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【cinema】『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』

2017-08-30 00:40:27 | cinema

2017.08.12 『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』@HTC有楽町

 

見たいと思って試写会応募しようと思ったんだけど、見つけたのは20時以降の遅い開始時間のしかなかったような? 公開直後はル・シネマと武蔵野館しかやってなくて、渋谷と新宿混んでるからな~💦 と躊躇してたらヒューマントラストシネマ有楽町で上映開始! 三連休中日に見に行ってきた~

 


ドキュメンタリー作品なのであらすじなし! ネタバレはしてるのかも?

 

19歳で世界三大バレエ団の一つ英国ロイヤル・バレエ団の史上最年少プリンシパルに昇格。その2年後電撃退団して世界を驚かせたセルゲイ・ポルーニンのドキュメンタリー作品。毎度のWikipediaは今作どころか本人自体もないっぽいし、公式サイトにもほとんど情報がない💦 私自身もそんなに詳しいわけではないので、ちょっと困った(´ェ`)ン-・・

 

スティーヴン・カンター監督についても触れておきたいと思うのだけど、これまた情報がほとんどない💦 どうやら過去作を見るとドキュメンタリー作品を撮られている感じなのかな? Pixiesのドキュメンタリーも撮っているのね? と、これくらいしか書けないな~💦

 

とりあえずセルゲイ・ポルーニンについてザックリとした説明を書いておこうかな。1989年ウクライナ生まれ。5歳から体操を始めるが、母親がバレエへの転向を決意。13歳で英国ロイヤル・バレエ学校に入学。18歳で英国ロイヤル・バレエ団のソリストとしてデビュー。1年後史上最年少の19歳でプリンシパルに昇格。絶大な人気を得るも、2年後「バレエ団は息苦しい」と電撃退団。このニュースはSNSでの過激な発言などもあり、スキャンダルとして扱われた。2013年YouTubeにUPした「Take Me To Church」が2,000万回を超える再生を記録。

 

ホントにザックリだけど、今作が作られた背景としてはやっぱりロイヤル退団と、「Take Me To Church」の2点が大きいのかなと思う。特別章などに分けて区切られていたわけではないけれど、前半は彼の生い立ちからプリンシパル昇格からの電撃退団。後半はそこからもがいてもがいて「Take Me To Church」と、その後という感じ。ドキュメンタリー作品なのでシーンごとに記述することもないので、ザックリとこの2点を中心に感想書いていこうかなと思う。

 

自分がセルゲイ・ポルーニンというダンサーを知ったのは『オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン』(感想はコチラコチラコチラ)。パリ・オペラ座を舞台としたこのミュージカル作品には、劇中劇としてバレエシーンが2回登場する。このスペシャル公演でなんと英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルのセルゲイ・ポルーニンが躍ってるということで、日本公開時に話題になってた。ポルーニンはこのバレエシーンと2幕最初の仮面舞踏会のシーンで登場。合計しても10分程度の出演だけど、素晴らしい踊りを見せた。本当になんという贅沢!

 

さて、本題! 今作は映像と本人及び家族や友人などのインタビューで構成されていて、ドキュメンタリーの手法としては王道だと思う。作り手側の視点としてはでフラットにしたいという印象だった。本人に寄り添い過ぎたり、英雄視して過剰に持ち上げることもなかったし、逆に貶めることもない。バレエ団との軋轢などがあったとしても、そういう部分は描かれていない。あくまで本人と家族のことに的を絞ろうとしている感じ。一応、退団により生じた障害などにも触れてはいたけど、その部分について詳しく知りたい人にとっては、その件についてのバレエ団側のインタビューは一切ないので、物足りなく感じる人もいるかもしれない。ただまぁ、見せたいのはそこではないということなのかなと思う。前述したとおり、セルゲイ・ポルーニンという人そのものを描きたかったのかも。そういう意味では良かったと思う。

 

お母様によると産婆さんが生まれたばかりのポルーニンの股関節がどこまでも開くことに驚いたらしい。5歳で体操を始めた。どうやら、彼が生まれた場所では男の子は体操を習う子が多かったらしい。お母様は息子の身体能力の高さを見抜き、地元のバレエ教室に通わせることにする。お母様はバレエを習っていたわけでもなさそうだし、特別詳しかったわけでもなさそうだけど、何故息子にバレエを習わせようと思ったんだろう。息子の将来を考えてと言っていたけど、何故バレエだったのかは語っていなかったような? 地元のバレエ教室の先生はとても優しくてよい先生だったようで、後にバレエ教室を訪ねて小さな舞台で踊るシーンがある。

 

この先生の勧めでキエフのバレエ学校に入学。ポルーニンとお母様はキエフで暮らし、バレエ学校の学費を捻出するため、お父様とおばあ様は外国へ出稼ぎに行き家族は離れ離れになる。おばあ様はギリシャで家政婦の仕事をしていたと思うけれど、とても辛かったと語っている。インタビューに答えるおばあ様の横に、さらにお年を召した女性がおり、相づちを打ったりしていたのだけど、ひいおばあ様なのかしら? クレジットが出ていたのかもしれないけれど見落としたのかな? でも一緒に見た母親はこの方もおばあ様(どちらかが父方で、どちらかが母方)で同じく出稼ぎに行ったのだと思ったらしいので、特に説明がなかったのかも? この方はおそらく出稼ぎには行ってない。まぁどうでもいいのだけど、意外にそういう説明が少なかったように思ったので書いておく。

 

キエフの学校でもズバ抜けた才能を発揮。お母様はさらに道を開こうと英国ロイヤル・バレエ学校のオーディションを受けることにする。もちろん合格するけど、ビザは本人にしか下りないということで、お母様はキエフに残りポルーニンは1人で寄宿舎に入る。これにより家族はさらにバラバラになってしまう。ポルーニン家は裕福ではないけれど、個人的には特別貧乏にも思わなかった。中の下くらいかなという印象。なによりバレエ団の学費がどのくらいかかるものなのかの説明がないので、基準がよく分からない。ただ、ローザンヌなどにいわゆる白人系の出場が少ないのは、彼らは裕福な家庭の出身だからだと聞いたことがあるように思う。ローザンヌはそもそも奨学金を得るためのコンクールだからということだったような? ポルーニンはそういう手段はとらなかったのかしら? まぁ英国ロイヤルはそういう生徒は取らないのかもしれないし。詳しくないのでよく分からない。ただ、希望者全員にというのは無理にしても、これほどの逸材ならば奨学金制度や授業料無料などがあってもいい気がする。授業料が払えないばかりにせっかくの才能を諦めければならないのは辛すぎる。

 

ちょっと話が反れてしまうけれど、少し前からブームの英国俳優たち。彼らのほとんどが高い学歴を持ち、演劇学校などの出身。それは高い授業料を払える境遇にあったことを意味していて、要するに貧しい家庭に育った者には俳優という仕事が狭き門となっているという記事を読んだことがある。階級社会のイギリスではそういう傾向が強いのかな? まぁバレエ界と俳優業界では違うかもしれないけれど。ただ、前述したとおり才能がある者が、資金がないばかりに埋もれてしまうのは惜しすぎると思ったので、参考までに記載しておく。

 

さて、話を戻す! ロイヤル・バレエ学校に入学したポルーニンは、バレエダンサーになって家族がまた一緒に暮らせるようにと人一倍レッスンに励んだのだそう。バレエ学校時代の友人のインタビューによれば、いつも居残り練習をしていたとのこと。興味深いのは部屋で一緒に遊んでいても、気を失うように寝てしまうそうで、一度寝ると全く起きないためよく顔にイタズラ書きをされたそうで、仲間が撮った動画が残っていた。そういう体質なだけかもしれないけれど、なんだかいつも張りつめていたのかなと思ったりした。

