まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

任侠オペラ

2016-05-27 | 韓国映画
 「パパロッティ」
 かつてはオペラ歌手として将来を嘱望されていたが、今は田舎の高校で音楽教師をしているサンジンは、学園長からジャンホという青年を指導するよう頼まれる。ジャンホは、オペラ歌手になる夢を抱くヤクザだった…
 TVドラマ「秘密の扉」に先立って、ハン・ソッキュとイ・ジェフンが共演したハートフルなコメディ。悲劇的だった「秘密の扉」と真逆な、明るく楽しく笑わせホロリともさせてくれるソッキュ氏&ジェフンくんでした。
 ヤクザが高校に入学してドタバタ、という学園もの+任侠ものといえば、ヒット作の「マイボス、マイヒーロー」とちょっとカブります。ヤクザが音楽学校に入って声楽家を目指す、という突拍子もない話なのですが、これって驚くべきことに実話がベースになっているのだとか。そんなこと、ありえるんですね~。

 はじめは反発し合ってたサンジンとジャンホが、いつしか心を開き固い絆で結ばれて、夢に向かって力を合わせる姿は、かなりベタなのですが感動させられます。ジャンホがオペラ歌手を目指すようになった動機とか、サンジンがジャンホをカタギにするためヤクザの親分に体を張って直談判したり、コンクールに遅れたジャンホにチャンスをあげてくれ!と大暴れしながら審査員に訴える姿など、なかなか泣かせます。サンジンとジャンホが互いの心の琴線に触れるシーンや台詞など、こういうのって韓流は得意なんだよな~と、あらためて感心しました。

 誰かに認められること、誰かに信じてもらえることって、生きるための強いモチベーションになるよな~と、サンジンとジャンホの信頼関係を羨ましく思いました。二人とも、互いに出会えて本当にラッキーでしたよ。サンジンがいなかったらジャンホは夢を叶えることなくヤクザを続けて早死にしてただろうし、サンジンもうらぶれた負け犬のままだっただろうし。奇跡的な出会いをもたらすきらめく才能が、私にもあったらな~…
 悪い人が誰一人おらず、ヤクザまでみんないい人だったのは、ちょっと都合が良すぎるとは思ったが。ヤクザの親分も兄貴分も、男気ありすぎ。反社会的な人たちであることを、忘れてしまいそうになりました。それにしても。韓国って今でもあんな荒っぽい討ち入りみたいなこと、してるのでしょうか。
 ソッキュ氏とジェフンくんの、息の合った師弟コンビが微笑ましく愉快で、ほっこりさせられました。ケンカばかりしてた前半も楽しかったけど、仲良しになった後半の二人は、まるでBLカップル!ツンデレなソッキュ氏と、ワンコなジェフンくん、イチャイチャベタベタしすぎ!二人の年齢がもうちょっと近かったら、かなり腐萌え~な内容になってたかも。

 ソッキュ氏は、コメディでも名優ですね!あの荒っぽさ、ねじ曲がった感じも、この映画では怖くなくて滑稽。怒りっぽいのがすごく笑えるんですよ。ジャンホの子分どもに、今どきヨン様かよ!と髪型を嗤われるシーンが笑えた。クチャっとした笑顔もすごく可愛く見えたり。そしてソッキュ氏といえば、あの美声!ラスト近く、ジェフンくんとデュエットするシーンがあるのですが、歌声も素敵!
 ジェフンくんの、若さと情熱であふれんばかりのフレッシュな熱演もチョア~!
 
 「秘密の扉」での優等生で聖人なジェフンくんを見慣れていたせいか、粗暴でちょっとおばかな演技が新鮮でした。サンジンになついて素直に幸せそうな表情とか、ほんと可愛かった!ヤクザのくせに童貞?!なウブなところも可愛すぎ!ジェフンくんてやっぱ、少年隊のヒガシにちょっと似てますよ。ヒガシを素朴に優しそうにしたらジェフンくん、みたいな。ジェフンが下痢になって駆け込んだトイレでブブブ!とか、韓流ってオゲレツな下痢ピーネタが好きですよね~。
 韓流といえば、脇役もいい味。学園長役のオ・ダルスが相変わらず珍妙でした。サンジンの太っちょで天パー頭の息子も、なかなか味わい深いキャラでした。ジャンホの兄貴分ヤクザは、「根の深い木」のムヒョル!「悪魔の倫理学」でもジェフンくんとは共演してましたね。サンジン&ジャンホのデュエットシーンと、ラストシーン、エンドクレジットで使われた「幸せをくれる人」という歌が、すごくいい曲でした。
コメント (4)
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