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【cinema】『最強のふたり』(試写会)

2012-08-31 20:04:40 | cinema
'12.08.16 『最強のふたり』試写会@シネマート六本木

migちゃんのお誘い♪ 見たくて試写会応募してたけどハズレ。よろこんで行ってきた~♪ ちなみに、木曜日だけどバレエはお盆休み。←って、聞いてないか(笑)

*ネタバレありです!

「パリ。実業家のフィリップは事故で首から下を動かすことが出来ないため、介護士が必要。でも、気難しい彼と上手くいかず、次々辞めてしまう。介護士募集の面接にやってきたドリスは、失業保険欲しさに就活した事実が欲しいだけ。不採用を望んでいたが・・・」という話。後から知ったのだけど、これは実話ベース。どこまで、実話どおりなのかは不明だけど、これはなかなかよかった。正直、感動!!ってことはなかったけど、じんわり感動させてよかったと思う。

冒頭、すごいスピードで高級車を走らせるシーンから始まる。後部座席にはフィリップ。すごいテクニックでどんどん前の車を抜いていくドリス。当然、スピード違反でパトカーに追われてしまう。逃げ切れるか賭ける2人。かなり頑張って逃げるけれど、捕まってしまう。しかたなく車を止め、出て行くドリス。「先導するに200ユーロ」と言いニヤリ。相手がアフリカ系であることから、いきなり凶悪犯のような扱い。まぁ、あれだけ危険運転だから、仕方がない気もするけれど・・・ 当然、フィリップを病院に連れて行くところだったと言い訳するわけで、ここからはフィリップの熱演。ドリスの狙い通り、パトカー先導で病院へ向かうことになる。病院へ到着するも、担架を持って出てくる職員をよそに、どこかへ去ってしまう2人・・・ そして、場面は数ヶ月前に。このスピード感あふれるオープニングは良かった。大人がふざけている感じも、やっていることの是非は別として見ていて楽しい。なにより、二人の信頼関係が伝わってくる。そして、それぞれの性格も・・・

数ヶ月前、面接のシーン。志望動機に模範的な回答しかしない志願者達。まぁ、当然といえばそうなのだけど(笑) フィリップは一切心を打たれない様子。実業家であった彼は同情されることを嫌っているのだと思う。こんな言い方はなんだけれど、どこからどう見ても障害者である彼を、障害者であると見てしまうことは当然といえば当然。でも、それは辛いことなのでしょう。何でも自分で出来た人が、何一つ自分では出来なくなってしまうことは、想像以上に辛いことなのだと思う。同情して欲しくないのは、誰より自分が自分を憐れんでいるからかも・・・ そんな中現れたのがドリス。失業手当のための就活記録が欲しい彼は、面接などしなくていいから不採用のサインをしてくれと訴える。そんな彼に興味を示すフィリップ。明日までに書類をそろえておくと約束する。

ドリスの狭い家には、弟や妹たちがひしめいている。一家を支えているのは清掃の仕事をしている母親。後に、この一家の関係はかなり複雑であることが分かるけれど、お互い愛し合っていることは伝わってくる。実はドリスは窃盗容疑(だったかな?)で数ヶ月服役しており、この日の帰宅も数ヶ月ぶり。母親はもちろん事情を知っているけれど、どこで何をしていたのか激しくしかりつける。お前のような息子は出て行けと追い出す母親も、彼を思ってのこと。もちろん、生活苦のこともあると思うけれど・・・ 仕方なく、夜の街に出るドリス。不良仲間は暖かく彼を迎えるけれど、一人また一人と家に帰っていく。最後の一人になる前に、その場を去るドリス。大きく見せてはいるけれど、孤独には耐えられないという、ドリスの一面をサラリと見せる。そういうのが上手い。

翌日、不採用通知を貰いに来たドリスを、どんどん案内していく女性。まぁ、ありがちなシーンではある。ただ、フィリップの家ホントスゴイ!! ドリスの部屋だけでも、ドリスの家より広いし! 当然、バス・トイレつきだけど、猫足バスタブで豪華! こんな形で採用通知されたドリスだけど、意外にあっさり受け入れたような… まぁ、介護経験のない自分には勤まらないと思っているのかも? もちろん、はぁ!?とはなってたけども(笑)

実際、フィリップの介護は大変。首から下が動かないので、ベッドから車椅子に移動させても、直ぐに固定しないと倒れていっちゃう。医学的なことは分からないけど、人間の身体は動くことによって血の巡りを助けている部分があるらしい。バレエのレッスン後、特にトウシュースでのポワントレッスン後は、履いて来た靴がゆるくなったりする。ふくらはぎを動かしたことにより、ポンプのような役割をして、血行が良くなりむくみが取れるのだそう。フィリップは身体を動かすことが出来ないため、この作業をマッサージで行う。そして、フィリップは自力では排泄が出来ない。これにも介助が必要。この辺りを、不器用な手つきでドリスが習ったり、排泄補助は断固拒否したりする姿で、コミカルに描くことで、重くなり過ぎすに見れた。実業家でバリバリ働いていたであろうフィリップが、自分一人では何も出来ないという現状は、本当に辛いことでしょう。フィリップの介護はチームが組まれていて、それぞれ担当がいるけど、メインで担当するのはドリスということになる。

このメインがドリスになったことで、今までの常識が破られていく。例えば、フィリップが外出する際には、専用の車を使う。この車が実際どうなっているのかは、紹介されなかったので不明だけど、ドリスは荷物を運ぶみたいでイヤだと拒否。冒頭で無謀運転をしていた高級車に乗せる。実際、フィリップの身体にとって、どちらが負担が少ないのかは分からないけど、例え助手席であっても、愛車に乗れるのはうれしいことかも。他にもドリスはフィリップの車椅子を改良して、スピード上げちゃったり、いろいろ型破りなことをする。フィリップがドリスを採用した理由は、彼が自分を障害者だからと同情していないからだけど、ここまで型破りなことをして楽しませてくれるとは思ってなかったでしょう。でも結果、ドリスのおかげで生きる喜びを得たことになる。

ドリスは恋のキューピット役まで務めちゃう(笑) フィリップはある女性と文通している。芸術のこと、音楽のこと、とっても趣味の合う二人。手紙を秘書に口述筆記させるけれど、あまりに堅苦しい内容に辟易するドリス。でも、それはドリスの世界であって、フィリップの世界ではこれが普通。ただ、自分の障害のことがあるので、積極的になれないのは事実。ドリスが指摘したかったのはそこ。お互いの写真を交換しましょうと言われ躊躇するフィリップ。ありのままの姿を見せればいいと言うドリス。でも、結局写真を差し替えてしまう。気持ちはよく分かる。そして、これは伏線。

フィリップが受身な分、どうしてもドリスから受ける部分が大きいけれど、もちろんフィリップがドリスに与える影響も大きい。アフリカ系移民で、叔母夫婦の養子となったドリス。叔母はその後、数人の"父親"の間に次々子供をもうける。つまり、ドリスの弟や妹たちは、いとこでもあるということ。弟の一人は不良グループの手先にされている。彼の世界は狭かった。その彼に絵画やオペラの楽しみを教える。楽しみ方は型破りだけど(笑) フィリップのおかげで絵も売れたし(o゚c_゚o) パラグライダーも体験出来た! このシーンはよかった

夜、実際は感じないはずの体の痛みや、痒みに悩まされるフィリップ。足を切断した人が、実際にはない足の痛みや痒みを感じる幻肢痛と同じなのかな? 実際には失われていても、脳の足を担当していた脳細胞は生きているわけで、そこが誤作動してるってことらしい? 調べたけど今ひとつ理解し切れず。ただ、これ本当に辛いらしく、治療法もないため、時間が解決するのを待つしかないけれど、人によってては10年以上苦しむ人もいるらしい… フィリップの体調変化が分かるように、彼の部屋の音声がドリスには聞こえるようになっている。異変に気づいたドリス。特別何も出来ないけれど、彼が来てくれたことで安心するフィリップ。このシーン、ドリスが去った後の伏線にもなっている。フィリップの排泄も手伝えるくらい、自覚と信頼関係を築いたドリスだけど、おそらく彼の将来を思い、彼を解雇してしまう。弟のこともあったので、この辺りちょっと唐突で分かりにくくはあるのだけど… でも、新たに雇った介護士は、仕事に徹しているけれど、物足りない。幻肢痛(厳密には違うけど)の苦しみも、逆にイライラが増すばかり。

で、いろいろあって冒頭のシーンへ。外の空気を吸いに行こうと連れ出したドリス。例のチェイスの後、向かったのは海。そこで楽しい時を過ごした二人。ランチを取るため高級レストランへ。予約した席に、一人フィリップを残し去ってしまうドリス。現れたのは文通していた彼女。一度、会う約束をしていたけれど、待ち合わせに遅れた彼女を、会うのが怖かったフィリップは待つことができなかった。ドリスは彼女にフィリップの真実を写した写真を送り、計画したらしい。示唆する場面が出てくるだけで、実際そういうシーンはない。ない方がいい。どこまでドリスが話したかは不明だけど、彼女がやって来たからには、フィリップを受け入れたということ。映画はここで終わり、実際の二人が結婚したこと、ドリス(本名は別)は現在会社経営していることなどがクレジットされた。実話って知らずに見たからビックリ!

キャストが素晴らしかった。フィリップの介護スタッフさんたちもよかったし、ドリスの母親役の人もよかったけど、もう主役の二人につきるという感じ。ドリスのモデルとなったAbdel Yasmin Sellouさんは、何系の方なのかな? アフリカ系ではなさそう。ただ、映画とするならフィリップとの違いを際立たせるためにはアフリカ系とした方が、分かりやすかったと思う。型破りなくらい前向きに突進しちゃう感じも、ステレオタイプとは思いつつも、やっぱりアフリカ系方々のイメージではある。そういう意味で、この変更はよかったと思うし、オマール・シーで大正解! 前向きといえばそうだけど、型破りであるということは、常識的ではないということで、となると周りだけでなく、見ている側にも眉をひそめさせちゃうことになりかねない。でも、そうはなっていないのは、ドリスがこの状況を楽しみつつも、フィリップや周りのことも気遣っているのが伝わってくるから。そして、ドリスの寂しさや悲しみも、声高ではないけど伝わってくる。体全体で大げさ演技をしている時でもあざとく感じない。寂しさを表現する時の目の演技が絶妙!