 

バレエ学校時代の映像もいくつか紹介されるけれど、とにかくズバ抜けている。英国ロイヤルに入学を許されたのだから、同じクラスの生徒たちも選りすぐりであることは間違いないと思うけれど、そのスピード感、キレ、ジャンプの滞空時間、一つ一つの動作の美しさ、そして全体的に優雅で華があって、もう1人だけ全てのレベルが桁違い。それがありありと分かる。もちろん本人も努力しているのだけど、才能があるというのはこんなにも違うのかと驚愕する。これはもう本当に圧倒的な才能の差。

 

18歳でバレエ学校を卒業し、英国ロイヤル・バレエ団にファースト・ソリストとして入団。毎度のWikipediaから引用しておくと、英国ロイヤル・バレエ団は、バレエ・リュスで活躍したニネット・ド・ヴァロアが1931年にロンドンで始めたヴィック・ウェルズ・バレエが、サドラーズ・ウェルズ・バレエ団を経て1956年にマーガレット王女を名誉総裁とする王立バレエ団となった英国ロイヤル・バレエ団は、パリ・オペラ座バレエ団、ロシアのマリインスキー・バレエ団と共に世界三大バレエ団と呼ばれる。あれ?マリインスキーなんだ?てっきりボリショイだと思ってた😲

 

バレエ団には階級があり、それぞれ担うパートが違う。英国ロイヤル・バレエ団の場合は上からプリンシパル(主役)、ファースト・ソリスト(準主役)、ソリスト(役名のある主要な役を踊る)、ファースト・アーティスト(群舞の中の主要な役を踊る)、アーティスト(群舞)となっている。ファースト・ソリストで入団だから、いきなりの準主役! でも、バレエ団の方のインタビューによると、実力はすでにプリンシパルだったけれど、まずはファースト・ソリストからデビューということだったらしい。各ポジションにはそれぞれの役割がある。群舞を踊る人たちは主役を踊る技量がないということかもしれないけれど、皆で同じ動きとポジションができなければならないわけで、そこに才能ある者を押し込めるわけにはいかない。逆に群舞が乱れてしまう。これは納得という感じ。

 

デビュー時から評価と人気を得て、翌年バレエ団史上最年少の19歳でプリンシパルに昇格。これも彼の踊る映像を見れば当然と納得してしまう。とにかく圧倒的。ただ、この頃からSNSなどでの奔放な言動が見られるようになる。鬱になったりもしたんだっけ? コカインの使用もあったとか? 原因はいろいろあったと思われるけれど、映画としてはあくまで家族の問題ということになっている。自分の学費を稼ぐためバラバラになってしまった家族を1つにしたい一心でレッスンに励んできたけれど、なんと両親が離婚してしまったのだった💦 離婚原因については語られないけれど、お母様の方から申し出たことや、お父様の含みのある発言などから、お母様側に何かしらの要因があるらしい。離婚のことだけが原因とは思わないけれど、ポルーニン自身もお母様に対して複雑な思いを抱いている描写もある。

 

うーん。これはかなり辛いと思う。もちろんまだ10代の若者にとって両親の離婚はショックだと思うけれど、自分のために家族が犠牲になっていると感じていて、家族がまた一緒に暮らせるためにひたすら走り続けてきたのに、それがもう叶わないのだと知ってしまったら目標を見失ってしまう。しかも、既にバレエ界のトップに立ってしまった。モチベーションが保てなくなっても仕方がないかも。さらに上を目指してトップを走り続けるという目標に切り替えられればよかったのかもしれないけれど、そう簡単ではないと思う。

 

今作では少年ポルーニンの意思について言及されてなかったように思うのだけどどうだったかな? まだ幼いうちにお母様によりバレエの道へ進まされた。踊ることは楽しかったようだし、嫌いではなかったと思うけれど、自分の意思で始めたことではないわけで、しかもずっと家族のために頑張ってきたわけだし。何のために踊ってるんだろうと自分を見失ってしまうのも分かる気はする。

 

今作が公開されるにあたり、いくつか紹介記事を読んだ。その中にバレエダンサーの待遇についての記事があって興味深く読んだ。(【ELLE】セルゲイ・ポルーニン:バレエ界の反逆児が起こす革命|エル・オンライン)という記事で、プリンシパルになっても契約は更新制で、プロ野球選手の最低年俸にも満たず、ビザも英国ロイヤルで踊っていることを条件に発給されているので、ケガなどで契約解雇となれば即国外退去ということもあり得る状況なのだそう。具体的な金額の記載はなかったので、別途調べてみたところによると、プリンシパルの年俸は1200万円程度ということだったので、普通のOLちゃんからしたらうらやましい金額ではあるけれど、肉体的にも精神的にも酷使する状況で、ましてや世界三大バレエ団と呼ばれる、英国ロイヤルのプリンシパルがその金額だとすると、バレエダンサーの厳しい現実が感じられる。パリ・オペラ座バレエ団は定年(女性40歳、男性45歳)があるように、いつまでも踊れるわけじゃないし。

 

この記事を先に読んでいたため、今作でこの辺りのことが描かれるのかと思っていたのだけど一切語られず。まぁ、友人たちの証言などから、チラチラ感じられる部分があったりもするけれど、具体的なことが語られることはなかった。ポルーニンがロイヤルを辞める理由の中には、おそらく待遇面での不満や不安も少なからずあったと思うのだけど、前述したとおりあくまで家族を取り戻せなかったことによる意欲喪失という形にしたいらしい。まぁそれが一番大きな理由なのだとは思うけれど、ポルーニンが対談の理由を「バレエ団は息苦しい」と言ったことの真意には触れて欲しかったかなと思う。

 

真の理由はともかく、バレエ団を飛び出す形で辞めてしまったポルーニンを受け入れる場所はなかった。本人はアメリカで踊りたいと考えていたようだけれど、どこも入団を拒否されたとのこと。あれだけの実力と名声があっても、そんな感じなのか。バレエ界は結構保守的というか閉鎖的なのね。本人もここまで大事になるとは思ってなかったのじゃないかな。どうやらポルーニンはロシアで勝ち抜け方式のテレビ番組に出演していたらしい。結構大きめのホールのような場所での公開録画っぽい映像。男女の司会者がいて、応募者たちがそれぞれ芸を披露して、何週間が勝ち抜いていくというようなシステムっぽい。それぞれの得意分野で競う感じなので、バレエダンサーだけというわけではなく、民族衣装を着た男女ペアなどの姿も。他の人たちのレベルが分からないけれど、元ロイヤルのプリンシパルのする仕事じゃないことはよく分かる。でも、それだけ道が閉ざされてしまったということなのかな。

 

当然ながら優勝。ちょっと忘れてしまったのだけど、この番組を見てだったか、ポルーニンに声を掛けた人がいて、その人の元でバレエ団にゲスト出演する形になったのかな? ちょっとこの辺りの経緯がよく理解できていなかったのか、忘れてしまった。この方がとってもいい人で、とても親身になってくれる。冒頭のシーンは、この頃の楽屋風景だったのだと分かる。心臓の薬など数種類を流し込んで舞台に向かう姿は、痛々しいというより少し狂気のようなものを感じる。それだけ追い込まれていたのかもしれない。舞台から戻ったポルーニンの姿も印象的。全身汗だくで疲れて切っている様子。でも、テンションが高いみたいな。別にはしゃいでるわけでも、怒っているわけでもないのだけど、やっぱりそれだけエネルギーを使うということなんだろうなと思う。全身を襲う虚脱感と、興奮する神経。いろんなタイプの人がいると思うので、舞台を降りたらキッパリ切り替えられちゃう人もいると思うし、ズッシリ引きずっちゃう人もいると思う。ポルーニンはやや後者よりなのかな?と思った。切り替えがしにくいタイプでもないと思うけど、スカッとしちゃうタイプでもないような?

