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【art】「日本国宝展」鑑賞@東京国立博物館 平成館

2014-11-29 00:00:00 | art
「日本国宝展」鑑賞@東京国立博物館 平成館
なんと20分待ち?!この時間に来て待ちだったことってほとんどないのに (@ 東京国立博物館 平成館 in Taitoku, 東京都) https://t.co/KiVjkqmX11 http://t.co/j34ZEIdawh Posted at 06:15 PM



前売り買ってたのだけど、ついつい行きそびれてしまっていた。前期と後期で展示内容が変わったりするから、時期を見てとか、土日は混んでるだろうから20時までやってる金曜夜に・・・とか思っているうちに、あと残すところ10日くらいになってしまった 最終週には金曜日以外も20時まで延長になったので、ちょっぴり嫌な予感はしたものの・・・ なんと夜でも20分待ちの入場規制! イヤ、結構人気の展覧会でも、夜間に来て入場規制あったの初めてかも?

中も結構混んでたけど、とりあえずじっくり見たいもの以外はチラチラ後ろから見る感じで、あとは空いてるところから見るとか、いろいろ作戦を駆使して頑張ってみた! ということで、以下感想! 後から、チラチラ追記しようかな?

【国宝展①】素晴らしかった!国宝しかない展覧会ってなんて贅沢!!"雲中供養菩薩像南14号・北13号"は飛天!なんとも優美?平安時代のものだけど"日本書紀"が見れるってスゴイ!仏画の"孔雀明王"も素晴らしかった! http://t.co/IK7VluYYxu Posted at 11:01 PM


東京国立博物館 平成館

東京国立博物館平成館はとにかく広いので、見応えはあるのだけど疲れる(笑) でも、やっぱりこのくらいの規模じゃないと、国宝の魅力は伝えられないよね・・・ とにかく、展示してある全てが国宝ってホントに贅沢!


雲中供養菩薩像 南14号


雲中供養菩薩像 北13号

京都平等院所蔵の"雲中供養菩薩像 南14号・北13号"は飛天。飛天(Wikipedia)というのは、諸仏の周囲を飛行遊泳し、礼賛する天人のことで、光背や天蓋などに配されることが多い。とにかく優美なお姿が大好き! 飛天を集めた展覧会が開催されるなど、仏像好きの間でも人気が高い。

平等院(世界遺産 平等院)鳳凰堂中堂母屋内側の長押(なげし)上の小壁(こかべ)に掛けられているそうで、全部で52体あるのだそう。南側26、北側25まで番号を振っているそうで、舞を姿や楽器を演奏する姿が表現されているとのこと。今回の展示はその中から南14号と北13号。平安期の名仏師定朝周辺の仏師作ではないかと言われているそうで、そのお姿の優美なこと・・・ 特に鼓を持たれた南14号様の、やや女性らしいお姿が素敵! よく52体も残っていたなあ・・・


孔雀明王

孔雀明王(Wikipedia)は、仏教の信仰対象であり、密教特有の尊格である明王の1つ。 衆生を利益する徳を表すとされるのだそう。仏様にはそれぞれの悟りの段階においてランクがあって、上から如来、菩薩、明王、天。明王は如来が変化で、主に憤怒の表情で表されることが多い。

仁和寺(仁和寺について 文化財(絵画・襖絵)|世界遺産 総本山 仁和寺)の"孔雀明王"は南宋時代の中国で描かれたものらしい。どういう経緯で日本に来たのかな? 孔雀明王様は明王の中でも唯一慈悲を表した菩薩形で表される明王様で、そのお姿の神々しさが素晴らしい。でも、感動したのは明王様が乗っておられる孔雀! その細かい羽根の描写はもちろん、少し首を曲げて正面を向いた顔の凛とした美しさが素晴らしい!!

【国宝展②】"金印"は20分待ち!枠の外からなら並ばずに見れるけど、そもそも2×2センチくらいだから、近くで見ないと無理!それにやっぱり「倭奴国王」を見ないとね Posted at 11:04 PM


金印

金印(Wikipedia)は11月30日までの12日間限定公開。これもお目当ての1つだったので、是非とも間近で見たいということで、20分待ちという列に並ぶ。実際は見物時間も含めて20分程度だったと思う。枠の外からなら並ばずに見れるというけれど、ガラスケースの中に入っているし、そもそも2×2cmくらいの大きさなので、まず見れないと思う! それに、なんといっても印字の面を見ないとね!


「漢委奴国王」

金印自体は、金で作られた印ということで、いろいろあるようだけれど、一番有名なのがこの「漢委奴国王」(Wikipedia)と彫られたこの金印。「倭奴国王」とtweetしてしまったけれど、本当は「漢委奴国王」これは、正面に来ると下に設置された鏡で見る感じ。これは、是非並んで見て欲しい! だって弥生時代の印鑑だよ?! スゴイ!!

【国宝展③】お目当の仏像は、"普賢菩薩騎乗像"が優美で素晴らしかった!あと"観音菩薩坐像・勢至菩薩坐像"は大迫力!臨戦態勢というよりは、落ち着いていらっしゃる印象だけど、やっぱりオーラがスゴイ!"元興寺極楽坊五重小塔"も素晴らしい!!よく運んだねー Posted at 11:09 PM


普賢菩薩騎乗像

普賢菩薩(Wikipedia)大乗仏教における崇拝の対象である菩薩の一尊。文殊菩薩とともに釈迦如来の脇侍として祀られることが多い。法要では四七日の仏とされるとのことで、象に乗ったお姿で表されることが多い。

大倉財団(大倉集古館)所蔵の普賢菩薩騎乗像は優美なお姿。人々を導くため悟りを開く手前で踏みとどまっておられる菩薩様は、王子であったころの釈迦の姿を模しているため、華美な装飾で美しいお顔で表現されることが多い。普賢菩薩の眷属は十羅刹女とされ、また時として十羅刹女たちの母鬼子母神も眷属とされるそうなので、女性的でもあるのかも・・・


左:勢至菩薩坐像 右:観音菩薩坐像

勢至菩薩(Wikipedia)は、仏教における菩薩の一尊。「大勢至菩薩」、「得大勢至菩薩」と表記されることもある。現在日本では午年の守り本尊、十三仏の一周忌本尊として知られている。観音菩薩(Wikipedia)は、仏教の菩薩の一尊であり、北伝仏教、特に日本や中国において古代より広く信仰を集めている尊格である。「観世音菩薩」(かんぜおんぼさつ)または「観自在菩薩」(かんじざいぼさつ)ともいう。「救世菩薩」(くせぼさつ・ぐせぼさつ)など多数の別名がある。とのことで、共に阿弥陀三尊(Wikipedia)の脇侍。阿弥陀如来がお2人を連れて来迎される様子を表す際、脇侍のお2人は膝をついて今にも立ち上がりそうなお姿をしていることが多い。

今回展示の三千院(三千院の文化財:彫刻|天台宗 京都大原三千院)の勢至菩薩坐像、観音菩薩坐像は臨戦態勢というよりは、落ち着いていらっしゃる様子だけれど、スゴイ迫力。大きさのせいもあるかもしれないけれど、やはりこの来迎している感じはスゴイ! これは三尊揃ったお姿を見たい!!


元興寺極楽坊五重小塔

実際の五重塔と同じ工法で作られているそうで、高さ5m50cmは大迫力! どうやって運んだんだろうと思ったら、これは解体できるそうで、解体して運び展示室内で組み上げたらしい。元興寺(元興寺公式サイト・元興寺文化財研究所公式サイト)は行ったことあるけど、奈良町の中にある小さなお寺。由緒あるお寺なのは知っていたけど、こんな大きな塔があったなんて・・・

【国宝展④】土偶かわいかった!やっぱりメインは"縄文のビーナス"だけど、個人的には"合掌土偶"が好きなんなの?あの口w Posted at 11:14 PM

ちょっと展示の順番が違っちゃったけど、今回の展示のイチオシ土偶さんたち! 土偶(Wikipedia)は、人間(特に女性)を模して、あるいは精霊を表現して作られたと考えられる土製品で、日本では、縄文時代に[1]沖縄県を除く地域で製作された。古墳時代に製作された埴輪とは区別される(これは古墳に埋葬されるなどするものである)。また、故意に破壊されたと見られる状態で出土することが多い。とのこと・・・


縄文のビーナス

今回の目玉はやっぱりこの、茅野市の"縄文のビーナス"(国宝「土偶」(仮面の女神と縄文のビーナス)|茅野市)ですかね。茅野市からは"仮面の女神"も出展されていたけれど、やっぱりこのちょっとコミカルな"縄文のビーナス"に和んだ。縄文時代の人々が作ったのかと思うと感慨深い・・・


合掌土偶

青森県(八戸市-国宝「合掌土偶」)八戸市埋蔵文化財センターの"合掌土偶"のかわいさもスゴイ! この体育座りもそうだけど、なにこの口(笑)

【国宝展⑤】そして!本日のメイン!安倍文殊院の"善財童子" カワイイ!カワイイよ善哉!!なんて健気な… これは絶対安倍文殊院行かないと!渡海文殊見たい!! Posted at 11:16 PM

さて! 今回の自分的メイン安倍文殊院の"善財童子"! 善財童子(Wikipedia)仏教の童子の一人であり、『華厳経入法界品』、『根本説一切有部毘奈耶薬事』などに登場する。とのことなのだけど、安倍文殊院おこの方は、文殊菩薩様の脇侍。文殊菩薩(Wikipedia)は、大乗仏教の崇拝の対象である菩薩の一尊。一般に智慧を司る仏。文殊菩薩が布教のため4人の脇侍を従えて、海を渡る姿を現したものを渡海文殊菩薩と呼ぶ。阿部文殊院ではこの渡海文殊菩薩を見ることができる。

善財童子は、インドの裕福な家庭に生まれたが、仏教に目覚めて文殊菩薩の勧めにより、様々な指導者(善知識)53人を訪ね歩いて段階的に仏教の修行を積み、最後に普賢菩薩の所で悟りを開くという、菩薩行の理想者として描かれているとのことで、優填王・維摩居士・須菩提と共に文殊菩薩の脇侍。角髪(みずら)という髪型をした童子の姿で現されるけれど、位としては天なのだそう。


善財童子

阿部文殊院(寺宝・文化財|安倍文殊院)のご住職によれば、善財童子のお役目は道案内。海を渡る文殊菩薩様のため、必死に先導しているところ、菩薩様が善財童子にお声を掛けた、振り向いたその瞬間を切り取ったお姿なのだそう。

鎌倉時代の大仏師快慶(Wikipedia)の傑作だと思う! とにかくカワイイ! 1m30cmあるので思ったよりも大きい。甥っ子1号くらいあるかな? 1号の方が大きいかな? 玉眼がキラキラしてて、その踏み出した足と、それでもキッチリと合された両手が、善財童子の信仰心や、菩薩様を思う気持ちが表れている。その衣のはためきも、必死で走る姿を想像させて、ますますいじらしくなる。カワイイ! カワイイよ善財!!

もう、これは絶対安倍文殊院へ行って、渡海文殊見ないとダメだな! 桜井辺りは行ってみたいお寺がたくさんあるので、計画してみよう

【国宝展⑥】グッズの土偶押しがスゴイとは聞いていたけどホントだったw でも、グッズ買うのも長蛇の列なのでヤメ! 土偶ガシャポンを購入!"縄文のビーナス"キタ http://t.co/dZoazfwOee Posted at 11:18 PM


土偶ぬいぐるみ

事前にグッズの土偶押しがスゴイとは聞いていたけど、たしかに土偶ぬいぐるみ、土偶マスキングテープ、土偶メモなど土偶グッズが多い(笑) 善財のポストカードがちょっと欲しかったけど、とにかくグッズを買うにも長蛇の列。ポストカード1枚のために並ぶのも・・・


土偶ガシャポン(300円)

といっても、何も買わずに帰るのもちょっぴり残念ってことで、土偶ガシャポンをやってみた! "合掌土偶"が欲しかったけど、"縄文のビーナス"だった。2番目に欲しかったのでOK!

ということで、グッズも含めて満足! しかし、この混みっぷりから考えると、最終週はもっと混むかな? 金印展示が終わるから少しは緩和されるかな?

【国宝展 番外編①】ちょっと疲れたけど、常設展もチラ見!十二神将がカッコイイ!この方コミカルで素敵 http://t.co/iU65MHgHVu Posted at 11:21 PM

そのまま帰ってしまう人多いけど、東京国立博物館は常設展もスゴイ! 平成館で展覧会見て、さらに常設展も見るとなると、かなりの体力を要するので、チラ見で帰ってしまうこと多いのだけど、和洋折衷の本館を通って帰るだけでも価値があると思う!


十二神将

この重要文化財の十二神将は神奈川県の曹源寺に伝来したそうで、慶派の特徴を備えているとのこと。とにかく表情豊かで素晴らしい!


毘羯羅大将(子)

十二神将といえば伐折羅大将が有名だけど、この方! カワイイ

撮影禁止マークがあるもの以外は撮影OKなのもウレシイ! 仏像はエントランス入って右側の扉にいらっしゃる。是非是非会って欲しいなぁ・・・ 皆様素晴らしいので!

【国宝展 番外編②】国立博物館は本館が素敵毎回撮っちゃうエントランスと、展示室の照明が素敵だったのでパチリ http://t.co/yNGTjrHltU Posted at 11:22 PM


東京国立博物館 本館_エントランス

「半沢直樹」で登場したことで有名になった階段。その前から大好き! この和洋折衷具合が素晴らしい!! 重厚で大好き


東京国立博物館_照明

平成館から本館に入って、いつもならば右に折れるところを、トイレに行きたかったので直進。どこをどう通ったのかよく分からないけど、アイヌ文化の展示品などをチラチラ見つつ進んでいくと、展示品スペースとなっているものの、椅子などが置かれた場所に出た。テラスに出られるような感じでもあったので、休憩場所だったのかな? そこの照明が素敵だったので撮影! こういうところも素敵

「日本国宝展」:2014年10月15日~12月7日@東京国立博物館平成館
日本国宝展


http://twitter.com/maru_a_gogo


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【cinema】『オオカミは嘘をつく』

2014-11-27 02:14:09 | cinema

'14.11.23 『オオカミは嘘をつく』@ヒューマントラストシネマ有楽町

久しぶりに一緒に映画見ようってことで、友達たちと計画。前日公開の作品の中から、クエンティン・タランティーノ監督が絶賛したという今作をチョイス! 楽しみに行ってきたー

ネタバレありです! 結末にも触れています!

「幼女が誘拐され、惨殺される事件が起きる。殺人課のミッキは、被害者と一緒にいるところを目撃された、中学教師のドロールが犯人であると確信。荒っぽい部下を使い自白させようとするが、その様子をYouTubeに投稿されてしまい・・・」という感じの話。これは面白かった! 基本はサスペンスだけど、一部コメディのようでもあり、そしてサスペンスとして終わる。スッキリしない後味の悪さも適度でいい。いろいろ伏線が張り巡らされていて、後から答え合わせ的に思い出すのも楽しい。

2013年、第18回釜山国際映画祭での上映後、ティーチインに飛び入りしたクエンティン・タランティーノ監督が「Sensation! The best of the year!」と絶賛したことで話題となったイスラエル映画。イスラエル映画って初めてかも? イスラエル出身のアハロン・ケシャレス、ナボット・パプシャドの若手2人の監督コンビは、イスラエル初のスラッシャー(殺人鬼)映画と言われた『ザ・マッド 狂乱の森』でデビュー。今作が2作目。シネマトゥデイのインタヴュー記事(コチラ)によりますと、2人は争いの絶えないイスラエル社会からインスパイアされたと語っていて、"善と悪の曖昧さ"に長年関心があったとのこと。特に影響を受けた映画が『続・夕陽のガンマン / 地獄の決斗(原題:The Good,The Bad and the Ugly)』で、The Good(善玉)やThe Bad(悪玉)ではなく、The Ugly(卑劣漢)トゥーロに強く惹かれたからだそう。また、今作のテーマでもある"被害者と復讐"についても、イスラエルのユダヤ人であるというルーツが反映しているとのこと。ユダヤ人は、スペイン追放、ホロコースト、そして現在のアラブ人に囲まれた状況について、被害者だと思っているらしい。まぁ、歴史認識についてはいろいろあるし、全ての事実を知っているわけではないので、全面的に被害者だと肯定することはできないし、否定することもできない。少なくともホロコーストについては、被害者であることは間違いないと思うし・・・ お2人が、その事についてどう考えているのかについては、記事には書かれていなかったので、今作にどう反映したのかは分からないのだけど、個人的に気になったので記載しておく。

また、同じくシネマトゥデイの別記事(コチラ)では、お2人の映画愛について語られていて興味深かった。イスラエル映画は、1980年代には『グローイング・アップ』シリーズが、世界的にヒットしたものの、その後はエンターテイメント作品は作られず、文芸作品ばかりが作られるようになったのだそう。映画評論家でもあるケシャレス監督によれば、当時の映画評論家たちが、エンターテイメント作品を酷評したため、多くの映画監督がアメリカへ移ってしまい、残された映画監督たちが、ジャン=リュック・ゴダール監督や、フランソワ・トリュフォー監督のような作品(ヌーヴェル・ヴァーグってことかな?)を撮り始めたが、模倣の域を出ず、国も国際映画祭で賞を取れるような作品にしか助成しなかったため、娯楽作品が作りにくい状況にあるのだそう。なるほど、そんな状況を変えつつあるのが、お2人ということなわけですねφ(・ェ・o)メモメモ

さて! 本題に行きます!( ・∀・ )ゞ まず、オープニングが素晴らしい! オープニングクレジットからタイトルが出るまで、美少女2人と少年1人のかくれんぼが映し出される。廃墟に残された洋服タンスの中に隠れる赤いワンピースの少女。彼女より少し年上と思われる少女は、庭に出て土管の中に隠れる。鬼の少年が土管の少女を見つける。そして2人で洋服タンスを開けると、少女の姿はなく、片方の赤い靴が残されている。これをセリフは一切なくスローモーションで見せる。結末はともかく途中までは楽しかったはずのかくれんぼが、不穏な音楽に乗せてスローモーションで見せるだけで、なんとも不安で恐ろしい光景に見える! これはスゴイ! このシーンから引き込まれた。

このシーンから一転、また別の廃墟。2人の男が1人のメガネの男性の両脇を掴んで引っ張って来る。用意された椅子に座らせる。そこに中年男性2人が入って来る。1人はスーツ着用だけど、1人は皮ジャン着用で柄も悪い。一瞬、マフィア系?とか思うけれど、実は彼らは刑事。皮ジャン刑事ミッキはメガネの男、宗教学教師のドロールが犯人であると確信していて、何としても自白させようとしている。スーツ姿のラミは荒っぽい捜査は避けるべきだと考えていて、ミッキを止めようとしている。ミッキは犯人を逮捕するためなら何でもするという、刑事モノにはよく出てくるタイプ。苦手 ミッキの指示待ちの2人も彼と同じタイプ。ここで上手いと思うのは、この容疑者をむしろ被害者の立場で登場させること。2人の刑事に散々殴られた後、ミッキに分厚い電話帳で殴られるシーンを延々見せられば、冤罪だったらどうするのか?と見ている側は思ってしまう。しかも、ミッキが犯人だと思っている理由が、被害者と喋っていた姿を目撃されたという程度の情報しか提示されないので、冤罪なんじゃないか?と思ってしまう。この辺りが上手い。

結局、署長からの命令で拷問は中止、容疑者のドロールを車で自宅まで送り届け、お金を渡して口止めをする。この時、ドロールは現住所ではない家に案内する。住所が違うじゃないかと指摘するミッキに、実家だと答える。これ、後から思えば伏線だった! ドロールにとっても観客にとっても、拷問が終わって一安心していると、公園で少女の惨殺遺体が発見される。暴行を受けた少女の体は椅子に括り付けられており、その頭部は無かった・・・ 鑑識が作業を進める中、少女の父親が現場に現れ騒ぎとなる。この父親は警察幹部に知り合いがいるらしい。これも伏線。犯人も検挙出来ず、少女の惨殺遺体がこのように晒されてしまったことで、ミッキは担当から外され、交通課に移動させられてしまう。現場から離れるミッキは、父親と目が合う。これも伏線。とにかく、ミッキにも被害者のはずの父親にも不快感しかなく、感情移入できない。それが上手い。被害者の父親など、登場しただけなのに、実はこいつが犯人では?と思わせちゃうのも上手い!

さらにミッキに追い打ちをかけるように、あの廃墟での拷問の一部始終を、偶然居合わせた少年が撮影し、YouTubeにUPしてしまう。交通課の同僚は削除しておくと言ってくれたのに、削除してくれなかったのか、再投稿されたのか不明だけれど、結局その動画が元でミッキは停職処分となってしまう。絶対にドロールが犯人だと主張するミッキに、停職処分中なのだから何をしようと関知しないと言う署長。勝手にやれよってこと。まぁ、この辺りは刑事ものでありがちな設定。また、ミッキが暴走するのかと、見ている側をうんざりさせるのも上手い誘導。

一方、YouTubeのおかげで、ドロールも職を失っていた。試験中にメモを回す生徒たち。1人の少女にメモが回った時、見咎めてメモを出すように促すドロール。その感じは特別激昂するわけでもなく、きちんと生徒を諭していて、悪人という感じはしないし、彼のおとなしそうな風貌から、生徒たちにバカにされている様子でもない。メモを見ないで下さいと、彼女にメモを回した男子生徒が言うけれど、ドロールはメモを開けてしまう。中に描かれていたのは、ドロールが犯人だと揶揄するようなイラスト。愕然とするドロール。休み時間に生徒たちの回答を見ると、"人殺し"などの落書きが・・・ そこへ校長が入って来る。熱心なドロールを褒めつつ、回答を見ると顔色が変わる。保護者だけではなく生徒までも・・・と言う校長は、ハッキリとは言わないけれど辞職を促す。ここまでのシーンや流れは、特別目新しいものではないけれど、この時点では冤罪も考えられるので、ドロールに同情できるようになっている。まんまと同情してしまう。そして、本当に彼がやったのか?それとも、無実なのか知りたくなる。

さて、そんな失意のドロールを監視しているミッキ。自転車を押して実家へ帰るドロールは、道を横断しようとしている老婆に手を貸すような好人物。それに対して「老人には優しいのか」と言うミッキの方が嫌なヤツに見える演出もイイ。家に入ると狭いリビングのような部分があり、その壁に自転車を掛けるドロール。ここで一瞬、間が・・・ そして、そこから数段階段を上ったところにある自室に入り、扉を閉める。 実は、これが最大の伏線だった! 飼っている犬をかわいがる姿なども見せられているし、ドロールを完全に犯人ではないとは言い切れないものの、あまりの小者感にあんな大胆な殺人が出来るとも思えない。しかも、これ確か連続殺人事件なんだよね? うーん。ミスリードさせるの上手い( ̄ー ̄)ニヤリ

しかし、そんなドロールにも動きが・・・ ドロールには別れた妻と娘がいるらしい。そうそう、実はミッキにも娘がいる。ドロールは娘の誕生日に会わせて欲しいと元妻に電話をするけど断られる。この断られるってことも伏線なのかも。何故、ドロールが離婚したかまでは、この電話では分からないし、いろいろな夫婦の形があるから、特に父親として問題がなく、円満に離婚したとしても、子どもと会わせたくないと思う人もいるかもしれないけれど、少なくとも娘にとっては父親なわけで、頑なに拒否するというのも不思議な感じ。なので、やっぱり伏線だったのでしょう。要するに元妻には、一見気が弱く、人の良さそうな彼の中に、何か嫌な面を見ていたのかもしれないということ・・・ ドロールはその妻との会話を、少女たちのバレエ教室のレッスンを見ながらしている。最初は気にしていなかった少女たちも、ドロールの姿を気にするようになる。最前列でバーレッスンする少女と目が合う。不審そうな顔をするバレエ教師・・・ シーンが変わって、自宅の1室でレオタード姿の少女に、バースデーケーキを差し出すドロールの姿。なるほど、彼の娘なのかと思わせる。これも上手い! 何故レオタード姿なのか?

一方、被害者の父親ギディが不思議な動きをしている。この辺りにはアラブ人しかいないし、こんな不便な場所を購入したいなんて物好きだと、不動産会社の女性に言われつつ、ある山の中の家を購入する。物件を見に行った時、地下室に不動産の女性を残し、10数えてから大声で叫んでくれと依頼する。不審に思う彼女に、息子がドラムの練習をするからと言い訳。もちろん信じる女性。彼女が叫ぶシーンはちょっとおもしろい(笑) 声が全く漏れないことを確認し、家を購入するギディ。これは一体?! ギディが犯人なのか?!と思わせる。その後、地下室に運び込んだ椅子の大きさから考えると、その目的が分かる。椅子を改造して拘束用のベルトを取り付け、ペンチ、ハンマーなどの道具を用意するギディ。彼の目的は容疑者を拷問することなではないか? これは『プリズナーズ』(感想コチラ)のようなことになって行くのか?

さて、運命の日。少女とバースデーケーキを食べたと思われる翌日。犬を連れて、近所の公園へ向かうドロール。犬を放してベンチで読書を始める。ドロールを監視していたミッキは後をつける。そして、そんなミッキとドロールを監視しているギディ。公園でまずドロールの犬にスタンガンを当てるミッキ。吠えられたら困るからだろうけど、酷い! やっぱりミッキを好きになれない・・・ 危険を察して逃げるドロール。しばらく住宅街でのチェイスが続く。ドロールも疲れるけど、中年太りのミッキも疲れる(笑) チェイスは結構長い。コミカルっぽく書いたけど、この時点では別にコミカルではない。ドロールは意外にも逃げる。でも、何故か道を塞ぐように止まっているトラックに行く手を遮られて、ミッキに捕まってしまう。

森に連れてこられたドロールは、何故か穴を掘れと言われる。人が1人入れるくらいの穴が掘れた頃、ミッキはドロールに穴に入るように命じ、銃を向け自白を迫る。ドロールが否定すると、銃に弾を1つ込めてドロールに向けて発砲する。次にまた1つ弾を込めて自白を迫るけど、拒否するとさらに弾は増える。要するにどんどん確率の上がるロシアンルーレット。イヤ、いくらなんでもこの時点では容疑者なのに、こんな尋問していいの? まぁ、空砲なのかもしれないけれど・・・ とか、思っていると2人を監視していたギディが現れて、ミッキを殴りつけて気絶させると、ドロールを手伝わせて車のトランクへ。助けてくれた礼を言いつつ握手を求めるドロール。ギディはその手を取って握手をしつつ、車に乗るように言って銃を向ける。

下準備したあの地下室の手作り拘束椅子に座らされるドロール。ギディは目覚めたミッキとドロールに説明を始める。まずは、お話を聞かせますとイスラエル警察から入手した調書を読み始める。犯人が少女にしたことが詳細に書かれている。睡眠薬入りのケーキを飲ませた後、暴行。その後、目覚めた少女にしたことが・・・ あまりにかわいそうなので、ここでは詳細は避けるけれど、要するにドロールに同じことをしますという宣言。うーん、それを見せられるのか~(´Д`) まぁ、別に大丈夫だけど(笑) しかし、ドロールが無実だったらどうする?という問題は残されたまま。ミッキには共犯者になってもらうってことで、拷問開始となるわけだけど、そう言われると怖気づくミッキ。まず、ケーキを食べさせるんじゃ?と言ってみるけど、完全に再現しようとすると、ドロールをレイプしなきゃならないじゃないか言い出すギディ。なるほど(笑) ここに至ってこれはバカ映画なのだと気づく。もちろんホメてます! この場合のバカ映画というのは、主人公たちがバカみたいなことばかりする、いわゆるおバカ映画とは違う。尊敬するMJことみうらじゅん氏が、本人たちはいたって真面目なのだけど、結果バカになっている映画をバカ映画と命名。当blogで言うところのバカ映画はそういう映画のこと。そして、ホメ言葉です!


