まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

西国三十三所 第17回先達研修会

2023年10月31日 | 西国三十三所

このブログでは札所めぐり、乗り鉄、野球観戦といったところを主に書いているのだが、この10月もいろいろなことがありすぎて記事が渋滞しているところである。時系列でもっとも先なのは10月8日~9日に滋賀に出向いた神仏霊場巡拝の道だが、8日の終了時点で止まったままである。そして、前の記事では28日の日本シリーズ第1戦の観戦記が先に来る形となった。

ただ、流れからすれば翌29日に参加した「西国三十三所 第17回先達研修会」について書いたほうがスムーズだろう。

新大阪駅近くの東横インに投宿し、翌朝目が覚めるとラグビーワールドカップの決勝戦をやっていたので途中からながら画面に食い入る。南アフリカ対ニュージーランド。12対11という大接戦で、最後のワンプレーまでわからなかった激戦。意外にも、両国代表の中でも日本のラグビー、リーグワンでプレーしている選手も何人かいるとのこと。また、日本でのラグビー人気も盛り上がることだろう。

朝食サービスを利用。東横インということで主食はおにぎりが中心、おかずもシンプルなのだが、おにぎりは6種の味付けがあり、白ご飯もあった(こちらは出汁茶漬けでの食べ方が推奨されていた)。また、通常の味噌汁に加えて「肉吸い」もある。「肉吸い」は今や広島のセブンイレブンでも購入できる一品となっており、,私もたまにご飯のおともにセブンの肉吸いをいただいている。

「先達研修会」が行われるのは梅田の新阪急ホテル。10時半開始ということもあり、朝食後もしばらく部屋でゆっくりする。

そして梅田に向かう。この日は「先達研修会」だけを目的として、終わればそのまま新大阪に戻って新幹線で広島に帰り、日本シリーズの第2戦をNHKーBSで桟敷観戦する予定だ。なお、先達研修会の案内は8月に来ており、日本シリーズ観戦は後から決まったこと。もし第1戦のチケットが取れていなければ、前日28日はこれも早くから決まっていた広島での大相撲巡業を観戦して、夜は日本シリーズをテレビ桟敷で観戦。29日の早朝に広島から大阪に移動していたところである。

さて新阪急ホテルの紫の間に着くと、すでに多くの先達が待機している。橙色の先達用輪袈裟は必須だが、背中に「南無観世音菩薩」の文字があしらわれた笈摺姿の方も結構多い。この「先達研修会」、私も西国三十三所の先達に補任されてから2回参加したことがあるが、一種の「ファン感謝デー」のようなものという印象がある。また、コロナ禍のために対面、集会形式での開催は2019年以来4年ぶりということで、集まった先達たちも気合いが入っているように見受けられた。

案内があり入場。以前来た時は、向かい合わせのテーブルが何列も並んでいたのだが、今回は10人掛けの円卓である。長机方式、円卓方式どちらが収容人数が多いのかはわからないが・・。

前回2019年の対面、集合形式の研修会以降、私はおかげさまで先達としての2巡を達成して(通算3巡)、「中先達」に昇補されたのだが、周りを見渡すと「大先達」、「特任先達」など、輪袈裟や名札に違いがある方がずらり並ぶ。その筋の方々が円卓を囲み、私などは恐縮するばかりである。

受付で配布された資料の一つに「先達各位構成現況報告」というのがあり、現在有効の先達合計は15493名とある。私が属する中先達はこのうち1224名。次に目指す大先達は1204名とある。もっとも、これらはまだかわいいもので、その先の「特任」がつくレベルとなると人数がぐっと絞られる。面倒なので、何回巡拝を達成したら昇補するのかは書かないが、新たに設けられた階級で、これになるには天文学的な巡拝回数になるなと思っていた「喜達特任大先達」、「真達特任大先達」、「普明特任大先達」、「妙寿特任大先達」についてもしっかり昇補される方がいるのは驚きだ。

「NO SAIGOKU33, NO LIFE」・・・。

ふと、そんな言葉を思い浮かべる。

さて挨拶の後、御法楽として、西国三十三所の勤行次第を元に参加者全員でのお勤めである。その前に札所での作法を掃海した映像が流れ(ロケ地は第15番・今熊野観音寺)、時間が限られるとして開経偈、般若心経、延命十句観音経と進む。

途中で、「西国三十三所巡礼和讃」が詠われる。こういうのがあるとは知らなかった。和讃の譜面も資料についていたが、独特の線や矢印がついたものの読み方がわからない。ただ周りでは当たり前のように節回しをしており、さすがはその筋のプロの集まりである。

続いては特別講演が2つ。まずは、第24番・中山寺の山主・今井浄圓猊下による「西国三十三所巡礼とは何か」というテーマ。資料の中に14ページにわたるレジュメがあり、長いものの読みやすくまとめられている。「普段学生に配っている資料のようで・・」「内容は90分ものですが、今日いただいた時間が30分というので、それに合わせてお話しします」というのは、弘法大師空海の流れを汲む種智院大学の特任教授を務めていて、人前で話す機会が多いこともあるようだ。

冒頭のつかみで、「昨日は阪神タイガースが勝ちまして・・」と話したのに会場から爆笑が起こったが・・・私には笑えなかった。どうやら、私が日本シリーズ第1戦の直前、西宮神社や廣田神社を避けたつもりで中山寺を参詣したことじたい、タイガースを利する行為だったのでは?というのに初めて気づいた(あくまで、個人の感想です)。

講演の内容としては、西国三十三所巡礼の成り立ち、巡礼という行為の定義付けに関するもので、ナントカ特任大先達の方にとっては何を今更という退屈な時間だっただろうが、コンパクトにまとめられていてわかりやすかった。

続いて登壇したのは、日本サンティアゴ友の会理事長の金塚多佳子氏による「サンティアゴ巡礼について」。サンティアゴ巡礼とは、スペイン北部にある聖ヤコブの殉教の地を目指す巡礼で数百年の歴史を有するそうだが、実は2023年、いにしえの巡礼路として西国三十三所とサンティアゴ巡礼が友好提携を結んだ。このことは先日、神仏霊場巡拝の道で観音正寺を訪ねた時に初めて知ったことで、この友好提携には西国三十三所を代表して観音正寺が尽力したという。

パワーポイントを用いての講演だったが、時間が限られていることもあってか早口で、またスライドも文字が多くて追いかけるのが大変。手元資料もないぶん(一応、先ほどの今井猊下のレジュメでは紹介されていたので概略はこれでカバーできたのだが)、年配の方が多いその筋に人たちにはちょっとしんどかったようで、あちこちで私語も起こっていた。

続いては、特任大先達の昇補状の伝達式。特任大先達以上は先達全体でみても上位1~2%しかおらず、昇補は実に晴れ舞台、殿上人といっていいだろう。この日出席の10名ほどの方一人一人に昇補状が手渡され、記念撮影である。

この後は記念品の贈呈。当日の参加状を抽選箱に入れての抽選だが、なかなか当たるものではない。当選した方は舞台にて記念品を受け取るのだが、中にはまだ小学生かという子どもも登壇していた。親御さんにくっついて一緒に朱印を受けたものと思われるが、その歳で先達・・・はたして意味を理解しているのかなと思う。これもある意味、一時世間で取り上げられていた「宗教2世」かな。まあ、悪い意味でないことを願うのだが・・・?