 

この頃のポルーニンの立ち位置的なもの、例えばゲストダンサーとして出演しているとか、どのバレエ団に出演しているのかとか、収入はどんな感じなのかについて詳しく描かれていなかったと思うので、その辺りがモチベーションにどのように作用していたのかが分かりにくかったのだけど、自ら選んだ道とはいえこの不安定さはちょっと辛いかもとは思う。

 

退団当時、ポルーニンがどこまで先のことを考えて辞めたのか不明なのだけど、アメリカで踊りたいと思っていたと言っていたので、こういう状況になってしまうとは思っていなかったのかも。結局本当に煮詰まってしまったようで、振付師をしているバレエ学校時代の友人に、引退するので「Take Me To Church」を使って振付をして欲しいと依頼する。

 

2人はデビッド・ラシャペルに撮影を依頼。撮影場所はハワイの森の中の廃屋?に決定する。監督の考えとしてはとにかくポルーニンを撮ること! 当然のことなのだけど、出来上がった映像を見ればその意味が分かる。内面を映したいという精神論的な部分もそうだけれど、単純に顔ばかり映してイライラするというようなことが全くない! さすが優れた監督だなと思った。当たり前のことなんだけど、とにかくテレビのカメラマンとか多いのよ! まぁ、テレビで見せたいのは人物そのものだってことなのかもしれないし、表情を映すことも大事ではあるけれど、上半身ばかり映して足元が全く映らないとか平気であるから! 足元の映らないダンスシーンなんてあり得ないわ!(*`д´) ダンスは体全体で踊るものだからね。顔で踊ってるんじゃないんだよ!(*`д´) と、日ごろのイライラが爆発してしまって申し訳ない🙇

 

この動画はYouTubeでアップされて、自身も見たことがあり記事(コチラ)にもしている。その時には引退作品のつもりで撮ったとは知らなかったけれど、感想に「この怒りなのか、憤りなのか、自分の中の感情をぶつけた舞踊がスゴイ!」と書いている。怒りの表情で踊っているわけではないし、振付けもそのような表現はない。でも、そう感じた。爆発しそうな思い。跳躍の高さや、回転の速度の速さなどのテクニック的なことや、全てのポジションの美しさなどもさることながら、そのことに衝撃を受けた覚えがある。コンテンポラリー苦手な自分が、本当に魅了された。ハワイの白い光の中で踊るポルーニンは、その爆発しそうなエネルギーを発しながら、浄化されて光り輝いていくようだった。

 

YouTubeを見た人たちも衝撃を受けたようで、再生回数が爆発的に伸びて行く。今作製作時には1300万件だったようだけれど、現在は2100万回以上再生されている。メディアなどで取り上げられたこともあるかと思うけれど、やっぱり見た人の心に響くものがあったのだと思う。バレエのテクニックなど難しいことは分からなくても、彼が素晴らしいダンサーであることは素人でも分かる。そして思いのたけをぶつけていることも分かる。それが怒りなのか、憤りなのか、悲しさなのか、喜びなのか。何を感じるかは見る人によって違うかもしれないけれど、言葉にならない気持ちをぶつけていることが伝わって来る。多くの人の心を動かすのは、そういうものなんだと思う。発信する側が真摯に向き合って、もがいて生み出されたもの。単純に人に負けたくないとか、こう思われたいとかそんな欲を超えた何か。それを見事に表現できた時に、それが何であれ芸術に昇華するのだと思う。それは奇跡の瞬間であり、そう何度も訪れるものじゃない。だから、そういう瞬間を求めて劇場に足を運ぶのだと思う。少なくとも自分はそう。現在はそれを映像で残しておける。初めて見た時の感動は味わえなくても、素晴らしいものは何度見てもいい。これを残せたことはポルーニンにとっても、見る側にとっても幸せなことだと思う。

 

この動画が多くの人の支持を得たことにより、ポルーニンは再び踊り始める。ウクライナ時代の恩師の元を訪ねる姿が印象的。とても穏やかな表情をしていた。講堂のような場所で小さな舞台がある。狭いのでポルーニンが本気で踊ることはできないけれど、軽く踊って見せる。目をキラキラ✨させて見つめる子供たちの姿に救われる。

 

今まで家族に見られることを嫌い、決して招待しなかったポルーニンが、家族を招待したのは、再び踊り始めてからだったよね? お父様とおばあ様と抱き合う姿が印象的。異国で学費を稼ぐため働いてくれた2人。お母様には複雑な思いがあるようで、後日訪ねるシーンがある。自分を支配したと言うポルーニンに、そうしなければ道が拓けなかった、生まれ変わっても同じことをするというようなことを語るお母様。うがった見方をすれば、この母によりポルーニンは少年時代を奪われ、家族も奪われたことになる。複雑な思いはあると思う。でも、お母様が自分の才能を見つけて、それを伸ばしてくれたことで今の自分があるわけで、それは決して辛いばかりではなかったのではないかな。最後に踊ることは好きだと語っているしね

 

何が幸せかは分からない。普通の人の普通の暮らしにも波風は立つし、山も谷もある。そもそも普通がなんだかよく分からないし。まぁ、19歳で世界的な名声を得る人生が普通でないことは確かで、奪われた少年時代も帰っては来ない。でも、凡人が決して見ることができない世界を見ているわけで、それはきっと凡人が思っている以上に、辛く厳しい道なのだとは思うけれど、でもその先に見える世界も凡人には絶対見ることができない。バレエ以外に何もないと思うかもしれないけれど、凡人にはそれすらない。だから選ばれし者に憧れるし、自分の夢を託してしまう。それがまた重荷になったり励みになったりするのだろうけれど・・・

 

なんだかまとまらなくなってきたけど、見ながら思っていたのはそういういこと。天才ダンサーだろうが凡人OLちゃんだろうが人生は一度きり。迷いながら生きていくしかない。壁の大きさは人それぞれ、壁を超えるのか、回避して新たな壁にぶつかるのか。それでも超えて行くしかない。一観客としてはポルーニンが壁を超えて戻って来てくれてよかったと心から思う。

 

今作では触れていなかったように思うけれど、現在ポルーニンはドイツのバレエ団のゲストダンサーをしているらしい。俳優業にも意欲を示しており、12月に公開される『オリエント急行殺人事件』にも出演している。たしか伯爵役だったはず。端正な顔立ちで品があるからピッタリ。これはとっても楽しみにしているので見に行こうと思っている。

 

公開から1ヵ月くらい経ってから見たし、感想書くのも時間がかかったから、もう上映終わっちゃったかな? やや踏み込みに欠ける部分もある気がするけれど、バレエ界の抱える問題を描きたいわけではなく、あくまでセルゲイ・ポルーニンという人物を描きたいということなんだと思う。そういう意味ではとてもキレイにまとまっていたと思う。見ていて楽しい作品ではないけど、見終わった後スッキリとしたものを感じる。バレエシーンが本当に美しく、1つ1つは短いシーンながらポルーニンの素晴らしさが伝わる見せ方が良かった。とはいえバレエがメインではないので、普段見ない人でも楽しめると思う。

 

今行き詰っている人にオススメ。バレエ好きな方是非! セルゲイ・ポルーニン好きな方必見! って言われなくても見てるか(o´ェ`o)ゞ


そうそう! お腹や背中にかなりタトゥーがあったけど、左腕に『ダークナイト』(感想はコチラ)のヒース・レジャーのジョーカーが入れてあったの印象的! 右腕もヒースかな?


