【tv】100分de名著「赤毛のアン」(第3回)
「ひたむきさ」が運命を変える
1回25分×4回で1つの作品を読み解く番組。10月はルーシー・モード・モンゴメリ著「赤毛のアン」(Wikipedia)で、講師は脳科学者の茂木健一郎氏。今回はその3回目。
不登校から復帰したアンを皆が歓迎。アンはインフルエンサー。アンを通して子どもたちが別の世界を知る。他人に良い影響を与える資質はハーバード大学の入学基準でも重視。でも、ギルバートとは絶交中。
伊集院光氏の感想:ギルバートはいいヤツなのに、ギルバートはアンにとっては「無」なのか?
ギルバートはライバル。身近にライバルがいることは脳を育てる。アンはギルバートをライバルとして急成長していく。ひたむきさが生まれる。ギルバートは鏡。「ひたむきさ」で心を開く。人間的な魅力。人の心開く。
仲が良くてお互い認め合い切磋琢磨するライバルというのは理想だけど、自分では意識していないけれど、張り合うことで結果自分を高める存在というのも良きライバルなのかもしれない🤔
ダイアナの誕生日に招待を受け、客用寝室に泊めてもらうことになる。うれしくてダイアナとどちらが先にベッドに着くか競争して飛び乗る。ベッドにはダイアナの親戚でお金持ちのミス・ジョセフィン・バーリーが寝ていた。ミス・バーリーはカンカンに怒り、ダイアナの音楽レッスンの支援を取り消すと言い出す。アンが心を込めて謝罪すると、話を聞くうち表情が変わる。あなたは客用寝室に泊まり慣れているかもしれないけれど、初めての孤児がどれほどガッカリしたかと話すと、ミス・バーリーは笑い出す。
ユーモアのある謝罪?
伊集院光氏の感想:意図的に笑わそうそしていたわけではないので、ユーモラスではあるがアンはひたむきで真剣。
ダイアナに迷惑をかけたとどん底。ひたむきに謝った。 余計なことを言うより真心そのままを伝える「ひたむきさ」が相手の心の扉を開く。
ひたむきさは芸になる?
伊集院光氏の意見:ひたむきさを100%出せる人は芸になるが、1mmでもくもりが入るとぶざま。0よりひどい。いいかっこうをしようとしたり、テクニカルに説得しようという意図が入ると、より相手の心を閉ざす。100%の難しさ。
アンの「ひたむきさ」作者モンゴメリにも重なる。1904「赤毛のアン」執筆開始。1908年「赤毛のアン」出版。仕事の合間に執筆。前頭葉(オンとオフを切り替える脳の領域)の回路の働きにより、忙しい中長期的な夢を見失わなかった。
伊集院光氏の感想:その回路があると5分が濃密になるが、ないと言い訳になる。
集中力に使う前頭葉(Wikipedia)の回路は鍛えることが出来る。生まれつき集中力がないのではなく努力。5分でも10分でも集中することで鍛えていく。
でも、集中力って続かないのよね😣 でも、本読んでて夢中になって電車乗り過ごしたこと2回あるけど😅
ルーシー・モード・モンゴメリは幼くして母と死別。厳しい祖父母のもと本を友に育つ。15歳の頃から詩やエッセイを投稿。多くが不採用だったが諦めるなと心に誓う。教職のかたわら児童雑誌に執筆。この仕事が大好きだった。「赤毛のアン」30歳ごろ執筆開始1年以上かけて完成。5社から不採用となるが、2年後思い出して送ってみるとアメリカの出版社からOKの返事。1908年出版されるとベストセラーとなる。
ひたむきな独学者モンゴメリ。学ぶのが上手なのは「独学者」。先生からの受け売りではなく、自分で問題点を探す。課題を見つけて努力できたら自分のポテンシャルを引き出せる。モンゴメリの姿勢は参考になる。道を切り拓く人は独学者。何度失敗してもゴールに達するまではやめない。
新しい先生 ミス・ステイシー登場
アクティブ・ラーニング(Wikipedia)を実践している先生。ミス・ステイシーの教育:詩の朗読・芝居・野外での自然観察など
伊集院光氏の感想:今っぽい話
ドラマ・エデュケーションという演劇を活用したアクティブ・ラーニング。アメリカのトニー賞(Wikipedia)は2015年から演劇教育部門を設立。アクティブ・ラーニングで成績伸びるデータあり。アンも成績が良くなる。モンゴメリの先見性スゴイ!
