8月6日は、広島で生まれ育った者にとっては特別な日です。63年目を迎えた原爆記念日の朝、平和のために祈りました。
広島が舞台のNHKのスペシャルドラマ「帽子」を観ました...
広島・呉。帽子職人の老人・春平は、東京にいる息子とは疎遠で、寂しい独り暮らし。セキュリティ会社の警備員・吾朗は、何かと自分を呼び出す春平に辟易している。そんな中、吾朗を産んですぐ家を出た母が余命いくばくもないこと、そして彼女が春平とは兄妹同然に育った幼馴染の世津だと判明。春平は吾朗とともに東京へ向かうが...
しみじみとした、佳いドラマでした。ドラマチックな展開も、いかにも泣け!なお涙ちょうだいシーンも台詞もないけど、原爆の悲劇や切ない愛が静かに優しく描かれていて、心に沁みました。
胎内被爆、という悲劇についても、さりげなくも深く考えさせる内容です。差別偏見をする人もされる人も、悲惨な戦争の生き証人が年々減少していくことは仕方がないことですが、その代わりに戦争?何それ?な時代が来てほしい、と心から願わずにはいられません。
決してガチガチの反戦ドラマではなく、どちらかといえば哀歓ある人情ドラマです。春平と世津の実らなかった恋は、ちょっと韓ドラっぽくセンチメンタルすぎたけど。互いに孤独を抱える春平と吾朗の触れ合いが、ほのぼの+しんみりしていて良かった。
春平役の緒形拳、やっぱ名優ですね。かつてのギラギラしてた野獣オガケンも、すっかり枯れた爺さんになりましたが、今でもイケてるぞ!ちょっとボケ気味な爺さん役なのに、ヨボヨボ弱々しくないし。中学校の職員室に殴りこみ?生意気な教師に、このバカタレー!!と怒って殴りかかっていく凶暴さや、時おり見せる鋭い眼光とか、往年のオガケンらしくて素敵でした。
息子には見捨てられているのに、それを自分にも他人にも認めようとせず、都合のいい虚勢を張る春平が、滑稽で哀しい。孤独が痛ましいけど、トボけたオチャメな老人を、オガケンが可愛らしく演じてます。『ハサミがないんよ~ハサミ探してくれえや~』なんて吾朗を困らせたり、吾朗の車に勝手に乗り込むチョコマカした動きとか、ほんとキュートでした。
学芸会な若いタレントに諂い媚びてまで、華やかな民放のドラマには出ないオガケンの、役者魂を悪魔に売らない仕事スタンスが好きです。でも良い作品なら、脇役も喜んでするところも、彼の素晴らしいところですよね。
吾朗役の玉山鉄二も、なかなか好演してました。田舎の警備員にしては、ちょっと美男すぎるけど。広島市民に混じって原爆ドーム前を歩くシーンがあるのですが、あんな男やっぱ一般世界にはいませんよ。インタビューでも言ってたけど、オガケンとの共演は、玉鉄にとって良い勉強になったようですね。
オガケンと玉鉄の広島弁が笑えました。すごく頑張ってたけど、やっぱねえ。生粋のネイティヴからしたら、かなり変でした。でも、好きな俳優が広島弁を口にしてくれると、何だか嬉しいものですね。玉鉄の『何しょうるんなー!』オガケンの『ぶち殴っちゃる!』が微笑ましかったです。吾朗役、岡野昭仁だったら完璧な田舎広島青年だったかも?
世津役は、久々に見た田中裕子。おしんも、年取ったなあ。玉鉄のパパ役は、岸部一徳。おしん+岸部氏で、玉鉄みたいな息子が生まれるかなあ?!
舞台となった呉。ロケ地に、馴染みの場所が出てきて楽しかったです。「海猿」でも使われた階段とか、三条通りの商店街とか。黄昏どきに見る造船所のクレーンと煙って、実際にも何だか悲しい気持ちにさせるんですよね。風景は変わらないのに人間は変わっていく...みたいな。
施設の爺ちゃんとイケメン介護士、ではありません。それにしても。この画像のオガケン、ちょっとヤバいですよねえ
広島が舞台のNHKのスペシャルドラマ「帽子」を観ました...