これね

 

『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』Official site

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【Googleのロゴ】ジェームズ・ウォン・ハウ 生誕118周年

2017-08-28 23:11:25 | Google's logo

毎度のGoogleのロゴがこんなことに!

 


ジェームズ・ウォン・ハウ生誕118周年


すみません どなたでしょう?
毎度のWikipeidaによりますと・・・


ジェームズ・ウォン・ハウ
(James Wong Howe, 黃宗霑, 1899年8月28日 - 1976年7月12日)は中国で生まれ、
ハリウッドで活躍した撮影監督。サイレント時代から活躍し、
130本以上の映画撮影を手がけた。
1955年の『バラの刺青』と1962年の『ハッド』でアカデミー撮影賞を受賞。


台山市に生まれるが、生まれた年に父親がアメリカに働きに行き、
5歳で家族と共に移住した。
ワシントンD.C.で育つ。
若い頃はボクサー志望であったが、
ロサンゼルスに移った後にさまざまな仕事に就き、ある映画スタジオに働き口を見つけ、
セシル・B・デミル監督の元で働くようになり、
ヘンリー・小谷から撮影の全てを学んだ。


とのことで、これは全コピ

撮影監督だったのね?! 映画好きなのに知らなったとは💦


主な作品が記載されているけれど、自分が見たのは『雨のニューオリンズ』だけかな?
『ピクニック』、『死刑執行人もまた死す』など気になってた作品もある!
今度見てみよう~


しかし、このロゴカッコいいね
検索画面のロゴはこんな感じ


生日快樂!

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【diary】『スパイダーマン:ホームカミング』鑑賞(感想は後日)

2017-08-26 23:53:51 | dairy

🎬【diary】『スパイダーマン:ホームカミング』鑑賞(感想は後日)🎬

 

 

 

スパイダーマンについてはやっぱりサム・ライミ版が最高だと思っているので、どうしようかな?と思ったのだけど、アヴェンジャーズと絡むということなので見ておくことにした。

 

 

 

ザックリした感想はTweetどおり。感想は後日UP予定。今『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』書いてるからその後。頑張る

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【Googleのロゴ】My Birthday 2017

2017-08-19 00:48:44 | Google's logo

毎度のGoogleのロゴがこんなことに!

 

 

おたんじょうびおめでとう!

そう、わたくしのBDをお祝いしてくれております!

ワチョ――ヽ(・∀・)ノ――イ♪

 

クリックすると8月19日の検索画面に飛ぶ。

せっかくなので毎度のWikipediaから引用!

 

8月19日(はちがつじゅうくにち)は

グレゴリオ暦で年始から231日目(閏年では232日目)にあたり、

年末まであと134日ある。


とのことで

主な出来事といえば・・・

 

紀元前43年 - オクタウィアヌス(後の初代ローマ皇帝アウグストゥス)がローマに入城。

元老院に自らを執政官に選出するよう強要する。

 

1281年 (弘安4年7月27日) - 元寇: 弘安の役における鷹島沖海戦。 

平戸島から太宰府目指して進軍する元軍と日本軍による海戦。

 

1858年安政5年7月11日) - 日露修好通商条約締結。

 

1929年 - ドイツの飛行船「LZ 127」(ツェッペリン伯号)が世界一周飛行の途中で日本に到着し、

霞ヶ浦航空隊基地に着陸。

 

いろいろあったけど、興味深かったのはこのあたりかな~

 

8月19日生まれの有名人は・・・

 

1743年 - デュ・バリー夫人フランス国王ルイ15世公妾(+ 1793年

 

1848年 - ギュスターヴ・カイユボット画家(+ 1894年

 

1871年 - オービル・ライト、ライト兄弟の弟(+ 1948年

 

1883年 - ココ・シャネルファッションデザイナー(+ 1971年

 

1934年 - 降旗康男映画監督

 

1942年 - 松本幸四郎 (9代目)歌舞伎役者

 

1945年 - イアン・ギランミュージシャンディープ・パープル

 

1946年 - ビル・クリントン、第42代アメリカ合衆国大統領

 

1953年 - ナンニ・モレッティ映画監督、俳優

 

1986年 - 木村沙織バレーボール選手

 

ふかわりょうとかもいたけど、気になったのはこのあたり。

シャネルと松本幸四郎は知ってたけど、

イアン・ギランは知らなくてビックリ😲

個人的にちょっとツボ

 

このロゴ、カーソル合わせるとこんな感じでメッセージが

 

 

検索画面のロゴはこんな感じ

 

お誕生日おめでとう! 自分! 

 

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【cinema / DVD】2017年7月鑑賞まとめ

2017-08-17 00:23:24 | cinema / DVD

🎬【cinema / DVD】2017年7月鑑賞まとめ🎬

 

毎月恒例、劇場、DVD、WOWOW放送録画などで鑑賞した映画について、coco投稿を中心とした感想まとめ記事。8月バタバタしてて気がづいたら半分以上終わってた💦 早過ぎる~💦💦 

 

ってことで、まとめをドゥゾ♪(っ'ω')っ))

 

 

 

 

#112.『マリー・アントワネットに別れを告げて』@WOWOW(2017年7月1日鑑賞)

coco投稿

『マリー・アントワネットに別れをつげて』宮廷側から描いたフランス革命。

実際は案外こんな感じなのかも?

登場人物が多く名前も複雑で覚えきれない💦

衣装とセットが豪華で、レアセドゥとダイアンクルーガーが良かったけど、あまり惹き込まれず。



#113.『プラダを着た悪魔』@WOWOW(2017年7月2日鑑賞)

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『プラダを着た悪魔』今見るといろいろアレだけど、

どんどん洗練されていくアンハサを見ているのは楽しかったし、ドタバタも楽しめた。

仕事の辞めっぷりなどツッコミどころもあるけど、こういうタイプの映画ならOK👌

メリル素晴らしい👏



#114.『殺されたミンジュ』@WOWOW(2017年7月3日鑑賞)

coco投稿

『殺されたミンジュ』ミンジュ=民主だそうなので殺された理由がなくてもOKなのだけれど、

いろいろ中途半端だったかも。

拷問シーンもギドクにしてはゆるく感じた。

1人8役も社会悪を表していると思うけど分かりにくい💦

マドンソクが良かった👍



#115.『荊棘の秘密』@WOWOW(2017年7月5日鑑賞)

coco投稿

『荊棘の秘密』面白かった!

重い話で痛いシーンも多いのにポップな曲が流れたりする感じがあざとくなくていい👍

オチがやや強引な気もするけど、それじゃなきゃ韓国映画じゃない!

ってこれパクチャヌク脚本なのね?なるほど!

