと、どこからともなく現れる馬に乗ったカイスン。それを全て俯瞰で見せる感じが好き! その美しいけれど、どこか不思議な感じ。


重いテーマを淡々とした語り口で見せる映画は大好きなので、好きなタイプの映画ではあるのだけど、本当に強烈なメッセージを、こんなに美しく淡々と、そして不思議な感じで見せられたら、ラストの衝撃も含めて好きにならずにいられない! とはいえ、何度も言うけどセリフが一切ないし、その不思議な感じがちょっと苦手な人もいるかもしれないけれど・・・


今のところ公開は決まっていないのかな? DVDにもなっていないし、WOWOWもおそらくリピート放送はしないと思われるので、現在見れる手段があるのか不明。なので、オススメしたいけど出来ない でも、公開したら是非見て欲しい映画。自分も映画館で見てみたい!


予告編と思われる動画を見つけたのでドゥゾ(o´・ェ・)っ


 あー!そういえばマクシムに向かって、カイスンがバイクで突っ込んで行くシーンあった! 


第27回東京国際映画祭|草原の実験

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【Googleのロゴ】よいお年を!

2014-12-31 00:22:16 | Google's logo

毎度のGoogleのロゴがこんなことに!

 

 

よいお年を!

 

クリックすると"大晦日"の検索画面に!

当然知ってるけど、一応毎度のWikipediaによりますと・・・

 

大晦日(おおみそか)は、1の最後の日。

天保暦旧暦)など日本太陰太陽暦では12月30日、または12月29日である。

現在のグレゴリオ暦新暦)では12月31日。翌日は新年1月1日)である。

大つごもりともいう。

日本では、年神を迎えることにちなむ行事が行われる。


とのことで、由来などについても記載があるけど、

そちらはWikipediaで!


これGIFだから貼れて良かった!

スクショするの大変で

勝手にやってるだけだけど(o´ェ`o)ゞ

 

W杯とか、アイスバケツチャレンジとか入っててカワイイ

 

検索画面のロゴはこんな感じ

 

みなさま、よいお年を~

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【cinema】『ホビット 決戦のゆくえ』

2014-12-27 04:15:52 | cinema

'14.12.13 『ホビット 決戦のゆくえ』@IMAX 109シネマズ


今年一番楽しみにしていた作品! 早く見たくて試写会応募しまくったのに見事にハズレ。前作『ホビット 竜に奪われた王国』(感想はコチラ)より試写会数少なかったような? 前作は日本公開が遅くて悲しかったけど、今回は世界に先駆けて公開! でも、ジャパン・プレミアなしだったけど・・・ というわけで、導入部から『ホビット』愛があふれちゃってるけど、ずっとこの調子でいきます!( ・Θ・)ゞピヨッ



ネタバレありです!結末にも触れています!


「はなれ山にたどり着きエレボールの扉を開けたものの、地下で眠っていたスマウグを怒らせてしまったビルボ&ドワーフ一行。スマウグは湖の町エスゴラスを焼き尽くす。一方、トーリンは黄金に心を蝕まれ、仲間を疑い始めていた。そして、ドル・グルドゥアではオークの軍勢が集められて・・・」とまぁ、あらすじとしてはこんな感じでしょうかね。面白かった! そして泣いた とにかく2時間半あっという間! これはまた見たい!!


1937年にJ.R.R.トールキン博士が書いた「ホビットの冒険」が原作。もちろん知ってるけど、毎度のWikipediaで調べてみた! Wikipediaの記載によると「ホビットの冒険」が成功したため、続編の執筆依頼を受けて「指輪物語」が書かれたとなっているけど、そもそもは「指輪物語」の構想があって、その前準備のような感じで執筆したのが「ホビットの冒険」なんじゃなかったかな? 『ロード・オブ・ザ・リング』(LotR)シリーズ公開時に、2chで読んだ気がする。まぁ、流れ的には「ホビットの冒険」が先に出版され、その後「指輪物語」を出版することになったわけだし、その辺りを意図的にトールキン博士がしたのか、結果そうなったのかの違いか(笑) 「ホビットの冒険」はカーネギー賞にノミネート、ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン最優秀児童文学賞を受賞したそうで、カーネギー賞というのは、New Yorkのカーネギー・ホールでもおなじみの、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが図書館の発展に寄与した業績をたたえて、1937年に創設した賞とのこと。本作の日本語訳としては、瀬田貞二の訳によるもの(1965年)と、山本史郎によるもの(1997年)があって、自身は瀬田貞二訳を読んだ。もちろん「指輪物語」も瀬田訳で読んだ。


映画は原作の逆の順番で製作、公開された。Wikipediaでは、「指輪物語」と整合性を取るために、「ホビットの冒険」の重版時には改定を行ったと書かれていたけど、逆の順番で製作されたことにより、映画版『ホビット』シリーズでも後の『ロード・オブ・ザ・リング』にリンクするように描かれている。その辺りがファンにとっては( ̄ー ̄)ニヤリポイントで、無条件に映画の評価を上げてしまう点でもあったりする。なので、原作や『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズに全く思い入れのない方からすると、やや冷静さを欠いている感想になってしまうかもしれない。でも、好きなものはしょうがないので、この論調で行く!