広島・呉。帽子職人の老人・春平は、東京にいる息子とは疎遠で、寂しい独り暮らし。セキュリティ会社の警備員・吾朗は、何かと自分を呼び出す春平に辟易している。そんな中、吾朗を産んですぐ家を出た母が余命いくばくもないこと、そして彼女が春平とは兄妹同然に育った幼馴染の世津だと判明。春平は吾朗とともに東京へ向かうが...
しみじみとした、佳いドラマでした。ドラマチックな展開も、いかにも泣け!なお涙ちょうだいシーンも台詞もないけど、原爆の悲劇や切ない愛が静かに優しく描かれていて、心に沁みました。
胎内被爆、という悲劇についても、さりげなくも深く考えさせる内容です。差別偏見をする人もされる人も、悲惨な戦争の生き証人が年々減少していくことは仕方がないことですが、その代わりに戦争?何それ?な時代が来てほしい、と心から願わずにはいられません。
決してガチガチの反戦ドラマではなく、どちらかといえば哀歓ある人情ドラマです。春平と世津の実らなかった恋は、ちょっと韓ドラっぽくセンチメンタルすぎたけど。互いに孤独を抱える春平と吾朗の触れ合いが、ほのぼの+しんみりしていて良かった。
春平役の緒形拳、やっぱ名優ですね。かつてのギラギラしてた野獣オガケンも、すっかり枯れた爺さんになりましたが、今でもイケてるぞ!ちょっとボケ気味な爺さん役なのに、ヨボヨボ弱々しくないし。中学校の職員室に殴りこみ?生意気な教師に、このバカタレー!!と怒って殴りかかっていく凶暴さや、時おり見せる鋭い眼光とか、往年のオガケンらしくて素敵でした。
息子には見捨てられているのに、それを自分にも他人にも認めようとせず、都合のいい虚勢を張る春平が、滑稽で哀しい。孤独が痛ましいけど、トボけたオチャメな老人を、オガケンが可愛らしく演じてます。『ハサミがないんよ~ハサミ探してくれえや~』なんて吾朗を困らせたり、吾朗の車に勝手に乗り込むチョコマカした動きとか、ほんとキュートでした。
学芸会な若いタレントに諂い媚びてまで、華やかな民放のドラマには出ないオガケンの、役者魂を悪魔に売らない仕事スタンスが好きです。でも良い作品なら、脇役も喜んでするところも、彼の素晴らしいところですよね。
吾朗役の玉山鉄二も、なかなか好演してました。田舎の警備員にしては、ちょっと美男すぎるけど。広島市民に混じって原爆ドーム前を歩くシーンがあるのですが、あんな男やっぱ一般世界にはいませんよ。インタビューでも言ってたけど、オガケンとの共演は、玉鉄にとって良い勉強になったようですね。
オガケンと玉鉄の広島弁が笑えました。すごく頑張ってたけど、やっぱねえ。生粋のネイティヴからしたら、かなり変でした。でも、好きな俳優が広島弁を口にしてくれると、何だか嬉しいものですね。玉鉄の『何しょうるんなー!』オガケンの『ぶち殴っちゃる!』が微笑ましかったです。吾朗役、岡野昭仁だったら完璧な田舎広島青年だったかも?
世津役は、久々に見た田中裕子。おしんも、年取ったなあ。玉鉄のパパ役は、岸部一徳。おしん+岸部氏で、玉鉄みたいな息子が生まれるかなあ?!
舞台となった呉。ロケ地に、馴染みの場所が出てきて楽しかったです。「海猿」でも使われた階段とか、三条通りの商店街とか。黄昏どきに見る造船所のクレーンと煙って、実際にも何だか悲しい気持ちにさせるんですよね。風景は変わらないのに人間は変わっていく...みたいな。
施設の爺ちゃんとイケメン介護士、ではありません。それにしても。この画像のオガケン、ちょっとヤバいですよねえ