まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

ブン屋たちの聖戦!

2016-05-04 | 北米映画 15~21
 「スポットライト 世紀のスクープ」
 新聞社ボストン・グローブで、事件や問題に焦点を当てる連載“スポットライト”を担当する記者たちは、カトリック教会の神父が児童に性的虐待を加えた事件の真相を調査し始める。彼らはやがて、強大な力を持つ教会が真実を隠蔽していたことを探り当てるが…
 今年のアカデミー賞作品賞、脚本賞を受賞した話題作を、やっとこさ観ることができました~!
 教会の醜聞や腐敗を描いた作品は、これまでもありましたが…この映画で暴かれた闇も、深刻で悲惨。神父による児童の性的虐待だなんて、信じられない信じたくないです。でも、心配してたような重苦しく暗い映画ではなかったです。真実を追う記者たちの正義感と熱意あふれる奔走・奮闘を、まるでスポーツ選手の競技を応援するかのように見入ってしまう描き方をしていたからでしょうか。
 それにしても…神父による児童の性的虐待だなんて、おぞましいの一言です。ほとんど公然の秘密みたいになってたことにも愕然。発覚しないように組織ぐるみで隠ぺいする教会。巨大な力に守られてヤリたい放題、まさに小児愛者のパラダイスじゃん!小児愛者は神父になればいいのでは、とさえ思ってしまった。都合の悪いことは闇に葬る巨大組織、鬼畜な変態神父も怖いけど、子どもよりも教会を守る親や地域社会にも戦慄。宗教って、信仰って…子どもを傷つけることを許す神さまなんていない、と私は信じたいです。
 いたいけな子どもを傷つけ害す奴らほど、許せないものはありませんよね~。加害者にも事情がある、なんて言うけど、子どもを殺したり虐待してもいい事情なんて絶対ない。性的いたずら、強姦だなんて、ある意味殺される以上の仕打ちですよ。どうしてそんなことができるのか、理解できない理解したくない。吐き気がします。神父という立場を利用して、信頼につけこんで子どもを汚らしい欲情の対象にするなんて、ほんと犬畜生にも劣る卑劣さ、非情さです。放置したり子どもを黙らせる親も最悪。私が被害者なら、神父同様親も恨みます。劇中に登場する、虐待によって心身にトラウマを負った人たちにも胸が痛みました。今もどこかで、子どもが…と思うと、ほんといたたまれなくなります。

 この映画、スキャンダラスな問題を扱いながらも、ヘンに感情的で煽情的なシーンや展開はなく、いたって地味~です。記者たちだけでなく、教会関係者や被害者、その家族、弁護士などたくさんの人物が登場するのですが、どの人も特に目立つこともなく、深追いみたいな人物描写もなくて、全体的に余計な描写をスパっと削った、無駄がない感じになってたのも良かったです。主役であるスポットライトの記者たちも、真相を追う姿にまさにスポットライトが当てられていて、彼らの私生活とか妙な恋愛がらみなエピソードなども皆無だったのも、すっきりしてて観やすかったです。
 スポットライトの面々を演じた俳優たちが、見事なアンサンブル演技。みんな個性的、熱演しながらも、演技派気取りにありがちな悪目立ちがなく、鼻につく“俺って演技巧いだろ?”演技もなかったのが、まさに奇跡的なハーモニー。
 私のスポットライトは、もっぱら大好きなマーク・ラファロに当たってましたが
  
 「フォックスキャッチャー」に続いて、2年連続でオスカー候補となったマーク、やっぱええわ~今、マット・デーモンと並んで夫になってほしい男No.1です。ほんと、優しそうで誠実そうで、それでいて男くさくて♂フェロモンたっぷり。この人なら信じられる!ついて行きたい!Hも優しくて情熱的そう!と思わせる頼もしさ、力強さ、セクシーさに惚れ惚れです。

 朴訥で飾り気ナッシング、服装なんかどーでもよさそうな風采も、いかにも仕事に追われた記者っぽかった。「黒い樹海」の向井理なんて、こんな記者いねーよ!なリアリティゼロっぷりでしたもんね。上司に早期公表を訴えるシーンは、観る者の心を揺さぶる圧巻の大熱演でした。好きなスターにはいろんな役を演じてほしいものですが、マークだけは悪役、卑劣な役はしないでほしいんですよね~。マークの温かさ、真摯さは、心のよりどころともいえる稀有な魅力なので…
 スポットライトのリーダー役、今や名優のマイケル・キートンも、シブいながらもやっぱちょっとコミカル風味もある好演。去年の「バードマン」に続いて、主演作が2年連続アカデミー賞受賞って、ナニゲにスゴいですよね。紅一点、レイチェル・マクアダムスも、ヘンにヒロイン顔せず、抑え気味、控えめな演技が好感度高かったです。
 新しい局長役、リーヴ・シュレイバーも静かなる名演!

 彼も地味シブ!クールだけど人情味のある雰囲気、冷静沈着な演技が素敵でした。いい役者ですね!すごく好きになりました。
 教会がますます怖くなったけど、お寺は大丈夫なのかな~…近所にあるお寺で、児童の習字とか放課後デイサービスとかやってるけど…こんな映画を観ちゃうと、不審な目で見てしまいます…

 「グランド・イリュージョン」の続編が楽しみなマーク。GG賞の主演男優賞にノミネートされたコメディ“Infinitely Polar Bear ”は、日本で公開されるかな~…
 
コメント (6)
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