10月8日、神仏霊場巡拝の道の滋賀県南部シリーズを前に、通り道にある西国三十三所・第12番の岩間寺に向かう。今回は広島から軽自動車を転がしていて、自身初利用となる新名神高速道路の神戸~宝塚北サービスエリア~高槻を経て、大山崎から京滋バイパスに入っている。そうすることになった理由の一つが岩間寺の存在である。
京都と滋賀をまたぐ宇治トンネルを抜け、出たところの笠取インターでようやく高速を出る。ガソリン代は別として、広島五日市から5000円あまりで来ることができたのは、全体で見て多少節約にもなったかな。結局6時間近くかかったが・・。
いったん瀬田川沿いに出て、標識に従ってショートカットする道に出る。しばらく京滋バイパス沿いに走り、住宅地を抜けると見覚えのあるファミリーマートに出る。石山駅からバスで岩間寺を訪ねる際の最寄りの中千町バス停があるところだ。
徒歩だとここから約50分の上り坂だが、今回はクルマのメリットを十分に活かす。それでも最後は急で、ギアをローにする。よくこんなところを歩いて上がったものだと思う。
駐車場に到着。連休ということもあってか、遠方のナンバープレートも見える。入山所に人がいなかったのでそのまま境内を進む。また雨がぱらついてきた。
大銀杏の向こうに本堂が見える。先ほども10台近くクルマが停まっており、参詣者もそこそこ見える。
中に入ってのお勤めである。とそこに、金剛杖を手に、雨除けのポンチョを着た歩き姿の人がやって来た。先ほどクルマで上ってきたのとは逆方向、上醍醐寺方面からのようである。上醍醐寺から岩間寺までは徒歩で3時間ほど、ここに下醍醐寺から上醍醐寺までの1時間が加わるから、徒歩移動だと4時間ほどである。もちろん平坦な道ではなく、いくつもの山越えがあるわけで・・。
そういえば、4年ぶりに新阪急ホテルでの対面開催となる西国三十三所の先達研修会が10月29日に決まり、申込の通知書が届いた。10月29日といえばちょうど日本シリーズが行われている頃で、ぜひとも京セラドーム大阪での試合観戦と組み合わせたいものである。この記事を書いている時点で先行抽選販売に申し込んでいるのだが、果たして当選できるかどうか・・。
境内の奥にある八大龍王堂、推定樹齢500年以上の日本一長寿桂の木などに手を合わせる。
先ほど境内に入ったところに「雷神爪掘湧泉」の幟が並んでいた。岩間寺は奈良時代、加賀の白山を開いた泰澄が元正天皇の病を治すための勅願寺として開いた寺だが、雷神とも関連している。伽藍を建立した当時、たびたび落ちる雷に困った泰澄は自分の法力で雷を封じ込めた。雷神は泰澄の弟子になりたいといい、泰澄はそれを受け入れる代わりに、岩間寺に参詣する人たちに雷の災いを及ぼさないことを約束させたという。そのことから、岩間寺は「雷除け観音」とも呼ばれている。
これまで訪ねたことがなかったが、境内の下に行くと、水が乏しい寺のために雷神が自らの爪で井戸を掘ったという「雷神爪掘湧泉」がある。そしてその脇に、新たに雷神の像が建てられた。
さてこれで岩間寺を後にして、神仏霊場めぐりでまず向かう滋賀2番・田村神社に行くことにする。
その前に先ほどの坂道を下っていると、金剛杖にポンチョ姿の方が見えた。とりあえずこの先、石山寺を目指すのかな。西国三十三所を「徒歩」で回る方というのは四国八十八ヶ所と比べてごくごく少ないのだが、それだけに強い意志をもってらっしゃるのかなと思う。