被害者の父ギディ(45)

で、ここからバカ映画の本領発揮となる。ここからが見どころなので、詳細は避けるけれど、要するにミッキなどよりギディの方がよっぽど非道だったわけで、このギディの壊れっぷりがスゴイ! 拷問自体を楽しんでいるようで、度々いろんな事情で中断する。ケーキを与えることは一度却下したハズなのに、何故かキッチンでウキウキ作り始めちゃう。このキッチンがウッディな感じで、自然光も入って素敵。そこで写真のオッサンがウキウキとBuddy Hollyの"Everyday"に乗ってケーキを作る姿がシュールで笑える。しっかり睡眠薬を砕いて入れてるし(笑) このセンス好き! しかも、この禿オヤジが45歳だと判明してビックリ∑(゚ω゚ノ)ノ イヤ、見えないでしょう・・・ どうやら、母親に頭が上がらないらしく、しょっちゅう電話がかかって来る。その度、いろいろ言い訳するのだけど、つい風邪気味だと嘘をついてしまう。その間も、ちょこちょこ戻っては拷問は続けている。ギディとしては全て真剣にやっている(笑) ちょっと休憩と、玄関テラスで巻煙草を吸おうとしていると、庭に迷い込んで来たアラブ人が・・・ 何故か馬に乗っている。そしてギディから煙草を貰い一服して去って行く。何故ここで登場?と思うけれど、彼は後に重要な役割を果たすことになる。

こんな感じだけど、着実に拷問は進んでいる。でも、ドロールは無実を主張。常軌を逸したギディの様子にミッキが止めに入るも、あえなく捕まってしまい、両手に手錠をかけられて柱に繋がれてしまう。そんな中、家を訪ねて来る人物が? いったい誰?!と思うと、なんとギディの父親。風邪を引いたと言うので、母親が煮たスープを持って来たのだった。なんとか父親を帰そうとするけれど上手くいかない。仕方なく、一緒にスープを飲み始めちゃう。しかもコンソメスープみたいな具がほとんど入っていないスープのみを、テーブルの両端に座って食べる親子(笑) 一方、地下ではミッキが、ギディがイライラしてばら撒いた釘の1本を足の下に隠すことに成功していた。何とかそれで手錠を外すから、時間を稼ぐために自白しろとドロールに話す。そうそう、言い忘れていたけど、ギディが聞き出したかったのは娘の頭部を見つけたかったから。なので、頭部のありかをでっち上げろと言うわけ。もちろん、ドロールが犯人ならば、自白すればいいわけだけど、この時点ではミッキはドロールが犯人であるという確信が薄れているようにも見えてくる。

さて、何とか父親を残して地下に戻って来たギディ。しかし、不審に思った父親が地下に降りてきてしまう。一体何をしているんだ?!と驚く父親。何とか外に連れ出し説明するギディ。ここも、バカだった~(笑) どうやら娘がさらわれた日、ギディは秘書と浮気をしていて、娘を迎えに行くのを忘れてしまったのだった。娘が酷い目に合っている時、自分は秘書にフェ○チオしてもらっていたとか、そこまで父親に話さなくてもいいし(笑) どうやら、ギディは元レバノン警察の刑事で、軍隊にいたこともあったっぽいけど、今では秘書もいるような立場なわけで、一見立派な紳士に見えるのに、このイカレっぷりは何かと思っていると、息子を止めてくれると思っていた父親が、火は試したのか?と・・・ なんと自らノリノリで拷問に参加する始末。この父親も軍にいたことがあったらしく、久々の拷問に嬉々としちゃっている。なるほど、この親にしてこの子あり! ドロールの胸を開いて、ガスバーナーで・・・(以下、自粛)。健康上の理由で野菜中心の食事になっているから、肉が焼ける匂いは久しぶりだとか言ってクンクンしちゃう(笑) どうかしている! こういう感じがダメだと、全然ダメかもだけど、まさかこんな残虐シーンで笑えるなんて! スキ タランティーノ監督が好きなの分かる!

さて、とうとう耐え切れずにドロールは頭部のありかを教える。もちろん、この時点ではミッキも見ている側も、これは嘘だと思っている。完全に被害者になっているドロールに同情してしまっているので、彼は犯人ではないのではないかと思っているので・・・ ギディは父親に見張りを頼んで、ドロールが教えた場所に向かう。その間、父親には母親から電話がかかって来る。言い忘れてたけど、この親子の着メロが・・・ ギディのは『地獄の黙示録』のテーマ(ワルキューレ)だったよね? 違ったっけ? 父親のはもっとかわいらしい感じの。電話がかかって来るたび、ちょっと気が抜ける(笑) しかも、この残虐親子は、口うるさい母親に頭が上がらないっていう設定なのもおもしろい。どんな男性よりも女性の方が強いってこと?(笑) 父親は母親に言われたので、薬を飲むために何か食べないと言いながらキッチンへ。冷蔵庫を開けるとギディ手作りの睡眠薬入りケーキ発見!( ̄ー ̄)ニヤリ もちろん食べちゃう。しかも、何の薬か分からないけど薬も飲んじゃう。そして、寝ちゃう。さて、チャンス到来!とばかりにミッキは手錠を外すことに成功! ドロールの拘束も外そうとするけれど、一瞬躊躇する。ドロールの目を見て、無実なのか問う。ドロールは無実だと答えるけれど、ミッキは拘束を解こうとしない。自分を置いて行くと後悔するぞと言うドロールを置いて行ってしまうミッキ。家の外で自転車を見つけて山道を下って行く。

一方、ドロールに言われた場所をいくら掘りっても娘の頭部は見つからず、騙されたこと知ったギディが車を飛ばして戻ってきている。交互に映されるミッキ自転車とギディ自動車。どこかで鉢合わせちゃうのか?とドキドキするけど、もっと恐ろしいことが待っていた! 突然、ミッキの目の前に現れたのは馬のアラブ人。ビックリして両手を上げてしまうミッキに、アラブ人は皆犯罪者だと思っているのかと聞くアラブ人。良くは思っていないようだけれど、怒っているわけでもないらしい。この辺りイスラエルの問題をサラリと入れているのかもしれない。謝罪しつつ、やや卑屈な態度をとるミッキの感じも、逆にバカにしている気がしなくもない・・・ でも、ケータイを借りようとすると、自分はガラケーしか持っていないのに、アラブ人はiPhoneを持っててビックリしたりもする。4Sだけど(笑) ドヤ顔で4S自慢する感じも笑える。そんな、コミカルシーンから一転。署長に応援を要請しようとすると、奥さんが来ているので電話を代わると言われる。妻は泣きながら、あなたがバレエ教室に迎えに行かないから娘がいなくなったと言う。バレエ教室?!

慌ててギディの家に戻るミッキ。一足先に戻って来ていたギディは、意識を取り戻した父親が止める間もなく、ノコギリでドロールの首を切ってしまう。慌てて止めるミッキ。でも、もうドロールには話すことはできない。娘の居所を書けと紙と鉛筆を渡すけれど、ミッキとギディによって骨を折られた指には鉛筆も握れない。そして、力尽きてドロールは死んでしまう。この皮肉はなかなかスゴイ! もちろん、ドロールが喉を切られていなかったら、もしくは指の骨が折れていなかったら、娘の居所を教えたかどうかは分からない。でも、彼らは永遠に彼の口からミッキの娘の居所と、ギディの娘の頭の隠し場所を聞き出すことはできなくなった。

シーンが変わると同僚ラミが、ドロールの家から署長に報告している。「何も見つかりませんでした」そして引き上げてしまう。カメラが横に移動すると、ドロールが自転車を掛けたあの壁の向こう側に隠し部屋があって、レオタード姿のあの少女がベッドに横たわっている。意識がないだけなのか、死んでいるのか不明のまま映画は終わる。この余韻を残すラストも良かった。ミッキの娘を殺害したのはドロールで間違いない。でも、"連続幼女誘拐殺人事件"の犯人とは言い切れない。報復のため、もしくは自己保身のためにミッキの娘をさらっただけかも? でもまぁ、それならミッキが自分を置いて去る時、娘を拉致していると言うはずだと思うので、ドロールが連続殺人犯で間違いないと思う。ハッキリとしたオチがないとイヤなタイプの人は、ちょっとスッキリしない終わり方かもしれないけれど、この終わり方は個人的には好きだった。関わった人間すべてが落ちていく感じ。原題は『BIG BAD WOLVES』なので、オオカミはドロールであり、ギディであり、ギディの父親であり、そしてミッキでもある。無能な警察もかも?

よくよく考えると登場人物はほとんど男性。被害者の少女や、ドロールの生徒など、チラリと出てきたけれど、きちんとセリフのある役は不動産会社の女性くらい。ギディの母親も電話のみで姿は出てこないし・・・ その男臭い感じが良かった。ギディと父親のバカ場面とかは、やっぱり中年男性だからこそコミカルな感じになると思う。これが、どちらかが女性だと違った感じになってしまう気がする。監督コンビは、タランティーノ監督の『レザボア・ドッグス』の音楽に乗って耳をそぎ落とすシーンのように、ユーモアを本当は笑うべきでないシーンに入れることで、「これを笑っている自分はどうなんだ?」と考えさせたいと語っていたけど、なるほどまんまとハマった感じ(笑)

イスラエル出身の役者さんを集めたというキャストは、当然知らない顔ばかり。ミッキ役のリオール・アシュケナズィは、イスラエルで最も称賛される俳優の1人で、今作ではないけれどイスラエル・アカデミー賞主演男優賞受賞経験ありとのこと。決してThe Good(善玉)とは言い切れないミッキを好演していたと思う。ホント嫌いだったし(笑) 馬に乗った男役のカイス・ナシェフがわずかなシーンで印象を残す。彼が馬に乗っているのって、西部劇のオマージュなのかな? ドロールのロテム・ケナンは2003年に演技においてアメリカ-イスラエル間での奨学金を獲得したそうだけれど、好演していたと思う。最後まで冤罪ではないのかと思わせなきゃダメなわけで、でも怪しくないとダメ。その辺り良かったと思う。そして、強面なのに親離れできていないギディのツァヒ・グラッドがイイ!今作で2013年イスラエル・アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたのだそう。あれ?主役はミッキじゃなくてギディなのか? まぁいいけど(笑) ギディの狂気が素晴らしい! 45歳に全く見えないので、実年齢が知りたかったのだけど、公式には書いてなかった 今回一番好きだったキャラ、祖父ヨラム役のドヴ・グリッグマンが一見善良なおじいちゃんに見せて、実は一番どうかしている役を嬉々として演じている感じでおかしい(笑) この役最高

映画のほとんどは、廃墟か地下で進むけど、ドロールの自宅とか、学校のこじんまりした教室とか、監禁場所の家のキッチンとか、素朴でありながらカワイイ感じが好き。映画って撮影後、色や光の具合を調整するらしいけど、今回はあえてそれを行わず、自然のままの光や画を使ったとのこと。そのため、どこかドキュメンタリー映画を見ているようでもあり、でもしっかり作り物であるって感じが良かったと思う。

サスペンス映画好きな人好きだと思うけど、いわゆる正統派サスペンスじゃないので、どうかな? タランティーノ監督作品好きな人は好きなんじゃないかな? でも、タランティーノ作品ほどバイオレンスではないので、女性でも全然見れると思う。オススメ!

『オオカミは嘘をつく』Official site


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【動画】みうらじゅん×いとうせいこう 見仏ライブ!@竹林寺 第二部 見仏トーク前編

2014-11-26 20:26:17 | 【動画】MJ

【動画】みうらじゅん×いとうせいこう 見仏ライブ!@竹林寺 第二部 見仏トーク前編



ってことで、こちらが第2部前編! 第2部の方が第1部より長いのは何故? 別にいいけど(o´ェ`o)ゞ


動画をドゥゾ♪(っ'ω')っ))


みうらじゅん×いとうせいこう 見仏ライブ!@竹林寺 第二部 見仏トーク前編




まだ、全然見てないので、後で見る!!

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【動画】みうらじゅん×いとうせいこう 見仏ライフ?!@竹林寺 第一部 本堂

2014-11-26 20:23:20 | 【動画】MJ

【動画】みうらじゅん×いとうせいこう 見仏ライフ?!@竹林寺 第一部 本堂



2014.11.11に竹林寺で行われた「見仏ライブ」 その様子がYouTubeにUPされた!! みうらじゅん公式アカウントがtweetしてたから、公開してるって素敵 こちら第1部で、第2部前編は直ぐUP予定だけど、残念ながら第2部後編はまだ準備中だそう


動画をドゥゾ♪(っ'ω')っ))


みうらじゅん×いとうせいこう 見仏ライフ?!@竹林寺 第一部 本堂




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【動画】「みうらじゅん×いとうせいこう 見仏ライブ@竹林寺」

2014-11-26 00:00:00 | MJ
【MJ動画】「見物ライブ@竹林寺」

RT @miurajun_net: 11/11開催した、いとうせいこうさん&みうらじゅんの見仏ライブ@竹林寺の模様が、YOUTUBEで見らように! ・第一部  http://t.co/0NfxAlPiXY ・第二部(前編) https://t.co/GYceyWfpc6 ・第二部(後編)はただいま作業中! Posted at 09:02 PM

みうらじゅん公式(本人のtweetはなし)のアカウント&tweet。11月11日に竹林寺で行われた「見仏ライブ」の動画がYouTubeで見れるらしい! これ行きたかったけど、京都だったかな?とにかく、関西の方で諦めたんだよねぇ・・・ これは公式がRTしてるから、リンク貼っても大丈夫かな?

第一部をドゥゾ♪(っ'ω')っ))



第二部(前編)をドゥゾ♪(っ'ω')っ))






http://twitter.com/maru_a_gogo


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【cinema】『インターステラー』(試写会)

2014-11-22 03:24:23 | cinema
'14.11.18 『インターステラー』(試写会)@一ツ橋ホール

allcinemaさんで当選! ありがとうございました! もう半年以上前からTwitterなどで話題になってて、今年1番楽しみにしていた映画の1つ。とにかく早く見たいってことで試写会応募しまくった! 約3時間という長さをものともせず、楽しみに行ってきたー

ネタバレありです! 結末にも触れています! 長文!

「砂嵐が頻繁に襲い、農作物もほとんど育たなくなった地球。元エンジニアだったクーパーは、現在は農夫として、2人の子どもと亡き妻の父親と4人で暮らしていた。娘のマーフィーの部屋では、頻繁に特定の本が落下する現象が起きている。ある日、それらの1つがある場所の座標を示すことに気づいたクーパーは・・・」というあらすじは、今作の導入部。ここから壮大な話になっていく。これは本当に面白かった! 用語が難しくて最初はダメかもと思ったけど、どんどん面白くなって、もうボロボロ泣いたりしてた。これは絶対に映画館で見るべき!

楽しみにしていたのは、クリストファー・ノーラン監督作品だから。今回も実弟ジョナサン・ノーランと共同脚本。毎度のWikipediaによりますと、そもそものプロジェクトは、パラマウント映画とスティーブン・スピルバーグ監督が、理論物理学者キップ・ソーンの理論を基にした映画の計画があることを、2006年6月に発表したことから始まったのだそう。2007年3月に脚本担当としてジョナサン・ノーランと契約。2007年7月ソーンは「オーストラリアン」誌で、映画は"曲った時空について"の話だと発表。その後、映画の企画はなかなか進まず、2013年1月にクリストファー・ノーラン監督が、弟の脚本を基に『インターステラー』を監督するため、パラマウントとワーナー・ブラザーズと交渉。出資は両映画会社が共同で行うことになった。ライバル会社が共同出資に同意したのは、ワーナー・ブラザーズ側はノーラン監督のシンコピー・フィルムズとの契約を維持するためで、パラマウントに『13日の金曜日』と『サウスパーク』の映画化権を譲渡することで製作に参加したからなのだそう。なるほど・・・ いろいろな駆け引きがあった模様(゜-゜) ちなみに、アメリカでの配給はパラマウントが行い、その他の国と地域ではワーナー・ブラザーズが行うのだそう。そうそう!原題も『Interstellar』で、惑星間という意味。なるほど!

クリストファー・ノーラン監督作品は『フォロウィング』と『メメント』以外全て見ている。『メメント』はビデオ録画してあるけど、ビデオじゃねぇ・・・ まぁ、レンタルすればいいんだけど(笑) 相変わらず、主人公たちや彼らを取り巻く状況がどうなっているか等の詳しい説明はなく、そういうものとして話が進み、いろいろな要素が詰め込まれてる上に展開が早く、専門用語などもバンバン出て来るので、自分で想像したり、補完したりしなくちゃいけなくて大変だったりする。でも、ペースがつかめて話に乗ってしまえば、そういうのどうでもよくなって、ぐいぐい引き込まれて行く。多分、自分はそういう部分が好きなんだと思う。いろんなタイプの映画があるので、じっくりと見るタイプの映画もあるし、難しいことは考えずに楽しむ作品もある。どちらも好きだけど、その両方が楽しめる気がする。ちょっと強引に押し切る部分もあると思うし、ツッコミどころもあったりするので、ダメな人もいるかもしれないけど、自分は一見リアリティーのない題材を、大した説明もしていないのに、強引に納得させてしまう感じが好き! ねじ伏せられるというか・・・ いつもなら5次元って何?!ってなっちゃうタイプの人なのに、その映像で圧倒されて納得しちゃう感じが好き

今作品、約3時間ある長編である上に、専門用語や聞きなれない星の名前なども多く、さらに自身は化学・科学・物理などが超がつく苦手で、完全な文系脳のため、難しいことは理解できておりません。相対性理論とか・・・ 記事を書く以上、間違ったことを書くわけにはいかないので、曖昧な部分については出来る限り書かないようにはしますが、間違った解釈をしている場合もあるかと思いますことを、あらかじめお断りしておきます。既に、星に仮につけられた名前についても記憶が曖昧な状態だったりします・・・ すみません┏○ペコ

映画はテレビ番組に出演しているらしい老女のインタヴュー映像から始まる。一応、彼女と他2人の老人が口々に語り、彼女の父親や"その頃"が、今見せられている映像の説明という形で始まるのだけど、この人物たちが誰なのか不明だし、その説明も彼らが思い出しながら語っているわけで、彼ら自身も番組関係者も見ている人たちも、そこで語られていることは、実際に起きたことを知っている状態で見ている。なので、"何故"そういう状況になったのか、そしてその"状況"が一体どういう状況なのかの具体的な説明はない。「家じゅう砂だらけだった」と語られて、文字通り砂だらけの映像を見せられるけれど、何故砂だらけなのかが分からない(笑) でも、そういうものとして進んでいく。そしてこのインタヴュー映像は、後に時々出てくるけれど、これがナレーションになるわけでもない。しかも、2人の老人は誰なのかの説明は結局なかったような・・・ 父親について語っているし、主人公を演じるのはマシュー・マコノヒーであることは知っているわけだから、この父親が主人公であって、だとすれば語っている老女は娘だろうと推測できるし、ならば老人のうちの1人は兄だろうと思うけれど、ではもう1人は? まぁ、後半出てくるあの人かな?

父親は農夫をしているけれど、冒頭に出てきた映像から、以前は宇宙船のパイロットだったことが分かる。2人を学校に送って行く途中、インド空軍の無人探査機的な物(何か分からなかった)が飛んでいるのを見つけ、畑のトウモロコシをなぎ倒しながら進んで行く。未成年の息子にハンドルを任せ、PCを取り出して飛行物体を追い始めるクーパー。どうやら、飛行物体を誘導することに成功したらしい。このシーンとかスピード感があるし、夢中になったクーパーが息子に追いかけろと指示し続けるので、危うく崖から落ちそうになったりと、コミカルなシーンでもあるのだけど、この感じで父親はかなりの専門知識があること、息子もそういう方面に興味を持ってはいるけれど、妹ほどの情熱ではないし、彼女ほどの才能もなさそうであることが分かる。要するに、終始そういう感じで人物紹介や、取り巻く状況を説明する。クーパーの「アメリカには既に空軍もない」というセリフから、アメリカですら国力が落ち、空軍を維持できない、もしくは世界的に戦争をしている状況ですらないということを示唆している。そういうのを拾いながら見ないといけないので、それが苦手な人はダメかもしれない。まぁ、拾ったり脳内補完しなくても大丈夫なんだけど、やっぱり状況は把握したいので・・・

兄妹はクーパーにとってどちらも大切な存在だけど、映画として重要人物は妹のマーフィー。マーフィーの法則と兄にからかわれるけれど、クーパーによればあの法則が言いたいことは「起こるべきことは、起こる」ということ。つまり、この映画で言いたいことはそういうことなのかなと思った。そういう、哲学的な?要素も結構あるのかなと思ったり・・・ 例えば、たびたびマイケル・ケインによる詩の朗読が入ったりとか・・・ この映画の中で本筋とは関係ないのだけど、自分にとって強い印象を受けたシーンがあった。彼らが学校に向かっていたのは、マーフ(マーフィーの愛称)は学校で問題を起こし、クーパーが校長と担任に呼び出されたから。その問題というのは、人類が月面着陸をしたと語ったことで、友達とケンカになったからなのだそう。ケンカになったことよりも、月面着陸が本当であると語った方が問題で、現在の教科書では当時冷戦状態だったソ連に対して打撃を与えるための捏造であると書かれているのだそう。確かに、そういう意見があることは知っているけれど、それが主流になっているのね・・・ つい先日、朝日新聞の捏造が話題になったばかり。全てが捏造とは言わないけれど、"歴史"がどんなに危ういものなのか、そしてそれを"事実"と教えてしまうことの恐ろしさを、ちょっと感じるシーンだった。月面着陸については、どちらが正しいのかは分からないけれど、少なくともこの映画の中では意図的に、人類が他の星に行くことは不可能だと洗脳しているってことなんだと思う。極秘で計画が進んでいるわけなので・・・ 時にはそういうのは必要だとは思うけれど、やっぱり怖い・・・

さて、少し話を進めないとね! こりゃかなりの長文になる予感・・・(((;゚д゚))) 野球観戦中に巨大砂嵐に襲われたクーパーたち。慌てて家に戻ると、マーフが自分の部屋の窓を開けたままだったことに気づく。部屋では当然砂嵐が吹き荒れていたけれど、慌てて窓を閉めると、砂が滝のように一定の規則を持って落ちてくる。その様子を見てクーパーは重力だ!と閃く。・・・分からないけどそうなんでしょう(笑) そして、その現象や、以前から続く本の落下が意味しているのは、ある場所の座標であるこに気づく。もう全然理解できないけど、そういうものなのでしょう! 早速、車を走らせるクーパー。家に居ろと言われたのに、ちゃっかり同乗していたマーフ。でも、マーフが同行したことには意味がある。2人が辿り着いたのはある施設。クーパーは襲われて倒れてしまう。目覚めるとTARSという変なロボット(?)と美女。ブラント博士と名乗る彼女の名前には聞き覚えがあった。そして、案内された会議室にいたは、マーフとブランド博士の父親で、旧知のブランド教授だった。ややこしいので、父親をブランド教授、娘をアメリアとする。字幕もそうなっていたし。実は、この施設はNASAで、人類救済のための計画を遂行しているのだった。

ブランド教授たちは地球の寿命が尽きてかけいると考えており、人類が生活できる別の星を探していたのだった。ワームホール(Wikipedia)という、時空のトンネルのようなものを抜けた先に、既に数人の科学者たちを送り込んでいた。現在、全員と直接の交信は途絶えているが、唯一マン博士からの信号を定期的に受信している。人類救済の方法は最終的には2つあって、プランA:全人類の移住、プランB:一定数確保した受精卵と代理母のみ移住。もちろん、プランBを選択した場合、地球にいる人々は見殺しということになる。ブラント教授は宇宙飛行経験のあるクーパーにも参加して欲しいと依頼する。家族や人類を救いたいクーパーは、帰還できる望みの薄いこの任務を引き受けることにする。まぁ、インド空軍の飛行体や、座標発見なども嬉々としちゃってたし、そもそもはパイロットだったのだから、自分も行きたいんだろうな・・・ 行ってくれないと話にならないし(笑) 義父に子供たちを託して、出かけることになる。こういう危険な任務に赴くという場合、男性の方がすんなり受け入れる気がする。まぁ、重要なのはマーフの方なので、義父と息子ちゃんとの別れがアッサリ気味なのは仕方ない。マーフは自室に篭もって出てこない。彼女に自分とおそろいの時計を渡して優しく諭すけれど、彼女はクーパーが自分は帰ってこれないかもしれないと思っていることを感じ取ってしまい、激しく拒否して泣き叫ぶ。そして、マーフは本の落下や、聞こえてきたモールス信号の音の暗号を解いたと言う。それは「STAY」。 だから行かないで欲しいと懇願する彼女を置いて、クーパーは去っ行く。

ブランド教授に家族のことを頼むと、マーフは優秀なので自分が能力を伸ばしたいと言う。これも伏線。クーパーと一緒に旅立つのは、アメリア、ロミリー、ドイル、そしてロボット(?)TARS。少し前述したけど、彼らの任務はワームホールを抜けて居住可能な星を見つけること。そこで、調査を行い、NASAにデータを送った後、冷凍保存装置で眠りにつき、救出を待つというもの。この船内がとってもリアルで、宇宙船なのだから最新システムなのでしょうけれど、空軍も維持できない現在、密かに作られたものなので、ビックリするほど最新設備ではない。上手く書けないけど、要するに見ている側の身近にある機械類と、著しく乖離しているという感じがない。宇宙船内部なんて見たことないけど、例えば冷凍保存装置にしても、エステの機械とか温泉施設なんかにありそうな感じ。宇宙船内部も飛行機の延長上にある感じっていうのかな・・・ クリストファー・ノーラン監督はCGをほとんど使わず、実写にこだわることで有名。今回もCGは最低限しか使用していないらしい。そのこだわりからすると、あまりに現実と乖離している感じを避けようとしているのかなと思う。そして、その斬新過ぎないデザインが、荒唐無稽な話にリアリティを与えていると思う。

