団塊世代おじさんの日常生活

夏 日本で二番目に気温が高く、陶器と虎渓山と修道院で知られる多治見市の出身です。

彼は瀕死だ。 でも瀕死の状態で吐かれた言葉こそが、イエイ、切実なのである。

2020-04-05 04:50:42 | 日記



 先日 ミュージシャンの坂本龍一さんが朝日新聞に、ロック歌手の忌野清志郎さんのことを書かれていました、

 新型コロナウイルスの感染が世界規模で広がるいま、ミュージシャンの坂本龍一さんは、2009年に亡くなった忌野清志郎さんの言葉を思い出している。
ということで、その言葉が忌野清志郎さんが2000年に書かれた「瀕死の双六問屋」に載っているということなので、
早速中古本を手に入れました。


 さらっと読んでいくと、終わり近くに「日本国憲法第9条に関して人々はもっと興味を持つべきだ」というタイトルが出てきました。

 ミュージシャンの坂本龍一さんが、忌野清志郎さんの思い出した言葉とは、
「地震の後には戦争がやってくる。」と言う言葉だったように思います。



 
 あいつは左手の指がとてもよく動く。
全身が凍える夜にもその指は美しいメロディーを奏でる。

 女はそれを見てみんな俺から去って行った。

 (中略)



 地震の後には戦争がやってくる。
軍隊を持ちたい政治家がTVででかい事を言い始めてる。

 国民をバカにして戦争にかり立てる。
自分は安全なところで偉そうにしてるだけ。

 阪神大震災から5年。
俺は大阪の水浸しになった部屋で目が覚めた。

 TVをつけると5カ所ほどから火の手がのぼっていた。
「これはすぐに消えるだろう」と思ってまた眠った。

 6時間後に目が覚めると神戸の街は火の海と化していた。

 この国は何をやってるんだ。
復興資金は大手ゼネコンに流れ、神戸の土建屋は自己破産を申請する。

 これが日本だ。
私の国だ。

 とっくの昔に死んだ有名だった映画スターの兄ですと言って返り咲いた政治家。
弟はドラムを叩くシーンで僕はロックン・ロールじゃありませんと自白している。

 政治家は反米主義に拍車がかかり、もうあともどりできやしない。
そのうち、リズム&ブルースもロックも禁止されるだろう。

 政治家はみんな防衛庁が大好きらしい。
人を助けるとか世界を平和にするとか言って実は軍隊を動かして世界を征服したい。

 俺はまるで共産党員みたいだな。
普通にロックをやってきただけなんだけど。

 そうだよ、売れない音楽をずつとやってきたんだ。
それを何かに利用しようなんて思わない。

 せこい奴らとはちがう。
民衆をだまして、民衆を利用していったい何になりたいんだ。

 予算はどーなってるんだ。
予算をどう使うかっていうのはいったい誰が決めてるんだ。

 10万円のために人を殺す奴もいれば、10兆円とか100兆円とかを動かしてるやつもいるんだ。
いったいこの国は何なんだ。

 俺が生まれて育ったこの国のことだ。
君が生まれて育ったこの国のことだよ。

 どーだろう、・・・・・・・・この国の憲法第9条はまるでジョン・レノンの考え方みたいじゃないか?
戦争を放棄して世界の平和のためにがんばるって言ってるんだぜ。

 俺達はジョン・レノンみたいじゃないか。
戦争はやめよう。

 平和に生きよう。
そしてみんな平等に暮らそう。

 きっと幸せになれるよ。



 以上です。




 小説家でありミュージシャンの町田康さんが、この小説の解説をされています。
抜粋しますと、

 「戦争はやめよう。平和に生きよう。そしてみんな平等に暮らそう」といった一見、
教え諭すようなことを言う。

 しかしいろんな意味で間違えてはいけない。
これは忌野清志郎の祈りであり切実な告白だ。

 彼は瀕死だ。
でも瀕死の状態で吐かれた言葉こそが、イエイ、切実なのである。




 私が思うに坂本龍一さんは忌野清志郎さんの
「地震の後には戦争がやってくる。」と言う言葉を思い出されたのは、
大地震の後 民衆がそちらの方に目を奪われていると、為政者は戦争をしかねない。

 今コロナウィルスという伝染病が世界中に蔓延していて、誰もがそちらに目を奪われている。
為政者が戦争をしかねない状況が「地震の後には戦争がやってくる。」という忌野清志郎さんの言葉の
状況に似ていると思われたのでは?


 そういえば、誰もが東日本大震災で東北の方々の行く末を心配している時、財務省は復興特別税を創設しました。
財務省の人間は油断も隙もない人間ばかりのようで、人の不幸の最中でも税をあげるチャンスを狙っているようです。(苦笑)

 復興特別税とは、東日本大震災からの復興に当てる財源の確保を目的として所得税、住民税、法人税に上乗せするという形で徴収される。
所得税は2013年(平成25年)1月1日からの25年間、税額に2.1%を上乗せするという形で徴収される。
法人税は2012年(平成24年)4月1日以降から始まる事業年度からの2年間、減税をいったん実施した上で、税額の10%を追加徴収する。
住民税は2014年度(平成26年度)から10年間、年間(給与から天引きの特別徴収では6月から翌年5月)1,000円引き上げる。
個人所得税が25年間であるのに対し法人税はわずか2年間である。

 個人の所得税が25年間も続くのに、法人税はたった2年間。
民衆を馬鹿にしているとしか思えません。

 財務省は復興特別税の期限が終わると別の名目で税金を取ろうと考えているようです。
一度手にした利権は、永久に手放そうとしないようです。(苦笑)













友を送る歌 舟木一夫 Funaki Kazuo 2
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする