2020.02.22 『ミッドサマー』鑑賞@TOHOシネマズ錦糸町オリナス
公開を知ってからずっと待ってた。試写会応募したけどハズレ😢 ということで、公開翌日見に行ってきた〜
ネタバレありです! 結末にも触れています!
「不安症の治療を受けている女子大生のダニーは、両親と妹を亡くしてしまう。恋人のクリスチャンはダニーを持て余していたが、別れることも出来ず、友人たちと計画していた仲間のペレの故郷スウェーデンの村への旅にダニーを誘う。5人は90年に一度の祝祭の準備をする村人たちから歓迎されるが・・・」という話。ホラーということになっているけれど、監督も言ってたようにこれは失恋の話なんだと思う。かなりとんでもないことになってしまうので、ホラーであることは間違い無いけど、白夜の晴天下で繰り広げられる儀式が、不気味ながらどこかコミカルで、時々クスッと笑ってしまう。前作の方が好みだけど、今作も好き。
アリ・アスター監督作品。長編作品は2作目。見たかった理由は前作『ヘレデタリー 継承』(感想はコチラ)が好きだったからで、公開年のベストに入れた。
作品について毎度のWikipediaから引用。『ミッドサマー』(瑞:Midsommar)は、2019年公開のアメリカ合衆国・スウェーデン合作のホラー映画。監督はアリ・アスター、主演はフローレンス・ピュー。原題は、スウェーデン語で夏至祭(ミィドソンマル)を意味する。
2018年5月8日、A24がアリ・アスター監督の新作映画の製作を開始しており、全米配給をも手掛ける予定だと報じられた。製作サイドから「スウェーデンを舞台にしたホラー映画の監督を務めて欲しい」とのオファーを受け取ったとき、アスターは「ストーリーを思いつけそうにない」という理由で断ろうとした。しかし、何とかアイデアを閃くに至ったため、そのオファーを受けることにしたのだという。7月30日、フローレンス・ピュー、ジャック・レイナー、ウィル・ポールター、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、ヴィルヘルム・ブロングレンらがキャスト入りした。
2019年3月5日、本作のティーザー・トレイラーが公開された。5月14日、本作のオフィシャル・トレイラーが公開された。6月18日、本作はニューヨークのアラモ・ドラフトハウス・シネマでプレミア上映された。なお、アスター監督は現行版より30分以上長いエクステンデッド版を世に出すつもりだと述べている(元々、本作のファースト・カットは3時間45分にも及ぶ長大なものであった)。2019年8月17日、本作のディレクターズ・カット版(上映時間171分)が初めて上映された。日本では2020年2月21日からR15+指定で上映されたのち、ディレクターズ・カット版が同年3月13日からR18+指定で上映された。なお、本作の主要撮影はハンガリーのブダペストで行われた。
本作は『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』と同じ週に封切られ、公開初週末に700万ドル前後を稼ぎ出すと予想されていたが、その予想は的中した。2019年7月3日、本作は全米2707館で公開され、公開初週末に656万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場6位となった。本作は批評家から絶賛されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには71件のレビューがあり、批評家支持率は89%、平均点は10点満点で7.93点となっている。また、Metacriticには23件のレビューがあり、加重平均値は72/100となっている。なお、本作のシネマスコアはC+となっている。
さて今作、アメリカからスウェーデンまで移動しているものの、場面というか舞台となる場所はあまり変化しない。いくつかショッキングな出来事はあるし、後半に向けていろいろ動くけど、基本特別"何か"が起きるわけではないのに全体的にどうかしていて、それがものすごく不安で不気味。その感じをジワジワと味わう作品となっている。なのでシーンごとに詳細を書いても伝わらない。新型コロナウィルスのおかげで、なんとなく感想書く気が起きず、見てから2ヶ月以上経ってしまったため記憶も薄れがち。ということで、ザックリとした感想になるかと思われます。毎度どうでもいいと思うけれど断り書きとして書いておく😌
冒頭、主人公である女子大生のダニー(フローレンス・ピュー)が誰かと電話しているシーンから始まる。精神が不安定な妹のことを恋人のクリスチャン(ジャック・レイナー)に相談しているのだった。どうやら、こういう相談は毎度のことらしくクリスチャンは少々うんざりしている様子。ダニーはそれを敏感に感じ取っており電話を切った後、友人に彼に嫌われてしまうのではないかと相談している。その割に不安からか再びクリスチャンに電話をしてしまう。
クリスチャンは友人たちと一緒に飲食店におり、友人たちもダニーにうんざりしている様子で、特にマーク(ウィル・ポールター)は早く電話を切るように言ってくる。クリスチャンは彼らのことも気にしつつ、それでもダニーと別れる決心もつかないらしい。一度電話を切るも、直ぐに電話がかかって来る。うんざりしながら電話に出ると電話口でダニーが泣き叫んでいる。
実はダニーの妹が両親を巻き込んで自殺してしまったのだった。このシーンはたしか実行しようとしているところから見せていたように思ったけどどうだったかな? とにかく、カメラが両親の寝室に入ると両親がベッドの上で眠るように亡くなっており、その部屋から廊下に出て妹の部屋に行くと、ガスマスクのようなものを付けた妹が倒れている。たしかガレージからホースのようなものをつないで車の排気ガスを吸って亡くなったんじゃなかったかな?