ソンイェジン熱演👏



#116.『しあわせな人生の選択』@ヒューマントラストシネマ有楽町

(2017年7月7日鑑賞) 感想はコチラ

coco投稿

『しあわせな人生の選択』治療を辞め終活を始めた主人公と、

カナダから駆けつけた親友の4日間。

大きな事件は起きないけれど、オジさん2人の友情に涙💧

原題でもあるトゥルーマンがじんわり沁みる🐕

いろんな愛。

主演2人が素晴らしい👏🏻


『しあわせな人生の選択』すごくワインが飲みたくなる映画だった🍷



#117.『シン・ゴジラ』@WOWOW(2017年7月9日鑑賞)

coco投稿

『シン・ゴジラ』おもしろかった!

初期ゴジラの形態とか、役者たちの説明的で早口のセリフ回しも約1名を除いてアニメ的で楽しめた。

あの女優さんのキャラも逆におもしろかったけどw

政府と官僚の感じも興味深い。

新幹線や電車爆弾が好きだった♡



#118.『あなた、その川を渡らないで』@WOWOW(2017年7月12日鑑賞)

coco投稿

『あなた、その川を渡らないで』結婚76年の老夫婦の日常を描いたドキュメンタリー。

老夫婦には老い、子供たち世代には親の介護などいろいろな問題が描かれるけれど、

ドキュメンタリーとしては普通かな。

でもお2人が愛し合い支え合う姿は感動😢



#119.『オフィス 檻の中の群狼』@WOWOW(2017年7月14日鑑賞)

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『オフィス 檻の中の群狼』衝撃的な一家惨殺から、まさかの社畜問題、

そしてサイコサスペンスへの流れがおもしろい。

いろいろツッコミどころ満載だけど、

キム課長と主人公の演技と顔が印象的で引き込まれた。

オチは早い段階で読めたけど楽しめた。



#120.『ダーク・プレイス』@WOWOW(2017年7月15日鑑賞)

coco投稿

『ダーク・プレイス』シャーリーズセロン×ニコラスホルトってことで期待したのだけど、

特別ニコラスホルトじゃなくてもいいような?

髪型変だし💦

オチは切ないし謎解きもハラハラするのだけど、なんとなくピリッとしない。

シャーリーズ良かった👍



#121.『女は冷たい嘘をつく』@WOWOW(2017年7月16日鑑賞)

Twitter投稿

『女は冷たい嘘をつく』 ジャパンプレミア枠。

おもしろかった!

娘を誘拐された母親が主人公のサスペンスでありつつ、

シングルマザーと外国人妻の問題も描いていて、どちらも見応えあり。

女同士だから許せない、女同士だから分かる。

オムジウォンとコンヒョジンが素晴らしい👏



#122.『造られた殺人』@WOWOW(2017年7月17日鑑賞)

coco投稿

『造られた殺人』誤報をスクープ報道しちゃった主人公が真犯人を追うサスペンスだと思っていたら、

意外にコメディタッチ。

それがちょっと自分には合わず😢

離婚寸前な設定はいいけど子供の件は不要な気も。

そこも含めたラストはそれでいいのか?



#123.『すばらしき映画音楽たち』@WOWOW(2017年7月21日鑑賞)

coco投稿

『すばらしき映画音楽たち』映画音楽をただ紹介するだけではなくて、誕生の裏話とか、

何故その作曲家に依頼したかなどが描かれていて興味深い。

普段何気なく見ているけれど、音楽の果たす役割がよく分かった。

音楽を聴いただけで映像が浮かんでくる!



#124.『プライドと偏見』@WOWOW(2017年7月23日鑑賞)

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『プライドと偏見』3回目の鑑賞。やっぱり好き❤️

100分de名著見てから見たので、プライドと偏見が上手いこと描かれていることがよく分かった!

キャリーマリガンとか出てて豪華キャスト。

皆キャラに合ってる。

衣装やセットが素敵✨

 

ということで、7月は13本鑑賞。うち劇場鑑賞1本。試写会数本当たってたのに体調不良やら残業やらで行けずに残念💦 8月は何本見に行けるか?

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【dairy】『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』鑑賞(感想は後日)

2017-08-13 01:09:16 | dairy

【dairy】『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』鑑賞(感想は後日)

 

 

すごく見たかったのだけど、渋谷も新宿も混んでるから行きたくなくて(o´ェ`o)ゞ そしたらHTC有楽町で上映開始! ただし17:00~💦 ってことで3連休の中日に見に行ってきた!

 

感想Tweetをドゥゾ♪(っ'ω')っ))

 

 

 

 

ということで3つも投稿しちゃった! 早速感想書こうと思っているけど、書くの遅いからいつ仕上がるかな~💦 頑張る!

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【art】「黒柳徹子×田川啓二SUTEKI!展」

2017-08-13 00:59:34 | art

🎨【art】「黒柳徹子×田川啓二SUTEKI!展」🎨

 

 

 

黒柳徹子さんと、ビーズ刺繍家の田川啓二さんのコラボ展。母親がお友達の方からチケット頂いたということで、『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン』見に行くついでに行ってきた! 

 

日本橋髙島屋8階ホール。会場は別の企画展と半分ずつの展示ということで、狭いスペースにぎっしり展示してあって、会場内も混んでた💦 混雑も相まってなんだかとってもボリュームがあった印象だけど、実はそんなに点数は多くない。なので、空いている時間帯に見に来てたらちょっと拍子抜けしたかも? 

 

とりあえず感想Tweetしといたのでドゥゾ♪(っ'ω')っ))

 

 

田川さんの作品自体はとっても美しくて、ビーズの刺繍の細かさも素晴らしいし、色合いやデザインも素敵だった。全体的にピンクが多くてちょっと色彩過多で目が疲れたけれど、どれも本当に美しい。アラビアのビーズ刺繍の布をパッチワークしたというドレスが素敵だった✨

 

黒柳さんの展示は着物が多く、どれもとっても素敵だった。あと個人的に犬筥のコレクションが興味深かった。雌雄で対になった犬の張子で、安産祈願のお守りとして飾られたとのこと。とってもかわいい♥


とっても素敵だったけど、会場内狭くて導線も悪いし、点数も少ないので大人800円は高いかな~💦 自身は頂いたチケットでタダで見たので満足できたけど、お金払ってたらちょっと不満だったかも。


🎨黒柳徹子×田川啓二SUTEKI!展:2017年8月3~16日@日本橋髙島屋8階ホール

黒柳徹子×田川啓二SUTEKI!展 ふたりが集めたステキがいっぱい|髙島屋

 

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【Googleのロゴ】今日はヒップホップ誕生44周年記念

2017-08-12 01:51:54 | Google's logo

毎度のGoogleのロゴがこんなことに!



今日はヒップホップ誕生44周年記念


もちろん知ってるけど、一応毎度のWikipediaで調べてみた



ヒップホップ (hip hop) は、1970年代のアメリカ合衆国ニューヨークブロンクス区で、

アフロ・アメリカンやカリビアン・アメリカン、

ヒスパニック系の住民のコミュニティで行われていたブロックパーティから生まれた文化。


 

80年代には、ヒップホップには三大要素があると言われていた。

ラップ、ブレイク・ダンス、グラフィティ・アートがその構成要素である。

現在ではMC、DJ、ブレイクダンス、グラフィティが四大要素であるという説もある。

これにスクラッチとブレイクビーツが加われば構成要素は、ほぼ出そろう。

hipはかっこいい(スラング)、hopは(ぴょんと)跳ぶ/跳躍するという意味で、

アフリカ・バンバータは、音楽やダンスのみならず、

ファッションやアートを含めた黒人の創造性文化を

「黒人の弾ける文化」という意味を込めてヒップホップと呼称した。

これは1974年11月のことだったとされる。

このことから、11月を「Hip Hop History Month」として祝う習慣がある。

 

 

単に「ヒップホップ」と言った場合、

文化から派生したサンプリング打ち込みを中心としたバックトラックに、

MCによるラップを乗せた音楽形態を特に指すことが一般化しているが、

これらは本来はヒップホップ・ミュージックあるいはラップ・ミュージックと呼ぶのが正しい。

90年代以降の音楽業界用語では、なぜか簡潔にラップとは呼ばず、

ヒップホップと呼ぶようになった。



とのことで、概要や詳細などについてはWikipediaで!



