実録・乙女の事件簿「濡れたドライヴ~rainy day 待ちきれず...」(前編)
朝は快晴だったのに、仕事が終わる頃には、どしゃ降りの雨。
あ~まいっちんぐ。油断して、バイクで来ちまった。
Kくん『良かったら、乗りますか』
後輩のKくん(阪神の金本似)が、親切なオファー。地獄に仏とばかりに、yes!と答える私。
てっきり、私以外にもドヂでマヌケが同乗するとばかり思ってたので、助手席に私だけというシチュエーションに、あわわ!今さら、やっぱいいです、何て言えない。
異常なまでに用心深いはずの私が、何という軽挙!パパとママに叱られる♪
無口で無骨だけど、仕事ができて上下から尊敬&信頼されているKくんが、まさか大久保清になんかなるわけない。落ち着け!私は密かに自分を叱咤する。
緊張すると、おしゃべりになる私の超くっだらない話を、聞いてるのか聞いてないのか、Kくんは無表情のまま。若い男にしては、異常にキレイな車内も、私を落ち着かせなくする。
男は狼なのよ気をつけなさい~♪狼なんか怖くない~♪懐メロが、私の脳裏をグルグル。そんな時に、雨の外の風景は、ラブホのネオンだったり。
Kくん、運転しながらチラチラと、あらぬ方へ視線を向けているではないか?ちょっと、どこ見てんのよー!焦る私。Kくん、何だか鼻息も荒いではないか?普段は冷静沈着なKくんに、いったい何が!?そして、不安(&ちょっと期待)に震える私に、何が待ち受けているのか!?
続く。
「大通りの店」
アカデミー賞外国語映画賞を受賞した、1965年のチェコスロバキア映画。
チェコの映画は、初体験。オスカーを受賞しただけあり、なかなかの傑作でした。
ナチス侵攻の脅威が忍び寄る、チェコの田舎町。お人よしの主人公は、ユダヤ人の老婆が経営する雑貨店の管理人になるが...
冒頭から中盤までは、暗い時代の話とは思えないほど、ほのぼの&愉快な内容。
おばあさん、ちょっとモウロク気味&耳が遠いので、緊迫した世情が全然わかってないところが、可笑しい。主人公と彼女の、噛み合わないトンチンカンなやりとりが、漫才みたいで笑える。
主人公『今日から俺が、ここの管理人ですよ、おばあさん』
おばあさん『ハイハイ、何が欲しいの?このボタンかい?』
主人公『そーじゃなくて、ユダヤ人は店を持てなくなったんだよ』
おばあさん『ハイハイ、今日は安息日だよ』
...みたいな調子で、おばあさんニコニコとボケまくり。それが、すごく可愛い。主人公が、そんな彼女に辟易しながらも、だんだん息子のように親しんでいく様子が、楽しく描かれていて、微笑ましくなります。
でも!そんなほのぼのムードが、後半になると一転、まるで違う映画になったかのような、ヘヴィな展開に。
ナチスのユダヤ人狩が熾烈化。おばあさんも連れていかれるのか!?不安感&緊迫感じわじわなムードになり、主人公同様、こっちもハラハラ。
お人よしの主人公だけど、しょせん人間は小さい。絶体絶命の危機に陥った時、ハリウッド映画のように、勇敢なHEROになどなれない小市民的人間のリアルさが、悲しい...
