12月19日、久留米での在来線から新幹線の乗り継ぎの間に一度駅の外に出る。時刻はちょうど18時のためか、駅前のからくり時計が動いているところだ。
そして駅の東西の自由通路を戻ると、そこに流れるのは松田聖子さんの「赤いスイートピー」。この自由通路では、時報に合わせて中村八大さんの「上を向いて歩こう」やチェッカーズの「涙のリクエスト」など、久留米にゆかりのある人の曲を流しているそうで、「赤いスイートピー」もそのひとつ。たまたまだとは思うが、タイミングがタイミングだけに切なく感じるところだ(娘の神田沙也加さんが亡くなったのは前日のこと)。
18時12分発の「つばめ326号」はJR九州の800系。熊本発博多行きだが、指定席も半数以上の客で埋まっている。まずは博多まで2駅進む。
18時30分、博多着。次の19時19分発「こだま872号」までは約50分の待ち時間がある。「バリ得」は山陽新幹線区間は「こだま」限定で、この時間帯だとどうしても間隔が空いてしまう。自由席であっても「のぞみ」や「さくら」に乗ることができない。もう少し空くなら博多駅で一献としてもよいのだがそれには中途半端だ。ならば改札内の売店であれこれ買い求め、広島までの1時間40分をそれに充てることにする。
帰りは500系、そしてかつてグリーン車として使われていた6号車を指定しており、ゆったりした座席に腰かける。気持ちよすぎて寝過ごさなければいいが・・。
こういう時に福岡の名店の辛子明太子が食べられればいいのだが、土産用は冷凍保存ばかりである。新幹線に乗っているだけでは自然解凍も間に合わないから必然的に持ち帰り用となる。まあ、辛子明太子はセブンイレブンのお惣菜でも売っているのでそれで代用とする。
そんな中、「有明の味」として見つけたのが「ポリポリむつごろう」、「ポリポリわらすぼ」というもの。一応今回は有明海に面した大牟田を訪ねたということで。むつごろう、わらすぼという有明独特の魚を干物にしてみりん味をつけたもの。特にわらすぼはその見た目から「エイリアン」と呼ばれていて、確かに面構えもグロテスクだ。今回はあぶった干物でいただいたが、味は悪くない。地元では刺身にもするそうだ。むつごろう共々、この先機会があれば食べてみたいものである。
途中ウトウトした区間もあったが、無事に寝過ごすことなく広島で下車。さらに在来線に乗り継ぎ、この日「木漏れ日の駅」としてリニューアルされた西広島に到着。
早いもので、今回で九州西国霊場めぐりも中間点となった。久しぶりに九州のあちこちを回ることがうれしくてペースも早くなっているように思う。後半戦、西九州を回るのも楽しみである・・。