さて、前作『ホビット 竜に奪われた王国』は、ものすごく中途半端なところで終わった。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズから、3部作には慣れていたものの、LotRにしても『ホビット 思いがけない冒険』(感想はコチラ)にしても、一応のオチはついていた。ところが前作は、ビルボたちがエレボールの地下から、スマウグを解き放ってしまったところで終わった。正確には、怒りに燃えたスマウグが、湖の町へ向かってしまい、その様子をビルボが呆然と眺めているシーンで終わった。今作は本当にその続きから始まる。もう前2作、少なくとも前作は見ている前提で、話が進行する。さすがにこれだけ3部作だと言っているので、前2作を見ずに今作だけ見る人もいないとは思うけれど、それにしても全くの続きからという潔さ。LotRシリーズでも、前作でもそういう部分はあったものの、ここまでの潔さは初めてかも。今作はとにかく原題の『The Hobbit:The Battle of the Five Armies』というタイトルに偽りなし!というくらい、バトルシーン多め。冒頭からそのリズムを作った編集なのだと思う。


原作はLotRシリーズにハマってから読んだので、立派な大人になっていたのに、全く覚えていない・・・ 自分でもビックリするけど、本当にどうやって終わったのか? 今回のタイトルが"五軍の戦い"にも関わらず、戦いあったっけ?とか思ってしまう始末。何なの? 認知症?! まぁ、でも逆に全てを新鮮な気持ちで見ることが出来ているし、例えば原作には出てこないレゴラスや、完全に映画オリジナルキャストであるタウリエルの登場にも、違和感なく見ることが出来ている部分はあると思う!←言い訳(o´ェ`o)ゞ それにしても、こんなに早くスマウグさんのシーンが来てしまうとは・・・ ベネディクト・カンバーバッチ好きとしては複雑だけど、まぁ画的にはドラゴンだからね(笑) 当然、湖の町は大変なことになってしまうわけで、バルドが忠告したとおり焼き払われてしまう。強欲領主は当然民のことなど見捨てて、自らの財宝を満載した船で逃走。助けを求める声にも耳を貸さない。少し罪悪感を感じる彼に、船に乗せるスペースがありませんからと、しれっと答えるアルフリードが憎たらしい!


さて、もう前作の段階で、スマウグにはデイルの領主だったギリオンの放った矢により、鱗がはがれた個所が胸にあることが分かっている。しかも、バルドはそのギリオンの子孫であることも、スマウグを倒せる黒い矢の残り1本を彼が持っていたことも前作で描かれていた。これは、もう当然バルドがスマウグを倒すことは分かり切っている。後は、それをどれだけドラマチックに見せるかということ。これは素晴らしかったと思う! バルドは前作の段階で、領主に牢に入れられている。家族は、タウリエルやフィリキリたちドワーフと共に船で逃げている。この牢から抜け出す際に、図らずも領主を首つり状態にするのは笑った。もちろん、バルドは正義の味方なので、無駄な殺生はしないため、領主には別の形で鉄槌が下る。この辺りのキャラ設定も良かったと思う。1人櫓の上に登りスマウグに弓を射るバルドのカッコイイこと! その姿を船から見つけた息子バインが、皆の制止を振り切り船を降り、隠していた最後の黒い矢を持ってバルドの元に向かう!


「指輪物語」などを読んでいると、強く感じるのは家系というか、出自を主張するということ。もちろん、バルドのように元領主の子孫なのであれば当然という気もするけれど、例えば『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』の中で、ローハンのセオデン王の側近の息子が「ハマの息子のハラスです」と名乗るシーンがある。まぁ、王の側近なのだからそれなりの地位なのだろうし、苗字がないとするとこんな名乗りになるのかなとは思うけれど、自分から名乗るシーンでなくても、「○○の息子の××」という紹介をされることが多かった。ヨーロッパにはそういう苗字の国が結構あるよね? 『馬々と人間たち』(感想はコチラ)の舞台アイスランドでは、○○の息子という苗字だった。血の繋がり、特に男系の血の繋がりが重要ってことなのだと思う。長々何が言いたいかというと、要するにバインも重要な働きをするだろうと思っていたということ。下手したらバインが弓を射るのか?とも思ったけれど、さすがにそれはなかった。その代りとんでもない役割が! スマウグの攻撃により、櫓は今にも崩れ落ちそうな状態に。スマウグの胸に鱗がはがれた部分を見つけたバルドはなんと、バインの肩を発射台の代わりとして黒い矢を射るのだった! このシーンはちょっとやり過ぎな気がしなくもなかったけど、やっぱりバルドがスマウグを倒して本来の自分の地位を取り戻すということに感動してしまって、泣いた~。・゜・(ノД`)・゜・。 結構早い段階から泣いたけど、順番は逆だけど13年間見続けてきた旅の終わりを見届ける興奮で、映画が始まった段階から涙目だったし(笑)



バルドがスマウグを倒したため、湖の町の人々は彼を頼りに集まって来る。バルドに領主になってくれと懇願するけど、彼はそれを固辞する。でも、領主という称号がないだけで、彼がリーダーであることには違いない。新たなリーダーに取り入ろうと、すり寄って来るアルフリードがイヤらしい。でも、彼のある意味ぶれない性格はスゴイともいえる(笑) バルド率いる湖の町の人々は、本来の彼らの領地であるデイルを目指す。スマウグに破壊された町を再建すべく、トーリンが約束した財宝の分け前を貰いに行こうということになる。まぁ、当然ですが(笑) キーリたちドワーフたちはエレボールを目指すことにする。タウリエルに一緒に来て欲しいと告げるも、彼女は行くことは出来ない。愛を告白し、キーリは去る。タウリエルとレゴラスはオークの動きを探りに向かう。


一方、ドルグルドゥアに捕えられていたガンダルフの元に、オークが迫っていた。そこに現れたガラドリエルがエルフの力でオークを一撃で吹き飛ばす。ガラドリエル様強-------い!∑(゜ω゜ノ)ノ 傷ついたガンダルフを必死で呼び戻すガラドリエル。なんとガンダルフをお姫様抱っこ! えぇ?! そのまま逃げようとするも、ネクロマンサー=サウロンの呪文が聞こえてくる。すると、幽鬼となった9人の王の姿が! 一度力を出してしまうと、疲労困憊してしまうらしいガラドリエル。絶体絶命のピンチに現れたのは、エルロンドとサルマン! サルマンは魔法使い衣装のままだけど、エルロンドは甲冑に身を包んだ戦闘態勢! ナズグルと戦う2人。御年92歳のクリストファー・リーも戦っておられる! まぁ、戦闘シーンは吹替え&CGだと思うけど(o´ェ`o)ゞ ナズグルがどんどん倒される中、姿を現したサウロン。その前に立ちはだかったガラドリエル。渾身の力を込めてサウロンを吹き飛ばす。スゲ------! この時点でガラドリエル、エルロンド、サルマン、ガンダルフの力を集めて、まだ力を取り戻せていないサウロンをやっつけられないのか?!とか思ってしまうけど、手負いのサウロンにとどめを刺そうとするエルロンドを制したのはサルマン。弱っているガラドリエルを、ここから連れ出す方が先だと言い、サウロンは自分に任せろと・・・ ふーん、まぁサウロンを完全に倒すには、一つの指輪を捨てなきゃダメなわけだし。しかし、このサルマンには( ̄ー ̄)ニヤリ


エレボールでは、トーリンが黄金に心を蝕まれ、以前のトーリンではなくなっていた。トーリンは高潔な人物だったし、王として正しい判断を下そうと努力していたけれど、次第に彼の判断が利己的になっていっていることが、前作から描かれていたので、トーリンがこうなってしまうことに説得力がある。ドワーリンが諭すと、出ていけと追い出す始末・・・ そんな、トーリンの姿に困惑しつつも、そばを離れずにいるドワーフたちも辛い・・・ もちろんビルボも辛い。トーリンはビルボのことは辛うじて信じているらしく、彼に友情の証としてミスリルで作った鎖帷子(?)を授ける。これは後に、あの壮絶な指輪を捨てる旅で、フロドの身を守ることになる。なのでLotRファン感涙のシーンでもあるのだけど、トーリンはビルボにドワーフたちの中に裏切り者がいる、誰かがアーケンストーンを盗んだのだと告げる。やり切れない思いをするビルボ・・・ この時点でビルボがアーケンストーンを持っているって描写はもう入ってたかな? ちょっと順番は忘れてしまったけれど、見ている側としては間違いなくビルボは、あのスマウグとのやり取りの中、アーケンストーンを持ち帰ったのだろうと思っているので、この時のビルボの気持ちはよく分かる。彼はアーケンストーンをどうするつもりなのか?


スマウグが倒されたという知らせは中つ国中に知れ渡った。そんな中、闇の森のエルフの王スランドゥイルは、軍勢を率いてデイルにやって来る。エレボールにある財宝の中には、闇の森のエルフの宝もあるのだから、それを取り返しにやって来たというのだった。軍勢を率いてエレボールに攻め入るつもりらしい。バルドは自分に任せて欲しいと申し出て、トーリンの説得に向かう。バルドは領主の館の前で、湖の町の人々に誓ったことを果たして欲しいと言う。前作で、あれだけの演説をして、武器や船を出してもらったのだから、欲深領主が亡くなったからといって、町の人々に約束を果たす義務がある。でも、トーリンは聞く耳を持たない。バルドは辛抱強く説得するけれど、トーリンは姿すら見せない。交渉決裂・・・ その様子を絶望的な気持ちで見ていたビルボは密かにエレボールを抜け出す。


デイルに戻ったバルドは、スランドゥイルに結果報告。スランドゥイルは直ぐにも兵を率いてエレボールへ向かうと言う。そこへガンダルフが現れる。アゾグがオークを率いて攻めて来る! 今は力を合わせてオークの軍勢に備えるべきだ! でも、スランドゥイルは信じない・・・ もう、この眉毛王は本当に厄介だな(*`д´) でも、嫌いじゃない(笑) そこに現れたのはビルボ! アーケンストーンを差し出し、これを使ってもう一度トーリンと交渉して欲しいと言う。まぁ、もうビルボとしてはそうするしかトーリンや、ドワーフたちを救うことは出来ないものね。バルドとスランドゥイルは、それぞれ軍勢を率いてエレボールへ向かう。もちろん、最初はアーケンストーンを持って交渉するが、決裂すれば戦闘も辞さない。ガンダルフはビルボにデイルに残るように言うけれど、自分にも責任があるからと同行する。


戦闘へ向けて籠城の準備をしていたドワーフたち。スランドゥイルは自分がアーケンストーンを持っていることを告げる。信じないトーリンに、エレボール内に戻っていたビルボが自分が彼に渡したことを告げる。トーリンは怒ってビルボを砦から落とそうとするが、ガンダルフが止める隙にビルボは逃げて来る。財宝を渡すか、戦うかと問うスランドゥイルに、トーリンは戦うことを宣言する。そう、ドワーフに援軍が来たのだった。鉄の足ダインの軍勢。見事なフォーメーションで戦闘態勢を作る姿は圧巻! 実はここ、てっきりオークの軍勢がやって来たのだと思っていて、どうもずんぐりと小柄でスタイルが悪いなと思ったら、ドワーフの軍勢だった(笑) ここから、このフォーメーションがガラリと変わって、戦闘態勢をとるシーンが続くけど、これホントにカッコイイ!