この導入部からダニーの情緒不安定さや、クリスチャンの煮え切らなさ、マーク以外の友人たちの無関心さと、マークの嫌なヤツ感にイライラされされていたところに、いきなりのショッキング映像でビックリする。この妹による両親を巻き込んだ心中については、見ていた通りなのか、これにも意味があるのか明言されないので不明なのだけど、個人的にはこれも全体の流れの一つなのだと思っている。
さて、不幸な出来事で家族を失ってしまったダニーといよいよ別れられなくなってしまったクリスチャン。彼はダニーをパーティーに誘うが、その席でクリスチャンがマークたちと友人で留学生のペレ(ヴィルヘルム・ブロングレン)の実家のあるスウェーデンのホルガに旅行する計画があることを知る。全く知らされていなかったダニーはショックを受けクリスチャンを責めるけれど、クリスチャンと口論になると、彼を責めてはいないと言って見ている側をイラ立たせる。
イヤ、旅行の計画があるのに話してくれなかったのはクリスチャンが悪いと思うので、そこは咎めていいと思う。でも彼に愛されている自信がないダニーは、卑屈な態度をとってしまい、それがクリスチャンにさらに罪悪感と面倒くささを感じさせてしまう。不幸があったダニーと別れられないのは分かる気がするけれど、何事もハッキリしないクリスチャンにもイライラする。そしてこれは伏線でもある。
結果、クリスチャンはあろうことかこの旅行にダニーを誘ってしまう。イヤ、たしかにマークたちは恋人クリスチャンの友人だけど、この短い間に見せられていた感じだと、ダニー自身がマークたちと友人づきあいをしていたようには見えない。そんな中に女1人で参加するかね?と思ったりする。
その辺りがクリスチャンの思惑で、結局ダニーは断るだろうと思っていたのに、まさかの参加で友人たちをげんなりさせる。特にマークはあからさまに態度に表す。ジョシュ(ウィリアム・ジャクソン・ハーパー)はマークほどではないけれど、話しかけても素っ気ない態度。この辺りの人間関係の描き方が絶妙。こういう腹の探り合い的なことってアメリカ人でもあるのね。
そんな中、一人ペレだけは親切にしてくれる。ダニーの話を聞いてくれて、家族に起きた悲劇にも同情を寄せてくれる。そんなペレの言葉にこみ上げるものがあったダニーはトイレにこもってしまう。すると、そのトイレが飛行機内のトイレの映像になる。この見せ方はおもしろいのと同時に、時空の歪みのようなものを感じて不思議な気持ちになる。
どうやらダニーの家だったか、この時集まっていた部屋(クリスチャンの部屋?)だったかの壁に掛けられていた絵? タペストリー? にネタバレというか、その後を暗示する内容が描かれていたそうなのだけど、自分は全く気付いていなかった😅 タペストリーによるネタバレは後にもっと明確な形で示される。
スウェーデンに着いた5人は車でホルガへ向かう。この時、彼らの車が走るのを空から映した映像が逆さまになったりする。ここから不思議な世界への入り口ということなのだなと思ったりする。見ている側にそれを知らせるだけでなく、ぐるりと回転する映像を見ることで酔ったような感覚になる効果もあるのかも?🤔
途中のキャンプ地のようなところでペレの兄たちと落ち合う。兄はイギリスに留学しているらしく、友人のサイモン(アーチー・マデクウィ)とその恋人のコニー(エローラ・トルキア)を連れていた。彼らはそこでドラッグを楽しむようで、ダニーにも勧める。ダニーが断るとマークが楽しい雰囲気がぶち壊しだというようなことを言う。仕方なくダニーも参加する。ここでダニーのトリップと共に映像が乱れて、見ている側も同じ感覚を味わう。
このダニーとクリスチャンの友人たちの距離感、特にマークとの関係が絶妙。ダニーのように自己主張は激しいのに人の顔色をうかがうところがあるタイプの人にとって、露骨に態度に表すマークのような存在が気になって仕方がない。マークに好かれたいと思っているわけではないと思うけど、誰だって嫌われるのはイヤだし相手が露骨に自分に対して不快感を見せていればいい気はしない。たいていの人はそういう人物は避けるものだけど、ダニーはあえて空気を読まずマークの領域に踏み込んでしまうところがあるのかなと。もちろんマークのような人を肯定しているわけではない。
さてホルガに到着。そこは広めの草原のような場所で、ロッジのような建物がある。民族衣装姿の老若男女が4人を歓迎してくれる。早速、野外ステージのような場所で、彼らを歓迎する儀式のようなものが始まる。どうやら今年は90年に一度の祝祭が行われるらしい。タイトルのミッドサマーはMidsummerではなくて、Midsommarでこれは夏至祭という意味。ペレはこの夏至祭にクリスチャンたちを誘ったわけで、ジョシュはこの地方の夏至祭をテーマにレポートを書こうとしているのだった。
90年に一度って結構長いターンで、前回体験した人が生きていたとしても子供だよね? タイミング的に一度も体験できずに亡くなる人もいるわけで、後から考えるとかなり重要なお祭りのようなのだけど、何故90年なのかしら?🤔 しかもこの後起きるショッキングな儀式によると、ますます90年という長さの意味が分からない😅 これ何か説明あったかな? 忘れてしまった💦
村人たちは揃いの民俗衣装を着ているだけでなくて食事も一緒で、寝る場所も一緒だった。上手く説明でいないけど、大きな楕円形の納屋のような建物の壁に沿ってベッドが並ぶ。バルコニー状の2階部分にもベッドが並び、そこに男女の区別なく全員で寝るということらしい。不思議。つまり彼らにはプライベートはないということ。トイレやお風呂の事は全くストーリーに関係ないためか出てこなかったように思う。飛行機につながってたトイレ描写はこの辺りのことも暗示してたのかな?
夏至祭のことがよく分かっていないのだけど、季節は夏なのかな? この辺りでは白夜らしい。夜のシーンもあったと思うけれど、昼間のように明るい時間が続く。あえてそういう演出になっているのだと思うけれど、見ている側の曜日の感覚がなくなっていく。前述したとおり、ショッキングな出来事もあるけれど、何かが変だというような事がジワジワと続く感じで、それがより異世界に迷い込んだような感じになっていく。その感覚がおもしろい。ただし、それらをキチキチ書くことが出来ないし、順番などが違っているかもしれない。
いきなり起きたショッキングな出来事は、全員での食事のシーンから始まる。屋外にテーブルを並べて全員で食事をとる。不思議な配列の食卓は、何か意味があるのかもしれない。この食事のシーンは何度か出て来るけれど、都度フォーメーションが違っていたと思う。
食事の後、老齢の男女が輿のようなもので運ばれて行く。村人たちもそれに続き、ダニーたちにもついて来るように指示する。この指示の仕方もジェスチャー的というかニュアンス的というか。強要しているわけではないけど、断れない雰囲気。
男女は数人の村人と崖の上にいた。見ている側もダニーたちと共に嫌な予感がする。老婆が崖の上から飛び降りる。彼女は上手く死ぬことが出来た。次に老人が飛び降りるも脚から落ちてしまい、重傷を負うものの即死とはいかなかった。すると村人たちが木槌のようなもので、老人の顔を叩き潰す。当然ながらダニーたちはパニック。見ている側もどうかしていると思いつつも、あまりのことに笑ってしまう。ちょっと顔作り物感あったし😅
何故こんなことをするのかと問うと、この村では70歳になるとこの儀式を執り行い命を終えるのだそう。スウェーデンの法律がどうなっているのか不明だけど、自殺を推奨してはいないと思うし、あきらかに殺人行為をしているので、これは儀式であって、自分たちにとって正しいことだと言われても、とうてい許されることではない。
この出来事だけで十分とんでもない所に来てしまったと思うし、帰りたくなって当然だと思うけれど、何故だかダニーたちは留まっている。一度も帰ろうとしなかったように思うけど違ったっけ?