そして、首から上だけで演じきったフランソワ・クリュゼがスゴイ! 前述したけど、全身麻痺しているため、自力で体を支えることも出来ない。固定してくれないと倒れてしまう。そういうシーンなので当然だけど、それ以外のシーンでも本当に全身不随の人にしか見えない。体が使えない分、表情で演技するわけだけど、あえての大芝居にしていないところがよかった! それだと見ていて辛い… あくまで自然の表情でありつつ、喜怒哀楽の他にも、障害者であることの負い目なども表現。恋の悩みは熟練のパリジャンにもあること。そこに加わる自信のなさ… ドリスを去らせたのは自分だけど、後任に満足できなくてイライラしちゃう感じもよく分かる。ただの偏屈な人になってなかったのはフランソワ・クリュゼのおかげ。ハリウッド・リメイクの話しがあるそうだけど、この二人だからよかったと思うんだけどなぁ…

感想書きながら、もし自分がフィリップのような状況になってしまったとしたら、当然介護士なんて雇えないから、家族に頼るしかないよね… では、家族のいない人は? などと考えてちょっと暗くなった。やっぱりフィリップは介護士を自由に選べたりできる余裕はあるってことなんだよね。でも、この映画はあくまで境遇や性格が全く違うふたりの友情の話。なので、見ている間は楽しめる。ちょっと後から考えさせらせる。良い映画だと思う。

夜のパリの街並みがキレイ。改良した車椅子でセーヌ川渡るシーンも好き。

友情モノ好きな方、オススメ!!

『最強のふたり』Official site


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【Googleのロゴ】マリア・モンテッソーリ生誕142周年

2012-08-31 01:10:13 | Google's logo
毎度のGoogleのロゴがこんなことに!



マリア・モンテッソーリ生誕142周年!
すみません・・・ どなたでしょう?

毎度のWikipediaによりますと・・・
イタリアの医学博士、幼児教育者、科学者、フェミニストで、
モンテッソーリ教育法の開発者とのこと。

知的障害のある子供に、指先を動かす玩具を与えることで、
知能向上がみられたことにより、開発された教育法だそう。

ユーロ導入前の1000リラ紙幣には、彼女の肖像画と、
学習風景画印刷されていたのだそう。

Tanti auguri!


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【cinema】片岡翔特集上映 『翔ぶ映画』

2012-08-28 01:36:58 | cinema
'12.08.25 片岡翔特集上映『翔ぶ映画』@京橋ルクスギャラリー

当blogで何度かご紹介している、片岡翔監督の上映会に行ってきた。詩人・写真家の3人からなるリーディングユニット「サンズイ」が、26時間ずっと何かの活動を行うというイベント「飛ばない本」の一環として、企画された片岡翔監督作品のDVD上映会。ショートフィルム4本のうち、2本が未見だったので、楽しみに行ってきた~♪

京橋ルクスギャラリーは狭い空間。入口から詩など作品が展示されている。ちょっと道に迷って着いた時には既に人がいっぱいで、あまりちゃんと見れなかったのが残念・・・ まだ、1つ前の企画の監督さんのトーク中だったけれど、残念ながらどういう作品なのかは不明・・・

予定の19:30から、少し押して上映会開始! 各映画の上映後に監督のトークがあるという構成。



1.『ぐるぐるまわる』(28:00/2008)
「幼なじみの祈の葬儀に出席した夫婦。彼の隠れ家で不思議な体験をする・・・」

上映後のお話では尺の関係でなかなか上映する機会がなかったとおっしゃっていたけど、確かに監督の作品の中では長い方かな。ちょっと気持ち悪い話を作りたかったとおっしゃっていたとおり、前半の感じと後半では全然イメージが変わってしまう。たしかに気持ち悪い(笑) でも、その気持ち悪さが好き。登場人物は3人だけど、画面に出ているのは2人。しかも屋根裏の狭い空間で展開される不思議な出来事。途中からどんどん怖くなってくる。ピーター・パンになりたいと言っていた祈。ぬいぐるみで溢れる彼の世界が、どんどん怖くなってくる。この感じは好き! 祈の声を担当した川村悠耶くんもよかった。この声が子供っていうのが怖いんだよね・・・(笑) 川村悠耶くんも遊びに来てた。悠耶くんは『愛のむきだし』や翔監督の『ゲルニカ』にも出演。とっても繊細な演技をする役者さん。

監督ご自身も作品を撮るにあたり、どう自分の個性を出して行くかを考えていたとおっしゃっていたけど、その後の作品を通じて人形の使い方とか、小物やセットなども含めて、監督の個性を感じる作品だったと思う。これ好き!

2.『SiRoKuMa』(14:00/2010)
「子供の誕生を心待ちにしている父親。でも、赤ちゃんの生まれたくないという声が聞こえてきて・・・」

『ショートショートフィルムフェスティバル & アジア2011ストップ!温暖化プログラム』に出品された作品。同映画祭で3冠獲得! 3回目の鑑賞。SSFFではドキュメンタリータッチの作品で、温暖化そのものを描いてくる作品が多かった中、あくまで映画として温暖化や自分達に出来る温暖化対策を描いていたのが印象的だった。その完成度はやっぱり群を抜いていたと思う。声高に訴えるより、サラリと語られる方が好みなのもあるけれど・・・ この作品はやっぱり主演の芹澤興人さんの個性によるところが大きいと思う。ほぼ1人芝居の芹澤さんの好演もさることながら、彼の個性を生かしての演出は見事。オチもおもしろかった!

3.『超スーパーギガゴーレムSVプラス超リーサルウエポンⅡアンドギガ』(3:11/2011)
「ダンボールでロボットを作る兄弟。友達に見せに公園に向かうが・・・」

昨年の『仙台短編映画祭』に出品された作品。41名の監督が3:11の作品を作るという企画。東京でも上映されたこの企画、残念ながら見ることは出来なかったのだけど、今回見れてよかった! トークで監督に質問をしていた方はサンズイのメンバーの方で、片岡監督の脚本のチェックなどもされているのだそう。いつもは脚本を読んで思い描いた世界が、いい意味で裏切られることが多いけれど、この作品に関してはそのままだったそうで、その辺りをどう思うかと質問されていた。監督によると3:11という短い尺で描くということはとても大変なことで、1つのメッセージだけを見せる作品も多かった中で、やっぱり物語にこだわりたかったとのこと。なるほど・・・

震災後のある町が舞台。それがどこであるかは明言されないけれど、兄弟が出掛ける前、兄が弟を呼び止めるシーンでハッキリと分かる。無邪気に遊ぶ子供達には何の屈託もないけれど、彼らが自然のままに遊べないのは何故か・・・ そういうことを、その1シーンで見せるのは好き。サンズイの方もおっしゃってたけど、格差社会とかもさり気なく描かかれている。そういうことを声高に描かないところが流石だなと思う。このおもちゃとか、お人形とか、子供の世界の中に残酷さや毒を入れてくる感じは、監督独特のもので、その世界観はやっぱり好きだなぁ。『くらげくん』の虎太郎くんが出てたのがうれしかった

4.『party』(19:19/2011)
「6人の男女が、森を抜けて海へ向かう・・・」

2回目の鑑賞。今年2月『テンダーシネマ vol.1 Bプログラム』で、今作にも登場している今泉力哉監督の『ハイタイム』と同時上映された。前回見た時はショックだった・・・ 多分、こういうことだろうと思いつつ見ていて、上映後お父様の佐吉さんに感想を聞かれて、自分の見解を話したところ「あぁ、映画好きな人はそういう見方をするんだね!」と言われた覚えがある(笑) 残念ながら、私の見解は遠くはなかったけど当たっていなかった・・・

で、今回オチが分かって見たわけだけど、これはオチが分かって見た方がおもしろい! 最初のシーンから伏線が張られている。何故、彼らが急に海を目指したのか・・・ ぬいぐるみを送ってきたのは誰なのか・・・ そういうのが分かって見ると、ホント良く出来ている。海のカメラワークも好き! 途中の自然の美しさもよかったなぁ・・・ この作品も好きだなぁ・・・

監督自身の次回作について語ってはいなかったように思うけれど、何と言っても来年公開になる『きいろいゾウ』! 宮﨑あおいと向井理主演のこの映画の脚本を担当! 監督ご自身、西加奈子さんの原作が大好きだったそうで、その言葉を大切に脚本を書いたのだそう。サンズイの方がビックリしていたのは、この作品の原稿と同時に別の原稿を書いていたそうで、並行して書けることに驚いていらした。監督ご自身としては、その方が頭が切替わって書きやすいとおっしゃっていたけど、何となく分かる・・・ 映画の感想書いてても、別の映画の感想考えてる時あるし・・・ まぁ、こんな拙いblogと一緒にするなと思いますが(笑)

芸術家肌な印象の監督だけど、実は映画祭に出品する際には、リサーチして戦略を練って作品を撮っているのだそう。ご自身では実は商業的だとおっしゃっていた。映画という商業世界で生きていくなら当然必要なことだと思う。その中で、きちんと自分の世界を撮れていければ理想的。そうなるといいなぁと、一ファンとしては思っているわけです♪

片岡翔特集上映「翔ぶ映画」
Nekome Filem


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【cinema】『コロンビアーナ』(試写会)

2012-08-27 00:14:59 | cinema
'12.08. 21 『コロンビアーナ』試写会@一ツ橋ホール

yaplogで当選。いつもありがとうございます! ずいぶん前にテレビで紹介されているのを見た覚えがあるのだけど、何の番組だったんだろ? よく見てたのはShowbiz countdownだけど、1年以上前に放送終了しちゃった気がするし・・・ まぁ、とりあえずとっても見たかったので、当選してうれしかった! よろこんで行ってきたー♪

*ネタバレありです!