ダインの軍勢とエルフ軍&人間軍の戦闘開始と思われた時、山の中腹で複数の頭を持つ巨大なミミズのようなものが現れる! これ、結局ただ現れただけで、何の活躍もしなかったのだけど、一体なんだったんだろう? ガンダルフが「××(名前を失念)じゃー!」って叫んでたので、それなりに脅威的な存在なんだと思うのだけど・・・(´ェ`) まぁ、細かいツッコミはいいね(笑) 巨大ミミズと同時にオークが攻めて来る。とっさに、オークへの戦闘態勢にフォーメーションを変えるダイン率いるドワーフ軍。動こうとしないエルフ軍。ガンダルフはスランドゥイルに共に戦って欲しいと言う。スランドゥイルの返事は見せず、戦闘態勢を取ったドワーフ軍を乗り越えて、華麗に攻め込むエルフ軍のシーンに切り替わる。これカッコイイ! 戦争映画は好きじゃないけど、この華麗な戦闘シーンはゾクゾクした!


オーク軍が2手に分かれてデイルを襲っていることを知ったバルドたちは、急いでデイルに引き返す。そこで、子供たちとも無事再会。家族を守るため必死に戦うバルド。女性と子供を安全な場所に移すように言われるアルフリード。一応任務はこなしつつも、なんとか自分だけ助かろうとするアルフリードにイライラするけど、何故か憎み切れない・・・ 彼がバルドに何のために戦うのかと尋ねるシーンがある。バルドは言葉では答えないけれど、子どもたちを見る。それを見てバカにした表情をするアルフリード。何が愛だ!そんなもののために命を捨てるなんて! そう言う彼は、愛情を知らずに育ってきたのかもしれない。それは、バルドという高潔な人物との対比となっているし、ある意味人間の一面でもあるのだと思う。何度も言うけど原作の記憶が全くないので、アルフリードがここまで大きな役だったのかは謎だけど、LotRでいうところのグリマのような人物。嫌なヤツなのに、どこかで共感してしまう部分がなくもない。そういうのが上手い。


エレボールではトーリンが黄金の山を前に自分と闘っていた。しつこいようですが原作の記憶がないので、トーリンが黄金の誘惑と闘っていたのかすら不明なのだけど、原作にもある描写だとすると、トールキン博士が描きたかったテーマの一つには、欲や誘惑と闘うということがあるのでしょう。LotRも指輪の誘惑と闘う話だし。トーリンはその試練に打ち勝つ! 山の下の王としてドワーフたちの元に戻ってきたトーリンの目に迷いはなかった。必死で戦うドワーフ軍とエルフ軍の中の元に、トーリンを中心に敢然と向かって行く姿は感動的で、でも13人加わっただけだよね?というツッコミも浮かばないほど。浮かんでるけど(笑) イヤ、やっぱり王室のあるイギリスで書かれた物語だけに、王という存在は絶対なのかなと思った。トールキン博士が英国王室をどう考えていたかは不明だし、そういう部分とは別として、縦社会とか前述したように父系みたいなものを感じる物語でもあるので・・・ 「ダウントン・アビー」とか見ていると、男子でないと家は継げないとかあったようだし・・・ そういう中で、王が兵を率いて加わるということは、ドワーフたちの士気を高めるという部分はあるのでしょう。自分たちを導いてくれるという思いもあるだろうし・・・ このシーンは良かった!


さて、トーリンは崖の上にアゾグの姿を見つけ、フィーリ、キーリ、ドワーリンを連れて崖に向かう。しかし、それはアゾグの罠。レゴラスとタウリエルのことを書くのをすっかり忘れていたけど、別途オークが攻めて来るという情報を、ドルグルドゥアのようなオークの要塞(名前失念)で得て来る。あれ?これもうちょっと前だったっけ? だからバルドたちがデイルに戻ったんだっけ? ちょっと順番あやしい(o´ェ`o)ゞ 要するに、これが罠だという情報がもたらされ、ガンダルフの制止も聞かずビルボがトーリンの元に向かうわけです! 絶対にオークに見つかるというガンダルフに対し、絶対に見つからないと自信満々のビルボ。もちろん指輪があるから! 指輪の力で姿を消して、トーリンたちの元へ。タウリエルとレゴラスもトーリンたちの元に向かう。トーリンは、フィーリとキーリをアゾグ追跡に送ってしまう。アゾグに捕えられてしまったフィーリは無残にもトーリンたちの目の前で殺されてしまう。悲しみと怒りでキーリはアゾグを追う。そこにタウリエルが駆けつける。えと、ここでどっちがアゾグで、どっちがボルグだか分からなくなっちゃったのだけど、最終的にトーリンと闘ったのがアゾグでOK? ってことは、ここでタウリエルたちと闘ったのはボルグですかね? もう、何がなにやら・・・(笑) で、タウリエルはボコボコにされてしまい、彼女を助けようとしたキーリは討死 これねぇ・・・ 実は前作の感想書こうとしてて、ドワーフの見分けがつかないもので、Wikipediaなどで調べていたところ、五軍の戦いで討死って書いてあって、いきなりのネタバレでガッカリした覚えが・・・ なので、前作の感想には「あぁだから、今回フィーチャリングなのか・・・ フラグ立ったということ?」と書いている。やっぱりだったのね。・゜・(ノД`)・゜・。


