まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第19回中国四十九薬師めぐり~門司港レトロと九州鉄道記念館

2022年10月21日 | 中国四十九薬師

中国四十九薬師めぐり、早くもここからがオプションである。唐戸市場にて関門海峡を目の前にした昼食とした後、せっかくなので関門連絡船で対岸の門司港に渡ることにした。これが1泊2日コースだったら、またせめて日帰りでも往復新幹線利用ならば、北九州市内の九州八十八ヶ所百八霊場の札所も訪ねることができるが、今回は門司港近辺にとどめる。

関門海峡を渡る小型船である。ここは海峡の潮風を受けようと上部デッキに向かう。

・・・が、出航すると風とともに波が高い。ただでさえ複雑な潮の流れだというのにその中を横断するので、揺れが激しい。船酔いということは全くないが、何かにつかまっていないと振り落とされそうだ。その昔の壇ノ浦の戦いかと。よくもこんな海の上で合戦を繰り広げたものだと思う。

5分ほどで無事に門司港に到着。少しだけ門司港地区を回ることにしよう。

10月9日~10日のお出かけは、10月14日の鉄道の日を前に鉄道に関するスポットを含めている。9日は旧国鉄色の特急「やくも」乗車に、津山まなびの鉄道館、そして新たな観光列車「Saku美Saku楽」に乗車したが、10日は九州・門司編ということでまずは門司港駅を眺める。駅舎が国の重要文化財に指定されており、門司港レトロの顔でもある。

今回は、門司港駅横から出ているトロッコ観光列車「北九州銀行レトロライン 潮風号」に乗ってみよう。確か前は「やまぎんレトロライン」ではなかったか。ネーミングライツが下関から門司側に移ったというところだろう。かつての貨物線を活用し、設備は北九州市が保有して、運行するのは平成筑豊鉄道である。とりあえず九州鉄道記念館駅から関門海峡めかり駅まで行ってみよう。

2両のトロッコ車両は団体客や家族連れの利用もあり、ボックス席がほどよく埋まる。機関車は南阿蘇鉄道、トロッコ車両は島原鉄道で元々使われていたものである。

九州鉄道記念館駅を発車。まずは門司港レトロの横を走る。広場ではイベントが行われているようで多くの人で賑わっている。

出光美術館からノーフォーク広場にかけては、左手に海、右手に倉庫などが並ぶ。港の風情を感じさせるところだ。対岸の下関の景色もトロッコ車内から見ることができる。線路に並行して遊歩道も整備されており、こちらをぶらつくのもよさそうだ。

和布刈トンネルに入る。するとトロッコ車内の天井がライトアップされる。関門海峡で獲れる魚たちの姿である。トンネルの中をゆっくり走り、しばし異空間体験だ。

乗車時間10分で関門海峡めかりに到着。駅の前には関門橋の東側、対岸に火の山公園がある。ここから徒歩10分ほどで関門人道トンネルの入口もあり、歩いて本州に戻ることもできるが、ここは折り返しのトロッコ列車にて引き返す。

折り返しで向かったのは九州鉄道記念館。鉄道の日を前にして、10日は九州の鉄道の歴史に触れてみよう。

門司港駅側から行くと、門司港駅構内の側線に沿ってホームがあり、機関車や列車車両が展示されている。現在はコロナ対策として車内に入っての見学はできないが、車両を間近に、車体に触れることができるのがよい。

往年の名車が並ぶ中で、戦前からローカル線を走っていたキハ07という車両が個性的に見える。国鉄以外の地方私鉄でも走っていたそうだが、できれば現役の時に一度乗ってみたかった。

国鉄特急色の481系。ボンネット型というのも独特で、「JNR」のロゴも堂々として見える。また、特急の方向幕で「門司港」というのも歴史を感じさせる。そういえば先月開業した西九州新幹線に接続する「リレーかもめ」が運転されているが、そのうち1往復は門司港発着となっている。「かもめ」、「リレーかもめ」はそれぞれ行き先案内が「長崎」、「博多」で運転されるが、この1往復については長崎駅で「門司港行き」という表示が出るのだろうか。

その奥には581系。昼は座席特急として、夜は座席を展開して寝台特急として活躍した。私の場合、この系列だと大阪~新潟を走っていた急行「きたぐに」の思い出がある。座席、寝台の両方に乗ったことがあるが、寝台だと3段式で、下段はまだ窓と中段ベッドの間のわずかな隙間に頭を入れて何とか座ることができたが、本当に横になるだけのスペースだった。

そして14系寝台車。この日は「さくら」のヘッドマークが出ていた。現在、かつての寝台車を宿泊施設として受け入れているところが全国に数ヶ所あるが、その一つが熊本のくま川鉄道の多良木駅前にあるという。開放型、B寝台個室「ソロ」がそのまま使われており、保存状態もよいそうである。九州八十八ヶ所百八霊場めぐりが熊本県にたどり着くのはかなり先のことだが、その時にはぜひ立ち寄り、宿泊したいものである。

展示室では九州の鉄道のあゆみや、往年の名列車のヘッドマークも並ぶ。あらためて「つばめ」、「かもめ」、「はやぶさ」、「さくら」・・など、かつての名称が並ぶが、現在も各新幹線の名称として受け継がれている。

他にも九州の歴史を感じさせるものが。

企画展にて、鉄道開通150周年を記念した写真展が開かれている。九州各地を走る列車もそうだが、関門トンネルを経て九州と本州を結ぶ列車に主に焦点が当てられている。新幹線だけでなく関西や東京を結ぶブルートレインが賑わっていたのも特徴的である。私が乗ったところでは「あかつき」、「なは」、「彗星」というのがあり、前回の広島勤務時には東京に出張に向かうのにあえてブルートレインに乗ったことも何度かあった。その時は「さくら・はやぶさ」とか「富士・はやぶさ」という併結での運転(「あさかぜ」は単独運転だったな)で、ブルートレインも晩年を迎えていた頃だが、その経験がかろうじてできたのも今となってはよい思い出である。

鉄道の日を前に北九州の鉄道スポットを訪ねたことで満足して、門司港駅に戻る。関門連絡船で下関に戻ってもよいが、せっかく鉄道記念館を訪ねたのだから、やはり門司港から列車に乗るのがよいだろう。次の門司で下関行きに乗り換え、関門トンネルをくぐる。

下関に戻り、このまま岩国行きに乗り継げば早く帰宅できるが、やはり先ほど東光寺で朱印をいただけなかったのが気になる。時間が経っているので、寺の方がいるかもしれない。駅から近いのも幸いで、ここはもう一度訪ねることにしよう・・・。

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