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【art】「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」鑑賞@国立新美術館

2019-07-30 01:08:38 | art

【art】「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」鑑賞@国立新美術館

 

 

今年はクリムト作品が見られる企画展が多く、特に大きなのが先日行った「クリムト展 ウィーンと日本1900」(感想はコチラ)とこの「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」 ぶらぶら美術博物館を見て(記事はコチラ)予習もバッチリしてたので、張り切って見に行ってきた!

 

 

 

 

定時上がりして美術館に到着したのが17:30頃。荷物預けたりして見始めたのは19:40頃かな? この日は21時まで開館しているということだったけど、入場待ち時間もなかったので19:30頃には見終わるかなと思っていた。ところが作品リストを見てビックリ😲 ものすごい展示数! 会場内は思っていたより混んでいたけど、それでも作品前に渋滞が出来るほどではなかったし、そんなに1つ1つ立ち止まって見たという感じでもなかったのに、見終わったら20:30過ぎてた💦 いや、ホントに見応えありすぎ!

 

4つの大きな章と、さらに細かくカテゴライズして展示されているけれど、とにかく点数が多いのでそれぞれのカテゴリーから選出すると大変な量になってしまうし、主催者側の想定した見どころはぶらぶら美術博物館の記事で紹介済みだと思う。なので、とりあえず直感的に印象に残った作品をTweetしておいたので、それに補足する形で感想記事とする😌

 


フランツ・ヴュルト「ティーポット」

 

ビーダーマイアー(Wikipedia)というのは小説の主人公ゴットハープ・ビーダーマイアーが由来で、小市民という意味があるのだそう。1814年のウィーン会議(Wikipedia)から1848年の革命(Wikipedia)までを言う。このウィーン会議は"会議は踊る、されど進まず"で有名で、なんと合意まで9ヶ月もかかったのだそう。9ヶ月ってもう会議じゃないじゃん😅 

 

で、この時代には家はくつろぎの空間という考え方が広まり、テーブルを囲む家具が数多くデザインされた。多機能性がありモダンなデザインが多く生まれたのだそう。自分が気に入ったのはシンプルだけど斬新なデザインのポット。この持ち手がかわいい。ヨーゼフ・ケルンの「スタンド式湯沸かし器」はデザインも素敵だったし、持ち運べる湯沸かし器というのも画期的で好きだった。画像が見つけられず残念😢

 

 

ビーダーマイアー時代の家具

 

家具類もとても素敵で、特に画像の黄色い座面の椅子と、右端の椅子が素敵✨ 背もたれのデザインもいいし、座面の色が斬新。特に黄色のがお気に入り。そして中央のタンハウザー家具工房「机」の脚! 脚の形も素敵だけど、その下の部分が円をつなげたようになっていて、とってもいい! 

 


今回のメインはやはりクリムトということになるのでしょうけれど、クリムトを中心としてマリア・テレジア(Wikipedia)の時代から20世紀初頭までの作品を時代に沿って展示してある。なので、クリムトの時代にウィーン美術界が花開くまでの過程がとっても良く分かる。いきなり天才クリムトが出現したわけではないということ。


オットー・ヴァーグナー「美術アカデミー記念ホール模型」


オットー・ヴァーグナー(Wikipedia)は1890年に都市計画顧問に就任。ウィーン市内に数多くの建築物を残した。代表的なのはマジョリカハウスなど。どうやら現在のウィーン美術アカデミー(Wikipedia)の建物とは違うので、この設計は実現しなかったということなのかな? これ実現してたらすごかったに😣 この屋根の上の輪になった装飾が素敵すぎる✨ 

 


グスタフ・クリムト「パラス・アテナ」

 

これTweetでわざわざハッシュタグにしたのにハラスアネナってしちゃってる😣💦  1898年11月ヨーゼフ・マリア・オルブリッヒ(Wikipedia)による分離派会館(Wikipedia)が第2回分離派展により開館。グスタフ・クリムト(Wikipedia)はこれを記念して今作を描いたのだそう。パラス・アテナは芸術と学術の庇護者。「クリムト展 ウィーンと日本1900」で見たヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)を右手に持っている。これはもしかしたら以前見たことがあったかもしれない。でもやっぱりいい。思ったより小さめな印象。胸の顔はゴルゴンだそうだけれど、これは舌を出してるの? このマグニートー的な被り物もいいね✨

 

これね👷

 

グスタフ・クリムト「エミーリエ・フレーゲの肖像」


今回のお目当て。エミーリエ・フレーゲはクリムトの生涯のパートナーだったと言われている女性。クリムトの弟エルンストとエミーリエの姉ヘレーネが結婚したため親戚となり、親族が集まるアッター湖畔で一緒に過ごしていたのだそう。エミーリエはとても自立した女性で、姉と2人で婦人服の店を開店。コルセットで締め付けられた女性を解放する服を販売したのだそう。クリムトもエミーリエのために改良服のデザインをしたらしい。エミーリエの服を再現した展示もあったし、今回のために文化服装学院が復元したドレスも休憩室に展示されている。

 

自然主義から装飾的、抽象的な表現への過渡期の作品ということで、たしかにこの前に展示されていた初期の作品から、「接吻」などの過渡期という気はする。このエミーリエの髪型もいいし、キリリと意志の強い表情もいい。胸元の辺りは日本の着物の柄っぽいし、ドレス時代はイスラム的な感じがしなくもない。このポーズもドレスもとってもいいけど、エミーリエは気に入らなかったのだとか😢

 

上の方にチラリと書いたけれど、クリムトとエミーリエについては、以前テレビで取り上げられていて(記事はコチラ)興味深く見た。その他詳しくはぶらぶら美術博物館を見た時の記事(コチラ)にも書いている。どうやらエミーリエはクリムトの死後、関連資料を破棄してしまったそう。それだけクリムトとの関係が深かったとも言えるけれど、後世に伝える資料としてはちょっと残念だったかも😢 