ちょっと展開も早くてあまり覚えてないけど、この後レゴラスが登場してボルグを引き受けたんだっけ? とにかく、レゴラス大活躍シーンがあります! 危ないシーンではトーリンが不本意そうに加勢したりしつつ、ボルグを倒す。エルフなのでタウリエルもそうだけれど、レゴラスの華麗な戦いぶりは本当に徹底してる(笑) うっかりしてたけど、ビルボはというとオークに襲われて気を失ってしまっている。一方、氷の張った湖のような場所で、宿敵アゾグと対峙したトーリン。アゾグはハンマー投げのような武器を振り回しての攻撃。どんどん足場が無くなって行く。一歩も引かないトーリン。このシーンは本当に自然が美しかった。そこに醜いアゾグっていう対比も良かったと思う。意図しているのかは別として・・・ アゾグは氷の中に落ちてしまい、分厚い氷の下を流れて行く。まぁ、通常この状態になったらどんどん流れて行ってしまうので、助けたくても助からないパターンが多いのですが、そうは行かないのが強い敵(笑) 氷の中で目を覚まし、トーリンの足を剣で貫く! 氷を突き破って現れたアゾグと、刺し違える形となったトーリン。アゾグを倒したものの、力尽きて倒れてしまう。意識を取り戻したビルボが駆けつけるも、彼にエレボールでの非礼を詫びながら、息絶えてしまう。えぇー?!トーリン死んじゃうんだっけ?! もう本当にどれだけ原作覚えてないの! 読み返します!!


一方、エレボール前の平原では、エルフ軍&ドワーフ軍とオーク軍の戦いが続いていた。そこに、あの音楽が! そう『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』でのピピン名台詞「The Eagles Are Coming!」の大鷲たち! 大鷲たちに乗って茶色のラダガストと、皮を変える者ビヨルンの姿も! 相変わらず大鷲がやって来たらOKなのであれば、最初から参加してくれよ大鷲!と思うし、ラダガストとビヨルンが一応参加しました程度の描かれ方なのも残念ではあるけれど、まぁ敵の大将であるアゾグと、副将であるボルグが倒されている以上、オーク軍を率いる人はいなくなったわけだからね。一応、戦のセオリーとして敵の大将を倒したら勝ちということなのだと強引に理解(笑)


崖の上ではレゴラスが父王スランドゥイルに、自分は闇の森には戻れないと告げていた。父は息子の思いを理解し、ある人物を探すように言う。ストライダーと呼ばれる人物! キタ━━━━(*゜∀゜*)━━━━!! 名前を問うレゴラスに、それは自分で調べるように言うあたりもニクイ( ̄ー ̄)ニヤリ そして、お前の母親はお前を愛していたと告げる。ちょっとこの辺り、母親とのことが唐突だったのだけど、レゴラスは母親、もしくは母親のことで父親と確執があったのかしら? まぁ、でも冷酷で利己的な男という印象だった、スランドゥイルの父親的一面を見てちょっとドキドキ! リー・ペイスではなくて、あくまでスランドゥイルにではありますが。別にいいけど(笑) このシーンが入ったことで、レゴラスが何故『ロード・オブ・ザ・リング』では、さすらいの身であったのか、そしてアラゴルンと友人であったのかが分かる仕組みになっている。


トンネルのようなところを抜けると、キーリの亡骸を抱き泣いているタウリエル。この胸の張り裂けそうな気持ちは何なのか?と問うタウリエルに、太い眉毛一つ動かさず「それは愛だ」と答えるスランドゥイル。こんなに辛いなら愛などいらないと嘆くタウリエルに、それが真実の愛だから辛いのだと答える。スランドゥイルも真実の愛を失ったのかもしれない・・・ だから、こんな感じになっちゃったのかも。ほぼ、表情を変えずに、その感情を伝えたリー・ペイスの演技は見事! 最後まで己を貫くスランドゥイル。ファンになってしまいました(笑) ヘラジカに乗って戦地にやって来た時は(。・w・。) ププッと思ったけど(笑) でも、このヘラジカ実は角部分にオークを数匹ひっかけて、一気に首をはねるという裏技(?)が出来る優れた乗り物なのでした。あ、せっかくの感動シーンが・・・(o´ェ`o)ゞ


場面変わって、ビルボは家路につくことに。悲しくなるからと、お別れはアッサリ。本当はこっそり帰ろうとしていたっぽい。お茶の時間は14時だからいつでも訪ねて来てと言い残し去って行くのは、本当にビルボっぽい。ホビットっぽいのかは分からないけど、とってもビルボっぽい終わり。あの冒険と死闘の後にしては、本当にアッサリだけど(笑) ビルボはガンダルフと共にホビット庄へ向かうけれど、よく考えるとアーケンストーンはどうなったんだっけ? スランドゥイルからドワーフに返してもらったのかしら? あとバルドたちデイルの人たちは? ちゃんと分け前を貰えたのかしら? スランドゥイルはともかく、ビルボたちが立ち寄る形でデイルの町のその後くらい入れても良かった気もするけれど・・・ と、こうやって感想書いてるとツッコミどころ満載になってしまうのだけど、見ている間は全く気にならない! だってもう、ずっとドキドキして興奮状態だし、とにかく旅がどうやって終わるのか気になって仕方がないから。


ホビット庄手前でガンダルフと別れるビルボ。ここもわりとアッサリ風味だったな・・・ LotRでも旅の仲間として登場するガンダルフだけど、フロドのことはとっても心配しつつ友達という感じではなかった。指輪保持者として守るものという立場というか・・・ でも、ビルボのことは本当に好きなんだなという感じがして、この別れのシーンも好き。そしてガンダルフはビルボに指輪を使い過ぎないようにと忠告する。知ってたのね?! するとビルボは、指輪は無くしてしまいましたと答える。あー!何故か原作のこのシーンだけは記憶にある!! ガンダルフはもちろん嘘をついていることは見抜いているけど、そのまま行ってしまう。


