まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第5回中国四十九薬師めぐり~懐かし気動車で秋の津山城へ

2021年12月09日 | 中国四十九薬師

これまでの記事との兼ね合いでずいぶん後になってからのことだが、11月中旬に中国四十九薬師めぐりもちょっと進めていた。

今回対象となるのは第5番・長雲寺、第6番・普光寺、第7番・佛教寺の3ヶ所。もちろんいずれも初見の寺で、津山から国道53号線、また津山線沿いに位置する。これらを回ることで「国道53号線シリーズ」、「津山線シリーズ」とでもいうところか。今回は日帰りで行くことにしよう。

で、「国道53号線」と「津山線」のどちらで回るかである。津山線の最寄り駅ということでいえば、地図で見る限り長雲寺は津山または津山口、普光寺は亀甲、佛教寺は弓削になるようだが、いずれも駅から遠い。1ヶ所だけなら駅から歩いてもいいかなと思うが、さすがに1日で3つともとなるとしんどい。今回で岡山まで駒を進めるつもりなので、クルマで回る「国道53号線シリーズ」とする。

とはいうものの、津山線にも乗ってみたい。津山駅に隣接する「津山まなびの鉄道館」を訪ねるのもいいだろう。

この2つを満たそうとすれば、レンタカー利用となる。岡山、津山のどちらから利用するかと考えて、朝から乗り継ぎで時間が計算できる津山まで津山線で行き、レンタカーで岡山まで南下することにした。

11月14日、この日も「新幹線直前割きっぷ」を使い、広島6時14分発の「ひかり500号」の指定席に乗る。青春18きっぷの時季でないからということもあるが、このところ岡山までこの「直前割きっぷ」の利用が増えてきた。

7時20分、岡山着。次に乗るのは8時07分発の津山行きである(写真は、向かいのホームに停まっていた、今や希少価値の115系湘南色)。列車は2両編成だが停車位置が中途半端なところ。前にこの列車に乗った時、津山からは4両でやって来て、岡山で2両を切り離した後2両で折り返しており、その運用である。ただその時と違い、乗車口に長い列ができる。見たところ学生や若い人が多い感じだ。

津山からやって来たのは、キハ47を旧国鉄急行色に塗り直した「ノスタルジー号」。この日はそういう運用のようだ。しかし、岡山で切り離されるのはこちらの編成である。乗れないのは残念だが、津山行きのキハ40の2両編成のうち、先頭車は旧国鉄の赤と白のツートンカラーに塗られた車両である。

2両編成の列車は通路まで多くの立ち客が出たが、次の法界院で一斉に下車していった。駅の近くには(それなりに歩くが)岡山大学、岡山理科大学があり、そちらに行くのだろう。日曜日だし、学園祭があるわけでもなさそうだが、受験票らしきものを手にする人がちらほら見えた。何かの資格試験が大学の教室を借りて行われるようだ。

若者たちが降りた後は1ボックスに1~2人、ロングシートに適当に散らばるという空間となり、旭川沿いに北上する。

金川に到着。行き違い停車のために外に出る。旧国鉄塗装は絵になるようでカメラも向けられる。ボックス席に空きがあるのを見つけ、こちらに引っ越す。窓枠のテーブルに栓抜き、「JNR」のロゴが入った扇風機など、元祖「ノスタルジー号」として運用された車両である。

そういえば津山線には、2022年夏、これもキハ40を改造した新たな観光列車が走るという。「SAKU美SAKU楽(さくびさくら)」という名前で、桜をイメージした淡いピンクの塗装になるという。また乗車ツアーなど組まれるのだろう。

のんびりした車窓を眺めつつ、9時42分、津山に到着。レンタカーの利用は11時からとしているので、1時間あまり時間がある。ちょうど、「津山まなびの鉄道館」を見るには手ごろな時間である。改札内には鉄道館の入館料が割引になるチラシも置かれている。

ただふと、「津山城もみじまつり」という幟も目に入る。前日の13日、ローカルニュースでこのまつりが取り上げられていて、11月13日から21日まで開催とある。津山城も駅から徒歩10分くらいということもあり、今回はそちらに行くのが面白いかなと思う。

吉井川を渡り、津山城に到着。津山城は鶴山城とも呼ばれ、室町時代に山名氏の拠点の一つとして建てられたが、関ヶ原の戦いの後に森忠政が津山藩主として入り、現在の津山城を築いた。美作に新たに城を築くにあたり、当初は(前回の中国四十九薬師めぐりで宿泊した)院庄の館を大改修するつもりだったが、家臣間のいざこざもあり、現在の津山に落ち着いたという経緯がある。結果的には吉井川にも面したところで、城下町を広げるにも適した場所として良い選択だったといえる。

津山城は桜の名所として知られるが、今回は紅葉である。「津山城もみじまつり」は昨年はコロナ禍のために中止され、今年2年ぶりの開催という。夜間のライトアップも行われるとある。

入場して石段を上がり三ノ丸に着くと、屋台が軒を連ねる。「牛うまっ王選手権前哨戦」というイベントで、古くから肉食文化が広まっていた美作らしい。ちょっと腹に入れようということで、(備中だが)新見の千屋牛の串焼きやら、津山ということでホルモンうどんをいただく。これ、絶対ビールがほしくなる展開だが、この後レンタカーを運転するのでそれは断念。逆に岡山からレンタカーで北上し、津山で返却して城跡で一献にしたほうがよかったかな。

順番が逆のようだが、食事を楽しんでから天守まで上がる。天守は広々とした空間で市街地を見下ろすこともできる。

で、紅葉は・・というと、二ノ丸の一角が見ごろである。

赤や紫の番傘が並び、撮影スポットとなっている。インスタ映えがよいように工夫する人もいるし、「来年の年賀状にええな」と言いながら集合写真を撮る家族もいる。色づきもちょうどいい感じだ。私もしばしこの景色を楽しむ。

そろそろレンタカーの時間となり、駅前に戻る。これから津山市を走り、国道53号線沿いに札所をめぐることに・・・。

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