「エリザベス1世 愛と陰謀の王宮」を観ました。ゴールデングローブ賞の作品賞や主演女優賞を受賞するなど、高い評価を得た英国のテレビドラマです。
最近は、日韓の映画やドラマのイケメン男優に萌えてばかりいる私ですが...たまにヘレン・ミレンみたいなスゴい女優の演技を目の当たりにしてしまうと、私のような素人でさえ役者の力量や格の違いってのが解かる。ヘレン・ミレンに比べたら、大好きなイケメンくんたちの演技は、しょせん学芸会の延長だなあ、と。
オスカーを受賞した「クィーン」が静の名演なら、このドラマは動の力演でしょうか。とにかく、いつもながらヘレン・ミレンには圧倒&感嘆させられます。
前編:大英帝国を統べるエリザベス1世は、レスター伯という恋人がいるが表向きは独身なので、世継ぎの不在が悩みの種。そのため、フランスの王族アンジュー公を婚約者として迎える。一方、スコットランドのメアリー女王の周辺で不穏な動きが...
後編:エリザベス女王の寵愛は、亡きレスター伯の義理の息子であるエセックス伯が独占。それを危惧する重臣たちと愛しい恋人の間で、女王は苦悩するが...
ドロドロした陰湿で血塗られた宮廷陰謀劇、には違いないのですが、意外と笑えるシーンも多くて(特に前編の、アンジュー公とのエピソードは、かなりコメディタッチ)、悲劇と喜劇が巧くブレンドされてる内容?暗く隠滅なドラマにならなかったのは、やはりエリザベス女王の強烈なキャラのなせるわざでしょうか。
人々を魅了し平伏させるカリスマと威厳、そして未婚初老女の悲哀と煩悶。女王が目まぐるしく見せる、女のカッコよさと醜悪さ、強靭さと脆さが圧巻です。
怒りと憎しみでプッツンしたら、大魔神と化して血の雨を降らす恐怖の女王さまですが、基本的にはクールで寛大で闊達、そしてユーモアにあふれた素敵な女性なのです。実は結婚願望が強かったり、重臣たちへのウィットに富んだ冗談や皮肉、民にも親しげに接したり、寵童エセックス伯といい感じな女官に嫉妬して軽く意地悪したりする女王さま、何だかオチャメで可愛いです。イケメン好きの面食いなところも笑えます。
絶対的権力を握る無敵な女王さまですが、愛に不自由なのが唯一の弱点で痛ましい。結婚はできないまでも、好きなイケメンといくらでも遊べるんだろうけど、王さまとか将軍とか男みたいにはなれない。愛する男には一途、あなただけでいい、になっちゃうところは、やっぱ女王さまも女なんですよねえ。
ヘンに大熱演!じゃない、軽やかで泰然としつつ繊細なヘレン・ミレンの演技は、本当に素晴らしいです。女王の葛藤や苦悩に焦点を当てたドラマなので、派手なシーンや他のキャラ任せにできるシーンが、ほとんどない。並大抵の力量では、演じきれない役。最後まで視聴者の目をクギづけにするミレンおばさまは、やはり傑出した女優です。シワも弛みも隠そうとしない、リアルな老いのさらしぶりに、きれいに見せることしか考えてない女優とは、やはり役者魂が違うよなあと尊敬。重臣たちとアレコレ謀議する姿は、ちょっと「第一容疑者」シリーズのジェーン・テニスン刑事とカブります。
重臣たちも、みんないい味だしてました。伏魔殿の陰謀家というより、国政と女王のために策略も辞さない憂国の政治家って感じなのが好感。特に、女王にチビちゃんと呼ばれるロバート・セシルが良かった。ブサイクだけど謙虚で優秀な彼が、イケメンだけど驕慢で浅はかなエセックス伯に勝つ逆転劇が、すごく皮肉です。
収穫だったのは、エセックス伯役のヒュー・ダンシー。
その可愛いジゴロぶりで、女王さまをメロリンキューに。たぶん自分のママより年上なミレンおばさまと、熱い抱擁やディープキスの嵐!よく頑張った!と賞賛したい。ミレンおばさま、役得すぎる!この年の差は、犯罪に近いよ。もし男女逆だったら、問題視されてたかも?
エセックス伯は、純粋に女王を愛してたのか、それとも野心のために媚びてただけなのか?どっちも、なんだろうなあ。その掴めなさが、女王にとっては魅力だったのかも。女王さまに認めてもらわなきゃ!と張り切るのはいいけど、やり方を誤る思慮のなさや、女王さまは僕を愛してるから、何してもOK♪な思い上がりが、破滅を呼んでしまったエセックスくん、愚かだけど可哀想。女王さまをナメすぎてましたね。若造が太刀打ちできる相手ではないのに。おとなしく“きみはペット”に徹してればよかったのに。でも、ギリギリまで彼を甘やかしてた女王さまも悪い!
天真爛漫(ノーテンキ?)で情熱的な悲劇の美青年エセックス伯を熱演したダンシーくん、要チェキな英国若手俳優です。クレア・デーンスと付き合ってるらしい?
レスター伯役のジェレミー・アイアンズも、相変わらず素敵なおぢさま。優雅でダンディで、非メタボなスマートさがカッコいい!