ホビット庄に戻ると、ビルボは亡くなったことにされており、今まさに袋小路屋敷では家財オークションが行われていた。LotRシリーズでもそうだったけれど、世界の危機だというのに、そんなことは別世界の話だというようなホビット庄。そして、どこかチャッカリしているけど愛すべきホビットたち。怒ったビルボが抗議すると、だったら自分がビルボであることを証明しろと言われてしまう。ビルボはトーリンと交わした旅の契約書を取り出す。このトーリンという人物は誰なのかと問われて「彼は友達だった」と答える。泣ける・・・ がらんとした部屋に入るビルボ。指輪が気になる・・・ 指輪の誘惑に少し抗うけれど、結局ポケットから取り出す。すると、ドアを叩く音・・・ 慌てて指輪を隠すビルボ。来客お断り!と叫ぶ。あれ?この声は・・・ すると、古い友達でもか?という声。そう! この日はビルボ111歳の誕生日! 『ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間』の冒頭場面! 。゜(/□\*)゜。わ~ん! ありがとうPJ! ツッコミどころも満載だけど、放りっぱなしのエピソードも多々あるけど、きっちり『ロード・オブ・ザ・リング』に繋がった! これで、無限ループで旅出来る!! 中つ国のあの世界が大好きな人間にとって、これは本当にウレシイ! ずっと中つ国にいれるんだもの!!


終わってしまった・・・ と感慨に浸っていると、ピピンことビリー・ボイドの歌声が流れ、キャスト紹介はキャラの作画。これはアラン・リーだったっけ? ジョン・ハウだったっけ? とにかく中つ国の世界をデザインした、お2人のうちのどちらかによるもの。このエンドロールも泣ける。・゜・(ノД`)・゜・。 終わってしまった・・・ 感動!



キャストについては、もう十分に感想が長い上に、言いたいことがたくさんあって書ききれないので主要キャラのみ一言ずつ。LotRから続投の、オーランド・ブルーム(レゴラス)、ケイト・ブランシェット(ガラドリエル)、ヒューゴ・ウィーヴィング(エルロンド)、クリストファー・リー(サルマン)は、今シリーズ内での出演シーンの多さに関わらず、LotRシリーズのイメージを壊さず、またLotRに繋げる役どころとして素晴らしかったと思う。ややレゴラスの輪郭が四角くなり、フットワークも重くなったような気もするけれど・・・ バルドのルーク・エヴァンスも高潔な人物をイヤミなく演じていたと思うし、スランドゥイルのリー・ペイスの気取り切った役作りは見事! 紅一点タウリエルのエヴァンジェリン・リリーも女性的過ぎず良かったと思う。ホメてます! しかしPJ目の下長い女優さん好きだよね(笑) それぞれの個性を発揮したドワーフたちも良かったと思うけど、最後まで名前と顔が一致しないキャラが数名・・・ 原作にはない異種間恋愛をしたキーリのエイダン・ターナーが、ドワーフらしからぬ切なさを感じさせて良かった。今作では、かなり残念な姿を見せることになってしまったトーリン・オーケンシールドのリチャード・アーミテッジも良かったと思う。王らしく死ぬシーンは良かった!


さて、LotRシリーズ、『ホビット』シリーズとガンダルフを演じたイアン・マッケランには、お疲れさまでしたと言いたい(笑) 『ホビット 思いがけない冒険』では、袋小路屋敷の13人のドワーフ+ビルボとの食事シーンの撮影時、たった1人グリーンスクリーンで演じなければならず、上手く出来なくて落ち込んでいた姿が特典映像に収められていた。改めて大変な役だったんだなと思いつつも、おそらくこれから「ホビットの冒険」と「指輪物語」を読む人の頭の中では、間違いなくガンダルフはサー・イアンの姿をしているのだろうと思うくらい、完璧なガンダルフだった! そして、ビルボ・バギンズのマーティン・フリーマン! 初めてマーティンを認識したのが「SHERLOCK」のジョン・ワトソン役。『ラブ・アクチュアリー』とかも見てるけど、全く覚えてないので(o´ェ`o)ゞ ジョン役も同じカテゴリーに入りそうなキャラクターではあるものの、全くの別人でビックリ! しかも40歳過ぎてこのかわいらしさ! 全体的なキャラ設定もそうだけれど、それを踏まえたちょっとした仕草、例えば『ホビット 思いがけない冒険』での、初めての野宿シーンでの伸びとか、そういう遠景でチラリとしか映らないシーンでさえ、しっかりビルボであるということがスゴイ! まぁ、当たり前といえば当たり前なのだけど・・・ LotRのイアン・ホルムのビルボに繋がるかというと、60年後にああなりますかね?(゜-゜)という気もしなくもないけど、あくまで『ホビット』シリーズのビルボ・バギンズとしては完璧だったと思う!


何より13年間を通して、中つ国という世界を映像化したことがスゴイ! New Zealandは今では完全に中つ国だものね(笑) イヤ、バカにしてはいません! 絶対行こうと決めているし! 本当にあの自然があって良かった! あの自然があってこその中つ国であり、『ホビット』シリーズであり、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズだから。それは、New Zealand出身のピーター・ジャクソン監督だからこそ! ロケ地もよく知っていた場所だったりするみたいだし。本当にオタクのPJが監督で良かった! 同じくオタクのギレルモ・デル・トロ版の『ホビット』シリーズも見てみたかった気もするけれど、やっぱり中つ国はPJに撮ってもらった方がいい気がする! こんなに美しい中つ国を見せてくれてありがとう!