土星の近くに出現した、ワームホールを超えた向こうにある星の、どこに向かうかということになる。今回の彼らの任務は、新たに星を探すというよりも、先行したパイロットたちのデータを持ち帰るという感じだったのかな? パイロットたちが生存している可能性は低いけれど、希望が持てる星は3つ。それぞれにパイロットの名前を付けて、○○の星と呼んでいたけど、1番目の星の名前を失念・・・ この星のイチオシポイントを忘れてしまったのだけど、とりあえず向かうことにする。この星での1時間は地球の7年だったかな? 要するに彼らは居住可能な星を見つけたとしても、その星が地球よりも早い時間経過をする場合、出来る限り早く任務遂行して地球に帰還しないと、地球に残した子どもたちが自分よりも年上になってしまうし、下手をすると会えない可能性もあるということ。この設定は危機感を煽るというよりも、後の奇跡的な部分の方への伏線要素の方が強かったかも・・・

さて、第1の星に向かうことに決定し、その突入方法もクーパーの的確な判断と、操縦で海上に着水することに成功。辺り一面海水(?)で陸地は見えない。それどころか、後方から巨大津波が押し寄せて来る。クーパーが即刻退却の命令を出すも、先行した船の残骸が見つかり、データ回収にこだわったアメリアが逃げ遅れ、助けに向かったドイルと共に船に戻るも、アメリアを先に乗せたドイルが流されてしまう。津波に飲まれそうになりながら、何とか母船に辿り着くも、1人船内に残っていたロミリーによれば、地球の時間では23年が過ぎてしまっていた・・・ 何の成果も持ち帰れず23年を無駄にしたことで、アメリアを叱責するクーパー。アメリアの気持ちは分かるけれど、やっぱりここは叱らなきゃね。データを持ち帰れれば重大な成果があったかもしれないけれど、こだわったばかりに何の成果もなく23年が過ぎてしまった・・・ この辺りの時間経過とかが、ちょっと分かりにくい人もいるかもしれないけれど、自分としては『インセプション』(感想はコチラ)で慣れていたので、特に問題なく受け入れられた。ロミリーは1人で23年間船で待っていたっていうのもスゴイ話だけど(笑)

23年間溜まっていたビデオレターを見るクーパー。少年だった息子は、どんどん青年になっていき、今では妻も子供もいる大人の男性になっている。ずっと信じて待っていたけど、もう父さんのことは諦めると言ってビデオを切るトム。泣きながら彼を止めるクーパー。もちろん途切れてしまう映像。切ない・・・ クーパーにすればほんの数時間だけど、彼らにとっては23年間経っているわけで、その間信じて待つのは辛い そして、その後に現れたのがマーフ。思い出すのが辛いからと23年間ビデオメッセージには出てこなかった彼女が、メッセージを送ったのは誕生日を迎えて、あの日旅立った時の父親と同じ年になったから。このマーフの感じも切なくて良かったけれど、あの日10歳だったマーフが23年経って同じ年になったってことは・・・ え?!クーパーって33歳だったの?!∑(*゚ェ゚*) イヤ、いいけど・・・ でも、マコノヒー45歳だからねぇ(笑)

一方、地球ではブランド教授が長年挑み続けている理論にマーフも興味を持っていた。マーフには教授のやり方では解けないという考えがあって、閃きかかっているのだけど、教授に否定されてしまい、結局そのままになってしまう。この理論の計算が何なんかサッパリ分からないのだけど、これが大変重要なものとなる。マーフはブラント教授の右腕としてNASAで働いているらしく、今では兄一家が住んでいる実家にはほとんど戻らないらしい。兄は農夫をしている。23年経ったわけだけれど、基本はマーフと兄が大人になった以外、地球上ではさしたる変化はないように見える。クーパーたちが旅立ってから、他のチームが旅立ったという情報もないし、地球が急速に滅亡している様子もない。この辺り気になるところではあるけれど、まぁ細かいツッコミはなしで(笑) 要するに、宇宙ではクーパーが、地球ではマーフが人類を救うキーパーソンだということ。

最初の星での失態により、時間も燃料も失ってしまったクーパーたち。クーパーの願いは地球に帰還すること。ロミリーはともかく、アメリアの考えは違っていた。先行したパイロットの1人エドモンドはアメリアの恋人だった。連絡の途絶えたエドモンドが生存している確率はほぼないけれど、自分は彼に会いたいと思っている。今まではデーターや計算などに囚われてきたけれど、"愛"が奇跡を生むこともあるんじゃないかと思う。だから自分はエドモンドの星に賭けたいと言う。しかし、もう1人の先行パイロットであるマン博士の星からは、定期的に信号が発信されていたのだから、マン博士の星に行く方が現実的なのは間違いなく、クーパーとロミリーはマン博士の星を推す。多数決でマン博士の星に向かうことになる。自分が深追いしたから時間と燃料を無駄にしてしまったのに、恋人の星に行きたいとはなんだ(*`д´)と、ちょっぴりアメリアに怒りを感じたりもするけれど、アメリアはワームホールを通り抜ける時に、時空の歪みの中である神秘的な体験をしており、そのことも彼女が主張する"愛"にすがってみたいという思いに繋がっているのかなとも思う。そして、これは後の伏線・・・

マン博士の惑星は一面が氷の世界。生存は絶望的かと思われたけれど、星条旗がはためく基地を発見! 中に入ってみると、冷凍保存装置に横たわるマン博士が! 眠りから覚めたマン博士は、人類との再会を喜び号泣する。TARSと同じ型のロボット(?)がいたけれど、壊れてしまったので今は電源を取るためだけに使っている。それ以来完全に孤独だった。マン博士的には一体何年ここにいることになっているのか不明だし、こんな任務を引き受けるからには、相当な覚悟と情熱があったと思うけれど、やっぱりこうなるよね マン博士によると、この星には氷の下に地表もあり、空気もあるので、人類が生活できる可能性が高いという。皆で手分けして必要なデータを取り、母船に戻ってデータを送信し、エドモンドの星の近くにあるブラックホール・ガルガンチュアをかすめ通れば、それがシンギュラリティ(特異点)となり、人類にとって必要なデータを採取できるという、自分にはサッパリ分からない理論で、帰還計画が決まる。やたらとシンギュラリティを繰り返していたのだけは分かった!←だから?(笑)

一方、地球ではブランド教授が死の床についていた。駆けつけたマーフに彼は衝撃的な告白をする。あの公式は既に解けている。人類を救ことは出来ないというのだった。全ては無駄だという。嘘だと言うマーフを残し、息を引きとってしまう。絶望するマーフ。初めからプランAなど存在しないのだ。父親も捨て駒なのだ。「必ず、帰って来る」と約束した父親は帰ってこない・・・ そして、自分たちも見捨てられたのだ・・・ その怒りをアメリア宛のビデオメッセージにぶつけるマーフ。こりゃ酷い話だ・・・ でも、何となくきっと2人は再会できると思っていたので、ここではマーフほど絶望しなかったのは事実。だって、マーフは既にブランド教授の計算方法に違和感を覚えていたし。きっと、この計算は間違っているんだなと思ったし、それをマーフが解くのだろうと思っていたので・・・ 自分が特別勘が鋭いって言っているわけじゃなくて、これは誰でも分かることだと思う。(・∀・)ウン!!

マン博士の星ではそれぞれに分かれて作業を進めている。ロミリーはTARSに廃棄されたロボットのデータを移す作業に取り掛かり、マン博士とクーパー、アメリアに分かれてそれぞれの探索を始める。ところが、急にマン博士がクーパーを襲う! 実は、マン博士はウソをついていたのだった。この星には地表などなく、どこまでも氷しかない。空気もないので人類は生活することは不可能。自身はそももそも支持していたプランB遂行するため、エドモンドの星に受精卵を持って向かうと言う。2人取っ組み合って戦うも、クーパーはヘルメットを割られてしまい、中にアンモニアが充満し瀕死の状態になってしまう。その間、PC(?)に仕掛けられた爆破装置により、ロミリーはロボットと共に爆死してしまう。危機一髪逃げ出したTARSの動きがカワイイ! これ何て言えばいいんだろ? 普段は長方体のような形で、それが3つに縦割りになっている感じ? その両側が手足のように動くのだけど、走っている時はこれがグルグル回っててカワイイ 何とかアメリアに状況を伝えることが出来きて救出してもらったクーパー。しかし、マン博士はクーパーたちの母船に向かっていた。母船を取られてしまっては、地球に帰還することもできない。ここからは本当に手に汗握った!

マン博士の方が一足先に母船に着き、ドッキング態勢に入る。TARSが彼の船の権限を外したため、自動接続が出来ず、マン博士は手動でドッキング作業をしなければならなくなる。ドッキング作業は不完全なまま。そのまま母船に乗り込むためハッチを開けてしまったら、船も母船も吹き飛んでしまう! 必死に彼を説得するクーパーとアメリア。しかし、自分の考えに憑りつかれたマン博士は強行してしまい、当然のように吹き飛んでしまう。まぁ、マン博士も決して悪人ではない。彼は彼なりに人類を救おうとしていたことは事実。もちろん、自分が助かりたいという思いもあったとは思うけれど・・・ プランAとプランBどちらも"人類"を救うことには違いはないのでしょう。ただ、凡人OLちゃんが考える"人類"は、やっぱりプランA。だって、今現在生きてるし・・・ ただ、もう究極の状態。地球に資源がなく、人類にも新たな宇宙船を造り出す力も、燃料もないとなれば、プランAはそもそも実行不可能なわけで、プランBの成功率も決して高いとはいえないものの、人類という"種"を残すと考えればプランBなのでしょう。ただ、それが"人類"を救ったことになるのか・・・ こんなことを考えるのは、自分が親になったことがないからかなぁ・・・ "人類"という"種"が残れば、それでいいじゃないかという考えは理解はできるものの、何となく違和感がある。それは、そんなの認めない!っていうことではなくて、モヤモヤ感というようなものなのだけど・・・

マン博士の暴走により、一部損傷してしまった母船に、クーパーの超絶技巧でドッキングに成功! そこに届いていたマーフからのビデオメッセージに愕然とする2人。あなたは知ってたの?!と問われたアメリアだけど、彼女は知らなかった。ブランド教授とすれば、娘に本当のことを話すのはしのびなかったのだろうし、彼女を宇宙に送り込むことで人々を欺いた罪滅ぼしをしたつもりだったのかもしれない。でも、父親に騙されていたことと、どうやっても人類を救えないと知ったショックは大きい・・・ そこでクーパーは決断する。当初の計画どおり、ガルガンチュアをかすめて通り、エドモンドの星に向かう! なぜなら地球に帰還できる燃料はもうないから・・・ ガルガンチュアというのはブラックホールなのだけど、どうやら古いブラックホールらしく、威力が弱いので、ここをかすめて通ってシンギュラリティを起こす?得る?サッパリ分からないけどそういうことらしい。ここからは、ホントにもうずっと手に汗握ってた! とにかく、その映像と迫力がスゴイ!! これは是非、映画館で見て欲しい!

ガルガンチュアに近づくと、TARSが乗った部分を切り離す。TARSを見捨てるのか?と言うアメリアに、TARSはロボットだし、そうプログラミングされているのだから気にするなと言う。一見冷たいこの言葉をアメリアに言った理由が分かった瞬間から号泣! そう、エドモンドに向かう軌道に入る寸前、クーパーは自身が乗った部分を切り離す。必死で止めるアメリアに「無駄な部分は置いて行け」というセリフが。・゚・(ノД`)・゚・。 そして、ここからがまたスゴイ! スゴイ勢いで吹き飛ばされるクーパーは、一瞬アメリアと触れ合う。これが最初のミッションでアメリアが体験した奇跡。そして、宇宙空間に投げ出されたクーパーは、気が付くとある不思議な空間にいることに気づく。この画がスゴイ!! 上手く言えないのだけど、クーパーがいるのは、基本的には子どもの頃のマーフの部屋の本棚の裏側。だけど、ただの本棚の裏側じゃなくて、時空の空間に漂っている感じ。これは5次元の世界だそうで、もう4次元も分かってないのに、5次元て何?! と思ったので、毎度のWikipediaで調べてみた。5次元というのは、空間の次元が5つあること。5つの次元(Wikipedia)で表される空間を5次元空間という。ということで、サッパリ分からない・・・ でも、サッパリ分からないながらも、映像で納得させられちゃうというか・・・ この映像化が5次元を明確に表しているものなのかも、そもそも5次元が理解できてないのだから不明なのだけど、なるほどそうかと思わせてしまうのがスゴイ!