なるほど。自然の観察とか楽しそうだけど、人前で何かをするの苦手な自分からすると、詩の朗読はまだしも、芝居とか苦痛でしかないけどな~🙄
アンの友人たちがグリン・ゲイブルズに集まった時、マシュウはアンが他の少女たちと違うことに気づく。2時間考えてアンだけが地味な服装であったことが分かり、クリスマスにアンに服をプレゼントすることを決意。店に買いに行くも上手く話せず必要のない熊手や黒砂糖を買いマリラに怒られる。リンド夫人に相談すると、夫人が仕立ててくれることになる。袖を膨らませて欲しいとリクエスト。パフスリーブのドレスにアンは有頂天になる。あんまりうれしくて夢の中にいるようだと語る。
伊集院光氏の感想:マシュウ頑張った!
マシュウはファッションには興味ない。だけどアンには興味がある。アンを見ていたら気づく。脳科学的なマシュウの気づき。
👉感情:何かが違う → 情報処理:服装? 髪型? → わかった! "何かがおかしい"感情が動く → 答えを探す → 服装だ!
マシュウはアンを愛していたのでアンのことを気遣っていた。愛情の証し。愛情がないと感情も動かず違和感も通り過ぎてしまう。
伊集院光氏の感想:アンのリアクションもいい
マシュウはアンを愛していたと書くことは簡単だが、マシュウがアンのために苦手なことをすることで、アンのことを愛敷いいたと読者に伝えている。
マシュウのこのくだりはお店でのまごつきに笑わせて、最後に感動させるの上手いと思う。よりマシュウの愛情が伝わって来る。アンはマシュウに愛されて幸せだけど、子供を持たなかったマシュウがアンという愛する存在を得られたことも幸せなんだよね😌
ミス・ステイシーに感化され、アーサー王の物語(中世の騎士道物語)の一幕を演じ熱中。とんでもないことに!
アーサー王物語の中の亡くなったエレン姫が小舟で流されていくシーンを再現。エレン役のアンは簡素な船に横たわるが船が流されてしまう。杭に飛びつきしがみつく。そこにギルバートが偶然ボートで通りかかり助けてくれる。ギルバートは赤毛をからかったことを詫び、友達になりたいと申し出る。ギルバートの瞳を美しいと思い一瞬心が動くも、にんじんと言われた悔しさがよみがえり拒絶してしまう。ギルバートは怒りもう二度と友達になろとうは言わないと言って去ってしまう。
すれ違うアンとギルバート
伊集院光氏の感想:これは普通OKする流れなのでは?
アンはギルバートをそれだけ好きだということ。赤毛というコンプレックスのいちばん強い部分を突かれてしまい、かたくなになってしまった。ギルバートを許すことは自分自身を受け入れること。アンはこの時点では自分の存在を受け入れられない。ギルバートはアンがいたからこそ成長。いろいろ親切にしても無視されるが、めげずに良い人間になろうとする。
伊集院光氏の感想:すごい説得力。好かれようと努力したり、相手の気持ちを分かろうとしている。
それまでのギルバートはある意味では甘やかされていた。みんなが僕を好き。アンが来たことによりギルバートも「ひたむきさ」を育む。
伊集院光氏の感想:自分に自信が持てない人が、自分を好きだと言われても、変なものが好きな人だとしか受け取れない。
確かに、自分に自信がないと好きだと言われても何で?という感じだったりはするかも。アンと同世代だった頃に読んだ時は気づいてなかったけど、大人になって読み返してみるとギルバートはもうかなり告白しちゃってるんだよね。ギルバート自身おそらく気づいていないと思うけど。人の言葉や行動からその人の気持ち、特に自分に対する好意をくみ取ることは、ある程度人生経験が必要なのかもしれない。コンプレックス自体はいくつになってもなくならない。大人になるとそれに折り合いをつける。それが出来るのは人生経験が必要。そして、やっぱり"にんじん"はまずかったね😅
ここまでなっても両想いになれないのはコンプレックスの強さ。愛を受けれれることが出来ない。ギルバートは諦めてしまうのか?
さて、次回は最終回。自分の大好きなシーン。アンのダンスの相手チケットをギルバートが取るシーンは紹介されるかな? 楽しみ。
100分de名著:毎週月曜日 午後10:25~10:50 Eテレ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます