まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第12回九州八十八ヶ所百八霊場めぐり~「B%Sみやざき号」にて帰途に就く

2023年10月09日 | 九州八十八ヶ所百八霊場

長々と書いてきた今回の九州八十八ヶ所百八霊場めぐりも、ようやく広島への帰り道である。

「海幸山幸4号」を終点一つ手前の南宮崎で下車し、歩いて向かったのは宮交シティバスセンター。この乗り継ぎをすることで、当初乗る予定だった「B&Sみやざき406号」から、1本前の「B&Sみやざき334号」に乗ることができる。

宮交シティに着いたのはいいが、さて、どこの乗り場だったか少し迷う。乗り場を見つけるとすでにバスは到着しており、発車待ちの状態。どうやら私が乗るのを待っていたようだ。バッグもそのまま車内に持ち込み、私が指定の席に座ったのを確認して発車。十分間に合う計算だったが、「海幸山幸4号」が対向列車待ちで少し遅れていたというのが抜けており、油断していた。

さてこの「B&Sみやざき号」は、2011年に九州新幹線の博多~新八代間が開通して全線開業となったのに合わせて運行を開始した。新幹線が走らない宮崎県についても利便性の向上をはかるべく、新八代~人吉~えびの~都城~宮崎と、九州自動車道・宮崎自動車道経由で運行している。「B&S」とは、「バス&新幹線」のことで、号数は新八代で接続する新幹線の号数に合わせている。当初予定していた便は「さくら406号」広島行き、変更して乗った便は「つばめ334号」博多行きにそれぞれ接続する。

この区間、JR在来線の肥薩線~吉都線~日豊線ともろにかぶるのだが(かつては急行も運転されていたところ)、JR九州、九州産交、宮崎交通の3社で運行されている。

福岡から宮崎へは直通の高速バスも走っており、価格ではそれらのバスのほうが安いのだが、JR九州は新幹線と「B&Sみやざき号」のセット券を発売し、早割料金も設定して対抗している。

九州新幹線開業当時から運行されていて、JR九州も力を入れているのだが、「B&Sみやざき」の存在を知ったのは、札所めぐりで第36番・貫川寺の住職に教えてもらったことである。そもそも宮崎県に行く機会がなかったのと、手持ちのJTB時刻表でも新幹線の欄に載っているわけではなかった。また私の頭の中で、九州の東側へは小倉からの日豊線というのが固定観念としてあったこともある。

バスの乗車率はちょうど窓側の席がほぼ埋まるくらい。

宮崎インターから宮崎自動車道に乗り、都城北に停車。都城駅方面には路線バスが出ており、福岡から都城への最短ルートともいえる。

ここからは吉都線の線路に近いところ。地図で見ると線路と宮崎自動車道が何ヶ所かでクロスしている。この吉都線もご多分にもれず厳しい状況下にあり、JR九州と地元自治体との間で利用促進に向けた検討会が開かれているが、なかなか解決策が見い出せていない。

九州八十八ヶ所百八霊場めぐりだと、沿線のえびのに第42番・弘泉寺がある。せっかくなので吉都線と絡めて訪ねてみたい。

左手には霧島の山が見える。霧島はいくつかの山が連なった総称ともいえるが、何という名前かわからないが、都城から吉都線で吉松まで行き、肥薩線で国分に南下するルートも面白そうだ。

日が暮れて外が見えなくなったが、県境を越え、人吉インターに停車。並走する鉄道はというと、肥薩線の八代~人吉~吉松は2020年7月の豪雨被害により、もう3年以上不通となっている。球磨川の眺めや、大畑ループ、スイッチバックといった車窓の楽しみがある区間だが、復旧については全く方向性が決まっていない。一部区間では線路をはがして復旧工事用の道路に舗装しなおしたところもあるようだが・・。また、代替輸送についてもごく一部にしか設定されていない。

2017年の九州北部豪雨で被災した日田彦山線の添田~夜明~日田間は長く代行バスでの運行だったが、2023年8月に「BRTひこぼしライン」として新たな形でのスタートを切ることができた。しかし肥薩線は・・・。

まあ、新八代との間はこの「B&Sみやざき号」もあることから、このまま廃線になるのかなと思う。長く運休した後、上下分離方式で復旧した只見線の例もあるが・・。

八代インターで九州自動車道から出ると、新八代駅は近い。定刻19時27分着のところ、数分速く到着した。新八代、周りに建物がそれほどないこともあって、駅そのものが夜空に映えており、途中で暗くなったこともあり、宮崎からワープした感がある。

くまモンに出会えるとは・・。

次に乗るのは19時44分発の「つばめ334号」。構内の売店がかろうじて開いており、帰りの新幹線でつまむものくらいは入手できた。

この時間から新幹線で広島に戻ることができるのも新たな体験である。先ほど「B&Sみやざき号」で宮崎から来た人たちとともに「つばめ334号」に乗り込む。自由席は新八代発車時点では空席も目立ったが、次の熊本からは結構な乗車があった。

20時44分、博多着。すぐさま、20時52分発の「ひかり592号」に乗り継ぐ。N700系の16両編成。この列車、次の小倉を21時09分に発車したが、宮崎16時33分発の「にちりんシーガイア14号」が小倉に着くのが21時10分。「B&Sみやざき号」と九州新幹線の乗り継ぎを上手く活用できた。

寝過ごしだけには十分注意して、21時58分、広島到着。この時間ならまだまだ帰宅も余裕である。

さて次からは宮崎、鹿児島にかけての区間。なかなか訪ねる機会がないエリアだけに、アクセスを含めたプランニングを楽しみに・・・。

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