まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

ホロウ・クラウン①~③ リチャード2世

2016-09-21 | 欧米のドラマ
 シェイクスピアの戯曲を基に、イギリス王室の愛憎と権力闘争を描いた歴史ドラマ、「ホロウ・クラウン 嘆きの王冠」シーズン1を観ることができました~。大好きな英国王室もの、そして英国映画・ドラマファンにはお馴染みの名優や人気スター、注目の気鋭俳優がたくさん出演しているので、前から気になってたTVシリーズ。まずは、第1話から3話までのリチャード2世編。

 若く美しい王リチャード2世は、いとこであるヘンリー・ボリングブルックを宮廷から追放。さらに、アイルランドの反乱を鎮圧するための軍資金を捻出するため、ヘンリーの父ランカスター公の財産を没収する。ひそかにイギリスに戻ったヘンリーは、蜂起してリチャードを退位へと追いやるが…
 英国王室もの大好き!なんて言いつつ、いまだにチンプンカンプンな私です。王さまも貴族も、同じような名前が多いですよね~。The Tudorsなんて、いったい何人の“トマス”がいたことか。人間関係も入り組んでて複雑すぎる。そこが面白くもあるのですが。血で血を洗う骨肉相食む政争、詐術陰謀、愛憎と欲望渦巻く宮廷ドラマには、毎度ワクワクさせられます。日本の宮廷陰謀劇と違って、かなり野蛮で荒っぽいところが怖くて好きです。

 で、リチャード2世…って、ゲイ、だったのですか?いちおう王妃はいるけど、いつも一緒で親密そうなのは、イケメンや美少年の取り巻きたち…やっぱイギリスは腐ツボを突いてきますわ。リチャード2世を演じてるのが、今やゲイを演じさせたら世界一、英国の輝けるBLスター、ベン・ウィショーなのだから、これほどの適役もない。ベン子さん、今回も水を得た魚のごときゲイゲイしさで、リアルかつチャーミングでした。

 もう仕草や表情、目つきからしてノンケの男とは違います。座ってる時の足が、ほとんど乙女。でも、ぜんぜん気持ち悪くなくて、可愛いくてカッコよくもあるんですよね~。そこがベン子の魅力&実力です。臣下への優雅な驕慢さが、まさに生まれながらの王者って感じ。ベン子の気品と威厳に魅せられました。臣下同士が争ってるのを面白がってるようだったり、優しくしたり冷たくしたり、楽しそうに悪だくみしたり、ちょっとイケズな小悪魔オネエさんなベン子が可愛かった。大柄な男たちに囲まれた小柄で華奢なベン子さんは、まさにヒロインのような可憐さ。

 白玉のような無邪気すぎる自由すぎる心ゆえに、臣下にも民にも憎まれ恨まれ、破滅してしまうリチャード2世。暴政を敷いた身勝手で冷酷な王、というより、浮き世離れした不思議ちゃんっぽく演じてたベン子さん。王位を奪われてからが、舞台俳優としての本領発揮。感情豊かな長い台詞まわしは圧巻。特に印象的だったのは、リチャード2世がヘンリーになかなか王冠を渡さないシーン。当てこすりしまくりな悲劇のヒロイン愁嘆場。イヤよ!やっぱりイヤイヤ~!と文字通りひっくり返ってダダこねるリチャード2世の往生際の悪さに、ヘンリーだけでなく視聴者も唖然。すごい緊迫感かつ滑稽さを醸すベン子の演技に圧倒されました。

 牢獄のリチャード2世が悲惨すぎ。まるで洞窟の原始人ついさっきまで金枝玉葉、栄耀栄華だったのに。まさに一寸先は闇。リチャード2世もですが、王さまなんてちっとも羨ましくない身分です。特に英国王室は、無事生きながらえるほうが稀で、だいたいは断頭台行きだもん。リチャード2世は首チョン切られ末路ではなかったけど、ある意味もっと無残で哀れな最期でした。衣装や風貌など、リチャード2世をどこかキリストっぽく演じてたベン子さんです。

 ベン子の役者っぷりを堪能できる作品でしたが、べン子に負けない存在感と魅力で私を瞠目させたのが、ヘンリー役のローリー・キニア。ダニエル・クレイグの007シリーズで、ボンドの仲間ビル・タナーを演じてる英国俳優です。007ではフツーのおじさんって感じですが、このドラマの彼はすごくカッコいいです!美男とかイケメンとかではないけど、男らしくて勇壮で優しそうで哀愁もあって、いい男!

 ちょっと不揃いな前歯が、何か可愛かった。ヘンリーのキャラが、男らしく誠実かつ何かお人よしでもあって好感。リチャード2世や親族に振り回されるヘンリーの悩める姿に胸キュンでした。

 ↑Qとビル・タナー、ではなく、リチャード2世とヘンリー。二人のやりとり・関係は、かなりBLっぽい♡
 その他のキャストも、ヘンリーの父ランカスター公役にXメンシリーズのプロフェッサーXことパトリック・スチュワート、その弟ヨーク公役に名探偵ポアロ役ことデヴィッド・スーシェ(後で知ってビックリ!ぜんぜん気づかんかった!別人!激シブでカッコいい!役者ってスゴい!)と、日本でもお馴染みの名優が。リチャード2世の寵臣のひとり、ヨーク公の息子オーマール役のトム・ヒューズは、ちょっと山下智久似?あと、争ったヘンリーともども追放になる貴族トマス・モウブレー役のジェームズ・ピュアフォイも男前!

 キューティブロンド主演の「悪女」でも男前だったピュアフォイさん。出番少なくて残念!また出てくるのかしらん?あれで出番終わりなら、男前の無駄づかいだわ~。
 舞台を観ているような演劇的な演出と、ロケ地の美しさも活かした映像の巧みな融合も秀逸。当時の英国王室の、華美ではないシンプルな衣装や堅牢な城なども目に楽しかったです。セットも、お金かかけてるな~と感嘆。日本や韓国の時代劇のチャチいセットとは大違い。
 物語はヘンリー4世編へと続く…

 ↑ベンちゃんみたいな奥さんがいて、ダンナさんが羨ましい

 ↑そのダンナさん、マーク・ブラッドショウ氏はオーストラリア人の音楽家。陽気でオチャメな人柄っぽい彼は、ベンより2歳年下の夫。「ブライト・スター」のサウンドトラックを担当、主演のベンと恋に落ちたんだとか。いい感じのカップルですよね~。末永く幸せに(^^♪
コメント (4)
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