まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第12回九州西国霊場めぐり~第28番「常安禅寺」(唐津を行く)

2022年10月07日 | 九州西国霊場

9月25日、伊万里から7時40分発のJR筑肥線に乗車する。筑肥線は福岡地下鉄と乗り入れしている姪浜~唐津間と、伊万里~山本間で分断され、後者は非電化のローカル線としての運転である。その中を「ロマンシング佐賀」とラッピングされた気動車が走る。

伊万里から唐津に向かう場合、国道202号線が通っており、両駅を結ぶ路線バスも出ているのでこちらを通るのが一般的だろう。この後訪ねる九州西国霊場第28番の常安禅寺も国道沿いにあるのでバスに乗って行けば早いのだが、ここはローカル線に乗りたかったのと、バスの往復のダイヤの兼ね合いでまずは筑肥縁で唐津に移動する。

途中乗降がないまま淡々と走り、肥前長野に到着。ふと外を見ると、窓のすぐ横で牛が5頭ほどつながれていて、畜産農家の方が世話をしているところだった。その牛がいるのはかつての側線ホーム跡だそうで、その奥には牛舎がある。列車の窓からこんな近くで牛を見ると思わなかったが、これも佐賀牛になるのかな。その牛とは反対側だったので見逃したが、肥前長野の駅舎は昭和初期の開業当時の木造のもので、地元の人たちの手で保存の取り組みが行われているという。

左側に線路が並ぶ。佐賀に向かう唐津線の線路だ。一見すると複線のようだがあくまで別の路線で、左側の線路に片面のホームがある駅を通過する。本牟田部駅で、あくまで唐津線の駅である。まあ、ここにもう1本ホームを作ったり分岐線を作って筑肥線の列車も停まるようにしたところで利用客が劇的に増えるとは思えないが・・。

両線の分岐となる山本に到着。ここからは唐津湾に注ぐ松浦川に沿って走る。

やがて高架となり、8時33分、唐津に到着。列車はこの先の西唐津まで向かうが、ここで下車する。

唐津といえばユネスコ世界無形文化遺産にも登録されている唐津くんちが有名。その駅前通りには「唐津レオブラックス」というロゴマークやポスターが並ぶ。唐津を拠点とする3人制プロバスケットチームだそうで初めて目にする名前だが、チーム名が唐津くんちの曳山「黒獅子」から取られているという。地域密着が出ている(ちなみに、5人制のBリーグには、現在B2だが佐賀市を拠点とした「佐賀バルーナーズ」というのがある。こちらは佐賀バルーンフェスタが由来だ)。

駅から5分ほど歩き、トヨタレンタリースに到着。ここからレンタカー利用で常安禅寺のほか、唐津市のポイントをいくつか回ることにする。いずれも路線バスで行けるところだが、効率重視の面もある。そういえば九州西国霊場めぐりはこれで12回目だが、そのうち8回でレンタカーまたは自分のクルマを投入している。

今回利用するのはヤリス。まずは国道204号線から国道202号線へと、先ほど乗って来た唐津線~筑肥線の線路とも並走して走る。そのまま20分ほど走り、常安禅寺に到着。常安禅寺というより「垂玉観音」と書かれた看板が目印である。

寺は国道に面しており、山門はなく鐘楼と六地蔵などが並ぶ入口からいきなり境内に入る。特に駐車場があるようではないが、境内の空いているところに適当にクルマを停める。目の前は本堂である。

常安禅寺は、一説には弘法大師が唐から帰国した際に開かれたともされるが、中世にこの地を領地としていた松浦氏の家臣・波多氏の時代に開かれたとされる。その後、波多氏の衰退とともに寺も衰退したが、江戸時代になり、唐津藩主・寺沢広高の時に再興された。

そして本堂だが・・扉が閉まっていて中に入ることはできない。そのまま外でのお勤めとする。

さて納経所は・・と見ると、境内の奥に道が続いていて、その奥はこども園の建物がある。敷地の国道側にも遊具が置かれていたから、平日は子どもたちも境内で遊んでいるのだろう。本堂と渡り廊下でつながる建物があり、そこの玄関のインターフォンを鳴らす。住職らしき方が出てきて、書き置き式の朱印をいただく。

本堂の中に入らず、また他にさまざまなお堂があるわけでもないので札所での拝観時間は短いものだった。バスのダイヤの都合で、ここで2時間待ちということになるとさすがにかなりのロスである。その点、クルマの機動力に頼ることになる。

これでともかく、今回で長崎、佐賀の両県を回り終えて、九州西国霊場めぐりは福岡県に戻る。旧国名でいえば、最後に残ったのは筑前である・・。

さてこれからどうするか。実は昼食は呼子でイカの活け造りをいただこうと、店を予約している。当初は常安禅寺を拝観後、唐津の街中を経由して呼子に向かうつもりだったが、時間に余裕ができた。そこで、昼食後に訪ねようと思っていた名護屋城跡に先に行くことにした・・・。

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