グスタフ・クリムト「6月(ユノ)」


今回、とっても気に入ったのがこの「6月(ユノ)」 これは初期の作品で、寓話集などの図案を描いていてたらしい。この作品にも(『アレゴリー:新連作』のための原画No.53)と括弧書きがされている。これ、中央に描かれた女性の横顔がまず美しい。少し憂いを帯びているようにも見えるし、少しすましているようにも見える。そして両脇に描かれた女性たちが、どことなくアルフォンス・ミュシャ(Wikipedia)の影響を受けているようにも感じられる。これはとっても気に入ってポストカード買ってきた😀

 


エゴン・シーレ(Wikipedia)はクリムトより30歳年下。未成年誘拐罪や性描写への批判などがあったけれど、ウィーン工房(Wikipedia)とクリムトが推薦したのだそう。推薦したって何に推薦したのだろ? 自分で書いたメモが不十分で字も汚くて読めない💦


エゴン・シーレ「ひまわり」


今作は以前見たことがある。かなり縦長な作品だけど、この作品を表現するにはこの形なんだろうなと思う。ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(Wikipedia)の影響を感じる作品もあったので、今作もおそらく題材選びからゴッホを意識していたりするのかなと勝手に思ったりもする。これはとても好き。


エゴン・シーレ「美術評論家アルトゥール・レスラーの肖像」


アルトゥール・レスラーはシーレのパトロンだったそうで、シーレは妻のイーダ・レスラーも描いている。この作品も以前見た記憶がある。なんだかとってもジャズ的なものを感じてとても好きなのだけど、肩の感じもおかしいし膝もゴツゴツしちゃってかなりデフォルメされている。これがシーレのタッチなのだろうけれど、この後素描作品を見て驚くことに。


エゴン・シーレ「マリア・シュタイナーの肖像」


マリア・シュタイナーというのは実業家フーゴ・シュタイナーの娘だそう。上の方にチラリと書いたけど、未成年誘拐罪というのは、シーレは幼児性愛者だったそうで、実は妹のゲルティとも近親相姦の間柄だったのではないかと言われているのだそう。彼女をモデルに絵を描いていたけれど、成長したゲルティに拒否されると、少女に声をかけアトリエで卑猥なポーズを取らせて絵を描いていたらしい😱 このことが問題となり誘拐罪で逮捕されたのだそう😲 いろいろ問題行動の多い人だったことは漠然と知っていたけど、まさかそんなこととは😲 


前置きが長くなってしまったけれど、そういう性癖がある人物に自分の娘を描かせるってちょっと危険じゃないかしら? でも、とってもかわいく描いている。そしてちゃんとデッサンができているからこそデフォルメでできるんだなと思った。


エゴン・シーレ「自画像」

 

感想Tweetには登場しないのだけど、残しておきたいメモがあったので紹介しておく。この作品で描かれている額の皺、彫の深い目、そして長い指はシーレの特徴なのだそう。他の画家が描いたシーレの肖像画があったけれど、指が長く描かれていたので、やっぱりそういう人だったのでしょう。どことなく神経質そうなイメージと合っている気がする。

 



 

 

 

 

「エミーリエ・フレーゲの肖像」のドレスを文化服装学院が再現。これは休憩室に展示されている。展示スペースには特に注意書きなどはなかったように思うけれど、公式サイトで調べたところ撮影OKだった。このドレスは素敵✨ 後ろは描かれていないわけだから、想像で作ったということなのかな? それともドレスの資料が残っているのかしら? そもそも実在のドレスなのかな🤔

 





もう1着のドレスはかなり斬新なデザインだけど、これも好き。このモジャモジャ頭みたいのはヅラ的なものなのかしら? これはどの作品に登場するんだろう?







「エミーリエ・フレーゲの肖像」は撮影OK。最近は作品を撮影できる展覧会が増えてきてうれしい。とはいえ、撮ることに夢中になって鑑賞がおろそかになったり、撮影している人に遠慮して近づいて鑑賞できないという弊害もあったりするのだけど😅 でも、拡大して撮影すると細かい部分まで確認できるからやっぱりウレシイ。 

 

 

 

 

 

上2枚は乃木坂駅に貼られていたポスター2種類。誰もいなかったので撮影してみた😌

 

 

グッズは種類が豊富だったけれど、買おうと心に決めていたエミーリエマイメロがまさかの欠品中😭 しかたがないのでポストカードでガマン。


とにかく見応えあり過ぎの展覧会。オススメなのはやっぱり夜間かな。17:40頃に入ったけれど、待ち時間なく入れたし、会場内もそこまえ混雑してなかった。とはいえ、やっぱり後からどんどん混んでくる感じではあったし、点数が本当に多いので2時間ではちょっと足りないと思う。やはり余裕をもって2時間半から3時間はみておいた方がいいかも。

 

あと作品保護のため会場内はとっても寒い! 肩掛けを貸し出ししているけれど、この時期薄着になっているので、特に女性の方は上着など持って行った方がいいかも? 生足サンダルだったりすると冷えると思います!

 

クリムト目当てで行ったけれど、その他の作品もとっても良くて、本当に楽しい展覧会だった! 残り日数が少なくなってきたこともあり、結構混雑しているようだけれど、迷っている人は是非見に行って欲しい。この点数の作品が来ることはめったにないんじゃないかな🤔 美術展の記事には毎回書いてるけど、見れる機会があるなら本物を見るべき! 本物は絶対にオーラが違うから! パワーをもらえるよ😉

 

 

🎨ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道:2019年4月24日~8月5日 @国立新美術館

ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 -美術展ナビ-


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