このロゴ再生ボタンを押すと、ヒップホップを演奏することができる


再生ボタンをクリック

ここまでが捜査説明

マウスでドラッグしてスクラッチ

BPMをクリックするとテンポが変えられる

タスクをクリアするとレジェンドたちが表示されるらしい?

 

まだタスク2/10なのだけど、正直ヒップホップ苦手💦

しかも眠いのでこの辺で・・・

 

検索画面のロゴはこんな感じ

 

Keep it real!

ヒップホップ用語から適当にチョイス

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【Googleのロゴ】山の日 2017

2017-08-11 17:53:44 | Google's logo

毎度のGoogleのロゴがこんなことに!



山の日 2017

8月11日が山の日ってことは知ってるけど、

具体的な由来とかは知らないな~💦


とはいえ、毎度のWikipediaはない様子。

この記事

(8月11日「山尾日」とは一体何をする日なのか|政策|東洋経済オンライン|経済ニュースの新基準)

によると、


日本山岳協会(現 日本山岳・スポーツクライミング協会)などをはじめとした山岳関連5団体が

「山の日制定協議会」を発足させ、

国民の祝日にするための運動が始まったといいます。


全国的に山に親しみをもってもらうためには夏休み中がよく、

お盆の時期にすれば、帰省してふるさとの山に親しむといった効果が得られるし、

経済や教育への負の影響も少ないのではというような議論もあり、

さまざまな調整の末に8月11日とする法律改正案が取りまとめられました。


とのことで・・・


国民の祝日に関する法律の第2条には、山の日が以下のように定義されています。

「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」


とのこと。

なるほどね


急に登山をしなくても、里山へハイキングなどでOKとのこと。

とはいえ、なかなかハードルが高いけど


検索画面のロゴはこんな感じ



山に感謝


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【cinema】『しあわせな人生の選択』

2017-08-10 00:22:36 | cinema

2017.07.07 『しあわせな人生の選択』鑑賞@ヒューマントラストシネマ有楽町

 

試写会応募したけどハズレ ということで自腹で鑑賞。テアトル系会員は1,000円で鑑賞できる金曜日に見に行ってきた~

 


ネタバレありです! 結末にも触れています!


「カナダに住むトマスは、ある選択をした親友フリアンに会うためにマドリードを訪れる。会うのはおそらくこれで最後。滞在期間の4日間。2人は人生を楽しむ」というあらすじはちょっと違うかな。断り書きはしているけれど、あらすじの時点ではネタバレしたくないのでボカして書いたら中途半端な感じになっちゃった。まぁいいけど。大感動って感じじゃないけど、重いテーマをユーモアを交えて描いていて、心にじんわりしみてくる作品だった。そしてやっぱり泣いた。

 

セスク・ゲイ監督作品。脚本もトマス・アラガイと共同で手掛けている。公式サイトには簡単な紹介しかなく、毎度のWikikediaも英語版しかない。スペインのアカデミー賞と呼ばれるゴヤ賞を何度も受賞しているのだそうだけれど、作品を見るのは初めてで、お名前も今回初めて知りました。すみません 今作は監督がお母さまの闘病生活を体験したことで、この経験をユーモラスな形で残したいと考えたことから製作したとのこと。

 

毎度のWikipediaによりますと、2015年のトロント国際映画祭の現代ワールドシネマ部門と、2015年のサン・セバスティアン国際映画祭のコンペティション部門で上映されたとのこと。受賞歴としては、2015年のサン・セバスティアン国際映画祭では、リカルド・ダリンとハビエル・カマラが揃って主演男優賞を受賞。2016年2月に開催された第30回ゴヤ賞では、作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞(ダリン)、助演男優賞(カマラ)の5部門(最多)を受賞した。とのこと。

 

見たいと思ったのはリカルド・ダリンとハビエル・カマラ共演作だったから。ゴヤ賞ではハビエル・カマラが助演男優賞を受賞しているけれど、他の賞では2人とも主演男優賞受賞、もしくはノミネートとなっているので、おそらくW主演という形なのかと思われる。どちらが主演なのかとなると、やっぱりリカルド・ダリンなのかなと思うけれど、明確ではないけれどハビエル・カマラ側の目線で描かれていると思う。狂言回しというほどではないけれど。ということで、映画もトマス(ハビエル・カマラ)がカナダを出発するところから始まる。

 

トマスは曇天の中家を出て空港に向かい、飛行機に乗って飛び立つ。これはラストシーンと呼応する形となっている。カナダやマドリードの天候具合がよく分からないし、舞台となった4日間の季節がいつなのか説明がなかったように思うけれど、主人公たちはジャケット着用適度の服装だったので、春か秋? 物語のテーマやこの曇天具合からすると秋頃なのかな? 全体的に快晴という日はなかったように思うので、これはやっぱり意図的なのかなと思う。

 

うーん。どうやって感想書こうかな。というのは、前述したとおり実際のテーマは重いのだけど、描かれているのはおじさん2人の4日間。大きな事件が起こるわけでもないし、フリアンの現状についても説明的なセリフがあるわけでも、2人が切々と語り合うわけでもない。会話の中で自然に主人公たちの人となり、彼らの現状、そして再会と別れが描かれている。例えば、トマスがフリアンが出演する舞台を見に行くことで、フリアンが役者であることが分かるという感じ。全体的に監督の意図どおりユーモラスな形で描かれており、テンポもいいので飽きてしまうことはないけど、ホントに普通のことが描かれている。だから1つ1つのエピソードを事細かに書いても、あまり面白さが伝わらないかもしれない。実際は主演2人の演技が自然で楽しいのだけど、それを文章で表現できる自信がない

 

ということで、つらつら何が言いたいかというと、シーンごとに詳細と感想を書くのはなくて、自分が印象に残ったシーンや必要だと思った部分以外はザックリとした記載にしようかと思うということ。不要なシーンはなかったと思うけれど、記載しても伝わりにくかったり、おもしろく書けなさそうな部分については、シーン丸ごと省く場合もあるかもしれない。まぁ、勝手に書けばいいとは思うし、こんなブログ誰も見てないと思うけど、一応公開している以上はちゃんとしておきたいので、断り書きとして入れておく

 

さて、映画に戻ることにする。冒頭、カナダから旅立ったトマスがスペインに到着し、ホテルにチェックインするまでを淡々と見せる。そして、あるアパートへ向かう。呼び鈴を押すと出てきたのは初老の男性。トマスの親友フリアン(リカルド・ダリン)。フリアンの姿を見て涙ぐむハビエル・カマラの演技が素晴らしい! ハグはしたけど、 欧米人にありがちな、大きなリアクションが一切ない。単純に久しぶりに親友に会ったというだけではない、複雑な思いでいっぱいになって、とても感動して感情が高ぶっていることが、派手な演技はしていないのに伝わって来る。素晴らしい

 

2人は懐かしそうに、でも少しぎこちなく会話を始める。会話から少しずつ状況が分かる。フリアンはある重大な決心をし、それに不満を持った従妹のパウラ(ドロレス・フォンシ)がトマスに相談したことから、彼が訪ねて来ることになったらしい。フリアンは親友との再会を喜びつつも、トマスが自身の決心について苦言を呈するようならば、帰って欲しいと言う。それを受けてトマスはそんな意図はないと言いつつも、やはりチラチラと小言を言ったりする。この感じが上手い。この時点でフリアンが決心したことについて詳しくは語られないけれど、トマスがフリアンの体調を聞いたりする様子を見れば、それが病気に関連することであることは分かる。これ以降もこんな感じで、フリアンの息子や元妻など人はたくさん出て来るけれど、せいぜい従妹のパウラが潤滑油になるくらいで、まるで2人芝居を見ているような感覚。そしてこの2人の掛け合いが楽しい! ボケとツッコミというか、フリアンが振り回してトマスがサポートすると感じ。

 

翌朝、フリアンに連れられて行ったのは動物病院。そこでフリアンは愛犬トルーマン(トロイロ)についていろいろ質問をする。トルーマンは老犬なようだけれど、話の内容的にはフリアン亡き後、トルーマンをどうするべきかという相談らしい。里親に出す場合に注意すべきことなど細かく聞く。ペットも飼い主を失うとショックを受けるのだろうか? 医師はいろんな意見があるけれども、自分はショックを受けると考えるとのこと。事前情報としてフリアンが重い病であることは知っていたこともあるけれど、どう考えても自分の死後の話をしているのに、他人ごとのように、でも熱心に聞くフリアンの姿に、見ている側は状況を理解しつつ、重くなり過ぎることがない。そして、何も知らされずに連れてこられたトマスの反応がユーモラスで、ニヤリとしてしまう。ユーモラスなのであってコミカルではないのがいい。この辺りの語り口が上手いと思った。そして主演2人が上手い。

 

動物病院を訪ねた後だったかな? フリアンがトマスにお互いよい刺激をもらった的なことを言い出す。自分はトマスから見返りを望まないことを学んだと言い、自分はトマスに何を与えたかと問う。トマスは少し考えてから立ち向かう勇気だと答える。そんな会話を例えば飲みながらしみじみとかではなく、街角で立ち話的に話してしまうのがまたいい。

 

この後もフリアンはこの調子でトマスを振り回すことになる。まぁ振り回しているわけではなく、フリアンはフリアンの考えがあってしていることで、彼にとっては必然。そこに突然現れたトマスが異端分子なわけなんだけど。でも、見ている側はトマスよりももっと情報が少ないわけだから、彼目線で見るしかなく、結果トマス同様振り回されることになる。そして、それが内容の重さにも関わらずちょっと楽しかったりする。それは、やっぱりフリアンがトマスと一緒にいることを楽しんでいるからなのだと思う。その辺りもいろいろ上手い。

 

フリアンはトルーマンの里親探しをしている。LGBTの女性カップルの家を訪問する。2人は息子のために犬を飼いたいと考えていて、できれば1日トルーマンを預かって様子を見たいと申し出る。フリアンはこれを了承。息子ちゃんは登場しなかったけれど、きちんとしたカップル。フリアンは亡くなってしまうのだから、生きているうちに飼い犬の里親を探しておくというのは、飼い主の義務だと思う。でも、やっぱり何も知らないトルーマンが切ない

 

結局、もう1日様子が見たいということで、2日間トルーマンを預けるけれど、残念ながら先方から断られてしまう。切ない その後、別の里親候補に会うも、ゴージャス熟女はカフェ店員への態度から人種差別的だと判断し、断ることになりトルーマン問題は難航中。

 

翌日、フリアンはトマスを連れて病院へ。フリアンの病気は末期の肺ガンで、現在では全身に転移している。医者は化学療法を提案するけれど、フリアンはこれを拒否。今後も病院には来るし、痛みを和らげる治療は続けたいけれども、どのみち助からないのだからガンの進行を遅らせるための化学療法をするつもりはないと告げる。トマスは考え直すように説得するけれど、お前は今考え始めたけれど、自分は一年間考え続けてきたと言われてしまう。こう言われてしまえばぐうの音も出ない。もちろん簡単に納得できるものでもないけれど、確かに余命が数ヵ月延びるだけと言われればそうで、そのためにかかる費用も大変な負担。あまり売れているとは思えない俳優のフリアンには貯えもあまりない様子。治る見込みがあるならば、借金をしてでも治療をするだろうけれど、数ヵ月寿命が延びるだけならば、ある程度の年齢になっていればフリアンのように考えることもあるのではないだろうか。フリアンとトマスの年齢設定が分からないのだけど、リカルド・ダリンの実年齢は60歳。亡くなるには早いけれど、金銭的そして肉体的、精神的な負担を考えれば、化学治療を止めて、覚悟を決めて終活したいと考えるかもしれない。

 

そうこれは終活の話。だからフリアンはトマスを連れて葬儀社にも行く。葬儀の費用やら棺桶の種類。火葬にするのか、散骨はどうかなど。担当者も親身になって説明してくれる。海外のキリスト教圏の葬儀自体は映画などで見たことがあったけれど、そこに至るまでの手配などについてはあまり見たことがなかったし、コミカルなわけではないけれどユーモラスに描かれているので興味深く見てしまう。イヤ、大切なことだからね!

 

翌日、時間の空いたフリアンとトマスは、フリアンの息子ニコ(ウリオール・プラ)に会いに行くことにする。てっきりマドリードにいると思っていたトマスだったが、なんとニコはアムステルダムに留学中。それでも会いに行くと言い張るフリアン。しかも飛行機代はトマス持ち(笑) でも、このフリアンが病気のことは別としても憎めない人なのだった。トマスは金銭面では余裕があるようで、前日だったか前々日だったかに、いくらかお金を置いていくと申し出ている。そのままもらうのでは気が引けるので、何かの缶に入れておいてくれと言われたりしている。いくら親友でも何故ここまでトマスがするのかとも思うけれど、それはもうフリアンの人柄であり、トマスの人柄なのかなと思ったりもする。2人の出会いや関係については会話の中で交わされていたかもしれないけれど、そんなに詳細に語られるわけではない。なので、見ている側としては2人の友情については、見せられているシーンから感じ取るしかないわけで、その辺りの信頼関係とか、トマスばかりが手を差し伸べているように見えるけれど、逆の立場だったらフリアンもそうするのだろうとか、そういうことが理解できる演出になっているし、主演2人の演技から伝わって来る。そういうのが見ていて本当におもしろい。

 

話が反れてしまったけれど、2人はアムステルダムに向かう。留守電にメッセージを残したものの、直接連絡がとれないまま。大学ロビーで佇む2人。アンティーク調の素敵な校内。無事に会えるのか?と思うけれど、もちろん会える(笑) でも、突然来ちゃったので講義スケジュールの都合もあり時間がない。ランチならなんとかという感じだけれど、フランス人の彼女も同席。この彼女が同席したってことで、大きな作用があったわけではないけれど、実はフリアンは息子に病気のことを話しておらず、今回きちんと話すべきだとトマスに言われていた。結果、フリアンは話せなかったのだけど、そのことの言い訳にもなっているのかなとも思う。いくら息子の恋人とはいえ、初対面の第三者がいる前でする話じゃない。それを察してトマスはさりげなくフリアンと息子が2人きりになれるように席を外すけれど、フリアンは言い出せない。そして、話せないまま別れの時。講義に戻るニコを見送るフリアン。するとニコは戻ってきて父親をハグする。その様子から見ている側としては、ニコは父親の病気のことを知っているんだなと思うわけです。でも、フリアンは翌日偶然会った元妻から、息子に全て話したことを聞かされるまで気づかない。そんなものかな?と思ったりもするけれど、そもそも飛行機の中でトマスから言われるまで、ニコに話すつもりはなかったわけだから、知られたくないという気持ちもあって、そういう部分が作用しているのかもしれない。

