今日で9月も終わり、事業年度といえばちょうど折り返し点となった。幸いにして私の勤務先は何とか業績を確保することができたが、下半期から来年に向けてはどのような環境になるか、まったく不透明なところである。営業担当が飛び込みで回って、一見の仕事にありつけるという性格の仕事ではないだけに・・・。
私の勤務先では支店としての取り組みとして、技能の継承と従業員の年齢層の均衡化を目的として、昨年から高卒ルーキーたちの採用(若干名ですが)を行っている。従来は他社での経験者も含めて「即戦力」ということで技能系は中途採用者がほとんどだったのだが、どこぞの球団ではないが少しずつ「育成」に方針転換をしていこうというものである。現に、今年の4月に入社した高卒ルーキーたちも半年たって結構たくましさを増しており、将来的に楽しみな存在になっている。
・・・ということでこの夏も職安に求人票を提出し、数名の応募を得た。それを元に先日採用選考試験を行った。私も面接官として参加し、「こいつなら採用したら根性出してがんばってくれそうやな」という感想を持った受験者の存在にも感心したものだ。
ところが面接と同時に実施したSPI適性検査を見て、私の顔も結構渋くなった。一応合格の目安を定めていたのだが、昨年の受験者とも比べて一定の基準に達した受験者がほとんどいなかったのである。総合的に見て辛うじて1人だけが「内定」かな、ということで結論を出し、ようやく内定通知を発送する段取りを取ることができた。
結局、もう一人くらいは採用をということで、後日日を改めて第2回の採用選考を行う運びとなったのだが、逆にこれからこちらが「営業」に出なければならないのかなと思う。ニュースでは来年春の高卒ルーキーたちの有効求人倍率が0.5とか0.6とか、厳しい数字を伝えていはいるが、いわゆる私のいる業界は「3K」と呼ばれているところ。就職状況が厳しいといっても高校生にも職業選択の自由はあるのだから、これから応募者を募るのが結構難しいかなと思う。言葉は悪いが、優秀な学生は第一志望の企業に内定してしまっていることが多く、これからとなればプロ野球のドラフトの下位指名のような趣を呈し、ウェーバー制と同じく「早いもの勝ち」となってしまう恐れがあるから。
でもまあ、ドラフトでも下位で入団した選手が数年して大きく成長することもあり、要は面接等で当人の素質をいかに見抜くかということである。
ということで、私としては気概のある高校生の応募を待っているし、どんな原石と出会えるかを楽しみにしている。まだ10月、進路を決めるチャンスはこれからまだまだあると思う。現在就職が決まらず悩んでいる高校生たちにはぜひともあきらめずに、がんばってほしいものだ。