2021年5月24日から続きを記載
見てから1年以上経ってしまったけど、せっかく途中まで書いたので書き上げることにする! でも、もう詳細は覚えていないし、順番もあやふや。なので覚えていることを適当に書いておく😌
老人が崖から身投げするという衝撃的な出来事の後、カップルの男性が行方不明になり、女性が半狂乱で探すも見つからず、彼女自身もいなくなる。彼女の方はその後どうなったか忘れてしまったけど、男性の方は後に小屋の中で両手両足を四方にくくり、うつぶせに吊るされた遺体で発見される。生きたまま背中を裂かれたり、目をえぐられたりしたようだけど、明るい日差しの中で発見された遺体はグロテスクという意味での怖さではなく、何かが狂っている。しかも、どこか陽気というか妙な明るさを感じて不気味。
その後も論文の取材のために禁断の所に触れようとしたジョシュや、聖なる木とは知らずにオシッコをかけてしまったマークが遺体で発見される。それぞれおかしな装飾がされていたと思う。まぁ、みんな殺されちゃうんだろうなと思って見ているから別に驚かないし、その殺され方もどこかコミカルというか、前述したとおり妙な明るさがあるので、いわゆるホラーの陰湿な怖さではなく、全く理解できないおそろしさがある。
この感じがダメだと今作は全くダメかもしれない。理解不能なものを楽しむというか・・・ 人が殺されてしまうので不謹慎なのだけど、アトラクションを楽しんでいるような感覚。
さて一方、ある少女がクリスチャンに熱い視線を送って来る。この少女がクリスチャンに恋しているのは間違いないようだけれど、美少女ではあるものの、どこか病的な執拗さを感じてクリスチャンと共に見ている側も薄気味悪さを感じる。
少女の行動はどんどんエスカレートしていき、隙あらばクリスチャンに迫ってくるようになる。そして、それを周りの女性たちが後押ししている様子。じわじわと取り囲まれていく感じが不気味。
そしてとうとうクリスチャンはある儀式に参加させられてしまう。祭壇のようなところの床に、円形に花(だっかな?)が飾られており、その中央にあの少女が裸で寝ており、クリスチャンに向かって足を開く。そして、全裸の様々な年齢の女性たちが呪文のようなものを唱えながら、クリスチャンを取り囲む。最初は抵抗していたクリスチャンも、彼女たちとともにトランス状態となり、結局少女と交わってしまう。
ダニーはその一部始終を見てしまう。ショックを受けたダニーを別の女性たちが取り囲む。ダニーが泣き出すと、女性たちも一緒に泣き始める。こちらもクリスチャンと同様に、女性たちとともにエスカレートしていき、ダニーと女性は泣き叫び始める。これは一体・・・ もうわけが分からない😣
クリスチャンのことは性的な儀式として説明がつくけれど、ダニーのことは一体なんなのかさっぱり訳がわからない。何を魅せられているのか? とにかく妙な明るさと不気味さが本当に気持ち悪い。
クリスチャンはその後、どこかに監禁されたんだっけ? とにかく、その後ダニーも加わり女性たちは「花の女王」を決めるダンス大会を始める。円形になってぐるぐる回り、倒れた者が脱落していく。これを何度も繰り返し、結局ダニーが女王になる。ハッキリそう描かれはいないけれど、おそらくこれはやらせでしょう。何故ならこの後、女王となったダニーは残酷な決断をするハメになるから。
どの段階で種明かしがあったか忘れてしまったのだけど、この村では何十年かに一度外の血を入れるため、使命を帯びた者が外の人間を村に連れて来て、村の物と交わる儀式をしていたのだった。この年がちょうどその儀式の年であり、その任務を担っていたのがペレであったということ。
ダニーたちはその目的のために村に連れてこられたのだった。ペレの使命としては村の少女と交わる男性を連れて帰ればOKだったのかな? ペレはクリスチャンとは友人関係だったけど、ダニーはあくまでクリスチャンの恋人というだけであって、半ば強引について来ただけだし。でも、情緒不安定なダニーに親切だったのはペレだけだったので、ダニーを女王候補にという計画もあったのかしら?🤔
とはいえ、村には結構な人数の男女がいるわけで、何年だか何十年だかに一度、村の少女が外の男性との間に子供をもうけたとしても、そんなことくらで血が薄まりますかね? さらにたった一度の儀式で妊娠するとは限らないよね? もちろん、そういう確率の高い日を選んで儀式を行うのだろうけれど、それにしたって絶対というわけではないし・・・ とか思ったり。