それと、心臓の弱い人は観ないほうがいいかも...数回ある処刑シーンが、生きたまま心臓をエグり出したり斬首が一撃で終わらず斧が首に食い込んだりこんなのお茶の間に流しちゃマズいだろ~!?な残酷さです。
最近は、日韓の映画やドラマのイケメン男優に萌えてばかりいる私ですが...たまにヘレン・ミレンみたいなスゴい女優の演技を目の当たりにしてしまうと、私のような素人でさえ役者の力量や格の違いってのが解かる。ヘレン・ミレンに比べたら、大好きなイケメンくんたちの演技は、しょせん学芸会の延長だなあ、と。
オスカーを受賞した「クィーン」が静の名演なら、このドラマは動の力演でしょうか。とにかく、いつもながらヘレン・ミレンには圧倒&感嘆させられます。
前編:大英帝国を統べるエリザベス1世は、レスター伯という恋人がいるが表向きは独身なので、世継ぎの不在が悩みの種。そのため、フランスの王族アンジュー公を婚約者として迎える。一方、スコットランドのメアリー女王の周辺で不穏な動きが...
後編:エリザベス女王の寵愛は、亡きレスター伯の義理の息子であるエセックス伯が独占。それを危惧する重臣たちと愛しい恋人の間で、女王は苦悩するが...
ドロドロした陰湿で血塗られた宮廷陰謀劇、には違いないのですが、意外と笑えるシーンも多くて(特に前編の、アンジュー公とのエピソードは、かなりコメディタッチ)、悲劇と喜劇が巧くブレンドされてる内容?暗く隠滅なドラマにならなかったのは、やはりエリザベス女王の強烈なキャラのなせるわざでしょうか。
人々を魅了し平伏させるカリスマと威厳、そして未婚初老女の悲哀と煩悶。女王が目まぐるしく見せる、女のカッコよさと醜悪さ、強靭さと脆さが圧巻です。
怒りと憎しみでプッツンしたら、大魔神と化して血の雨を降らす恐怖の女王さまですが、基本的にはクールで寛大で闊達、そしてユーモアにあふれた素敵な女性なのです。実は結婚願望が強かったり、重臣たちへのウィットに富んだ冗談や皮肉、民にも親しげに接したり、寵童エセックス伯といい感じな女官に嫉妬して軽く意地悪したりする女王さま、何だかオチャメで可愛いです。イケメン好きの面食いなところも笑えます。
絶対的権力を握る無敵な女王さまですが、愛に不自由なのが唯一の弱点で痛ましい。結婚はできないまでも、好きなイケメンといくらでも遊べるんだろうけど、王さまとか将軍とか男みたいにはなれない。愛する男には一途、あなただけでいい、になっちゃうところは、やっぱ女王さまも女なんですよねえ。
ヘンに大熱演!じゃない、軽やかで泰然としつつ繊細なヘレン・ミレンの演技は、本当に素晴らしいです。女王の葛藤や苦悩に焦点を当てたドラマなので、派手なシーンや他のキャラ任せにできるシーンが、ほとんどない。並大抵の力量では、演じきれない役。最後まで視聴者の目をクギづけにするミレンおばさまは、やはり傑出した女優です。シワも弛みも隠そうとしない、リアルな老いのさらしぶりに、きれいに見せることしか考えてない女優とは、やはり役者魂が違うよなあと尊敬。重臣たちとアレコレ謀議する姿は、ちょっと「第一容疑者」シリーズのジェーン・テニスン刑事とカブります。
重臣たちも、みんないい味だしてました。伏魔殿の陰謀家というより、国政と女王のために策略も辞さない憂国の政治家って感じなのが好感。特に、女王にチビちゃんと呼ばれるロバート・セシルが良かった。ブサイクだけど謙虚で優秀な彼が、イケメンだけど驕慢で浅はかなエセックス伯に勝つ逆転劇が、すごく皮肉です。
収穫だったのは、エセックス伯役のヒュー・ダンシー。
その可愛いジゴロぶりで、女王さまをメロリンキューに。たぶん自分のママより年上なミレンおばさまと、熱い抱擁やディープキスの嵐!よく頑張った!と賞賛したい。ミレンおばさま、役得すぎる!この年の差は、犯罪に近いよ。もし男女逆だったら、問題視されてたかも?
エセックス伯は、純粋に女王を愛してたのか、それとも野心のために媚びてただけなのか?どっちも、なんだろうなあ。その掴めなさが、女王にとっては魅力だったのかも。女王さまに認めてもらわなきゃ!と張り切るのはいいけど、やり方を誤る思慮のなさや、女王さまは僕を愛してるから、何してもOK♪な思い上がりが、破滅を呼んでしまったエセックスくん、愚かだけど可哀想。女王さまをナメすぎてましたね。若造が太刀打ちできる相手ではないのに。おとなしく“きみはペット”に徹してればよかったのに。でも、ギリギリまで彼を甘やかしてた女王さまも悪い!
天真爛漫(ノーテンキ?)で情熱的な悲劇の美青年エセックス伯を熱演したダンシーくん、要チェキな英国若手俳優です。クレア・デーンスと付き合ってるらしい?
レスター伯役のジェレミー・アイアンズも、相変わらず素敵なおぢさま。優雅でダンディで、非メタボなスマートさがカッコいい!
それと、心臓の弱い人は観ないほうがいいかも...数回ある処刑シーンが、生きたまま心臓をエグり出したり斬首が一撃で終わらず斧が首に食い込んだりこんなのお茶の間に流しちゃマズいだろ~!?な残酷さです。