映画としてはやや力技な部分があったと思う。単体で見ると『ホビット 竜に奪われた王国』を超えてはいないと思うし、シリーズ全体としても『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズを超えていないと思う。まぁ、それは原作のスケール感の違いもあるので当然とも言えるのだけど・・・ でも、『ホビット』シリーズの終わりとして、そして『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズへつながる作品として、見事だったと思う! 前述したけど、LotRシリーズのファンとして、無限ループで楽しめる作品を作ってくれてお礼を言いたい! ありがとうPJ!


まぁ、今作だけ見る人もいないと思うけれど、とにかく『ホビット』シリーズで旅立った人は是非旅を見届けて欲しい! LotR見ていない人も、今からでも遅くないので是非、前2作をレンタルして劇場で見て! そして『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズも是非(笑)


追記:そういえばPJカメオ出演シーン見つけられなかった

 

『ホビット 決戦のゆくえ』Official site

コメント (2)
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【MJ】第17回みうらじゅん賞発表!@ニコ生

2014-12-26 21:44:08 | MJ

諸事情あってニコ生の「第17回みうらじゅん賞」間に合った!


ホントはバレエの忘年会に参加する予定だったんだけど、風邪気味のため自粛  ということで、ちょっと始まってしまっていたけど、発表には間に合った! どうやらAHこと安齋肇氏と2人で進行するらしい


 

MJの今年No1映画は『マチェーテ・キルズ』

 

みうらじゅん賞ではないですが、MJファン&映画好きとしては残しておかないとね! 主演のダニー・トレホは第13回みうらじゅん賞受賞者!(記事はコチラ金のカエルトロフィーを喜んで受け取ってくれて素敵

 

第17回みうらじゅん賞1人目の受賞者は楳図かずお先生!ぐわしっ!


楳図先生からメッセージ! 喜んでくれてる!!

 

今年初監督作品『マザー』が公開されあ楳図先生が1人目の受賞者! 喜びのコメントを寄せてく下さった! おめでとうございます

 

第17回みうらじゅん賞2人目の受賞者は、小谷元彦さん! 彫刻家の方らしい・・・

 

小谷さんからも喜びの声が!


恥ずかしながら存じ上げなかったのですが、有名な彫刻家の方らしい! 意外にもMJファンであることが発覚! ラジオを録音したテープががが・・・ 素敵 MJと飲みに行く約束をしているのだそう

 

maru-a-gogo @maru_a_gogo · 23時間23時間前

第17回みうらじゅん賞3人目の受賞者は橋本マナミさん! すみません、どなたでしょうか・・・? ご本人登場!!

 

どうやらグラビアアイドルの方らしい・・・ サンタ衣装で登場! まぁ、いいのですが女性アイドルが加わると、気を使って発表させたりするのが苦手・・・ こういうのは、オッサン2人がゆるくやるのが楽しいのに┐(´-д-`)┌

 

第17回みうらじゅん賞4人目の受賞者は渡辺祐さん! VOW! コメントあり!!

 

タモリ倶楽部の進行役などでもおなじみの渡辺祐氏が4人目の受賞者! 正直、何故今頃と思うけど、どうやら早く上げないと亡くなってしまうからという理由らしい(笑) まぁ、MJもよいお年頃だからねぇ・・・

 

第17回みうらじゅん賞最後の受賞者はリーアム・ニーソン!!もちろんメッセージはないよねw

 

そして最後の受賞者はリーアム・ニーソン! リーアムのことを誰化してきたって言ってたんだっけ? 忘れちゃった・・・ GAGAの協力により、映画予告を編集して、メッセージにしてたの笑った(笑)

 

第17回みうらじゅん賞は下記の方々に決定いたしました。

楳図かずお殿 小谷元彦殿 橋本マナミ殿 渡辺祐殿 Liam Neeson殿 おめでとうございます!

 

ということで、楽しい放送だった!


受賞者の皆様おめでとうございます

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【Googleのロゴ】ハッピーホリデー

2014-12-25 00:30:59 | Google's logo

毎度のGoogleのロゴがこんなことに!



ハッピーホリデー!

やっぱり続いているこのシリーズ(笑)

今回は動画で、いろんな人のクリスマスが紹介されてる感じ?


再生ボタンを押すと、動画が再生されて、

終わると自動で"クリスマス"の検索画面へ。


クリスマスについて詳しくはWikipediaで!

説明は割愛!( ・Θ・)ゞピヨッ


結構長い動画なので、全部をスクショするのは無理

適当に取ったので紹介しておく!





検索画面はこんな感じ

Merry Christmas


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【cinema / DVD】『家族の波紋』鑑賞@WOWOW録画

2014-12-24 23:20:09 | cinema / DVD

録画しといた『家族の波紋』見た。WOWOW放送の日本未公開作品。別荘に集まった裕福な家族の間に、微妙な波紋が広がるという感じで、特別大きな事件が起きることもなく、淡々とした語り口。好きなタイプの映画だけど、DVDに残すほどじゃないかなw トムヒ初主演作品。トムヒファンは好きかも?