さて、この儀式にはまだ続きがあった。村に来て直ぐにダニーたちが気にしていたあの建物。あれは神に対する捧げものの建物だった。彼らの中では神の捧げものになることは大変良いことのようで、ペレの兄ともう一人の男性が自ら志願して捧げものとなることが決まっている。ただ、彼らだけでなくメインの捧げものが必要なようで、どうやらそれに選ばれたのがクリスチャンらしい。そして、その決定をするの花の女王の役目。
必死に懇願するクリスチャンの姿に、ダニーは泣きながら拒否しようとはするものの、最終的に彼女がどういう答えを出すのかは、見ている側には分かっている。怖い😱
例の建物の中央には熊の毛皮を着せられたクリスチャンが座らされている。クリスチャンは既に体が麻痺する薬を与えられているようで、意識はあるものの、体を動かすどころか声も出せない。建物の中にはクリスチャンと共に捧げものとなるペレの兄と別の男性もおり、村の男性たちが彼らにこれからの手順などを説明している。意識はあるのでクリスチャンには聞こえている。ペレの兄たちは望んで死ぬわけだけど、クリスチャンは当然死にたくはないわけで、さらにどうやら生きたまま焼かれるらしい。怖すぎる😱
ペレの兄と男性には儀式担当者から飲み薬のようなものを与えられる。これを飲めば炎の熱さは感じないというのだった。本当かしら? そんな薬聞いたことないけど🤔 と思うけれど、もうペレの兄たちはウキウキなわけです。
このペレの兄たちの心の動きが"信仰"なのか、何なのかよく分からないのだけど、現在の人生に辛いことや苦しいことがあるわけではないのに、実態のない"もの"に対しての捧げものになるため、焼け死ぬことを幸せと思う気持ちが全く理解できない。理解できないから怖い😱 怖いのだけど、これって自爆テロとか現実で起きていることでもあるわけで、その辺りのことも描きたいのかなと思った。深読みか?
とにかくペレの兄たちが幸せそうなのが怖いし、熱さを感じない薬を与える男性たちも怖い😱 それが本当に効果があるのか確かめたことはあるのか? 効果があると思い込んでいるのか? 効果がないことを知っているのに嘘をついているのか?
クリスチャンがどんなに助けて欲しいと思っても、火はつけられてしまう。どんどん火が燃え上がり、建物内に広がっていく。最初はウキウキしていたペレの兄たちも、煙と熱さに耐えられなくなっていく。彼らの絶叫が響く中、建物は燃え落ちていく。やっぱりね・・・
映画はダニーのなんともいえない笑顔のアップで終わる。ダニーは一部始終を見ていて、泣き叫んでいたけれど、最後の表情を見ると、この村のあらゆることを受け入れたのだなと思った。ダニーが今後も村の花の女王として生きて行くのか、用済みとなったらクリスチャンたちのように殺されるのかは不明。
でも、ずっと家族に問題を抱えていて自分も精神的に病み、クリスチャンにも疎まれ、さらに妹に両親を殺され、さらにその妹にも自殺されたダニーには、失うものも帰る場所もないわけで。しかも、いくら恋人の裏切りを目撃してしまったとはいえ、結果的に彼を殺す決断を下したわけだから、もうこのどうかしている社会を受け入れるしか自分を保てないかもしれない。
とにかく、終始どうかしているし、舞台がアメリカだった時から人間の嫌な部分を魅せられてどんより。なのに村ではずっといい天気で、村人たちはガーリーな服装だし、花の女王となったダニーが文字通り花で埋め尽くされた姿など、色彩がポップで妙に明るいので、なんだかそんなに酷いことをしているわけじゃない気がしてくる。そしてそれがとても怖い😱
でも最後のダニーの表情に何故かホッとしてしまうというか、晴れやかな気持ちになっている部分もある。なんだろうやっと終わったってことかも😅
キャストは皆良かったけど、なんだか作品自体が強烈過ぎてもうよく分からない💦 とにかくフローレンス・ピューがすごかったとだけ書いておく。そうそう! 崖から飛び降りた老人を演じたのは『ベニスに死す』の美少年役ビヨルン・アンドレセン。全く面影なくてビックリ😅
ディレクターズカット版だっけ? 長尺の方も見てみたい気がするけれど、また見る勇気がない😣
見てから1年以上経ってしまったので、DVDなどレンタルできるし、有料放送や配信サービスなどでも視聴可能。なんとも言えない嫌な気持ちになりたい人オススメ!
『ミッドサマー』公式サイト