・・・いかんな、どうも。前日の日本シリーズ第1戦からの嫌な心持ちが続いているようで、ボヤきが続いている。真言宗でいうところの「十善戒」に反してばかりだ。

一口法話では、観音正寺の岡村山主が登壇。法話というよりは、西国三十三所とサンティアゴ巡礼が友好提携を結んだことを背景に、日本遺産でもある西国三十三所のよさをSNS等を使ってもっと発信してほしいというものだった。観音正寺ではサンティアゴ巡礼との友好提携に尽力した札所の一つで、先日もスペインを表敬訪問したり、インテックス大阪で開催の「ツーリズムEXPOジャパン」にて西国三十三所のPRを行った様子をSNSで紹介しているのだが、そうしたツールを活用してもっと広めてほしいという。まあ、私にできるのはこのブログに書くことくらいなのだが・・。

続いての事務連絡は、先達会の事務局がある紀三井寺から「西国巡礼 先達心得五箇条」の動画紹介。「喜び」、「知る」、「誘う」、「鑑に」、「輝く」というもので、巡礼できることに感謝し、西国の歴史についても知ってこれを人に伝え、一人でも多く西国巡礼で観音菩薩とのご縁を結ぶことで、自らも良き人生を歩んでほしい・・というもの。

最後は、華厳寺の副住職による締めの挨拶。何だか今回は、これまで参加した先達研修会とは様子が違い(過去参加した時の講演の内容が、人生について考えさせるようなものが続いていたように思うので)、「巡礼とは」とか「先達の心得」という内容が中心だった。それが研修会本来の意義といえばそうなのだが、対面、集会形式が4年ぶりで、その間に新たに先達に補任された方もそれなりにいたことでこうした構成になったのかもしれない。

かくいう私、じゃあ先達としてそれらしい立ち居振る舞いができているのか?と尋ねられれば・・・ごめんなさいするしかないかも。その意味では、これからも都合がつけば研修会に参加して、刺激と教えをいただきたいものである・・。

この後は新阪急ホテルの弁当が出るのだが、今回は辞退してそのまま帰途についた。

さて帰宅後、日本シリーズの第2戦である。宮城の好投、打線の奮起もあり8対0として1勝1敗とタイに持ち込む。

そして場所を甲子園に移した第3戦も大接戦。一時はバファローズがリードを広げたものの、タイガースもしぶとく食い下がる。

そして9回裏・・・・いや、ヒヤヒヤしたぞ!!

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日本シリーズ観戦記・バファローズ対タイガース第1戦(試合内容は最悪だったが・・)

2023年10月31日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

10月28日の日本シリーズ第1戦。やはり注目の1戦ということで、双方のスタンドには多くの有名人(特にタイガースファン)も訪ねたとのこと。早速、レフトスタンドから応援団の大歓声が響く。パ・リーグ各チームとの対戦、相手チームの声援も結構大きいのだがこの球場の特徴で、特にマリーンズファンの熱さはアウェイ冠を感じさせないのだが、やはりタイガースは物量が違う。

公式戦では打順はほぼ固定のタイガースと、その日の状況により打順が入れ替わるバファローズという対照的なオーダー。「全員で勝つ!!」といういつものアナウンスも流れるのだが、この日はいつも以上に気合が入っていたのか、いつもは澄んだ声なのだが「全員で『ガヅ』!!」というダミ声に聞こえた。ちょっと気負っているようにも感じられる。

バファローズ先発の山本、まずはタイガースのカギを握る1・2番を迎える。先頭の近本を打ち取ったが、中野はフルカウントからレフト前ヒットで早くもレフト側が盛り上がる。続く森下のところで中野がスタートを切る。結局森下は見逃し三振、中野もタッチアウトで結果的には三者凡退となったが、今思えば、この試合タイガースとしては山本相手に少ないチャンスで何とか揺さぶろうという意図が最初から出ていたようだ。

さて1回裏。私が観戦した位置からライト側応援団はちょうど斜め下である。普段は内野グラウンド側からの観戦なので、こうした球場の眺めも久しぶりだ。

マウンドにはタイガースの村上。今季が実質デビューの年で10勝。おそらくセ・リーグの新人王に選出されるだろう。ところで、セ・リーグのMVPとなるとどうだろうか。パ・リーグは投手4冠の山本が確実と思うが、セ優勝のタイガースの場合、投打の絶対的な存在というのはいなかったように思う。ある意味、タイガースも「全員で勝つ!」を達成したといえるが、この村上も候補の一人だろう。