「南米コロンビア。幼い頃、目の前で両親を殺され、自らの命も危険にさらされたカトレア。父の言葉を信じて、単身アメリカへ渡る。叔父の元に身を寄せたカトレアは、暗殺者となる決心をする・・・」という話。これはおもしろかった。そして、これはバカ映画。またですか?(笑) イヤ、でも、ほめてるし! バカ映画好きだし。まあ、バカ映画であると書くたび書いているけど、バカ映画というのは尊敬するMJことみうらじゅん氏が定義するところの、真剣に作った結果バカになっている映画をバカ映画と呼んでいる。個人的に解釈を広げたり狭めたりしている部分があるかと思うので、実際MJが使っている意味とは違ってきているかもしれないけれど・・・ というわけで、tweetや連動記事にも書いたけれど、これは正しいバカ映画だと思う。

コロンビアーナっていうのは"コロンビア"のとか、"コロンビア人"とかいう意味なのでしょうけれど、てっきり主人公の名前なのかと思ってた。イヤ、本名じゃなくてもコードネームとか(笑) 実際はカトレア。蘭の一種。死を覚悟した父親が、なぜカトレアって名前をつけたか語っていた気がするけど、忘れてしまった・・・ コロンビア国花だそうなので、その辺りのことかと・・・ このカトレアは文字通り彼女の象徴となる。コロンビアが舞台の映画は、『エメラルド・カウボーイ』を見たけど、かなり情勢不安な雰囲気だった。正直、全体的にとっても大味なので、細かいツッコミどころは満載。父親はどうやらマフィアの一員で、そのボスから汚い仕事を任されていた様子。でも、具体的に何をしていたのかは不明。冒頭、ボスと腹の探りあいのような会話が展開する。で、一見和解したかのように抱き合って別れる2人。でも、ボスは父親を殺せと指示するし、父親も自分の命が狙われることを悟っている。急いで家に戻り、妻と娘に家を出るしたくをするように指示する。すでに用意はしてあると言う妻と娘。でも、なかなか出かけない。すでに追っ手が迫っていることを察した父親は、カトレアにあるものを渡す。それが彼女のパスポートだと言い、なんとか自力でたどり着けと名刺を渡す。大きな目に涙をためてじっと聞いているカトレア。制服姿のまま動かない。銃を手に出て行く両親。激しい銃撃戦となる。両親の死は描かれなかったと思うけど、彼らが死んでしまったことは分かる。カトレアにも分かる。ボスの弟(?)のマルコが目の前に座り、父親が渡したものがあるだろうとたずねても、大きな目を不安げに見開いたままじっと座っている。そして、一瞬の隙をついて隠していたナイフを取り出し、マルコの手に突き立てる! そして逃走!

ここの逃走劇は面白かった。カトレアは父親から指導を受けていたのか、そもそも素質があったのか不明だけど、銃を持った男たちから逃げまくる。住宅街をどんどん逃げる。あまり見慣れないコロンビアの街並みもおもしろい。制服姿で逃げるカトレア。機転を利かせて下水道へ逃げ込んだりと、普通の少女とは思えない。「逃げ切ってここへ行け」と父親に渡された名刺を頼りにやって来たのはアメリカ大使館。係官(誰でどんなポストの人なのか不明)に尋問されても、相変わらず表情を変えない。そして、おもむろに口に指を入れて嘔吐・・・ 中から例のチップを取り出す。嫌々ながらも受け取り、パソコンに挿入する係官。1992年の設定なのでUSBキーなどないわけだけど、このチップが何なのか不明。画面にダーッと数字のようなものが現れて、驚いた係官がコレが何か知っているか聞くと、「My Passport」と答えるカトレア。まぁ、そうなのでしょうけど、見ている側にはこのデータが何なのかサッパリ分からない・・・(笑)

実はわりと全体的にこんな感じで、そんな細かい部分はどうでもいいじゃないかという作り。監督は『トランスポーター3』(未見)のオリヴィエ・メガトンだけど、製作・脚本がリュック・ベッソンだからね。面白いけど、細かい部分は粗い(笑) でも、MJ的に言えば「そこがいいんじゃない」ってことで、見ている側もマルコたちの悪事の証拠物件なんだろうと漠然と理解していれば、その内容について深追いしなくても問題ない。結局、カトレアは保護され、アメリカに渡る。同行した女性の目を盗み、トイレの窓から逃走! 父親が頼るように住所を書いてくれた叔父エミリオのもとに1人で向かう。エミリオはシカゴで闇の仕事をしている。このエミリオの仕事の規模とか、全体的な内容は不明。でも、暗殺者になるから、学校に行く必要はないと言うカトレアを説得するため、たまたま通った車に銃を撃ちまくってもお咎めなしの感じから、かなり力のある人物であることは分かる。まぁ、このシーンでそこまで語ろうとしてない気もするけど(笑) とりあえず、叔父の仕事の一つには、依頼を受けて暗殺するというものがあるらしく、9歳のカトレアは暗殺者になる決心をするわけです。

そこから15年経ち、刑務所に移送された人物を暗殺するため、泥酔した女を装い牢に入ることに成功! グーグーいびきをかいて寝たふりをしていたけど、突然起き上がり服を脱ぎ、ピタリとした全身タイツ姿に。ノーブラです! 排気孔を使ってターゲットの牢に行くわけだけど、もちろん身一つで忍び込んだので、給水器のカップの水とスプーンを使って、ショートさせ電源をダウンさせるとか、実によく考えられている。ちょっと手口が古くてチープな気がしないでもないけど、その辺りが逆に良かった。スマホとかも登場するけど、あくまでアナログな感じ。スタイル抜群の美女が、素手で立ち向かって行く感じはおもしろい。結局、射殺した気がするんだけど、銃はどこから出したんだっけ? 忘れちゃった(笑)

カトレアは殺害後ターゲットの胸にカトレアの花を描いていく。今回のターゲットで23人目。マルコたちに復讐するため、アメリカのどこかにいる彼らをおびき出そうとしているというわけ。ただ、それはもちろん諸刃の剣なわけで、FBIが彼女を追い始める。22人も殺されていたのに、カトレアの法則に気づくの遅いし、気づいてからはスゴイ勢いで彼女に辿り着くなと思うけど、そうじゃないと話しにならないし(笑) 実はマルコ(ボスはマルコじゃないんだけど、公式サイトにも名前出てないし・・・)たちはCIAに保護されている。なので、FBI vs CIAという構図もちょっと出てくる。まぁ、そんなに深刻なものではないのだけど、FBIのロン捜査官がカトレアを追うという形。何となく古い感じだなぁ・・・ 上手く言えないけど、いろいろ現代の文明の利器を駆使してはいるけど、そこはかとなく古くてチープ。でも、もちろんちゃんとカトレアに辿り着くけど(笑)

この辺りもかなりご都合主義な部分もあるけど、カトレアが”女”であるということが感じられて好きだった。カトレアは正体を隠して、芸術家の男性とつきあっている。といっても、気が向いた時にカトレアがやって来て、愛し合うという関係で、普通のデートをしたことはない。謎めいた女性に夢中になってしまうのは男の性(さが)ってことで、この恋人ダニーはカトレアに夢中なわけです。カトレアとしては自らリスクをおかしたとはいえ、FBIから追われるハメになり、危険を感じた叔父エミリオからも手を引くと言われてしまえば、覚悟していても辛い。暗殺者ではない自分を受け止めてくれる人は必要だったのでしょう。それはとっても分かる。でもねぇ・・・ ちょっと気を抜いて寝過ごした朝、ダニーに撮られた写真が、意外な経路でロン捜査官に届く。ここちょっとご都合主義ではあるけれど、おもしろかった。

ロン捜査官にも追い詰められ、愛する家族である叔父のエミリオと、祖母を殺された彼女は、ロンの家族を殺すと脅し、CIAからマルコたちの情報を得る。ロンの家に忍び込んで仕掛けた爆破装置も面白かった! ロンが座ったイスから立ち上がると爆発するけど、協力をとりつけた後、レンジが作動して食事が出来上がったら、解除される仕組み。ちょっとおもしろい。バカです(笑) さて、マルコ邸での銃撃戦はすごかった! いきなりミサイルみたいの飛んでいくし! スゴイ破壊力。じゃぁ、ずっとそれで闘えばいいじゃんと思うけれど、そこはやっぱりねぇ(笑) 二挺拳銃、時には素手で敵を倒しまくる姿はゲームキャラみたいだけど、このアクション・シーンは迫力あり! そして面白い。そしてバカ。狭い隠し部屋に身を隠していたボスは、隙をついて逃亡。でも、それはカトレアの狙い通り。これは伏線が張ってあって( ̄― ̄)ニヤリ

キャストはカトレアのゾーイ・サルダナしか知らなかった。彼女も『アバター』に出てたことしか知らなかったし・・・ エミリオのクリフ・カーティスは『エアベンダー』に出てたらしい。火の国の将軍かな? ダニーのマイケル・ヴァルタンはシルヴィー・ヴァルタンの甥っ子だそう。彼の普通の男性としての存在が、カトレアの支えになっているのは伝わった。ロン捜査官のレニー・ジェイムズは『スリーデイズ』に出演していたそうだけど、覚えていない・・・ カトレアのゾーイ・サルダナが美しい! 何という見事なボディ! ちょっと細すぎる気もするけど、狭いダクトを通ったりするしなやかな体である必要があると思うので、説得力あり。全体的に大味な演出なので、両親や叔父、祖母を殺されるという悲劇も、キッカケでしかない印象なのだけど、それでも哀しい運命を背負っている感じは伝わった。アクション・シーンも良かった。でも、実は一番良かったのは9歳のカトレアを演じたアマンドラ・ステンバーグ。アフリカ系アメリカ人の母と、デンマーク人の父との間に生まれたそうで、名前のアマンドラとはズールー語でパワーを意味するのだそう。その名のとおりパワーがスゴイ! じっと動かない時のあの目! 目の美しさと目力がスゴイ! 彼女はホント良かった。前半の短い出演ながら、後に暗殺者となることに説得力をもたせた。素晴らしかった。

コロンビアーナというわりに、コロンビアは前半の20分くらいで終了。後はアメリカが舞台となる。コロンビアの街並みがおもしろかったので、もう少し見たかったなぁ・・・ ラストはレクター博士みたいな感じになっちゃうけど、この感じも好き。いくら相手が犯罪者や悪人だとしても、殺人はいいことではない。復讐のためとはいえ、人を殺した彼女が普通の人生を送れるのか? ダニーは彼女を受け入れられるのか? と思うけれど、そんな懸念が一切ない感じ、復讐が終わってスッキリ。いつか、あなたの元へ現れるわみたいな終わり方は、ちょっと古くてチープだけど。その辺りも含めてバカ映画という感じでよかった。ほめてます! 映画はいつでも深刻で、キッチリ制裁を受けなきゃダメというわけでもない。楽しかった♪

というわけで、単純に美女が活躍するアクションが楽しみたい方オススメ! ゾーイ・サルダナファンの方是非!

