巨人V9時代の名二塁手、土井正三さんが亡くなったという。ONより若い67歳。
私の世代くらいになると、一時オリックス・ブルーウェーブの監督を務めており、あのイチローの振り子打法を「使い物にならない」としてレギュラーで使わなかったという「眼力のなさ」や、オリックスの選手に向かってことあるごとに「巨人軍では・・・」と言っていたりという「迷監督」ぶりが知られていたところ。しかしまあ、一時の名プレーヤーとして球史に名を残す選手だったことには違いなく、死去を伝える記事では迷監督ぶりは置いておいて名選手だった伝え方だったのは救いである(それにしても、扱いが大きかったのはV9戦士だからだっただろうな。名球会にも入ったパ・リーグの名内野手が亡くなった時はそこまでではなかったし・・)。
ともかくも、ご冥福をお祈りいたします。
・・・・さて、室蘭線旅行記の続き。
白老でアイヌ民族関連の見学を行った後、東室蘭に戻り、15時43分発の室蘭行きで、枝線区間の乗りつぶしに向かう。いや枝線といったのは失礼で、元々は石狩の石炭を天然の良港である室蘭から積み出すために敷かれた路線なのだから、本来の終着駅に向かっているというところだ。
新日鐵の構内のようなところを走る。かつては大量の貨物列車が行き来していたであろう側線が広がり、巨大なプラントもあれば、車窓の反対側には「新日鐵球場」という本格的な球場もある。先ほどみた市営球場よりごついつくりだ。
こうやって港に向かう感じ、九州は筑豊線の折尾から若松に向かうのと何だかよく似ている雰囲気のように思う。
15時56分、1面ホームの室蘭駅に到着。室蘭という街の玄関駅にしては小ぢんまりとした感じだ。到着した列車の反対ホームには「コンサドーレ号」というマークをかかげた特急車両が停車していた。何でもこの日、室蘭でコンサドーレ札幌対アビスパ福岡の試合が行われていたようで、試合終了後の観客輸送の臨時列車だという。駅の周りにはチームカラーの赤いユニフォームをまとったサポーターたちが結構いた。
ここからバスで向かうのは、地球岬。名前を聞いただけでは大変スケールの大きいスポットで、地球の大きさを実感できるところのように見える。もっとも、もともとはアイヌ語で「断崖」を意味する「チケプ」だったのが、「チキウ」となり、「チキュウ=地球」の字をあてるようになったという。それにしても、面白いところに転訛していったものである。
15分ほどで地球岬団地バス停に到着。地球岬にはここからさらに15分ほど坂道を登ることになる。結構いい運動だ。途中から駐車場に入る車の渋滞が見られる。連休中とはいえ人気のスポットなのだろうか。
その答えは、岬に到着して階段を上がるとすぐにわかった。
手前には灯台、遠くには噴火湾をはさんで渡島半島を見ることができる。この日の朝からずっと眺めてきた駒ケ岳のシルエットがくっきりと見える。
展望台には「幸せの鐘」があり、これを一緒につくカップルたちが多い。そりゃ、これだけの眺めを見ながら鐘を鳴らすなんて、グッとムードが高まりまっせ。
そろそろ夕日も近づいてきたところで地球岬を後にする。再びバスに乗り、今度は途中通ってきた母恋駅前で下車。ここから東室蘭に戻る列車をつかまえる。こちらの駅舎もなかなかレトロな感じだ。
今日の行程はここまで。東室蘭駅前のルートインホテルにチェックインした後、歩いて10分ほどで繁華街の中島町に向かう。室蘭の名物といわれてもピンと来ないのだが、フロントに尋ねたところ「室蘭やきとり」というのが地場料理でブームになっているとのこと。やきとりといっても鶏肉に長ネギではなく、豚肉、玉ネギ、洋からしというのが室蘭のスタイルとか。
ただ、時間帯が悪かったせいか、教えられた老舗には店の外まで長蛇の列。食事をするのに行列をするのが嫌いな私、もうこれであきらめる。このほかにもやきとりの幟を出している店を回ってみるがどこも満席。ならばと魚料理に狙いを変えるがこれも満席。まあ、繁華街の範囲は限られているし、連休中であれば仕方ないかな。全国チェーンの居酒屋は空いているようだったが室蘭にまで来て入ることもないだろう。仕方なくこの日はホテルでゆっくりすることにして(大浴場もあるし)、コンビニで食材を買い求めて帰参する。今にして思えば長崎屋の食品コーナーにでも行けば地元ならではの食材があったかもしれず、それもよかったかなと思うのだが・・・。
ホテルの一室で翌日(最終日)の行程を検討。事前のプランでは最終日に行こうとしていた白老ポロトコタンも地球岬も前倒しで2日目に行くことができた。夕方までに新千歳空港に着けばいいのだから時間はある。登別の温泉にでも行ってみようか。
ところが、「もう少し足を延ばしてもいいな」と思い、それならば未乗車区間の日高線に入ることはできないかと時刻表を見てみると、これが終点の様似まで往復することができるのである。うーん、予定外のことであり、「JR完乗達成は様似で」という思いで最後まで取っておきたい気持ちもあったが、この際だから別払いで行ってみようか。
ということで、この次はエキシビションでの日高線乗車ということになる・・・・。(続く)