まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

はるばる来たぜ函館へ

2009年09月20日 | 旅行記A・北海道

このいわゆる「シルバーウィーク」。これをどう使おうかというのは早いうちから考えていたのだが、長い期間であることから、長年の懸案であった「JR全線乗りつぶし」に向けての活動を行おうと考えた。

現在までの「未乗車区間」はいずれも北海道で、室蘭線(長万部~苫小牧、東室蘭~室蘭)、日高線(全線)、函館線(深川~旭川)である。このうち室蘭線の長万部~苫小牧と函館線の深川~旭川は、これまでにも夜行列車で夜中に通過した経験はあるのだが、「まるなる的乗りつぶしルール」では、夜行列車での通過区間は乗った対象にしていないということがある(夜明け後の外が見える時間帯の乗車は、乗った対象にカウントしている)ため、これらが残党としてある。「乗りつぶし」を意識するようになってもう20年が経過しており、その筋の多くの人たちが早い段階で「乗りつぶし達成」している中で、そろそろ結果を出してもよいのではないかと思っている。

ただ、まとまった休日となるこの時期、関西と北海道を結ぶ航空券は早々と売り切れが続出。その中にあって、21日夕方の新千歳から関西までの便に奇跡的に空席を見つけた(しかも旅割)。結局これを軸にすれば、関西からの往路は19日の土曜日となる。ただ、この日関西から北海道へ向かう便は「全滅状態」。

そこで考えたのが、「陸路を伝って行こうか・・・・」というもの。距離で行けば日本海縦貫線経由が短いのだが、本州を出るのに1日では足りない。ということで、「東海道新幹線のぞみ~東北新幹線はやて~津軽海峡線特急スーパー白鳥」の乗り継ぎで、初日は函館まで行くことにする。1700kmあまりの移動距離だが、接続よく9時間で行けてしまうのは文明の力のなせるわざか・・・(ちなみに、航空機なら関西から新千歳までは2時間)。こちらのほうは1ヶ月前の発売日に何とか指定席を確保することができた。

あとは乗車券。復路が航空機なので「周遊きっぷ」も利用できるのだが、今回の乗りつぶしの目的地は幹線の室蘭線。これを通って最後は新千歳空港から航空機に乗るコースのため、あちこち寄り道できる代わりにそれなりの値段をとる「周遊きっぷ」よりは通常の片道乗車券を購入したほうが安くつくようだ。

Dscn3443・・・ということで、前日にJR尼崎駅のみどりの窓口に出向き、「大阪市内→新千歳空港」までの乗車券を買い求める。昔のように手計算で手書きするのではなく、システムに経由路線と経由駅を入力すれば自動発行してくれるようになった。若い係員は北海道部分の入力に多少手間取ったが、先輩社員に経由地を見てもらって無事発券。2人から深々と頭を下げられる。手間のかかる発券をこなしてくれてこちらこそ恐縮なのだが・・・。

Dscn3444さて前置きが長くなったが、19日の早朝に新大阪駅に現れる。思ったほどには混雑しておらず、東京行きののぞみ号にも少しは空席があるようだ。快晴の下、6時03分発のN700系のぞみでまずは東京を目指す。

Dscn3448頂上に雪のかぶらない夏富士を久しぶりに車窓に眺め、8時30分に東京駅着。時間があれば東京で途中下車して、こちらへのご挨拶ということにしたかったのだが、今回は「最短経路」で函館まで行くのである。新幹線同士の乗り換え改札機をくぐって、東北・上越・長野新幹線のホームへ。

Dscn3450朝の新大阪とは違い、こちらはかなりの混雑。売店や乗車口には長蛇の列ができており、放送ではこれから発車する各列車の指定席がほぼすべて満席であるとの案内が流される。私が乗車する八戸行きの「はやて」だが、全車指定席の列車にもかかわらずデッキに大勢の客が立つ。JRとしてはこういう確信犯的な乗客は排除しないのだろうか。

Dscn3467座席も大宮までで満席となって出発。関東平野を抜け、東北へと分け入って行く。ちょうどコメの収穫時期と重なり、車窓にも黄金色の景色が広がる。

Dscn3458仙台到着。そういえば車内の電光掲示板にも日本製紙の広告として「がんばれ楽天イーグルス」のメッセージが表示されていた。この日はロッテとのデーゲームが組まれており、ということはその気になれば当日の朝大阪を出発しても仙台の試合に参戦できるのかなという新たな実感。

盛岡、いわて沼宮内、二戸と過ぎて八戸到着。大勢の客が在来線ホームへなだれ込む。続く函館行きの「スーパー白鳥」は6両編成(このうち自由席は2両)。10両の新幹線の乗客を受けるのがこれでは、受け皿としては不十分だろう。結局自由席車両に入れなかった乗客が指定席車両の車内にまであふれ、指定席券を持っている客が危うく乗車できないという羽目にもなった。こうなることは最初からわかっているのだから、もう少し何とかならないのかなと思うが・・・。

Dscn3474_2この日の昼食は八戸で購入した「大漁弁当」。小ぶりの器だがイカ、ホタテ、ウニ、イクラ、カニが乗っており、ごはんをホタテ貝の皿によそって食べるのが味わい深い。

スピードを出すせいか結構揺れを感じる。その中で青森到着。指定席車にまであふれていた乗客も結構な数が下車したが、それと同じくらいの数の乗客が乗ってくる。ここで向きを変えたが、あいにくと私の座っているのは進行左側となる。これでは津軽海峡に沿う区間の車窓が楽しめない。

Dscn3481座席テーブルの背面には青函トンネルの通過時刻があり、客室の出入口にも現在地が表示される。少しずつ半島の先に近づくのがわかり、そしていくつかのトンネルをくぐった後、青函トンネルに突入する。

Dscn3496橋と違ってトンネルは外が見えない。また、これまで以上にスピードを上げて走るものだから、途中の竜飛海峡駅を通過したのも、海底最深部の通過時にトンネルの照明が青と緑に変わるというのもあっという間の出来事で通過する。ラーメンズの日本語学校のコントのセリフに「青函トンネル窓あれよ~」というのがあるが、本当にそのとおりだと感じる。

Dscn3508・・・とまあ、そんなことをグチるうちに高度を上げ、パッと地上に出る。こちらも相変わらずの雲ひとつない晴天である。通路越しに津軽海峡の車窓を眺め、函館に少しずつ近づく。市街地も少しずつ見え、夜景展望のスポットして名高い函館山の姿もくっきりと見える。

Dscn3511定刻から少し遅れたが15時16分、函館駅到着。最短経路ということになればこの後の特急でさらに北を目指すことができるのだが、せっかくはるばる函館まで来たのである。私の好きな港町であるし、魚のうまいところである。何度来てもよいところであり「関所」のようなところもあるので、この日はここで移動はおしまい。

駅前のホテルにチェックインし、しばらく休憩。まずは「はるばる来たぜ函館へ」ということで、夜の散策に向かうことにする・・・・(続く)。

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