そう! マーフに本を落としたり、砂を撒いたり、モールス信号を送ったりしてメッセージを送っていたのは、クーパー自身だった! この辺りになると、マン博士との緊迫したやり取りと、アメリアを行かせるための切り離し、そして5次元の映像の美しさ、そしてこの奇跡に感動して涙が止まらなくなってた! これはスゴイ! ここで、クーパーは悟る。選ばれたのは自分ではない! マーフだったのだ! だからマーフに伝えなければならない!! 本棚の裏側の5次元から、あの日のマーフにメッセージを送る。STAY! そう、行くな俺! しかし、俺は行ってしまう・・・ まぁ、俺が行かないと、5次元の俺もいないからねぇ・・・ 時空を超えることも、タイムパラドクスって言うのかな? まぁ、分からないことは書かない方がいいか(o´ェ`o)ゞ そこに、久々に兄を訪ねたマーフが、甥っ子の喘息が酷いことに気づき、NASAの仲間(恋人?)のゲティに診てもらうために戻って来ている。直ぐに病院に入れなきゃダメだというゲティの言葉に、耳を貸さない兄。兄としてはもう地球に絶望しているから、家族と一緒にいたいっていうことなのでしょう。彼を家から引き離すため、トウモロコシ畑に火をつけるマーフ。その間、彼女は以前の自分の部屋に入る。自分と父親をNASAに導いたあの現象。何かあるとすればあの部屋だ・・・

このシーンがまた切ない。子どもの頃、あの現象が起きても、マーフがさして怖がらなかったのは、根底に愛情を感じていたからだと思う。何かを教えようとしていて、導いてくれているのだと感じていたから。現在のマーフも何かに導かれていることが分かる。ここの部分がよく分からなかったのだけど、”現在”2人がいるのは同じ時間ではないのかな? クーパーは子供の頃のマーフの時間にいて、現在のマーフはそれを思い出している? それとも、そこの時空は歪んでいて、子供のマーフとも現在のマーフとも繋がっている? でも、大人のマーフの姿もクーパーには見えてたみたいだし・・・ そもそも、マン博士の星を離れて、エドモンドの星に向かう時点で、さらに地球では50年が経ってしまったのもクーパーが帰還を諦めた理由。なので、23年後のマーフとも時間は合ってないし・・・ うーん(´ェ`)ン-・・ どんどん訳が分からなくなってきたので、この辺りでいいか(笑) このシーンの今まで見たことのない映像と、かなりノスタルジックな造りのマーフの部屋、そしてアノ時計などのアイテムが揃うだけで切なくて感動してしまう。そして、マーフは気づく! 公式が解けたのだ!! 何度も言いいますが、難しくてサッパリ分からないので、何がヒントになって閃いたのか、そしてその閃きがどう作用して公式が解けたのか、最終的に公式が解けたから何故人類を救えるのかサッパリ分からない

NASAに戻って公式を説いたマーフが、嬉々として書類をばら撒いた直後、病院のベッドで目覚めるクーパーのシーンに変わる。そこには医師と看護婦がおり、あなたは124歳になっているので、無理しないで下さいと冗談っぽく言われる。病室の窓の外には野球場が広がり、少年たちが野球の試合をしている。バッターが打ったボールが高く舞い上がり、『インセプション』で見た歪んだパリのように、グニャリと持ち上がった田舎町の家の窓ガラスを割る。そう、一瞬地球か?!と思うけれど、ここは地球ではないらしい。ここはクーパー・ドームというのだそう。自分の名前がついていることに驚くクーパーに、マーフの功績により名づけられたのだと伝える医師(笑) マーフは今こちらに向かっていて、2週間後に会うことが出来ると言われる。再現された自宅に戻るクーパー。どんな感じかと聞かれるけど、複雑な気持ちだと言う。やっぱり帰還したという実感はないのかもしれない・・・

そして、マーフと再会する。すっかり老婆になっているマーフは、死の床に着いている。どうして待ち続けることができたのかと問うクーパーに、あなたが「必ず、帰る」と言ったからと答えるマーフ。・゚・(ノД`)・゚・。 そして、自分より若い姿の父親に言「親が、子供を看取るものじゃない」と言う。これも泣いた・・・ 自分はどこに行けばいいのかと問うクーパーに、アメリアの所に行ってと告げる。彼女は宇宙でたった1人助けを待っている。もうじき冷凍保存装置に入るから、急いで彼女を救ってあげて欲しいと言う。その時映し出される映像には、エドモンドの船の残骸が写り、1人宇宙服を着て基地へ向かうアメリアの姿が。彼女がいる星には地表があるようだし、彼女はヘルメットを取っていたので、おそらく空気もあるってことだよね? あれ? ヘルメット取ってたのは基地内? とにかく、クーパーは自らが修理したTARSと共に、エドモンドの星に向かって旅立って行く。このシーンで終了! イヤ~!! 面白かった!!

正直、ツッコミどころはたくさんある。あの状況でどうやってクーパーは助かったんだ?!と思うし・・・ だけど、そういうのもうどうでもいい!と思ってしまう。いつもながらにねじ伏せられるというか・・・ やっぱりクリストファー・ノーラン監督作品好きだと改めて思う! 本当に久々に映画を見たー!って気持ちになった。

キャストが素晴らしい! マーフは3人の女優が演じる。子どもの頃のマーフのマッケンジー・フォイの、自分の才能と感情を持て余している感じが素晴らしい。繊細で感受性の強い、そして意志の強いその姿が、後のジェシカ・チャステインのマーフに繋がる。最初はアン・ハサウェイに似ていると思っていて、アン・ハサウェイに繋げるために似てる子選んだんだ( ̄ー ̄)ニヤリと思っていたら、普通に彼女と同じ場面に、アン・ハサウェイが出て来てビックリ! そうだ娘はジェシカ・チャステインだったと思い出して笑った。老年を演じたエレン・バーンスティンも僅かなシーンながら存在感を残す。うん!マーフが最終的にこんな感じになるの分かる(笑) そしてジェシカ・チャステインは相変わらず上手い! 見たいと思った理由の1つはジェシカ・チャステインが出ているから。『ヘルプ ~心がつなぐストーリー』(感想はコチラ)の、ちょっとバカっぽいセクシー美女も素晴らしかったけど、やっぱりこういう知的で強い役合う! でも、『ツリー・オブ・ライフ』(感想はコチラ)のいわゆる良妻賢母も出来るし、何でも出来るね(・∀・)ウン!! 義父役でジョン・リスゴーが!おじいちゃん好きとしては、ちょっとウレシイ(笑)

アン・ハサウェイの役は厄介ごとを起こしてしまう部分があるので、ちょっと損だけど良かったと思う。それだけ彼女が必死だとも言えるわけだし。エドモンドの星にこだわるのも、自分も生きて帰れる保証がない以上、愛する人の元に行きたいという気持ちは理解出来る。ただ、人を巻き込んじゃダメだけど・・・ マン博士役のマット・デイモンはノンクレジットだったの? エンドロールに名前出てなかったっけ? あれ?(o゚ェ゚o) マン博士は唯一悪役ともいえる役どころ。自身は正義のためだと思っていても、主人公を殺しそうになっちゃうから悪役だよね(笑) でも、そもそも変わったところのある天才で、たった1人であんなところに居たら、自分の考えに凝り固まってしまう気持ちは分かる。そのちょっと狂気みたいな部分を感じさせるマット・デイモンはさすがの演技。ノーラン作品といえばのマイケル・ケイン。今回も主人公に助言する役どころで紳士的と思っていたら、なんとあんな・・・ でも、マイケル・ケインなのでOK ちょっとお腹出てたけど・・・(´・ω・`)

そして! クーパー役のマシュー・マコノヒーがスゴイ! ここ数か月の間に『マジック・マイク』、『ペーパーボーイ 真夏の引力』、『ダラス・バイヤーズクラブ』(残念ながら、1本も感想書いてない 『ダラス・バイヤーズクラブ』は書きたい!)を見たけど、 毎回全く別人でビックリ! もちろん今作でも全く別人! イヤ、マジック・マイクのあの人と、クーパーはホントに全然別人だよね? 顔つきも違っててビックリ! この演技は素晴らしい! だって、こんなリアリティーのない役を、こんなにリアルに見せちゃうって・・・ でも、全然やり過ぎてなくて自然。一番素晴らしかったのは、予告編でも写っている、家族に別れを告げた後、車を走らせながら耐えきれなくて涙を流すシーン。あえてサラリと別れた後の、あの涙はグッときた! そして、ラストはイキイキして、まるでアメコミヒーローみたいに宇宙に向かっちゃうし(笑) 素晴らしい

とにかく画が素晴らしい! 実は今作長年撮影監督を務めてきたウォーリー・フィスターが、監督デビュー作となる『トランセンデンス』(感想はコチラ)の撮影で参加できなかったため、ホイテ・ヴァン・ホイテマが起用されたのだそう。『ぼくのエリ ~200歳の少女』(感想はコチラ)の人だね? 自分は撮影技術のことは全く詳しくないので、違いはあまり分からなかったけど、ノーラン監督の世界観をきちんと映し出していたと思う! あの5次元空間はスゴイ! あれはCGか?

前述したとおり極力CGは使わず、実写にこだわるノーラン監督。トウモロコシ畑は種を撒いて作ったそうで、砂嵐も巨大扇風機で実際に起こして撮影。ハードコンタクト愛用者としては、あの砂嵐の中での撮影は無理だわ・・・ コンタクト関係なく辛いと思うけど(笑) マン博士の星はアイスランドで撮影したそうで、アン・ハサウェイは本当に寒かったので演技の助けになったと語っている。確かにグリーンシートの中で、氷河を想像して演じるのは大変だよねぇ・・・ まぁ極寒で演技するもの大変だと思うけど(笑)

人類を救うため宇宙へ旅立つ男の家が、本当に素朴な農家っていうのもイイ! 前述したけど全てが最新過ぎないのもリアルでイイ! あ、クーパーが腕にしていた時計はHAMILTONのカーキ・パイロット・デイデイトだそう!別にいいけど(o´ェ`o)ゞ

撮影は70ミリフィルムで行われたそうで、日本では基本デジタルでの上映となるけれど、丸の内ピカデリーでは35ミリフィルムで上映されるのだそう! これ見てみたい! IMAXでも撮影しているそうなので、IMAXでも見てみたい! しかし169分あるからねぇ(笑)

ちょっと長いし、ノーラン監督のテンポと合わないうちはちょっと辛いけど、最初から伏線がいろいろ貼ってあるので頑張って! そんなに無理しなくても、テンポに巻き込まれて、気づいたらねじ伏せられているので心配なし

とにかく映画館で見て! 超オススメ! ノーラン監督好きな方是非是非! ジェシカ・チャステイン、アン・ハサウェイ好きな方も是非! マシュー・マコノヒー好きな方必見!!

『インターステラー』Official site


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【cinema】『西遊記 はじまりのはじまり』ジャパンプレミア

2014-11-17 00:23:57 | cinema
'14.09.13 『西遊記 はじまりのはじまり』ジャパンプレミア@浅草公会堂

第7回したまちコメディ映画祭オープニング作品ということで、チャウ・シンチー監督舞台挨拶あり?と期待してチケット取ったのに・・・ なんと来日はなし。・゚・(ノД`)・゚・。 代わりに日本語吹き替え版を担当した斎藤工氏の登壇(記事はコチラ)はあったものの、やっぱり残念だった とはいえ、日本公開6年ぶりとなる新作を、いち早く見れる機会は貴重ってことで、楽しく見てきた

ネタバレありです! 結末にも触れています!

「妖怪ハンターの玄奘は、川辺の村で妖怪を捕える。師匠の教えどおり"わらべ唄三百首"を唱えるも効果はなく、女性妖怪ハンターの段に手柄を横取りされてしまう。落ち込む玄奘に師匠は「お前にはほんの少し"何か"が足りない」と言われ、修行の旅に出るが・・・」という話で、あの「西遊記」の前日譚。もちろんオリジナル(笑) これは本当にバカ映画! ホメてます!! 今回は自身は出演せず、監督に徹したことで、シンチー節炸裂という感じ。とはいえ自身は『食神』『少林サッカー』『カンフー・ハッスル』『ミラクル7号』(感想はコチラ)しか見ていないので詳しくないけど・・・ 苦手な人はダメかもしれないけれど、シンチー好きなら最高に楽しめると思う。自分は特別ファンというわけではないけど、好きな監督の1人なので楽しめた。

2013年中国で公開され、興行収入200億円超、年間興行成績1位を獲得した作品。今回の日本での配給はGOLDEN ASIA。アジア各国の興収第1位を獲得、もしくは映画賞を受賞した作品を日本に紹介するレーベルなのだそう。なるほど! 前作『ミラクル7号』から6年ぶりの日本公開作品。公式サイトにはチャウ・シンチー監督のインタヴューが載っていて、何故出演しなかったのかとの質問に、チャレンジングな企画なので100%の集中が必要だったと答えている。シンチーファンの方には出演がないのは残念かもしれないけれど、個人的にはご本人のおっしゃるとおり、監督に徹したのは良かったのではないかと思う。でも、玄奘のキャラは自身を想定して書いていたのかな?という印象。真面目で、ちょっと天然で、自分の能力に気づいていない、そして魅力的。

何故、「西遊記」を撮ろうと思ったのかとの質問には、子どもの頃からファンで、小説、映画、ドラマはほとんど見てきたと答えている。なるほど。この超有名な物語の主要キャラを、こんな形でいじれるのは愛情あってのことなんだと納得。「西遊記」は子供の頃、堺正章氏主演のドラマを見ていた。内容はほとんど覚えていないし、原作は未読なのでドラマがどこまで原作に忠実だったのかは不明。なので、漠然とお釈迦様に挑んだ孫悟空が、山に閉じ込められていたこと、天竺へ経典を求めて旅をしていた三蔵法師がそれを助け、孫悟空は旅に同行すること、他に沙悟浄、猪八戒も旅に加わることくらいしか分からない。自分の中では三蔵法師はお坊さんだったので、今作で妖怪ハンターだったのでビックリ! 今作はオリジナルだけど、どの程度原作キャラを生かしているのか分からなかったので・・・

さて、前置きが長過ぎるからそろそろ本題に入る! ネタバレありとか、結末にも触れているとか断り書きしたけれど、公開日が早い順にレビュー記事書いてたら、見てから2ヶ月も経ってしまい、細かい部分は忘れてしまったので、流し気味に・・・ でも、細部までこだわったセットとか、脚本の感じなどは、実際見た方が絶対楽しめると思う!

冒頭、空撮のような形で川辺の村にカメラが近づいて行く。川で泳ぐ父親を見てはしゃぐ幼女。父親は明らかに溺れているのに気づいていない。気づいた時には時すでに遅く、父親は何モノかに喰われてしまう。パニックになる村人たち。そこへ現れた妖怪ハンターが、妖怪をおびき出し退治する。しかし、それを見ていたボサボサ頭の青年は、本当の妖怪はそれとは別で、まだ川の中にいると主張するけれど、誰も取り合わない。大方の予想どおり、ボサボサ頭の青年の言う通り、後から巨大な魚が現れ、川辺の村は地獄と化す。このシーンは結構長く、しかも幼い子供が犠牲になってしまったりと、意外にも衝撃的! でも、一番自分が衝撃を受けていたのは、後の三蔵法師となる青年がボサボサ頭だったこと! え?!お坊さんじゃないの?! そう、今作で玄奘は妖怪ハンターとして登場する。そして、このボサボサ頭は後に重要な意味を持つ!

玄奘の活躍もあって、何とか巨大な魚を捕える。陸に上げると人間の姿になった。どうやら、今作で言うところの妖怪は、もともとは人間だったけれど、恨みや悲しみなどにより、妖怪になってしまったということらしい。この妖怪は、子供を助けようとしたのに、誘拐犯に間違えられて殺されてしまったため妖怪化。妖怪ハンターは妖怪の魔力(?)を封じ込めなければならない。妖怪ハンターも、それぞれ独自の方法で妖怪を退治するらしく、玄奘のそれは"わらべ唄三百首"を歌い上げるというもの。要するに、童心に返すことで人間だった頃の記憶を呼び戻し、良心に訴えるってことで、性善説に基づいているのかな? ただ、即効性は薄い・・・ 徐々に、効果が現れつつあったのだけど、そこに現れた女性妖怪ハンター段が、アッサリ小さな壺のような物に妖怪を封じ込めてしまう。ここまでで時間的に10分以上はあったと思うけれど、説明的なセリフがあったわけでもなかったと思うけれど、こちらに漠然と理解させちゃうのがスゴイ! そして、この巨大な魚の妖怪が沙悟浄。あれ?沙悟浄って河童じゃなかったっけ?

妖怪退治に失敗し、傷ついた玄奘に師匠は「お前には、ほんの少し"何か"が足りなかった」と言い、修行に励むよう諭す。ここから玄奘の"何か"探しとなる。場面が変わり、1組のカップルが山奥を歩いている。見ている側からしてみれば、お世辞にもイケメンとは言えない青年を、彼女の方は終始見とれて「あなたはなんてイケメンなの」と言い続けている。バカップルだなと思っていると、岩場に不似合いな豪華な料理店が現れる。入ってみる2人。お客は誰もいない。出された料理はどれも美味しくて、ガツガツと食べ始める2人。そこに現れた店主は、満面の笑みを浮かべた美青年。このキャラ! 今作で一番好きだった! 満面の笑みを浮かべたままで、一度も表情を崩さず、しかも顔がテッカテカ! 何故、彼がこの姿をしているのかが分かると、ちょっと切ないのだけど・・・ 当然、女性は即彼に心を奪われる。そして、豹変したこの店主に殺されてしまう。実はこの店主は巨大な豚の妖怪で、人を食べていたのだった。

そこに現れた玄奘が、次々現れる店員たちと戦っていると、段が現れる。妖怪ハンターは、妖怪を退治して賞金稼ぎをしているらしい。玄奘がボロボロの服を纏っているのは、お金がないということで、要するに成功率が低いということなのでしょう。2人で競いつつ、顔テカ店主と戦うも、巨大なイノシシに姿を変え逃げられてしまう。人間だった時、不細工だったことから、妻がイケメンと浮気してしまい、それに怒って2人を殺してしまったことから、巨大な豚の妖怪になってしまったそうで、だから人間の姿の時にはイケメンだったのね・・・ でも作り物笑顔ってことか・・・ お気づきの通りこの妖怪は後の猪八戒なのですが、この時点ではまだ退治すべき妖怪で、この妖怪を倒すことが出来るのは、五指山の麓に閉じ込められている孫悟空だけだと言われた玄奘は、この狡猾で根に持つタイプだという孫悟空に会うため、五指山を目指すことになる。こうやって書くとちゃんと筋は通ってるね(笑) イヤ、だからこそめちゃくちゃな部分が面白いのだけど!

五指山を目指す玄奘は、段が捕えられ連行されているところに遭遇する。実はこれ、段とその一味のお芝居。段は玄奘に恋してしまったのだった。何とかボスである段の恋を成就させようと、手下たちはあの手この手を繰り出すけれど、修行中の身である玄奘は恋愛はご法度だと思っているし、段はあまりにも女子力が足りなかった 貼られた相手は同じ動きをしてしまう服従シールを自らに貼り、セクシーな手下に遠隔操作してもらって玄奘に迫ろうとするけれど、セクシー女性の側に問題が起こり、かえって罵声を浴びせてしまう始末。このシーンとかとってもシンチーっぽい気がする! ここは好き(笑)

そんな中、あの巨大イノシシが現れる。と、どこからともなく3人の妖怪ハンターたちがやって来る。これがまた、皆独特なキャラ(笑) カンフーの型で自分を虎のように見せることが出来る虎筋蟷螂アニキ、片脚が巨大化する足じい、そして美青年だけど虚弱体質なため、4人の不細工BBAに担がれた輿に乗っている空虚王子。アニキと足じいまではいいとして、空虚王子のキャラはどこから思いつくんだろう(笑) どうやら巨大イノシシを倒したものが、最強の妖怪ハンターだということになっているらしい。このシーンどうやって終わったんだっけ? 結局、誰も巨大イノシシを倒すことが出来ず、玄奘は1人で五指山に向かう。

途中、洞窟のようなところで追いかけてきた段とのやり取りがあったように思うのだけど・・・ 違ったっけ? 五指山には到着するまでに、ちょっとした玄奘苦悩シーンがあったような・・・ でも、段は五指山にも現れるから、ここでは別のエピソードだったんだっけ? 何かに襲われて段に助けてもらったんだっけ? イヤ、記憶を呼び戻すために、公式サイト見ながら書いてるんだけど、上のシーンから一気に五指山まで飛んでるもので・・・(o´ェ`o)ゞ

五指山の麓と言っても、簡単に分かるわけではなくて、確かヒントがお釈迦様の頭のところとかそんな感じだったような・・・ 五指山があると言われている辺りにやって来た玄奘の前に広がっていたのは、山に囲まれた湖。湖に写る山の姿と合わせると、涅槃仏のような形になる。多分そうだろうと思ったけどやっぱり! やっとたどり着いた洞窟の中にいたのは、頭の禿げたチビの老人・・・ えー!孫悟空をこんなキャラに(笑) 確かに猿っぽくはあるけども・・・ 孫悟空は狡猾だから気をつけるように言われているので、警戒しつつ悟空に巨大イノシシ退治を依頼しなければならないわけで、あの手この手を繰り広げる両者。このシーンはホント笑える! 特にこの孫悟空役の人の演技がスゴイ!! 途中から段が現れて、2人に気を使って身を隠そうとするのだけど、洞窟は狭いので結局全然隠れられないシーンとか笑った(*ノ∀゚*) だって、この人見てたらイヤでしょ(笑)



玄奘は段のためにも彼女を追い帰す。そして、悟空の罠にはまって彼を解き放ってしまう。自由になった悟空は当然玄奘の言うことなど聞かない。玄奘が心配で近くに残っていた段が、悟空に立ち向かうも、全妖怪の王と呼ばれている孫悟空にはかなわない。彼女は悟空に殺されてしまう。彼を倒せば自分が妖怪の王になれると、虎アニキ、足じい、空虚王子も戦いを挑むけれど、彼らも倒されてしまう。残ったのは玄奘。段を失ったことで、彼女を愛していたことに気づいた玄奘。彼女への思いと、悲しみを受け入れ、悟空の暴走を食い止めるべく、一心に念仏を唱え始める。どんどん無の境地に入っていく。逆に猛り狂う悟空。玄奘のボサボサ頭の髪の毛を抜いていく! どんどん抜いてとうとう坊主になってしまうれど、玄奘は全く動じない。無我の境地に達したってことかな? そして、シンチーといえばの巨大な手登場! 悟空は玄奘の姿に心打たれ、殺すことは出来ないことを悟る。そして、彼に従うことを誓う。玄奘に足りなかった"何か"は、人を愛すること、そして自分の中の欲を認めること。それを受け入れ、人を救いたいと思う気持ちが、彼を最強の妖怪ハンターにしたってことかと・・・ まぁ、最強の妖怪ハンターになるってことが目標だったわけじゃないと思うけど。これはやっぱりシンチー監督からのメッセージなのだと思う。

そして、孫悟空、沙悟浄、猪八戒と共に歩き出す。沙悟浄と猪八戒は突然現れて、何故玄奘に同行するのか一切説明なかったけど、もうそういう細かい部分はどうでもいい! だって、ここで急に「Gメン'75」のテーマ曲ががが! そしてエンディング! これは一体?! 何故「Gメン'75」を?との質問に、「Gメン'75」が大好きだから。エンディングテーマにしたのはドラマの真似。三蔵法師と3人の弟子が天竺に向かうのは、「Gメン'75」で犯人をやっつけに行くイメージ。チームが完成して旅に出るのは強い部分で、段の愛情が残っていて気持ちはロマンチック。この2つが「Gメン'75」にはある!と答えているのだけど・・・ うーん・・・ 自身はこのテーマ曲と横一列でキャストが歩いているエンディングは知ってるけど、ドラマの内容は知らないからよく分からない・・・(o´ェ`o)ゞ

キャストは公式サイトにも4人しか載ってないのだけど、段のスー・チー良かった! 恋に一途なのに不器用でカワイイ。でも、彼女への愛情が玄奘の本当の力を引き出すのだから、とっても重要な役。良かったと思う。孫悟空のホアン・ボーがスゴイ! このチビで禿オヤジが孫悟空?って思わせて、でも妖怪の王なのだから狡猾でなければならない。信用できない感がスゴイのに、コミカル演技に笑っちゃう! 玄奘のウェン・ジャンも良かった! 妖怪を助けたいと考えている彼は、いい人だし生真面目。つまらない役になりがちだけど、そこはシンチーだけに彼のそういう面が笑いを誘う要素を加えている。それを理解してきちんと演じていたと思う。少し頼りない雰囲気だけど、カワイイ感じがするので人気出るかも?

とにかくスケールの大きさにビックリ! CGもCGを感じさせない部分と、あえてのCG感を出している部分があって、それが絶妙! 冒頭の沙悟浄がまだ巨大な魚だった時のデザインがスゴイ! 基本妖怪たちとのバトルシーンは、こちらもシンチーといえばのカンフー。特に段のカンフーは女性的でもありつつ、力強くてカッコ良かった! 中国っぽい自然の風景も良かった!

そういえば、孫悟空といえばの緊箍児は、実は段の変幻リングだったんだっけ? 監督インタヴューで、玄奘と段の愛情と、2人の関係を上手くつなげたいと考えて、腕輪を緊箍児にしたって語っているからそうだね

万人受けするかどうかは微妙かなぁ・・・ でもシンチー監督作品好きな人は絶対好きだと思う! スー・チー好きな方もおススメ! シンチー監督作品好きな方是非!

『西遊記 はじまりのはじまり』Official site


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【cinema】『ショート・ターム』(試写会)

2014-11-14 02:51:43 | cinema
'14.11.05 『ショート・ターム』(試写会)

Hollywood Newsで当選。いつもありがとうございます! 前評判がとっても高かくて、見たいと思っていたのでウレシイ! ってことで、張り切って行ってきたー

ネタバレありです! 結末にも触れています!

「10代の子供たちをケアする短期保護施設ショート・タームで働くグレイス。同僚のメイソンとは恋人で同棲中。日々、それなりに充実していた。メイソンとの間に子供ができ、彼は喜ぶけれど、グレイスにはメイソンにも話せない過去があった・・・」という感じの話。思っていたより感動。・゚・(ノД`)・゚・。とはならなかったけれど、なかなか良かった。問題を抱えている子供たちをケアする側も、問題を抱えているっていうのは、特別目新しいわけでもなく、ちょこちょこ粗さもあるけれど、短くスッキリまとめていたと思うし、重いテーマをポップに見せるのも好み。

2009年サンダンス国際映画祭、シアトル国際映画祭、アスペン国際映画祭、ボストン・インディペンデント映画祭など、50の映画祭にノミネート、30で受賞。2013年サウス・バイ・サウス・ウエスト映画祭でプレミア上映され、審査員特別賞を受賞。Rotten Tomatosで99%の満足度を得るなど、まさに鳴物入りでの日本公開という感じ。監督はデスティン・クレットン。マウイ島出身の日系人で、今作が長編2作目。今作が高評価されたため、次回作はジェニファー・ローレンス主演の『The Glass Castle/ガラスの城の子どもたち』が控えているそうで、まさに期待の若手監督という感じでしょうか? 舞台挨拶で(記事はコチラ)、監督ご自身が語っていたように、カリフォルニア州の保護施設で働いていた体験がヒントとなっているとのこと。

冒頭、4人の若い男女が中庭のようなところで会話をしている。家族と共に暮らせない子供たちを、一定期間預かり生活させる施設ショート・ターム。彼らはそこで働くスタッフで、ネイトという青年は今日が初日らしい。彼に施設のことを説明しつつ、先輩スタッフのメイソンが施設にいた子供とのエピソードを、おもしろおかしく語っている感じ。主人公のグレイスともう1人の女性スタッフは呆れ顔。そんな中、1人の少年が奇声を上げて飛び出してくる。慌てて追いかける4人。それが上に貼ったチラシ。このシーン、よく考えると大変なシーンなのかもしれないけれど、天気のいい芝生の庭で繰り広げられる逃亡劇は、どこかコミカルでちょっと楽しい。なるほど、こんな感じなのかと思ったりする。この始まりは好き! 同時に4人のキャラクターの説明にもなっている。メイソンはサービス精神があっていい人、大学に通いながらボランディアで来ているネイトは真面目。グレイスはしっかり者。この3人は主要キャラ。もう1人の女性は完全に脇役だったので割愛(笑)

施設での仕事は、子供たちの心のケアをするのではなく、あくまで生活をさせること。どうやら、18歳になると施設を出なければならないらしく、18歳になったマーカスは近々施設を出なければならない。母親に虐待されていたマーカスは、殻に閉じこもりがち。彼と年齢の近い少年ルイスとしょっちゅう諍いを起こしている。ルイスの方がちょっかいを出している感じだけれど、人を寄せ付けないマーカスの態度がそうさせている部分もあるのかも。2人がケンカをするたび、グレイスたちは割って入り、2人を落ち着かせ、食事をさせたりする。冒頭、裸で飛び出してきた少年サミーは、どうやら妹を亡くしたことで、心に深い傷を負ってしまったらしく、ぬいぐるみを手放さず、誰とも会話をしない。そもそも、自閉症の症状があるのか、心を閉ざしてしまったのかは不明。グレイスたちは、彼を寝かしつけたりする。そういうケア。いわゆる、日常生活をさせる。それがなかなか大変。グレイスはスタッフとして優秀らしく、常に中心になって働いている。

一方、グレイスは病院で診察を受けている。どうやら妊娠しているらしい。即、中絶の予約をする。他の選択肢はないのか?と尋ねる女医に対して、ないときっぱり答える。そして、以前にも妊娠したことは?の問いに、あると答える・・・ この時点では、グレイスの過去が荒れていたのか?とも思うのだけど、とにかく彼女にも何か過去に傷があることが分かる。グレイスのお腹の子の父親はメイソン。2人は同棲している。2人が何歳の設定なのか不明だけど、グレイスが20代前半でメイソンが20代後半って感じかな? メイソンはグレイスを愛していて、彼女を包み込むように愛を注いでくる。そして、彼女を求めてくる。でも、グレイスはそれに応えることに苦悩している様子・・・ メイソンの求めに応えられないことで、彼を傷つけてしまったため、2人の子どもが出来たことを打ち明ける。大喜びするメイソン。素敵なカップルだなと思っていたのだけど・・・

そんな時、施設に1人の少女が入居してくる。囲み目メイクで攻撃的なジェイデン。施設には10人くらいの子どもたちがいるようだけど、中心的に描かれるのはジェイデンと前述のマーカス。後は、マーカスとケンカしてばかりいるルイスと、飛び出し坊やサミー。でも、家庭の問題が見ている側にもハッキリ分かるように語られるのは、ジェイデンとマーカスのみ。母親が亡くなってから、ジェイデンにどう接していいか悩み、彼女を持て余しているという父親は、ショート・ターム代表の知人で、いわゆる紳士と呼ばれる人物。見ている側としては、この父親に問題があるのは察しがつく。ジェイデンはたびたび問題を起こす。それに対して姉のような態度で接するグレイス。次第にジェイデンは心を開く。

マーカスがケンカをして、メイソンがケアに向かう。マーカスが作った曲を聞きたいと言うと、自分を虐待していた母親への思いをラップに乗せて歌うシーン。ラップが大の苦手な自分としては、ちょっと辛かったのだけど、それでも彼の思いは伝わってきた。初めてラップで涙が出そうになったかも? ラップじゃなかったら確実に泣いてた。あくまで個人的な好みの問題です! ラップ好きの方ごめんなさい┏○ペコ

ショート・タームに来て以来、初めて自宅へ戻る日。父親の迎えを待つジェイデンは、次第に落ち着きをなくしていく。どうやら自傷行為もあるようで、爪で自分の手を傷つけていく。耐えきれなくなって席を立ってしまうジェイデン。部屋の扉は開けておく決まりになっているのに、扉を閉めてしまう。自室で自傷行為をしているのではないかと心配するグレイスたち。うーん。てっきり、ジェイデンは父親に迎えに来てもらいたいと思っていて、彼女は父親に捨てられたと考えているのだと思っていた。この感じだとそうとってしまうかも? あえてミスリードさせているわけでもないと思うのだけど、後からアレ?と思ったことは事実。ジェイデンとグレイスが部屋で話している間、マーカスが皆に声をかけて、メッセージカードを作る。作るところはあえて見せず、部屋に並んでる感じは好きだった。カラフルでかわいくて、ちょっと泣いてしまった

ジェイデンは施設を抜け出してしまう。後を追ったグレイスはジェイデンの自宅までついて行く。戻ってきたジェイデンはグレイスに自作のマンガを見せる。友達のいなかったタコが、サメと友達になりたくて、自分の体を与え続ける話。このマンガを見てグレイスはジェイデンが父親から虐待を受けていることを悟る。何故、このマンガで虐待の疑いを感じ取れたのか、心理学などの知識がない自分にとっては全く分からなかったのだけど・・・ そういう部分について、詳しい説明はない。

グレイスの妊娠を知ったメイソンは、彼女を養父母の結婚記念日パーティーに招待する。メイソンが両親を亡くしたのか、あるいは捨てられてしまったのか不明だけど、この養父母は素敵な人たちだったらしく、メイソンの他にも何人か養子を育てたらしい。このパーティーでメイソンはグレイスにプロポーズする。でも、彼女はそれに応えられない。一度は彼との結婚を夢見ていたグレイスだけど、父親が出所してくるという連絡を受けて動揺しているのだった。父親が刑務所にいることは事前に語られていたし、ジェイデンの問題に素早く気づいたことから判断すると、彼女が抱えている問題はなんとなく分かるのだけど、なかなか明らかにはしない。グレイスは子供も中絶するつもりだと告げる。理解できずに苦しむメイソンはキレてしまう。まぁ、そうだよね・・・

飼っていた金魚が死んでしまい、ルイスの仕業ではないかと疑ったマーカスが騒ぎを起こす。駆けつけたグレイスが発見したのは自殺未遂したマーカスの姿。病院へ付き添うメイソンとグレイス。重い空気が漂う。このエピソードが特別2人の仲を進展させたり、後退させたりすることもなかったので、必要だったのかは謎だけど、ジェイデンに思いやりを見せた、マーカスのこの行動で、彼らが不安定であるというのは伝わった。

そんな中、父親が迎えに来たのでジェイデンに外出許可を出したと知らされる。虐待の疑いがあることを所長に伝えていたのに、何故父親のもとに帰すのだと食ってかかるグレイス。グレイスが疑っているだけで証拠はないし、彼女はセラピストでも精神科医でもない。なによりジェイデンが虐待を否定しているとあっては、家に帰すしかない。自分も辛いが全ての子どもたちを救うことは出来ないと言われてしまう。まぁ、そうなのでしょうけれど・・・ この辺りは監督の実体験でもあったりするのかな? ジェイデンが心配でガマンできなくなったグレイスは、ジェイデンの自宅へ向かう。彼女がそうしていたように、裏口のマットの下から合いカギを取り出して、家に入ってしまう。バットのようなものを掴んで、父親の寝室へ向かう。そこには行為後を思わせる姿で眠る父親の姿。そして、背後から「やり過ぎじゃない?」と声をかけるジェイデン。施設に戻ると言ったら殴られたと告白し、お腹のアザを見せる。

グレイスはジェイデンに自分が父親に性的虐待を受けていたこと、そして妊娠し中絶したことを打ち明ける。父親は彼女への虐待が原因で逮捕されたこと、裁判で彼女は父親の虐待を証言したことを打ち明ける。だから、ジェイデンも勇気を持って欲しいと言う。そして、2人はジェイデンの父親の車をボコボコにする! グレイスが自身の虐待をジェイデンに打ち明けたのってこのシーンだよね? もっと前だったっけ? ちょっと順番が分からなくなっちゃった(o´ェ`o)ゞ よく考えるとグレイスは家宅侵入だし、器物損壊だし、いろいろ問題はあるかと思うけれど、映画としてはスッキリして良かった!

冒頭と同じように施設の庭で、4人が出所した後のマーカスの話題をしているシーンに切り替わる。そして、サミーが飛び出してきて、4人で追いかけるシーンで終わる。良く考えると、根本的な問題は何も解決していないかもしれない。所長が言うように全ての子どもたちを救えるわけじゃない。でも、それぞれの人生は続く。結局、グレイスとメイソンの仲がどうなったのかも分からない。でも、ジェイデンに「いいお母さんになれるよ」と言われたグレイスなら、お腹の子どもを殺してしまう選択はしないのではないかな?と思った。

キャストは全然知らなかったこともあって、もう本当にこの施設にいる人たちなんじゃないかというくらい自然だった。どうやらグレイス役のブリー・ラーソンは、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット初監督作品『ドン・ジョン』(感想書いてない)で、妹役を演じてたらしい! 全然違っててビックリ! メイソン役のジョン・ギャラガー.Jrは「春のめざめ」でトニー賞取ったのね?! ちょっと頼りないところはあるけれど、愛情あふれるメイソンは好きだった! マーカス役キース・スタンフィールド、ジェイデン役ケイトリン・デヴァーも良かったと思う。

こういう施設があるのは知らなかった。親との関係で傷ついた10代の子どもたちにとって、親世代の職員ではなくて、比較的年の近い職員がいるというのは、友達みたいな感じでいいんじゃないかな? 程度の差こそあれグレイスもメイソンも家庭に恵まれないというのは、ストーリー上の設定だけだったのか、それともあえてそういう過去のある人物を採用しているのか謎。あえて言及がなかったので、ストーリー上の設定なのでしょう。映画などではありがちな題材ではあるとはいえ、現実でも一向に無くならない問題。それを、あえて重くし過ぎず、ポップな感じに見せたのは良かったと思う。やや強引だなと思う部分がなくはないけど、新人監督の長編2作目作品ということだし、良かったのではないかなと思う。

あまり広くはなさそうな施設も、閉塞感を感じさせないデザインで良かったと思うし、冒頭とラストでサミーが飛び出して来る庭の感じも良かった。何もないけど明るい庭。グレイスとメイソンの部屋もポップでかわいかった! そういうセンスは好きだった。

多くの賞を受賞していて前評判が高まりまくっているけど、あまり期待せずに見た方がじんわりくるんじゃないかと思う。

『ショート・ターム』Offocial site




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【Googleのロゴ】人類初の彗星着陸成功

2014-11-14 00:09:58 | Google's logo
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人類初の彗星着陸成功

えーと、全く分かっていないのだけど・・・
どうやら、着陸機「フィラエ」が彗星に着陸したらしい!

CNNの記事によりますと・・・

欧州宇宙機関(ESA)は12日、
彗星着陸機「フィラエ」がチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)に着陸したと発表。
彗星への軟着陸に成功したのは史上初。
ただ、フィラエを彗星の地表に固定することはできなかった。

フィラエは同日、母船の「ロゼッタ」から切り離され、
地球から5億キロ離れた67P彗星に着陸した。
同彗星は重力が弱いため、表面に銛を打ち込んで機体を固定するはずだった。
しかしこの銛が機能せず、フィラエをうまく固定できなかったという。

ということらしいですが、よく分からない・・・(o´ェ`o)ゞ

詳しくは、下記記事をドゥゾ♪(っ'ω')っ))
着陸機「フィラエ」が彗星に着陸、欧州宇宙機関|CNN.co.jp

検索画面のロゴはこんな感じ



Congratulations!


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【Googleのロゴ】ベルリンの壁崩壊25周年

2014-11-09 15:51:48 | Google's logo
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ベルリンの壁崩壊25周年!

もちろん知ってる!けど、毎度のWikipediaで調べてみた!

ベルリンの壁崩壊(ベルリンのかべほうかい)とは、
ベルリンの壁が1989年11月10日に東西ベルリン市民によって、
破壊開始された事件である。
略称として壁崩壊(ドイツ語: Mauerfall)という。
東欧革命を象徴する事件として有名である。

1989年11月9日に東ドイツ政府が東ドイツ市民に対して、
旅行許可書発行の大幅な規制緩和を、
「事実上の旅行自由化」と受け取れる表現で誤発表した事によって生じた。

実際に壁の人為的・物理的破壊が始まったのは11月10日であるが、
崩壊の日付は、
その起源であるゲート開放が行われた11月9日とされる場合がある。

とのことで、崩壊前のドイツの動きから、
崩壊20周年の際の様子まで記載があるけど、
長くなるので、詳しくはWikipediaで!

ベルリンの壁についてはWikipediaで!

このロゴどうがになっていて・・・


再生ボタンをクリック!


1989年に壊されたベルリンの壁が・・・


2014年には・・・


ロンドン


ニューヨークなどの世界各地に設置されている



もちろんベルリンにも!


日本にはないのかな?

もっとたくさん紹介したかったけど、
キャプチャー取るの面倒なので割愛(o´ェ`o)ゞ

検索画面のロゴはこんな感じ!



同じ国が東西に分断されていたって悲しい・・・
現在でも、戦時下の国や地域はある・・・

世界に平和で幸せな日が来ますように!

Alles Gute zum Jahrestag!



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