皮肉で悲惨な結末と、ファンタジックで幸福なラストシーンが、いつまでも胸に残ります。
おばあさん役のイダ・カミンスカは、アカデミー主演女優賞にノミネートされたのも納得の名演(この年の受賞は、「バージニア・ウルフなんかこわくない」のエリザベス・テイラー。他の候補者も、ヴァネッサ&リンのレッドグレーヴ姉妹や、「男と女」のアヌーク・エメなど、国際的で面白いメンツ!)。
それにしても。ほんとナチスって、悪逆非道なことばっかやってたんですね。アーリア人化政策だなんて、めちゃくちゃ過ぎて信じられない。あんな悪魔な法律がまかり通った時代に生まれなくて良かった...と、心から思います。
朝は快晴だったのに、仕事が終わる頃には、どしゃ降りの雨。
あ~まいっちんぐ。油断して、バイクで来ちまった。
Kくん『良かったら、乗りますか』
後輩のKくん(阪神の金本似)が、親切なオファー。地獄に仏とばかりに、yes!と答える私。
てっきり、私以外にもドヂでマヌケが同乗するとばかり思ってたので、助手席に私だけというシチュエーションに、あわわ!今さら、やっぱいいです、何て言えない。
異常なまでに用心深いはずの私が、何という軽挙!パパとママに叱られる♪
無口で無骨だけど、仕事ができて上下から尊敬&信頼されているKくんが、まさか大久保清になんかなるわけない。落ち着け!私は密かに自分を叱咤する。
緊張すると、おしゃべりになる私の超くっだらない話を、聞いてるのか聞いてないのか、Kくんは無表情のまま。若い男にしては、異常にキレイな車内も、私を落ち着かせなくする。
男は狼なのよ気をつけなさい~♪狼なんか怖くない~♪懐メロが、私の脳裏をグルグル。そんな時に、雨の外の風景は、ラブホのネオンだったり。
Kくん、運転しながらチラチラと、あらぬ方へ視線を向けているではないか?ちょっと、どこ見てんのよー!焦る私。Kくん、何だか鼻息も荒いではないか?普段は冷静沈着なKくんに、いったい何が!?そして、不安(&ちょっと期待)に震える私に、何が待ち受けているのか!?
続く。
「大通りの店」
アカデミー賞外国語映画賞を受賞した、1965年のチェコスロバキア映画。
チェコの映画は、初体験。オスカーを受賞しただけあり、なかなかの傑作でした。
ナチス侵攻の脅威が忍び寄る、チェコの田舎町。お人よしの主人公は、ユダヤ人の老婆が経営する雑貨店の管理人になるが...
冒頭から中盤までは、暗い時代の話とは思えないほど、ほのぼの&愉快な内容。
おばあさん、ちょっとモウロク気味&耳が遠いので、緊迫した世情が全然わかってないところが、可笑しい。主人公と彼女の、噛み合わないトンチンカンなやりとりが、漫才みたいで笑える。
主人公『今日から俺が、ここの管理人ですよ、おばあさん』
おばあさん『ハイハイ、何が欲しいの?このボタンかい?』
主人公『そーじゃなくて、ユダヤ人は店を持てなくなったんだよ』
おばあさん『ハイハイ、今日は安息日だよ』
...みたいな調子で、おばあさんニコニコとボケまくり。それが、すごく可愛い。主人公が、そんな彼女に辟易しながらも、だんだん息子のように親しんでいく様子が、楽しく描かれていて、微笑ましくなります。
でも!そんなほのぼのムードが、後半になると一転、まるで違う映画になったかのような、ヘヴィな展開に。
ナチスのユダヤ人狩が熾烈化。おばあさんも連れていかれるのか!?不安感&緊迫感じわじわなムードになり、主人公同様、こっちもハラハラ。
お人よしの主人公だけど、しょせん人間は小さい。絶体絶命の危機に陥った時、ハリウッド映画のように、勇敢なHEROになどなれない小市民的人間のリアルさが、悲しい...
皮肉で悲惨な結末と、ファンタジックで幸福なラストシーンが、いつまでも胸に残ります。
おばあさん役のイダ・カミンスカは、アカデミー主演女優賞にノミネートされたのも納得の名演(この年の受賞は、「バージニア・ウルフなんかこわくない」のエリザベス・テイラー。他の候補者も、ヴァネッサ&リンのレッドグレーヴ姉妹や、「男と女」のアヌーク・エメなど、国際的で面白いメンツ!)。
それにしても。ほんとナチスって、悪逆非道なことばっかやってたんですね。アーリア人化政策だなんて、めちゃくちゃ過ぎて信じられない。あんな悪魔な法律がまかり通った時代に生まれなくて良かった...と、心から思います。