 

トマスはフリアンの舞台を2度見に行っている。スペインの演劇事情はサッパリ分からないけれど、そんなに大きな劇場じゃない。でも満員。それなりに人気があるのかな。2度目に見た時、楽屋でフリアンと話していると、劇場のオーナーがやって来て、フリアンの病状を心配し自宅で養生するようにと言う。要するに体よく解雇されたということ。その夜ではなかったと思うけれど、トマスとバーで飲んでいた時、トイレに行こうとしたフリアンは既に失禁してしまっていることに気づく。トマスはショックを受けつつも優しく慰める。

 

最後の夜。トマスはフリアンの家で料理を振る舞う。パウラも一緒に食事を楽しむ。でも、フリアンの一言で状況が一変する。いよいよという状況になったら薬を飲んで自らの手で人生を終わらせようと思うというのだった。30代ぐらいと思われるパウラにはこの話は受け入れがたいものだったようで、彼女は怒って出て行ってしまう。失禁のことがあったからかトマスとしては、もちろん賛成ではないものの、パウラのように真っ向から否定ということもできない様子。これは年齢的なこともあるかなぁ・・・

 

どんな状況だって、自分が同じ状況になってみなければ真に理解するのは難しい。そして、人それぞれ価値観や考え方が違うのだから、同じ立場だって同じ結論になるとは限らない。でも、自分はフリアンの気持ちは分かる気がした。実際フリアンもそれを成し遂げることが出来るのかは不明だし、自分が出来るとも今は思わないけれど、どんどん自分が自分でなくなっていく中で、尊厳を持って人生を終わらせたいという気持ちは分かる気がする。要するに自殺するってことだから、それを聞かされてしまえば、はいどうぞとは言えないので、パウラの気持ちも理解できる。フリアンとしては大切な2人、特にトマスに知っておいて欲しかったのでしょうけれど、聞かされてしまった方は辛い

 

フリアンの家を出たトマスは、彼を待っていたらしいパウラと彼の部屋に向かう。激しく肌を重ね合った後、トマスは号泣する。2人の行為自体はいらなかったのでは?という意見もあるようだけれど、個人的は必要かなと思った。1人では受け止めきれなかったということがとっても伝わって来たので。トマスには奥さんがいるわけで、もちろんいいこととは思わないし、妻の立場であれば複雑だとは思うけれど、少なくとも見ている側には、2人がそうせざるを得ないことは理解できた。

 

翌朝、一緒に部屋を出たトマスとパウラは、ロビーで待つフリアンの姿を見つけてバツが悪そう。その感じがコミカルで場が和む。実際はとても重いものを抱えた3人だけど、そのことについては触れず、何事もなかったかのように振る舞う。空港、ゲートに向かうトマスと別れの言葉を交わすフリアン。多分、もう会えない。とっても切ないけれど、お互いそれを分かった上で、きちんと別れをできることはある意味幸せなのかもしれないとも思う。するとフリアンが連れて来ていたトルーマンのリードをトマスに渡す。そして書類を渡す。フリアンはトルーマンの里親にトマスを選んだのだった。ここで、フリアンが以前、自分には息子が2人いて1人がニコで、もう1人がトルーマンだと語ったことが生きて来る。そう、大切な家族だからこそ、一番信頼できる親友に託した。スペインとカナダの事情は分からないけれど、動物の検疫って数日でできるものではないのでは?というツッコミはなしで! フリアンがトマスに託したことが重要なので。トマスはフリアンの死だけじゃなく、トルーマンの死も引き受けなければならなくなるのだけど。命を預かるってそういうことだからね。映画はトルーマンを連れたトマスが去って行くところで終了。まさかこんな風に終わると思わなくてビックリ。ここで原題『TRUMAN』の意味が分かって涙

 

キャストは皆良かったけれど、従妹のパウラと息子のニコがアクセントになっているくらいで、ほぼ2人芝居という感じ。パウラのドロレス・フォンシは、ちょっと気が強いけど人情的で魅力的な女性を好演していた。この方、ガエル・ガルシア・ベルナルの元奥さんなのね! ニコのウリオール・プラも繊細な感じが良かったと思う。ハグはグッと来た

 

とはいえ、前述したとおり主演2人に尽きるという感じ。常に冷静で常識的でありながら、ユーモアもあるトマスをハビエル・カマラが自然に演じる。この自然というのが重要でトマスという中年男性にしか見えない。ホント演技上手い。派手なことはせず、ただその人として存在しちゃう。全体を通して上手いと思ったけれど、やっぱりフリアンと再会した瞬間のあの表情が素晴らしかった。

 

リカルド・ダリンが少しだらしなくていい加減に見えるけれど、情に厚く自分を客観視できるフリアンをこちらも自然に演じている。最初は説明もなく重い話にトマスをつき合わせて振り回しているように見えるけれど、トマスが来ても自分のペースを崩さないというのは、逆にフリアンなりの誠実さなのかなと思ったりもする。トマスが何故自分に会いに来たのか知っているわけだからね。常識的なトマスと比べるとダメな部分も多いけれど、それがフリアンの魅力となっていて、とてもかわいい

 

そうそう名脇役を忘れていた! トルーマン役のトロイロがかわいい。ブルマスティフという犬種だそうでブスカワ 自閉症の子供たちと接するように訓練された優しい子で、リカルド・ダリンととても良い関係を築いたそうなのだけど、撮影直後に亡くなってしまったのだそう。・゚・(ノД`)・゚・。 その知らせを聞いたリカルド・ダリンは涙ぐんでいたとのこと。トロイロが天国で楽しく過ごしていますように。

 

特に大きな事件は起きない。アムステルダムに行った以外は、動物病院や葬儀社に行ったくらい。まぁ、その内容が重いのだけれど、ユーモラスに描かれているので重くならずに見れる。なによりおじさん2人がかわいく見えてくる。特にフリアンがかわいい。1日目の夜には電話をかけてきて、トマスに買ってもらった死に関する本の話をし、翌日には里親に会わせるためトマスの部屋でトルーマンを洗う。酔いつぶれてトマスの部屋に泊まり手を握って寝たり、トマスに泊まりに来てくれるように言ったりする。パウラとの件も含めて、トマスの部屋が効果的に使われていると思った。

 

カフェで出会った2組の知人の件とか書きたいこともあるのだけど、長くなってきたのでこの辺で。フリアンのように余命宣告を受けたわけではなくても、死はいつか必ず訪れる。残された人に迷惑をかけないよう、そして自分が納得して死ねるように準備しておくことは必要だなと思った。終活の大切さを感じた。そういうことをユーモアを交えて押しつけがましくなく描く。とても良い作品だったと思う。2人が飲むワインがおいしそうで、ワイン買って帰っちゃった(o´ェ`o)ゞ

 

見てから1ヵ月以上経ってしまったけど、8月9日現在レイトだけど18日までHTC有楽町で上映中。じんわり心にしみる作品好きな方おススメ。リカルド・ダリン、ハビエル・カマラ好きな方必見です!

 

『しあわせな人生の選択』Official site

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