


現代のルーマニアで、絶滅寸前ながらも生き延びている人狼族。幼い時、アメリカで両親を人間に殺されたビビアンは、種族の首領ガブリエルの新しい妻に選ばれようとしていた。そんな中、彼女は人間である画家の青年エイデンと恋に落ちて...
なかなか面白かったです。掘り出しもの的でした。ホラーというより、ファンタジーロマン?残酷なシーンは、ほとんどないし。ちょっと内容と設定が、日本の少女漫画ちっくで良かったです。
人間を敵視しつつ、生き延びるために人間に混じって人間と同じ生活を送っている人狼族(ビビアンはチョコレート店の店員、ガブリエルは実業家)が、何だか可哀想なんですよねえ。バレないように、ちゃんと規則や掟を厳守してるところも、けなげというか。たまに若いのがオイタするけど、概ね人間よりも欲望が制御されてるのが立派です。狼の本能は、拉致してきた極悪犯罪者な人間を森に放って狩って殺す、という儀式で満たしてるのも、ちょっと正義の仕置き人っぽくて面白い。儀式での、人間の姿から狼に変身するシーンは、カッコよくて美しいです。

でも、そんな儀式も、種の繁殖のためにガブリエルと結婚するのも嫌なビビアンは、知り合った人間のイケメン画家と禁断の恋。デビルマンのごとく、裏切り者の名を受けて~すべてを捨てて戦う女~♪に。そんなビビアンと画家に襲いかかってくる人狼族ですが...やっぱ悪い化け物に見えないんですよね。どっちかっつーたら、銀が苦手という弱点をフル活用して、刺したり撃ったり焼いたり!と狼を殺しまくる画家のほうがヒドい奴に見えます。まさに動物愛護団体から抗議ものな、狼たちの虐殺されっぷりです。可哀想!
ビビアン役の女優は、いかにもアメリカンギャルって感じ。強そうで健康的。ルーマニアよりビバリーヒルズのほうが似合う、みたいな。
やっぱこーいう伝奇的ロマンには、いい男が必要不可欠。その点では、内容よりも上出来かもしれないメンツをそろえてるのが、嬉しい美味しい映画かもしれません。

ガブリエル役は、きゃ


しかしマルちゃん、あんまし仕事熱心じゃなさそうなのが惜しい。まあ、いつも大物な女と付き合ってるから、ガツガツ働かなくても食うには困らないんだろうなあ。

エイデン役は、きゃ

ビビアンの従兄レイフ&その仲間たちも、ナニゲにイケメンぞろい。ビビアンがほぼ紅一点なので、作りようによってはYAOI系になってたかも。日本のBL漫画に作り変えできそうです。
中世の趣残るルーマニアの街並みも、美しく撮られていて目に楽しいです。