まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第12回九州八十八ヶ所百八霊場めぐり~第40番「西明寺」(ライオンズ南郷駅と寺境内の踏切)

2023年10月07日 | 九州八十八ヶ所百八霊場

9月10日、日南線の終点である志布志を訪ねた後、折り返しの列車で南郷に到着。ここで、九州八十八ヶ所百八霊場の第40番・西明寺に向かう。

その南郷駅、ライオンズのキャンプ地最寄りということで、、同じ日南線の「カープ油津駅」の向こうを張って、「ライオンズ南郷駅」として白地にブルーに塗り替えられている。

2020年春のキャンプでお目見えしたもので、これは地元の高校生4人組が日南線と南郷を盛り上げようとクラウドファンディングを立ち上げ、ファンの後押しもあって実現したという。波の模様が描かれているのは日南の海、そして「波に乗るライオンズ」という意味なのだとか。ちょうど2018年、2019年とパ・リーグ連覇したのも追い風となったようだ

そして待合スペースにはミニサイズの内野のグラウンドが描かれ、何と人工芝まで敷かれている。そして改札口の上には列車の案内ならぬスコアボード風の看板が掲げられている。また、外のベンチはかつて実際に西武ドーム(ネーミングライツがころころ変わるので、一番しっくりくるこの名前としておく)で使われていたシートが使われている。テーマとしては、「カープ油津駅」よりも個人的にはこちらのほうが面白いと思う。

ライオンズのキャンプ地といえば高知・春野というイメージが私の中では強いのだが(特に1980~90年代の黄金時代)、2004年から1軍キャンプ地を南郷に移した。やはり、南郷に西武グループのプリンスホテルがあるからかな。

さて、寺である。南郷駅にコインロッカーはないのでかついで行く。日南線と並走する国道220号線をしばらく歩く。するとそこへ、宮崎方面から列車の走行音が聞こえてきた。いきなりのことでカメラが間に合わなかったが、やって来たのは、この後乗る「海幸山幸4号」である。午前中に「海幸山幸1号」として宮崎から南郷まで運行した後、南郷駅は片側ホーム1本しかないため、いったん油津まで引き上げて、回送列車として再び南郷まで走るという。一方、日によっては「2号・3号」として南郷~宮崎間を往復する。

国道220号線から線路とともに脇道に入る。ある家の軒先にライオンズの応援タイルが干されているのに目が留まる。そして境内の入口に着く。墓地の中、石段を上って行くと・・。

そこには日南線の線路。往路では気づかなかったが、境内を線路が横切る形である。とはいっても遮断器、警報機があるわけでなく、業界でいうところの「第4種踏切」というやつ。現在は安全基準を満たさないとして新設は認められていないが、ローカル線を中心に全国で2500ヶ所ほど残っている。中には、ここを渡らなければ自分の家にたどり着けないとか、寺や神社の境内を横切っているからということで撤去しようにも難しいところもある。

実は西明寺に来る途中にも、同様の「第4種踏切」を目にしていた。それが札所の寺にもあったとは。

本数は少ないとはいえ日南線の列車は通過するため、こちらでは列車への注意とともに、通過予定時刻を書いた看板を立てている。もっとも、先ほどの道から線路下をくぐる道が分かれており、クルマを含めてそちらから来れば踏切を渡ることなく直接境内にたどり着けるようだ。

西明寺の創建等についての紹介はないのだが、寺の本尊は不動明王だが、九州八十八ヶ所百八霊場の本尊としては勝軍地蔵菩薩である。この地蔵菩薩は元々南郷の榎原(よわら)神社に祀られていたが、明治の廃仏毀釈(飫肥藩では徹底的に行われた)の時には信仰深い人のおかげで難を逃れ、後に西明寺で祀ることになったという。

コンクリート造りの本堂は上がれるようになっていて、中でお勤めとする。

朱印は手前の庫裏でいただく。これで今回の日南線シリーズも完了し、この先は都城~えびの~国分と、宮崎の最終、そして鹿児島の札所が見えてきた。

南郷駅に戻る。先ほどすれ違った「海幸山幸4号」の車両がホームに停まっている。駅には発車を待つ客もちらほらと見える。宮崎からのモデルコースとして、「海幸山幸1号」で南郷に昼前に到着し、接続する周遊バス「日南めぐり号」にて道の駅や水中観光船を回り、南国の景色と海の幸を楽しむのがおすすめとある。

日南線の最後はこの特急車両にて締めることに・・・。

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