コロンビアーナ』Official site


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【cinema】『るろうに剣心』(プレミア試写会)

2012-08-23 03:04:11 | cinema
'12.08.15 『るろうに剣心』プレミア試写会@東京国際フォーラム

yaplogで当選。いつもありがとうございます! 舞台挨拶つき試写会なのでうれしい♪ 同じく試写会当選した、お友達のtomocoさんと、まだ~むと合流して行ってきたー

プレミア試写会ということで、監督&キャストによる舞台挨拶あり。事前に渡された袋の中にはチラシと、マンガの小冊子と、なにやら持ち手のついた赤いポンポン・・・ 当然のことながら、これを振ることになる(笑) 席は1Fの40列目。やや後方だったけど、後ろまでびっしり。ほぼ女性。客席が一部取り外されて、舞台までの花道が作られている。ここ通るの? 客席内通るの?と期待が高まる会場内。スクリーンに会場外で待機する佐藤健くんを初めとしたキャスト達が映し出されると、ちょっぴり肌寒かった会場内が一気にヒートアップ! 事前の説明など不要というくらいの勢いで、ポンポンを振り出す観客達。黄色い歓声。舞台に対して左側、会場中央辺りの扉が開く。ここから入場! 佐藤健くんを先頭に、握手をしながら進んで来る。結構近い! キャスト達が通る通路から数列後ろの席だったけど、残念ながら中央から右より。手前で曲がってしまった・・・

登壇したのは、佐藤健・武井咲・蒼井優・江口洋介・吉川晃司・香川照之・青木崇高・田中偉登(敬称略)、そして大友啓之監督。こんなにたくさん来てくれると思わなかったのでうれしい! 当日の観客は4,000人だったそうで、司会者から告げられると、佐藤健くんは「4,000人!?」とビックリしてた。青木崇高は「間違いなく、人生最良の日といっていいと思います!」とのこと。喜んでもらえてよかった! ポンポンを振ったかいがあった(笑) キャストと監督それぞれ一言ずつ、質問に答える形だったのだけど、あまり覚えていないので、印象深かったコメントだけご紹介。

佐藤健:(剣心を演じるにあたり)有名なキャラだからプレッシャーがあった
香川照之:監督から背を伸ばすように言われた。46歳なのに・・・ でも、背を伸ばしましたので、映画の中では15cm背が高くなった私を見ていただけると思います。
こんな感じか・・・ どんなだ(笑)

そうそう! 剣つながりということで、ロンドン・オリンピック、フェンシング団体銀メダリストの太田雄貴選手が登場! 軽くトークした後、佐藤健くんとガッチリ握手して写真撮影

キャスト一度退場し、再度写真撮影のため登場。舞台上で左を向いたり、右を向いたりするキャストたち。右だというのに1人左を向いてしまう吉川晃司。指摘されて苦笑(笑) 2F席から横断幕が。チケットに一部視界が隠れるお席がございますって書いてあったのはこのことか・・・ 2F席が被っている1F中央の席の人は幕が下りてきてしまったため見えなくなってしまった。右よりだったので、私達の席からは問題なく見えた。この横断幕をバックに撮影するため、キャストたちはこちらに背を向けて立つ。そして、いよいよ観客とポンポンの出番。佐藤健くんの「この夏は、るろうに・・・」の掛け声の後、ポンポンを振りながら「剣心―!」と叫んできた。全く映ってないと思うけど(笑) というわけで、舞台挨拶は無事終了!

ネタバレありです!

「幕末、人斬り抜刀斎と呼ばれ恐れられた緋村剣心。使命とはいえ罪なき人々を手にかけた過去と決別するため"不殺(ころさず)の誓"をたて、明治の日本を流浪の旅していた。そんな中、東京となった江戸に、偽者の人斬り抜刀斎が現れて・・・」という話。おもしろかった。原作がマンガであることを知っていたこともあると思うけれど、とってもマンガっぽいというかアニメっぽく作っている印象。そして、ちょっと書くの怖いけど勇気をふりしぼって書くと、バカ映画であるということ。ほめてます! もう何度も書いているけど、当blogでのバカ映画とは、尊敬するMJ(みうらじゅん氏)言うところの、一生懸命作った結果バカになってしまったと映画ということ。個人的にはインド映画のような感じかなと思っている。もちろんバカであるということも、とってもほめている。上手く言えないけど、全然バカにしていなくて、バカであることに価値があると思っているというか・・・ あ!分かりやすく言うとMJいうところのバカ映画は、リチャード・ギア版『Shall we ダンス?』! リチャード・ギアがバラを一輪持って、奥さんの職場に現れるシーン。どうかしていると思いながらも、涙が止まらなかったのだそう。そういうこと! で、断り書きが長いわけだけど、個人的に見終わった感想としては、正しいバカ映画だなと思ったということ。あくまで個人的に! もちろん、ほめてます!!

原作マンガやアニメのことは知っていたけれど、どちらも見たことなかった。『るろうに剣心』の"るろうに"って何?と思ってしまうくらいの知識で見に行ってしまった。いまさら、説明の必要はないと思うけれど、あくまで個人的なメモとしてWikipediaからの知識を載せておく。原作は1994年から1999年まで週刊少年ジャンプで連載された和田伸宏の漫画。1996年にはテレビアニメ化され、1998年まで放送された。"るろうに"とは"流浪人"と表記する本作の造語とのこと。映画は、大友監督のオリジナル脚本だそうで、原作に忠実にというよりは誠実に作ろうと考えたとのこと。なるほどアニメっぽく作ろうとしているなと感じたのは、あながち間違いじゃなかったのか・・・

冒頭、鳥羽伏見の戦い。新撰組の斉藤一がある人物を探しているところから始まる。彼が探しているのは人斬り抜刀斎。次々現れる敵をなぎ倒しつつ、進んでいく先には、同じく目にも止まらぬ刀さばきで敵を倒しまくる抜刀斎の姿が・・・ そしてもう一つの影・・・ そんな中、攘夷派に錦の御旗が掲げられる。天皇による倒幕の勅令が出されたためで、この瞬間から幕府軍は朝敵になった。こういう瞬間が劇的に見れるのはうれいしい。大友啓之監督は大河ドラマの「龍馬伝」の監督だそうだけれど、幕末お好きなのかな? 男の人は幕末好きな人多い気がする。女子としては、歴史が大きく動く瞬間をおもしろく感じつつも、ちょっと男臭過ぎる気がして苦手・・・ いずれにしても、錦の御旗が掲げられた瞬間に、勝負は決したも同然。もちろん実際は、白虎隊で有名な会津、そして五稜郭へと戦いは続くのだけど、人斬り抜刀斎としてはここで、人を斬ることをやめる決意をしたらしく、血に染まった刀を突き刺し去って行く。そして、その刀を拾った者が・・・

それから10年後、緋村剣心は東京となった江戸へやって来た。真っ白な軍服姿の山県有朋が、欧米諸国に習った国づくりを訴えるシーンと、のんびりと船に揺られる剣心の姿が対比されている。ゆったりと船が進む川の両岸では、着物に日本髪姿の人々が洗濯をしたりしている。この人たちのところまで欧米化が浸透するのはまだまだということなのでしょう。この映像は好きだった。何故か急に、レスリング金メダリスト吉田沙保里選手のことが浮かんでしまい、この時代の人たちはまさか女子が水着のような格好で、目を腫らしたり、血を流したり、髪の毛をボサボサにして、闘うなんて考えもしなかっただろうな・・・ などと全く関係ないことを考えたりしてた(笑) イヤ、つまりそれだけリアルだったということ。幕末から明治にかけて、徳川幕府が倒れて新政府へと劇的に時代が変わっても、庶民の変化は緩やかだったんだろうなぁと思ったり。そんなことをつらつら考えていたら、武井咲ちゃん演じる神谷薫と出会ってた(笑) この神谷薫は亡くなった父に代わり道場を守っているけれど、偽抜刀斎が彼女の流派を騙っているため、門下生が一人もいなくなってしまった。そんな時、出会った緋村抜刀斎を偽抜刀斎ではないかとくってかかるという、ちょっと王道パターンのドタバタした場面ではあるものの、2人のキャラが分かりやすく紹介されている。

偽抜刀斎が人を斬っているのは、悪徳商人武田観柳の陰謀によるものだった。女医の高荷恵にアヘンを生成させ、それをばら撒くことで日本を我がものにしようと考えており、手始めに、薫の道場の土地を手に入れようと画策していたのだった。何故、日本を手に入れるために、道場が必要だったんだっけ? 忘れてしまった・・・ っていうか、そういう細かい部分はあんまり説明なかったように思う。その辺りもマンガ的というか・・・ 考え出したらツッコミどころ満載なわけで・・・ キャラ設定とかがツッコミどころ満載なのは別として、門下生が一人もいないのに、身寄りのない少年明神弥彦だけならまだしも、剣心や高荷恵まで居候させちゃって、毎日白ご飯に焼き魚とか食べてるけど、そんなにお金あるの? 命の恩人だからといって剣心に牛鍋までごちそうしてるし・・・ とか、観柳が井戸にアヘンを撒いたため、近所に住む町人達はどんどん倒れてしまうのだけど、何故か皆薫を頼って道場へやって来る。薫はそういう存在なの? まだ10代の娘さんなのに? 今にも死にそうなのに、やって来るからねぇ・・・ でも、不自然でも来てくれないと話にならないからね(笑) 実は高荷恵は高名な医者の家の娘で女医。彼女の的確な指示で、人々は助かるわけだけど、薬を買って来い、水を買って来いと言うけど、そんなお金がどこに? とまぁ、あまりに有名なマンガが原作なのだから、本格時代劇だと思って見る人はいないと思うけれど、思った以上にマンガ的な展開。急展開するっていうか・・・ でも、これはマンガなのだと思って見れば、その辺りも楽しい。もちろんほめてます!

そういう大枠みたいな部分は大味といえば大味だけど、剣心が何故”不殺の誓”をたて、刃が自分の方を向いた逆刃刀を持つに至ったのかはきちんと描いていて、この辺りはよかったと思う。人斬りというのは要するに暗殺者ってことなのかな? 人斬りといえば「龍馬伝」で佐藤健くんが演じた岡田以蔵が有名。「龍馬伝」では身分が低いゆえに疎まれ、認められたくて人斬りとして利用されてしまうかわいそうな役だったけれど、本当の以蔵はちょっと違うらしい・・・ そもそも以蔵が人を斬っていた頃には”人斬り”という呼称はなかったようで、後づけなのだそう。まぁ、以蔵は関係ありませんが・・・(o´ェ`o)ゞエヘヘ 剣心の生い立ちの説明はなかったように思うけど、どうだったかな? いずれにしても、新しい世を創るためと説得されて人斬りを始めるわけだけど、剣心の頬の刀傷を残した若い侍を斬ったことが、心の傷にもなっている。このシーンは良かった。

頬の刀傷は十字というか剣のようになっているわけだけど、縦の傷をつけたのは若侍。横の傷をつけたのは彼の許婚だった。映画をたくさん見ていると、知らず知らずに伏線を拾って見るクセがついていて、それを逆手に取ってミスリードを誘ったりする映画もあったりするわけだけど、伏線を拾おうとするあまり勝手にミスリードしてしまう場合がある。てっきりこの許婚が高荷恵なのだと思ったら違った(笑) あと、ダースベイダーみたいな人も、ひょっとしたら剣心なのでは? とか、変に勘ぐったりしてしまったけど、全然見当違い(笑) そういう意味でも素直に見れる!

見せ場はやっぱりアクションシーン。時代劇といえば殺陣だけど、これはやっぱりアクションシーンだよね。まぁ、正しい殺陣が分かっているわけではないけれど、大好きな市川雷蔵の映画とか、こちらも大好きな「鬼平犯科帖」とかの殺陣とは明らかに違う。道場の壁走っちゃうしね(笑) でも、このスピード感こそアニメ的なものだと思うので、これは楽しくて良かったと思う。血しぶきなども上がるけれど、基本的にそんなにグロくない。トータルで考えると、アクションシーンが半分以上を占めていると思う。まぁ、剣の腕前を見せなきゃ意味がないからね(笑)

普段は小柄でぽわっとしてるのに、剣を持つとスゴイというキャラなので、その落差が見どころなのだけど、剣心は闘いたいわけではないので、初めのうちは巻き込まれる形で闘うことになる。偽抜刀斎こと鵜堂刃衛に襲われた薫を助けるためとか、道場破りにあった薫に助太刀するとか、井戸にアヘンを撒いた武田観柳をやっつけに行くとか・・・ でも、剣心は不殺の誓を守っているわけで、道場破りの騒動で入れられた牢で知り合った相良左之助と2人で、浪人たちが待ち構える武田観柳宅での闘いも、ダースベイダーが死ぬまで闘おうとするけど、取り合わない・・・ このダースベイダーは外印という名前らしいけれど、金髪で顔に火傷のような跡がある。悪事に加担するのは生きていくためだと言う彼は、綾野剛くんが演じているけど、見せ場はほぼここのみ。このシーンは相良左之助と戊亥番神の闘いと交互に見せる。こちらは途中で鶏食べちゃったりコミカル。戊亥番神を演じているのが須藤元気。舞台挨拶で須藤元気と闘ったと言ってたのは、このシーンのことだったのね(笑) ここから、武田観柳との対決シーンはコミカル。爆笑している人もいた。あんまり語っていなかった元新撰組の斎藤一が決着をつけるところが、不殺の誓を守る剣心への武士としての心使いでもあり、新しい時代の象徴でもあり・・・

でも、最大の見せ場は鵜堂刃衛との闘い。そんなに深くは描かれていないけれど、時代の変化についていけなかった武士たちの哀しさもある。観柳邸で飼われているような形で生きているのは元士族・・・ 斎藤一も剣を捨てられないと言うけれど、鵜堂のそれはまた違う。この鵜堂は盲目という設定なのかな? 目が黒目のみみたいな感じで、この目で見つめると、術にかかり体の自由がきかなくなり呼吸も止まってしまう。魔法をかけているということではなくて、一種の催眠術らしいけれどこの辺りもマンガ的。偽抜刀斎を名乗っていたのは、それなりの狙いもあったのかもしれないけれど、人斬り抜刀斎に憧れていた部分もあったのだろうと思う。憧れというか・・・ うーん。上手く言えないけど・・・ 剣拾ったしね(笑) そして、剣に取り憑かれているのでしょう。このキャラおもしろい! で、人斬り抜刀斎と闘いたい鵜堂は薫をさらってしまう。また、薫がらみだよ(笑) でも、この薫に術をかけたことで、見ている側は剣心の真の姿を知ることになる。結局、薫の頑張りで剣心は誓いを破らずに済むのだけど、このシーンの迫力はスゴイ!

キャストはかなり豪華。武田観柳の香川照之は、いかにもマンガ的な人物を楽しげに演じていた。確かに15cm背が伸びてた(笑) 原作好きの友達のキャスティングによると要潤であるという斎藤一は江口洋介。原作ファンの方はどちらだと思うのかな? 個人的にはこの堅い感じというか、かっこつけてる感じは良かったと思う。相良左之助の青木崇高もよかったと思う。敵として登場するけど、後に親友になっちゃうというありがちなキャラだけど、ピッタリ(笑) 高荷恵の蒼井優ちゃんは相変わらず上手い。でも、妖艶な役に初挑戦ということだけど、妖艶ではなかったかなぁ・・・ 吉川晃司よかった! 何で吉川晃司なんだろうと思ったけど、これはハマリ役! ちょっと狂気入ってる感じがよかった。神谷薫の武井咲ちゃんは特別上手いと思わないけど、一生懸命やっているのは伝わる。そういうのが感動を呼ぶこともある。若い頃限定だけど(笑) 剣心の佐藤健くん良かった! 目がいい。すごくキレイな目で、ふだんのぽわんとしている時は、目の力も抜けてるけど、戦闘モードに入ると変わる。剣持つと変わるなと思って見てたけど、鵜堂とのシーンのあの目はすごかった!! あのシーンは感動した 原作読んだことないので、合っているのか分からないけど、一緒に見たまだ~むも、前述の友達も佐藤健くん以外ありえないと言っているので、原作ファンの方も安心してOKだと思う!

思いっきり作りモノっぽいシーンと、自然や庶民の生活をリアルに見せたりするシーンもあって、おもしろかった。

原作ファンの方も満足できるのでは? 佐藤健くんファンの方是非!

『るろうに剣心』Official site


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【art】「二条城展」鑑賞@江戸東京博物館

2012-08-19 00:00:00 | art
今から二条城展へ!! Posted at 05:09 PM

見てきた!そんなに点数はないけど、狩野派による障壁画は見応えあり!個人的には新門辰五郎のはっぴが見れたのがうれしい♪ http://t.co/o2h9fcxt Posted at 07:09 PM



江戸東京博物館の1F展示室は、そんなに広い方ではない。今回は障壁画の展示が多かったので、展示スペースをとるためか、あまり点数が多くない印象。でも、狩野派による襖絵は見応えあり!

入場するといきなり"唐門欄間彫刻 松竹梅に鶴と亀"が。これは素晴らしい! 細工の細かさはもちろん躍動感がある! 二条城は行ったことあるんだけど、何かどこにあったかとか、間取りとか全く覚えていないのが残念・・・ 唐門はくぐったのかしら? すごい豪華な門。でも、煌びやか過ぎないのが日本美術のよさだよねぇ・・・

"洛中洛外図"は全部で3点くらいあるのだけど、中の1つ確か24番の"洛中洛外図"だと思うけど、左隻の真ん中辺り、多聞櫓で見物している前髪のある少年は家光ではないかと言われているのだそう。

"二の丸御殿 遠侍二の間 竹林群虎図"がスゴイ迫力。4枚ある襖の2枚のみの展示のため、虎が1頭になってしまっていて、2頭は豹。前に何かの記事にも書いたけれど、当時の人は豹を虎のメスだと思っていたのだそう。ちょっとカワイイ昔の人(笑)

今回のお目当て、チラシやポスターにもなっている"二の丸御殿 大広間四の間 松鷹図"は狩野山楽もしくは探幽筆とのこと。探幽の方が有名だけれど、どちらも狩野派の中ではビッグネーム。これは大迫力! 4枚の襖絵だけれど、真ん中の2枚が中心になるように端から端まで枝を延ばす松が描かれている。松の太い幹に止まる鷹は首を曲げて下を覗き込むような姿。獲物を狙っているのかな? 静かだけど力強い印象。当時は金箔が輝いていただろうし、これを目にしたお侍様たちは将軍の権威を感じたと思う・・・

"二の丸御殿 白書院一の間天井画"は将軍のプライベート空間である白書院の天井画58枚のうちの4枚。紫陽花や朝顔などの花を中心に描き額縁のように装飾が描かれている。天井画だからか保存状態がいい。色が鮮やかに残っている。白書院については江戸中期の資料に御座之間と書かれていることから、将軍のプライベート空間であったと思われるのだそう。

tweetにもあるとおり、個人的にうれしかったのは、有名な火消し新門辰五郎の遺品が見れたこと。「JIN -仁-」にも出てきた親分だよね♪ "丸に三つ引き紋胸当"の紋は新撰組の近藤勇が使った紋として有名。辰五郎の娘を近藤勇が抱き上げたというエピソードが伝えられているそうだけれど、2人に親交があったかどうかは分かっていないのだそう。辰五郎が率いたを組の"火消し頭巾"や"印半纏"が見れてうれしい これ着て江戸で火消してたんだよねぇ・・・ 感慨深い・・・(。´゚ェ゚)。´_ _)ゥン

平日は5時半までだけど、土曜日19時半まで開場。18時ちょっと前に着いたけど、ガラガラではないけど空いてた。どの展示もほとんど人とかぶることなく見れる感じ。自分のペースで見れてよかった。ただし、ミュージアムショップや二条城展物販販売コーナーは開いているけど、お菓子販売コーナーは出てきたら閉店してた いつも、ここで生麩まんじゅう買いたいと思うのに売り切れてるんだよね・・・

というわけで、たっぷり見たー!! という感じではないけれど、さすがは徳川家という重厚感ある展示。空いている時間ならゆったり見れるのでオススメ! 二条城の絵図面なども見応えあり! ぴっちり線引いてる。さすが日本の職人!! 日本美術素晴らしい

★二条城展:7月28日~9月23日@江戸東京博物館1階展示室
二条城展|江戸東京博物館

で!江戸東京博物館には、こんな素敵な駐輪場があるよ♪ http://t.co/3X7GU8gs Posted at 07:11 PM



これどう?! 横綱駐輪場って! 両国だから横綱・・・ イイね!(゚∀゚)ラヴィ!!


http://twitter.com/maru_a_gogo


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【cinema】『ローマ法王の休日』

2012-08-18 01:52:22 | cinema
'12.07.24 『ローマ法王の休日』@TOHOシネマズシャンテ

実は『ダークナイト ライジング』ジャパン・プレミアの前日に見に行ってた(笑) 仕事があまりに順調に終わって、定時上がりできそうな勢いだったので、ポイントもあるし映画でも見に行こうと思い立つ。シャンテなら歩いて行けるし、ギリギリだけど17:30からの間に合いそう! ってことで、見に行ってきた~★

*ネタバレありです!

「前ローマ法王が亡くなったため、新ローマ法王を選ぶコンクラーヴェが行われているヴァチカン。重責を負いたくない枢機卿達の駆け引きが展開されてく。そんな中、ダークホース的存在のメルヴィルが選ばれる。一度は引き受けたものの、重責に耐えかねローマの街へと逃亡してしまう・・・」というあらすじとタイトルだけ見れば、これはほのぼのしたコメディーなのかと思うけれど、実はとっても深い人間ドラマだった。描き方としても一応コメディー風ではあるけれど、これはやっぱりコメディーではないと思う。とっても人間臭い部分を、ローマ法王選出というテーマで描いてしまうのは大胆。見ている間よりも、見終わってからいろいろ考えさせられた。

公式サイトによると、ローマ法王とは全世界11億人以上と言われるカトリック教徒の最高位聖職者で、前法王の死後15日経ってから、全世界で約200名ほどいる枢機卿の中から選出される。枢機卿(カーディナル)は大司教の中からローマ法王により選出され、80歳以下の120名がコンクラーヴェに参加できる。この各国から集まった枢機卿たちが、無記名投票による選挙で新法王を選出する制度がコンクラーヴェ。3分の2の得票者がローマ法王となるため、票が達するまで何度でも投票が繰り返される。無事、選出されるまでは黒い煙が立ち上り、決定すると白い煙となる。コンクラーヴェの間、信者達は白い煙が上がるのを今か今かと待ちわびる。数年前、現ローマ法王を選出するコンクラーヴェが行われたけれど、実際もこんなに和気藹々とした感じで行っているのかは不明。もちろん、あんなにあからさまに投票結果に一喜一憂したりしていないとは思うけれど、でも自分が選ばれたくないと思う方もいるのかもしれない・・・ 何かで読んだのだけれど、日本、中国、アメリカの学生に「あなたが入社した会社で不正が行われているのを見つけたら、どんな行動を取るか?A:実名で告発する B:匿名で告発する C:何もしない」という選択肢つきのアンケートを行ったところ、アメリカや中国 がAかBを選ぶ人が多いのに対し、日本の学生は圧倒的にCを選ぶのだそう。要するにそれが正しいことだと分かっていても、責任を取るのはイヤだという傾向が強いのが日本人の特徴であるということだった。ただ、東日本大震災以降は、AもしくはBを選択する学生が増えているのだそう。話がそれたけれど、要するに何が言いたいかといえば、Cと答えがちな日本人としては、枢機卿達が自分が選ばれないように祈る姿にとっても共感してしまう。実際どうかは別として、単純に重過ぎる責任を負いたくないという気持ちは、枢機卿にもあるのかと思えば、自分が思うのも当然だと思ったりもする。

メルヴィルは全くのダークホース。事前のオッズも70位くらいだったと思う。どう考えてもしめし合わせて、面倒なことを押し付けられた気がするけれど、そこはさすがに枢機卿。彼としてはこの決定を神が下したものとして受け入れる。受け入れてはみたけれど、法衣を身に着け、いよいよバルコニーに立ち演説というところで、急激な不安に陥ってしまう。このシーンが予告編やチラシなどでおなじみの、号泣シーン。チラシを見たかぎりではコミカルな印象だけど、実際はもう少しパニック的な感じ。コミカルではあるけど、バカ映像ではない。まぁ、どう受け止めるかは人それぞれだけど、少なくともクスっとはなるけど、おもしろい映像とは思わなかった。もう少し深刻・・・ 見る前はこの姿から、イヤだイヤだと逃げる法王を追いかけるコメディーを想像してたのだけど、実際はメルヴィルはこの使命を受け入れようとしている。この選択は神が行ったのだから、間違ってはいないはずと自分に言い聞かせるけど、どう考えても自分が世界中の信者達を導く存在になれると思えない。その気持ちはすごくよく分かる。社会人になれば、ローマ法王になるほどの重責ではないにしても、ある程度の責任を持って仕事をしているわけで、年次が上がれば当然責任も重くなる。だからお給料が上がるわけだからね(笑) それは経験や知識が増えているのだから、その重責に耐えられるハズってことなのだろうけれど、でもねぇ・・・ だから、とっても気持ちが分かる。ただ、ここに陥っちゃうとねぇ・・・

なんとかメルヴィルを落ち着かせようと、ローマ一と評判の精神科医がやって来る。詳しい事情も聞かされず連れてこられたので、帰りたくて仕方がない。でも、法王は一向に良くならない。しかも行方不明になってしまう。この精神科医を演じているのが、監督のナンニ・モレッティ。法王決定を宣言するまで枢機卿達はシスティーナ礼拝堂から出ることはできない。実際は散歩くらいはできるようだけど。法王逃走が外部にもれるのはもちろん、枢機卿達の耳に入ることも避けたいということで、精神科医(男)は枢機卿達のストレス対策を担当することに。なにしろ枢機卿達は100人以上いるわけだから個性もそれぞれだけど、セリフありで画面に登場するのは数人。さすがに枢機卿だけあって不平不満を言ったり、自分勝手行動を取る人は少ないけれど、精神科医(男)がイライラする気持ちは分かる。でも、ちょっと冷たいんじゃ?と思う対応もあり。メルヴィルの事前オッズを発表した際、自分のオッズを聞きたがる枢機卿を無視。それでも聞きたがる彼に「ランキング外です! あえて言わなかったのだから察すればいいのに、しつこく聞くからこんな結果を聞くハメになる!」とか言っちゃう。こういう笑わせる要素であると思わせるセリフも、核心を突きすぎてて笑えない部分は多々あった。

うーん。上手く言えないんだけど、例えば前述のしつこい枢機卿にキレてしまうシーン。精神科医(男)としては仕事とはいえ、とんだ騒動に巻き込まれてしまったわけで、枢機卿相手に子守をおおせつかったような状態。実際、枢機卿と言っても教会の中で外界に触れず、純粋培養されてきたわけでもないと思うので、子守状態というのは失礼だけれども、法王逃走を知らないわけだから、精神科医(男)の状況とは違うわけで・・・ せっかく気を使って言わないでいるのに、しつこく自分のオッズを聞いてくる枢機卿にキレてしまうという部分を笑おうということだと思うので、無邪気に聞いてしまう枢機卿に対して冷たくキビシイ言葉を言ってしまうのは、いくつかあるパターンの1つではあると思うんだけど・・・ うーん。例えばこれがハリウッド映画だと、もう少し大げさというか、分かりやすい演技や演出をする気がする。ここだよ笑うとこ!みたいな・・・(笑) そういうのがあまりなく、ホントにイライラして言っちゃってるっぽくて、無邪気に聞いちゃった枢機卿がかわいそうになってしまう。ただ、普段あまりイタリア映画を見ないせいか、こういう感じがイタリア映画なのかなと思ってみたり・・・ 違う? 違っていたとしても、シニカルな感じがイタリア映画であるという目線で見てしまったので、これはこれでアリだなと思った。全くのとんちんかん発言かもしれないけれど。まぁ、ナンニ・モレッティ節ではあるのかも。ナンニ・モレッティの作品も初めて見たのでよく分からない・・・(o´ェ`o)ゞ

