'06.11.25 「江戸の誘惑展」鑑賞@江戸東京博物館
これ! 見たかった。ボストン美術館所蔵の肉筆浮世絵展。北斎や広重、歌麿などの肉筆のみの展覧会。浮世絵の多くは版画だけど、裕福な人々が浮世絵師に特別注文して肉筆画を描かせたりしていたのだそう。なのでこれらの肉筆画は正に一点ものの浮世絵ということになり大変貴重。中でも鈴木春信の肉筆は世界でも数点しか見つかっておらずホントに貴重。
土曜日の夕方なら比較的空いているとのことだったので行ってみたけど混んでる。すぐに春信の肉筆画が2点。春信の作品はかなり柳腰。女性の顔も歌麿の細面で切れ長の目とは少し違ってわりと丸顔。それはそれでかわいく品がいい。数点しかない内の2点が見れるのはとても貴重。
北斎はさすがに点数が多い。もちろんどれも素晴らしいけど、中でも「鳳凰図屏風」がスゴイ。八曲一隻の屏風に描かれた鳳凰の力強さと色の鮮やかさ。そんなに大きな屏風ではないので枕屏風として注文されたとのことだけど、この鳳凰に枕元にいられたらどんな夢を見るのだろう(笑) 続いて袱紗に描かれた「唐獅子図」。円の中心にコチラを睨む唐獅子。その周りを取り囲む色とりどりの牡丹。この牡丹はやはり絵師だった北斎の娘が描いたと言われているらしい。
今回よかったのが勝川春章の「石橋図」。有名な能の演目に「石橋」というのがあるそうで、橋の向こう側が文殊菩薩の浄土になっており、その橋を守っている獅子の踊りなのだそう(ちょっとあやふや・・・)で、その獅子に扮した娘の顔と腰つきの美しさ、そして燃えるように赤い髪の迫力。そんなに大きな絵ではなかったけれど素晴らしかった。
もう一点、出口付近にあったこれも勝川春章の「見立て江口の君図」。見立てというのは仏の姿などを見立てた絵(という説明であっているのか?)で、ここでは遊女が菩薩に見立てられている。その顔の美しさ・・・。絵自体は結構大きいけど大きな象に乗っているので女性の顔は小さい。でもホントに優美で美しい。惚れ惚れとしばし見とれる。
身分ある人から注文を受けて描いた肉筆だけに全てかなり力作。彫師、摺師とのコラボレーションで生まれる版画芸術も素晴らしいけど、肉筆の迫力も素晴らしい。とにかく細部まで細かく描かれていて素晴らしい。特に女性の美しい表情、優美な腰つき、着物の柄の美しさ。いい展覧会だった。
『江戸の誘惑』公式サイト
江戸東京博物館HP
これ! 見たかった。ボストン美術館所蔵の肉筆浮世絵展。北斎や広重、歌麿などの肉筆のみの展覧会。浮世絵の多くは版画だけど、裕福な人々が浮世絵師に特別注文して肉筆画を描かせたりしていたのだそう。なのでこれらの肉筆画は正に一点ものの浮世絵ということになり大変貴重。中でも鈴木春信の肉筆は世界でも数点しか見つかっておらずホントに貴重。
土曜日の夕方なら比較的空いているとのことだったので行ってみたけど混んでる。すぐに春信の肉筆画が2点。春信の作品はかなり柳腰。女性の顔も歌麿の細面で切れ長の目とは少し違ってわりと丸顔。それはそれでかわいく品がいい。数点しかない内の2点が見れるのはとても貴重。
北斎はさすがに点数が多い。もちろんどれも素晴らしいけど、中でも「鳳凰図屏風」がスゴイ。八曲一隻の屏風に描かれた鳳凰の力強さと色の鮮やかさ。そんなに大きな屏風ではないので枕屏風として注文されたとのことだけど、この鳳凰に枕元にいられたらどんな夢を見るのだろう(笑) 続いて袱紗に描かれた「唐獅子図」。円の中心にコチラを睨む唐獅子。その周りを取り囲む色とりどりの牡丹。この牡丹はやはり絵師だった北斎の娘が描いたと言われているらしい。
今回よかったのが勝川春章の「石橋図」。有名な能の演目に「石橋」というのがあるそうで、橋の向こう側が文殊菩薩の浄土になっており、その橋を守っている獅子の踊りなのだそう(ちょっとあやふや・・・)で、その獅子に扮した娘の顔と腰つきの美しさ、そして燃えるように赤い髪の迫力。そんなに大きな絵ではなかったけれど素晴らしかった。
もう一点、出口付近にあったこれも勝川春章の「見立て江口の君図」。見立てというのは仏の姿などを見立てた絵(という説明であっているのか?)で、ここでは遊女が菩薩に見立てられている。その顔の美しさ・・・。絵自体は結構大きいけど大きな象に乗っているので女性の顔は小さい。でもホントに優美で美しい。惚れ惚れとしばし見とれる。
身分ある人から注文を受けて描いた肉筆だけに全てかなり力作。彫師、摺師とのコラボレーションで生まれる版画芸術も素晴らしいけど、肉筆の迫力も素晴らしい。とにかく細部まで細かく描かれていて素晴らしい。特に女性の美しい表情、優美な腰つき、着物の柄の美しさ。いい展覧会だった。
『江戸の誘惑』公式サイト
江戸東京博物館HP