 

日本未公開作品を放送する、WOWOWのジャパン・プレミア枠。いろんなタイプの作品が紹介されるけれど、やっぱりミニシアター系というか、派手さはないけどじっくり見れる作品が多いような・・・ 今作もそんな感じ。


「1年間のボランティア活動のため、アフリカへ向かう息子エドワード。旅立ちの前、母親は別荘で家族の時間を過ごそうと提案するが、父親は来ようともせず、家族の間の微妙な溝が浮き彫りになり・・・」という感じの話。まぁ、家族をテーマにした作品は数多く作られてきたので、そんなに目新しい作品でもない。tweetにもあるとおり、大きな事件が起きるわけでもなく、淡々とした語り口なので、夜中に見ててウトウトしてしまい、実は2度目の鑑賞となった(笑)


行間を読ませるかのような説明の少ないセリフ、淡々とした語り口、登場人物たちの問題や微妙なズレを、美しい映像で見せる感じ。そういうタイプの作品は好きなので、この作品も嫌いではない。とにかく映像が好き。舞台となるのはシリー諸島という、イギリス南西部コーンウォール半島の沖合に位置する、140の島からなる場所だそう。その島にある別荘とその周辺が舞台。イギリスにありがちな晴れてはいても、カラッと晴天という感じではなく、わりとどんよりと曇天の方が多い。BGMは一切なく、鳥の鳴き声や、木々のざわめきが心地よい。そこで、朝起きて朝ごはんを食べ、ピクニックに行ったり、海辺で絵を描いたりして、家族で夕食を食べ、そして眠るというような、日常が淡々と描かれる。島だからなのか、太陽の感じも、画から伝わる気温なども違うのに、どこかバリ島とかののんびりとした開放感のようなものが感じられる。でも、描かれているのは家族の中の閉塞感・・・


別荘を持っているのだから、それなりに裕福な家庭なのだと思われる。家政婦の女性も雇っているし・・・ この家政婦の女性との家族の距離の取り方が興味深い。現実的で将来設計もきちんとしている、しっかり者の姉と違い、未だに自分の道を決めかねているエドワードにとって、母親と姉との会話は窮屈。自然、家政婦の女性との会話が増える。姉の言うようにエドワードには、周りを気にして気を遣い過ぎるところがある。悪い言い方をすると、八方美人というか・・・ 母親と、特に姉にとって、家政婦はあくまで家政婦で、雇用者と従業員という関係。この家族の階級がどんな感じなのかは不明だけど、階級社会のイギリスにあって、そういう区別は大切なのかもしれない。姉としては線引きをキッチリすることが、彼女にとってもいいのだという考え。エドワードはその辺りに違和感がある様子・・・


現実的な姉の言う事も間違ってはいないと思うし、20代後半になっても定職もなく、恋人も置いて1年間アフリカでボランティア活動をするという弟を、心配する気持ちも、何をしているのかとイライラする気持ちも分かる。自身はストレスを抱えながら頑張っているのでしょうし・・・ でも、自分が全て正しいという姉の態度もちょっと・・・ 鶏料理に火が通ってなかったとウエイトレスに言うのはいいとしても、生煮えで危なかったのだから、この料理はもう怖くて頼めないからスープにしてくれとか、ちょっと文句の言い方が厳しい・・・ 呼ばれた料理長が、この料理は本来半生で出す料理だと言っても、非を認めないのもちょっと。結果、同席した人々をどんよりさせてしまう。そうやって武装して生きているのかもしれないけれど、これは生きにくいだろうなぁ・・・


父親は結局やって来ない。母親が電話口で涙ながらに懇願しても、あなたなど大嫌いだと罵っても来ない。それが何故なのかは明かされない。おそらくは、エドワードの決断を歓迎していないからなのかな・・・ 確かに優柔不断なエドワードだけど、長い人生ゆっくり決断してもいいのではないかと思われる。まぁ、そうできる恵まれた状況にあるから、そんな状態でいれるということもあるけれど・・・ 家庭の事情によっては、大学も行けずに働かなければならない人もたくさんいるわけだから。でも、恵まれた状況なのはエドワードのせいではないし・・・ 


もう一人画家の中年男性が出てくる。この人の存在があまりよく分からなかったのだけど、母親に絵画指導をしているのかな? 度々、家族と一緒に食事をしたりしている人物。画家という職業柄、結婚は難しいと語る。ある意味大人になり切れていないのか、達観した大人なのか・・・


まぁでも、現実一番"大人"だったのは、家族ともエドワードとも適度な距離を取りつつ、自分の主張はハッキリとする家政婦の女性だったかも?


特別何かが残ったかといえば、そうでもなかったし、テーマとしては心地よいものではないけれど、シリー諸島の自然が心地よく、なんとなく見てしまうというような作品。おもしろかったかというと微妙ではあるのだけど、嫌いではない。別荘の裏庭の感じとか、キッチンの感じとか、自然が上手く取り入れられていて素敵。


トム・ヒドルストンは特別ファンというわけではないけれど、やっぱり気になる存在。『マイティ・ソー』(感想はコチラ)、『アベンジャーズ』、『戦火の馬』、「コリオレイナス」を見たけど、この役とっても合ってる気がした。個人的に一番すごかったのは「コリオレイナス」だけど、この役好きかも。トム・ヒドルストンの繊細でちょっと神経質そうな雰囲気に合ってる。


日本未公開作品だから、見れる機会はあまりないのかな? DVDになってるのかしら? トム・ヒドルストンファンの方にはオススメなのだけど・・・ でも、ロキのトムヒが好きな人には向いてないかも(o´ェ`o)ゞ


【再放送】2015年1月15日 7:00AM @WOWOWシネマ

家族の波紋|映画|WOWOWオンライン

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【訃報】ジョー・コッカー死去

2014-12-24 23:08:04 | news

【訃報】ジョー・コッカー死去 

 

 

そういえば、Raminもtweetしてた・・・

 

Sad to hear about Joe Cocker's passing today. An incredible singer and artist. RIP



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【Googleのロゴ】ハッピーホリデー

2014-12-24 00:14:03 | Google's logo

毎度のGoogleのロゴがこんなことに!

 

ハッピーホリデー!

 

今日のロゴもカワイイ

昨日と同じく年末年始の検索画面へ

同じなので説明は割愛(o´ェ`o)ゞ

 

このシリーズはしばらく続くのかな?

 

検索画面のロゴはこんな感じ

 

Happy Holiday

 

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