まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

優しい狂犬

2008-09-07 | 韓国映画
 「卑劣な街」
 ジェミンことチョ・インソンが、やくざ!を熱演して高い評価を得た韓流極道映画。
 やくざのビョンドゥは、組の親分と自分の手下との板ばさみな立場と、借金の取立て仕事で鬱屈した日々を送っている。そんな彼に、大きなチャンスが訪れる。しくじれば身の破滅と知りながらも、ビョンドゥは賭けに出るが...
 うう~ん、何だか切なくて悲しい話でした。ぶっちゃけ、難病ものとか純愛悲恋ものより、泣けてきます。ビョンドゥが、けなげで可哀想すぎる...
 可愛い子分ども、そして自分の家族。愛する者たちのために粉骨砕身、恥辱屈辱にも耐えて、血まみれになって闘うビョンドゥの姿が、壮絶かつ悲しい。やくざ世界でのし上がったるで~!な野心系のキャラでは全然ないのが、ビョンドゥの悲劇なんですよねえ。冷酷で狡猾になりきれない優しさが、命取りな間隙になってしまうところが、もどかしくも哀れなビョンドゥです。でもホント、そろいもそろって&よってたかって、みんなして人のいいビョンドゥを陥れやがって。ひどい!ひどすぎる!な、何も報われない救いのない卑劣すぎる世界でした。しょせん、やくざなんてこんなものなのでしょう。
 日本以上に、社会のゴミみたいな底辺やくざの生態も、興味深かったです。あんな連中が地上げにきたら怖い~!今時こんなこと、ほんまにやってんの?!な、泥くさくて激烈な抗争も、やくざ映画ファンには嬉しいヴァイオレンスさです。
  
 チョ・インソン、やはり若手では別格な存在だな、とあらためて感心。ヒョンビンとかコン・ユとジョンミョンとか、大好き!カッコカワいい!けど、それだけ、で終わってしまうレベルなんですが、インソンくんはバリ出来のジェミンもそうでしたが、ゲっとかハっと言わせる驚きがあるんですよね。目つきとかイっちゃってて、私たちには見えないものを見てる感じで怖い。邪魔者を片づけるシーンの彼、ほんと凄絶です。今回もインソンくんが見せてくれた、狂気の激情とピュアな純真が、胸に痛かったです。
 頑張ってガラ悪くヤサグレた演技してたけど、やくざにしてはスタイルよすぎで顔もキレイすぎるインソンくん、やっぱイケメン隠しは難しい。ほんと、背が高くて顔が極小!一見王子さま系優男だけど、独特の狂気じみた迫力と、得意のテコンドーで、凄みのあるヤーさんに化けてました。日本のチャラい軟弱な俳優には、まず無理な演技です。ただのアイドルもどきなイケメン俳優で終わりたくない!という、役者の気概とかチャレンジ精神が顕著なところも、尊敬できるインソンくんです。
 演技だけでなく非モムチャンな体も、インソンくんを肉体自慢が多い韓流男優の中で異色の存在にしています。せっかくの刺青も、ひょろっとした痩身にはあまり似合ってませんでした。借金取立て先の家で、パンツ一丁になって居座るイヤガラセをするインソンくんが、ソファに転がってボリボリとチ○コかいて、そのままその手で鼻をかくところが笑えました。
 脇役が、ビョンドゥの子分たちとか、黒幕の社長とか、ヤクザ映画の主演俳優とか、いろんな映画やドラマでチョコチョコ見る顔ぶれです。
 カラオケで演奏してるおぢさん。どうでもいいキャラなのに、なぜか強烈な印象を残します...
 
コメント (2)
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