バファローズは杉本の故障もあってか、第1戦に池田を抜擢。フルカウントまで粘るもまずは凡退。続く宗、中川も凡退して両先発がまずは上々の立ち上がり。

2回、3回は山本、村上が一人のランナーも出さず、本格的な投手戦の様相を呈してきた。

4回表、先頭の近本がショートへの内野安打で出塁。続く中野の当たりを中川がファンブルして無死一・二塁となる。そうなるとレフト、三塁側からの応援の圧力が強くなる。

この試合両チーム通して初めての得点機。ただ山本が踏ん張り、森下を併殺に打ち取る。そして4番・大山を見逃し三振として、何とかピンチを脱する。

しかし5回表、先頭の佐藤がヒットで出塁。ここで初球から盗塁を仕掛けてきた。この試合のポイントとして複数の評論家が挙げていたのが、この佐藤の盗塁。やはり初回から山本に揺さぶりをかけようという作戦だ。

次のノイジーは倒れたが、タッチアップで一死三塁。ここで、DHでスタメンの渡邉がタイムリーを放ち、タイガースが1点先制。レフトスタンドから六甲おろしが流れる。

続く木浪にもヒットが出て一死一・二塁。ここでいったんマウンドに内野陣が集まる。続く坂本は送りバントを試みるが、フライとなり山本が捕球して二死とする。スタンドで観る分には「バント失敗、これで二死」と思ったのだが、この場面の対応は評論家、ファンの間では賛否あったようだ。フライをあえてとらず三塁なり二塁なりに送球すれば併殺が取れたのではないかというものだ。

ここで先頭の近本に戻り、レフトへのタイムリー。これで2人が生還し、近本は三塁へ。3対0とリードを広げられる。続く中野もヒットで続き、4対0となる。これは苦しい展開だ。

5回裏、先頭の森がライトへの大きな飛球。これがドームのリングに入ったようで、グラウンドルールによりエンタイトルの二塁打となった。ともかくバファローズとしてこの試合初めての出塁で、これから反撃というところだが、続く頓宮が見逃し三振に倒れる。

紅林が四球でつなぎ、ゴンザレスは惜しい当たりも含めてファウルで粘るが凡退。若月も倒れて結局無得点。ここで1点でも2点でも返せれば展開も変わったのかもしれないが、村上の投球がすばらしかったというしかない。

早くも試合は6回表。先頭の大山が四球で出塁。その後ノイジーのヒットなどで二死一・三塁となり、木浪がレフトへのタイムリーを放つ。これで5対0。続く坂本にもヒットが出て6対0・・・。

・・・申し訳ないが、試合途中、イニング途中だったが、「何やねん!」という気持ちで私はここで席を立った。いや、これからチームの逆転を願うのがファンというものだし、現地観戦したくともチケットが入手できなかった方たちには申し訳ない行為なのだが・・・。通路から出口に向かうところで、「バファローズのピッチャー、山本由伸に替わりまして、山田」というアナウンスが聞こえた。

ひょっとしたら山本としては日本最後の登板になるかもしれないこの試合。最後がこんな惨敗でええんか?という思いを持ちながら、ドームを後にした。

結局この第1戦、山本の後を受けて登板した山田も中野のタイムリーで7対0(失点は山本につく)、9回にも1点を許し、8対0でタイガースが圧勝。打線も森の二塁打のほかは野口の1安打のみと、三塁すら踏むことができなかった。まあ、これ以上六甲おろしや、最後の「あと一人」コールを聴くことなくドームを後にしたのは、個人的には精神衛生上よかったかもしれない。

この夜は新大阪に移動し、東横イン新大阪中央口新館にチェックイン。もうスポーツニュースを見ることもなく(見たくもなく)、そのままシャワーを浴びて横になる。

新大阪泊としたのは、翌日新阪急ホテルで行われる「西国三十三所先達研修会」出席のため。これに備えて前日は神仏霊場めぐりもかねて西国24番・中山寺でバファローズの必勝を祈願したのだが、観音様もひどいことをしてくれるものだ・・・。

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