【art】「もうひとつの江戸絵画 大津絵」鑑賞@東京ステーションギャラリー
東京ステーションギャラリーで開催中の「もういとつの江戸絵画大津絵」を見に行ってきた。大津絵という言葉は聞いたことあったけど、よく知らなかったので、ほとんど予備知識なしで見に行ったのだけど、これはとっても楽しかった✨
#もうひとつの江戸絵画大津絵 見てきた😊まさにキャッチコピーどおり、欲しい!となる楽しさ✨大津周辺で旅人相手にお土産として売られていた大津絵が、明治の展覧会を機に人気となる。収集家の中には富岡鉄斎、河鍋暁斎、柳宗悦、魯山人、棟方志功、ピカソまで! pic.twitter.com/cFqCI0R59A
— maru 𓆸 (@maru_a_gogo) October 16, 2020
大津絵(Wikipedia)についてザックリ説明しておくと、東海道の宿場大津周辺で販売されていた土産物。そもそもは、旅人相手に旅の安全祈願として仏画を売っていたようだけれど、だんだん変化していったらしい。江戸初期から作られていたけれど、江戸時代の終わりと共に姿を消した。土産物という性質上、大量生産されたにもかかわらず数が残っていない。
明治24(1912)年、大阪のギャラリー「吾八」で大津絵を集めた展覧会が開催されたのをきっかけに、多くの文化人を惹きつける。コレクターの中には、富岡鉄斎(Wikipedia)、河鍋暁斎(Wikipedia)、浅井忠(Wikipedia)、柳宗悦(Wikipedia)、梅原龍三郎(Wikipedia)、北大路魯山(Wikipedia)人、棟方志功(Wikipedia)など、さらにパブロ・ピカソ(Wikipedia)も所有していたのだそう。
でも、ビッグネームたちが惹きつけられた気持ちがとっても分かる! ホントに今展のキャッチコピーである”欲しい! 欲しい! 欲しい!”という気持ちになる。なんとも素朴で味わい深くて、種類も豊富で、同じテーマでも描き手によって個性が出て来るから集めたくなる。これは楽しい✨
#もうひとつの江戸絵画大津絵 各時代の収集家ごとに展示。大津絵はステンシルを使って量産されていたし、同じテーマの作品が多いのだけど、それぞれ個性があって、さらに収集家ごとに好みの違いが分かって面白い✨好みが合ったのは梅原龍三郎かも🤔名もなき芸術家の作品を堪能!見てよかった!
— maru 𓆸 (@maru_a_gogo) October 16, 2020
大きく4つの時代に分けて、コレクター毎に展示してある。コレクターの人数も多数で、それぞれに説明を表示。大津絵は大量生産するためにステンシルを使用して描いていたそうで、同じテーマの作品がいくつもある。時代とともにステンシルやアレンジも変わっただろうし、その店?によって個性もあるのだと思う。なので、例えば同じ「傘さす女」でも、それぞれの個性がある。
そして、コレクターの好みにより、それらの個性がまた分類されている感じが見ていてとってもおもしろい! 例えば、冒頭の富岡鉄斎のコレクションと、柳宗悦のコレクションでは同じテーマでも全然違う。それが見ていてニヤリ😀
第一展示室は富岡鉄斎が所有していた作品が一気に30点。ここから圧倒された。ここに展示されているうちの14点は「古筆大津絵」に掲載されている作品とのこと。メモに「富岡文庫入札目録」と書かれていて、どうやらこれは富岡鉄斎が書いた著書らしい。これにより鉄斎が所有していたことが分かるってことかな?🤔 ちょっと分からなくなってしまった😅
「猫と鼠」富岡鉄斎所有(笠間日動美術館)
富岡鉄斎コレクションの中の「猫と鼠」は、同じ画題の大津絵をピカソも所有していたとのこと。猫がもう全く猫に見えないけど、なんだかともっても楽しくなる。ピカソも楽しかったのだと思う。
さて、4つの章のそれぞれ代表作を紹介したいところだけど、作品点数も多く、コレクターも多いので、記憶が曖昧に😅 というわけで、自分の中で一番好みがあった、梅原龍三郎のコレクションについてのみ書いておく。
「傘さす女」梅原龍三郎所有(笠間日動美術館)
「傘をさす女」も、いろんなパターンが存在するのだけど、梅原龍三郎が所有していたこの作品が一番好きだった。構図も着物の柄も、表情も全部好き😍 梅原龍三郎の作品は正直あまり好きではないけど、大津絵コレクションに関しては一番好みが近かった。上手く言えないけど、奇抜ではないけど、それが逆に一番個性的というか・・・
「鬼の行水」富岡鉄斎所有(日本民藝館蔵)
そして、何といってもポスターにもなっている「鬼の行水」が素晴らし過ぎる! これは誰が所有してたんだっけ?🤔 最初の方の展示なので、浅井忠とか? 鬼の上に描かれてる物が何だか分からないし、鬼の角が生えてる部分も曖昧。でも、鬼のとぼけた表情がいいし、そもそも鬼の行水をテーマにしているのもおもしろい。これって何か元ネタがあるのかな?🤔 そして、大注目なのがワキ毛! 何故ワキ毛を書こうと思ったのか🤣🤣🤣
#もうひとつの江戸絵画大津絵 日時指定で17:30からの回で鑑賞。割と狭く区切ってあったけど、混んでなかったので密は気にならず。会場外のスペースでは、ステンシルの描き方の説明があって楽しい✨ pic.twitter.com/CeK5dyOYxM
— maru 𓆸 (@maru_a_gogo) October 16, 2020
コロナ対策として当日券の販売はせず、事前に日時指定チケットが必要。金曜日のみ20:00まで開館。17:30-19:30の回を購入し、17:40頃入場。あまり混んでなかったので自分のペースで見れた。点数は多いのだけど、そもそもじっくり見て味わうというよりも、サラリと見て楽しむ作風というのもあるかもしれない。かなり狭めに区切ってあったけど、密になることもなく見れた。
会場を出た所にある休憩スペース。展示内容によって楽しめるコーナーになっているけど、今回は大津絵の描き方が展示されていた。
ステンシルを使うと言っても、全部というわけではないのかな? それとも他にもステンシルがあって重ねて行くのかな?🤔 こうやって量産化を図っているのも興味深い。
#もうひとつの江戸絵画大津絵 美術展に行ったら必ず買うことにしているポストカードは2種。右は大津絵収集の元祖ともいえる浅井忠が描いた大津絵「瓢箪鯰」、左が梅原龍三郎が所有してた「傘さす女」 pic.twitter.com/H0XPEcnhaU
— maru 𓆸 (@maru_a_gogo) October 16, 2020
東京ステーションギャラリーは、いわゆる企画展の物販はなく、回廊を進んだ先にあるミュージアムショップに小規模なコーナーが設けてある感じ。美術展に行ったら必ず買ってるポストカードは、梅原龍三郎所有の「傘さす女」と、浅井忠が描いた「瓢箪鯰」。浅井の作品の展示はなかったけど、かわいかったので購入。
点数多くて見応えあるし、とにかく楽しくてニヤニヤしてしまう。狩野派でも琳派でも伊藤若冲などの奇想の系譜でも浮世絵でもない、というところから"もうひとつの江戸絵画"とタイトルをつけたそうで、ホントに大津絵という一つのジャンルとして、とても素晴らしい企画だと思う。オススメ✨
🎨もうひとつの江戸絵画 大津絵:2020年9月19日ー11月8日 @東京ステーションギャラリー
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