そう考えるといろいろシニカル。例えばメルヴィルはほとんど話を聞いてもらえない。法王に選出されるまで、全く目立たない存在だった彼に、祝福を浴びせる枢機卿たち・・・ 彼は何か言いたそうではあるけれど、法王決定を喜ぶ枢機卿たちは耳をかさない。このシーンから彼の声は、誰の耳にも届いていないという演出。精神科医(男)ですら、きちんとメルヴィルの話を聞く時間がない。決まった結果に誘導するように求められるのも違うと思うし、そもそも精神的な問題は数時間カウンセリングしたからといって直るものとも思えないのだけど・・・ 結局、メルヴィルの若い頃の挫折に原因があると思ったんだったかな?結果を出せない精神科医(男)に業を煮やしたんだったか?ちょっと忘れちゃったけど、彼の元妻である精神科医(女)に診てもらうことになる。彼女は事前に精神科医(男)が言っていたとおり、持論である幼児期の問題だったかな?に原因があると決めつけて、メルヴィルの話を聞こうとしていない。街に逃走したメルヴィルは劇団の稽古を見に行き、彼らと食事をする。その席で実は俳優になりたかったと言うけれど、その話もそんなに掘り下げられることもない。メルヴィルが誰かに自分の胸の内を聞いて欲しいと思っているかは別として、誰かが彼の思いを聞いてくれないと見ている側もよく分からない。でも、もしかしたら彼自身よく分かっていないのかも。上手く言えないけど、案外そんなものかもしれない。自分にはできないと思い込んでしまったら、何が原因かということは結局理由付けであって、理屈じゃなく自分にはできないのだから・・・ 無責任といえばそうなのだけど・・・

twitterなどでも賛否両論で、どちらかというと否の意見の方が多いような・・・ コメディーなのに笑えないのと、メルヴィルが街をさ迷った結果、何からあの結論に至ったのかが明確ではないという意見が多いように思う。確かにメルヴィルは演劇の稽古を見たり、ぽつぽつと質問に答えたりしているだけで、あまり進展が見られない・・・ ここで退屈と感じてしまった人が多いように思う。タイトルからすると、ここで法王の逃走劇が見れるのかなと思ってしまうので、邦題で若干損したかも・・・ メルヴィルはずっと考えているんだよね。アン王女みたいにロマンスがあるわけでも、束の間の休日を満喫するわけじゃない。バスに乗ってローマ市内の夜景を眺めている間も、おそらく「何故、自分は法王になれないと考えているのか」を考えているんだと思う。ただこれ、自分は鬱なんじゃないかと思うくらい悩んだことがある人なら分かると思うけれど、結論は出なかったりする。理屈じゃなく出来ないので・・・ その辺りの説明的なセリフや描写があまりないので、ちょっと伝わりにくい気もする。そして彼は枢機卿としての自覚もあるし、善き人ではあるけれど、やっぱり法王には向いてないということを表しているのかなとも思う。上手く言えないけど、自分の言葉で話すということが苦手だし・・・ まぁ、枢機卿なのだから聖書などから引用した言葉で、人々を導いてきたのだろうけれど、自分の思いを話そうとしたら上手く話せなかった。結局、自分の気持ちですら人に導き出されているのだということが言いたかったのかなと・・・

以下ネタバレありです!

太目のメルヴィルと体型の良く似た衛兵を替え玉にしたり、枢機卿による地域対抗バレーボール大会を開催したりして、枢機卿や世間の目をごまかしてきたけれど、隠し切れなくなり皆でメルヴィルを迎えに行くことに。赤の礼服の枢機卿達や黒とオレンジの衣装の衛兵達が劇場内に粛々と現れるシーンは圧巻だけど、ちょっととってつけたみたいな印象。まぁ、こうでもしないと連れ戻せないということなのだろうけれど・・・ そして、意を決してメルヴィルはバルコニーに立つ。本来はサン・ピエトロ大聖堂のバルコニーで「ウルビ・エト・オルビ・・・」から始まる演説をする決まりになっているそうだけれど、熱狂する聴衆を前に彼が発した言葉は「私は人を導けない、私が導かれている。私はローマ法王にはなれない」というもの・・・ 確かにそれしかメルヴィルの中で結論はないと思う。そして、これは皮肉でもあり、真理でもあると思う。人を導く立場の人が導いてばかりってわけではないと思う。その人だって"誰か"や"何か"から導かれて生きているハズ。でも、それでも"私には出来ない"ってことなんだよね。それでいいのかという倫理的な是非は別として・・・ ローマ法王という公人中の公人が、個を優先させたということにもなるかと思うけれど、でも公人としての勤めも個があってこそだし・・・

そしてこれは、見捨てられる話だと思った。メルヴィルは出来レース的に法王に選出されたことで、枢機卿たちに見捨てられた気がしたのではないかと思うし、精神科医(男)は苦肉の策で開催したバレーボール大会が思いのほか楽しくなったところで、法王に動きありの知らせで枢機卿たち見捨てられる、枢機卿たちはメルヴィルに見捨てられるし、もちろん信者たちも見捨てられた。そんなことを考えたら、かなりどんよりした気分になったけど、このシニカルさは嫌いではない。

役者さんはメルヴィルのミッシェル・ピコリと、監督兼精神科医(男)のナンニ・モレッティしか知らなかった。メルヴィルのミッシェル・ピコリ良かった! 一生懸命法王になろうとするけど、どうしてもなれない。なれないことがどんどん自分の中で明確になっていく感じが伝わってくる。ローマ法王という自分とはかけ離れた存在なのに、とっても共感できる。そして、かわいい ナンニ・モレッティの精神科医も良かったと思う。バレーボールで自分がノリノリになっちゃうのはおもしろかった! 広報担当の人もよかった。彼が一番コメディーっぽかった(笑)

ヴァチカン市内の建物は撮影不可ということで、バルベリーニ宮殿や、ムッチョリ宮、サケッティ宮が、システィーナ礼拝堂やサン・ピエトロ大聖堂内部として使われているそうで、なんとムッチョリ宮とサケッティ宮は個人宅なのだそう!∑(゚ω゚ノ)ノ すごいぞイタリア! とっても豪華でウットリ・・・ 前法王の葬儀シーンは、前法王ヨハネ・パウロ2世の葬儀の実際の映像だそう。これまたビックリ∑(゚ω゚ノ)ノ

前述のように賛否両論で、どちらかというと否の方が多い印象・・・ でも、法王のとっても人間らしい悩みに共感してしまった。枢機卿達のバレーボールはすごくカワイイので見て欲しいなぁ・・・ まぁ、そのためだけに行くのはどうかと思うけれど(笑)

一生懸命頑張り過ぎている人にオススメ! 法王だって完璧ではないのだから・・・

『ローマ法王の休日』Official site


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【art】「マウリッツハイス美術館展」鑑賞@東京都美術館

2012-08-18 00:00:00 | art
着いた!10分待ち。閉館間際までいるつもりで、耳飾り後にするか、先に見てまた見るか… http://t.co/jKcIfIft Posted at 05:30 PM



マウリッツハイス美術館展は、平日は18:30まで、金曜日は20:00まで開場。土曜日は19:30までだったかな? 違ったかな? 平日も頑張れば17:30頃到着できるとは思うけど、1時間しかないのはねぇ・・・ 他の方のblogなど拝見させていただき、平日、土日問わず夕方は空いているという情報を得たので、金曜日に行ったわけなのだけど、やっぱり甘かったね(笑) 多分、昼間よりは空いていると思うけれど・・・ 夏休み中なので旅行で来ているのか、家族連れが多かった印象。まぁ、でも65歳以上が入場無料になる水曜日には、入場に2時間待ちなんてこともあるみたいだから、10分待ちなら全然OK!

とりあえず耳飾りに並ぶ!最前は30分待ちみたいだけど、もちろん最前で!! Posted at 05:36 PM

事前の情報で"真珠の耳飾りの少女"は最前で見るなら立ち止まれないと聞いていたので、それなら最低2回は見ようと考えて、とりあえずB1はスルー! 1Fの"真珠の耳飾りの少女"の列に並ぶことに。1Fといっても美術館の入口がB1なので、感覚的には2F。エスカレーターを上がって1F入口に着くと、そこが列の最後尾。最前で見たい人は左側の壁に沿って並び、立ち止まって見たい人は右側のスペースへ。でも、立ち止まって見るスペース狭いので、順番待って最前取れるのはかなりの時間待つことになると思う。立ち止まって見れないから常に流れているわけで、30分待ちと言われたけど、このtweetした後、あと2階分見てから下のtweetしてること考えると、15~20分くらいしか待ってないと思う。だったら、数回並んだ方が早いと思う。最前と言っても1mくらい距離があるし、立ち止まって見るのはさらに後ろ。それこそ双眼鏡がなければ、細部は見えないと思う。会場内薄暗し・・・ あくまで個人的な意見ですが・・・

耳飾りの少女見た!!やっぱり本物はスゴイ!!少女の瞳に吸い込まれそう!目があっているようで、あっていないような不思議な感覚… もう一度見る! Posted at 06:04 PM



写真は、先月「フェルメール光の王国展」で撮影したリクリエイト作品


この少女テレビなどでじっくり見るとちょっと目が斜視ぎみなんだよね。それが、そこはかとない色気をもたらしてると思うのだけど、この目がとっても不思議で、遠くからでも目が合っているように思うけれど、近くで見ると目があっているようで、合っていないような・・・ そのとらえどころのない感じも人々の心を捉えるところなのでしょうね・・・

実はこの作品、フェルメール自身はタイトルをつけていなくて、彼の財産目録の中に「トローニー」と記載があるだけなのだそう。トローニーというのは、特定の人物ではなく、自分の理想などを反映させて描いた人物像のことを言うのだそう。なるほど・・・ その清らかな美しさは理想の少女と呼ぶにふさわしいかも。清らかでありながら、ぬれた唇や潤んだ瞳に、ほんの少しエロスを感じる・・・ やっぱり素晴らしい!! ホント会えてよかった!!

B1スルーしたので、戻って見る!途中の椅子で一休み。そろそろ帰り始めているので、空くまで待とうかな… まだ、結構人来てるけど… 悩むところだわ… Posted at 06:08 PM

順路に従い最上階まで行くと、今度は下り専用のエスカレーターでB1まで戻ることになる。エスカレーター脇にはガラス張りで中庭の見下ろせるスペースが。イスが置かれており休憩できる。ここで空くまで待とうかと悩んでいたわけだけど、雨が降ってきたという情報があり、急いで見て帰ることにした。

今展は見応えたっぷり! B1から充実している。混んでいるので、これは近くで見たいと思った作品は並んで最前で見て、残りは後ろから覗き込むという感じで鑑賞。閉館までいるつもりでいれば、じっくり鑑賞しても十分見れたと思うけれど、なにぶんせっかちなもので・・・(笑)

B1入ると直ぐ"ヨーハン・マウリッツ胸像"が。マウリッツハイスというのは、マウリッツさんの家という意味だそうで、この方のお屋敷が現在のマウリッツハイス美術館になっているのだそう。外観の写真もあったけれど、素敵な美術館。行ってみたい!

B1での個人的なお目当ては、「ぶらぶら美術博物館」で紹介されていた"四季の精から贈り物を受け取るケレスと、それを取り巻く果実の花輪"、"聖母被天昇(下絵)"、"シメオンの賛歌"、"ディアナとニンフたち"。"四季の精から贈り物を受け取るケレスと、それを取り巻く果実の花輪"はヤン・ブリューゲル(父)とヘンドリック・ファン・バーレンの合作。ファン・バーレンは人物を描くことを得意とした画家で、ヤン・ブリューゲル(父)は花の画家。ということで、外側の花輪はヤン・ブリューゲル(父)が、その中央のケレスたちをファン・バーレンが描いたのではないかとのこと。ヤン・ブリューゲル(父)の花が素晴らしい! なんと精緻な・・・ 色彩の鮮やかさもスゴイ!

下の方のtweetにもあるけど、ルーベンスの"聖母被天昇(下絵)"も素晴らしかった。「フランダースの犬」でネロが最期を迎える教会にある絵。その下絵。残念ながらネロが最期に見た絵ではない。彼が最期に見たのはいつもは閉ざされて見ることができなかった"キリスト降架" 実は、ルーベンスは特別好きな画家ではない。でも、こうして本物を見るとやはりスゴイ! まずはその色の美しさ。空の青の美しさといったら・・・ そして、人物達が今にも動き出しそうな躍動感がある。この絵を元に描かれた作品は、ルーベンスと弟子たちによるものなので、完全にルーベンスが描いたこの下絵は必見!

順番が逆になるけど先にフェルメールの"ディアナとニンフたち"を・・・ これ、以前見たことがある。なので大好きなフェルメールの作品といえども"真珠の耳飾りの少女"ほど、絶対見なきゃ感はなかったのだけど、そこはやっぱりねぇ(笑) 実はこの作品、長年別の画家の作品とされてきたそうで、修復の課程でサインが発見され、フェルメール作品であることが分かったのだそう。さらに、その時描かれていた背景は青空だったけれど、使われていた絵の具がフェルメールの時代にはなかったもであることが分かり、現在のように暗い色に塗られたけれど、実際にフェルメールがどのような背景を描いていたのかは謎なのだそう・・・ なんてこと・・・ おそらくこの絵に別の画家のサインが書き込まれた時点では、フェルメールの知名度はほとんどなかったのでしょう。現在の人気ぶりを考えると切ない・・・

そして、今回"真珠の耳飾りの少女"以外で一番感動したレンブラントの"シメオンの賛歌" 前にも書いた気がするけど、レンブラントは特別好きな画家ではない。でも、会場内に入ったとたん、目に飛び込んでくる。バーンと目に飛び込んでくるので、近寄って確かめるとやっぱりレンブラントだったっていう経験多い。それは光の使い方とかいろいろあると思うけれど、やっぱり作品の持つ力なのでしょう。で、この"シメオンの賛歌"小さな作品だけど素晴らしい!! 死ぬ前に救世主を見ることになると預言され、死ぬことができなかったシメオン。礼拝にやってきた聖家族。この赤子こそが救世主であることを確信したシメオンはイエスを抱く。傍らに跪く聖母マリアとシメオンに抱かれたイエスに当たる光! それはイエスが発する光にも見える。薄暗いながらしっかりと描き込まれた礼拝堂。にくっきりと浮かび上がる3人。本当に奇跡のよう・・・ シメオンの悦びの表情も素晴らしい! これは素晴らしい!! ホントに見れてよかった! これはポストカード購入!

2回目見て今帰り!待ち時間的にはあまり変わらずw でも、立ち止まって見れないので、20分も待ってないと思う。絵小さいし、薄暗いし、止まれないけど、頑張って口角の光と真珠ガン見してきた!並んでる間もバッチリ少女と目が合うよっ♪ヾ(*´∀`*)ノ゛キャッキャッ Posted at 07:10 PM

実はフランドル派の絵画は、そんなに好きじゃないんだけど、真珠の耳飾りの少女以外にも、素晴らしい作品たくさんある!フランダースの犬に出てくる、ルーベンスの絵の下絵が素晴らしい!残念ながらネロが最期に見た作品ではありません… Posted at 07:17 PM

フランドル派の絵画は美しいとは思うけれど、色彩が強烈過ぎるというか・・・ 実は特別好きではない。でも、やっぱり見応えある。フランス・ハルス"笑う少年"は、近くで見ると大胆な筆遣いで描かれている。遠くから見ると無邪気な笑顔の少年だけど、近くで見るとT.M.Revolutionみたい・・・

そして、レンブラントはやっぱりスゴイ!!肖像画が多いけど、ホントにモデルそのまま描いてる。全く美化してないw 笑う男の顔ったらw でもシメオンの賛歌は素晴らしい!!コレは感動!ポストカード買った♪ Posted at 07:22 PM

レンブラントは肖像画を数多く描いていて、自画像も多い。自画像を含む3点の肖像画が出展されているけれど、tweetしているとおり全く美化していない。自画像は美化する必要もないようにも思うけれど、以前「ヴィジェ・ルブラン展」を見たときに知ったのだけど、自画像は名刺代わりというか、自分を売り込むために使われたりしたそうなので、リアルでありながらも美化して描いていたらしい。誰だって美しく描いて欲しいからね(笑) でも、これ全く美化してない。だって"自画像"も"笑う男"もおっさんだもの(笑) こんな言い方は失礼だけど"笑う男"の笑い声なんて、絶対ダミ声で品がないと思う(笑) 確かに見ていて楽しくなる部分はあるけれど、決して美しくはない人物を描くのに、ありったけの技術を駆使しているのが興味深い! だから、コレを描きたいってことなんだよね・・・ "真"を描きたい。でも、写真とは違う・・・ "自画像"の額の光の表現といったら・・・ やっぱりレンブラントは素晴らしい

で、こんなのあります!ちょっと着てみたい♪ http://t.co/Qvv55o5h Posted at 07:12 PM







ミュージアムショップを出て、エスカレーター脇を通った奥。ひっそりと展示されている(笑) 誘導がないと見落としちゃいそうだけど、これはカワイイから見て欲しい。耳飾の少女の衣裳を再現しているわけだけど、振り返っている絵だから服の詳細は分からない。なので、当時の衣裳を元に作られたのだと思うけど、これがなかなか素敵 少女が巻いているターバンは当時のオランダで身に付けられていたものではないそうで、異国風のいでたちをさせたいと考えたからではないかと言われているのだそう。でも、スカーレット・ヨハンソン主演の『真珠の耳飾の少女』では、少女は髪を隠す頭巾を被っていた。これは宗教的なことなのかな? いずれにしても素敵! これ着てみたいヽ(・∀・)ノ

で、少女と、 http://t.co/C0WONABT Posted at 07:13 PM



武井咲ちゃん♪ http://t.co/g3lk6YOP Posted at 07:14 PM



武井咲ちゃんカワイイ 「真珠の耳飾の少女」はやっぱり絵なんだよね・・・ 例えば頭の形とか、実際の人間とは違う・・・ これだと少しハチが大きすぎるというか・・・

マウリッツハイス美術館展グッズ!ええ!買いましたわたくしw 真珠の耳飾りミッフィーw http://t.co/iWft5yW8 Posted at 08:07 PM



でも、やっぱりカワイイよ♪ (人´∀`)?ラぶv http://t.co/51Q6rI8t Posted at 08:10 PM



★マウリッツハイス美術館展:6月30~9月17日@東京都美術館
マウリッツハイス美術館展|東京都美術館


http://twitter.com/maru_a_gogo


コメント (2)
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【Googleのロゴ】ジュリア・チャイルド生誕100周年

2012-08-15 00:55:48 | Google's logo
毎度のGoogleのロゴがこんなことに!



ジュリア・チャイルド生誕100周年!

オリンピック期間中、毎日競技ロゴになってて、
コレクターとしては忙しい日々だったけど、
終わってしまって寂しかった・・・

そんな中コレ! コレ、カワイイ

ジュリア・チャイルドはアメリカの料理研究家
初めて本格的なフランス料理を広めたんじゃなかったっけ?
確か元は政府機関で働いてた人だったハズ・・・

っていうか『ジュリー&ジュリア』の人だよね(笑)
感想はコチラ

Happy Birthday


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【Agatha】知らんぷり

2012-08-14 00:00:00 | Agatha
・・・【本日のアガサ】知らんぷり・・・
【本日のアガサ】録画しといた「世界ネコ歩き」見てるけど、知らんぷりして寝てるw http://t.co/oaFNucHA Posted at 09:47 PM


【本日のアガサ】知らんぷり

http://twitter.com/maru_a_gogo



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