まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

逝かせる男

2019-07-15 | 北米映画 15~21
 「ブレイン・ゲーム」
 同一人物の犯行と思われる連続殺人事件の捜査を担当するジョーとキャサリンは、ジョーの旧友でサイコメトラーの元医師ジョンに捜査協力を求める。犯人が自分と同じ能力を持つことにジョンは気づくが…
 大好きなコリン・ファレルがサイコキラー役、と聞いて楽しみにしていた作品。ようやく観ることができました。でもコリン、映画が始まってもなかなか出てきません。中盤になって、やっと本格的に姿を現します。最近のコリンは、ヨルゴス・ランティモス監督の「ロブスター」や「聖なる鹿殺し」で、メタボおじさん化のイメージが強いけど、彼の原型はスラっとスマート。痩せてたらカッコいいんです。いや、デブおやじなコリンも全然イケてますわ。嵐とおっさんコリンだったら、まったく迷うことなく後者に抱かれたいです

 連続殺人鬼役ですが、悪役ではなく悲しいカルマを背負ってしまった男の役。コリンはワルっぽいけど悪っぽくはない。骨の髄まで悪な役はできない俳優。加害者よりも被害者が似合う。今回のコリンも、可哀想な男にしか見えなかった。それはあの美しく悲しい瞳のせいでしょうか。雨に濡れた捨て犬みたいな表情と瞳に、今回もキュンキュンしちゃいました

 苦しんで死ぬことになる人々を、その前に安楽死させるサイコメトラーサイコキラーなコリンですが、殺すシーンがほとんどないし、物静かでナイーヴな雰囲気と喋り方が何だか母性本能をくすぐる可愛らしさで、その繊細さと男くさい風貌のギャップがコリンの魅力です。私も被害者たちと同じ境遇になったら、コリンに優しくイかされたい、じゃない、逝かされたいです首の後ろ、延髄を一刺しして即死させる殺し方(必殺仕事人の三田村邦彦みたいに)も、怖いけど慈悲深くもあって、ヘンな言い方ですが善い殺人鬼?に私には思えました。殺人そのものよりも、自分は気の毒な人々を救っているという思い込み、歪んだ独善のほうが怖かったです。

 今回のコリンのように、いい男、いい役者だと、ステレオタイプな役でも魅力的に見せることができるのですね。実際、コリンの役もですが、映画そのものもサコメトラーとか犯罪プロファイリングとか、アメドラでよくあるネタを安易にブッ込んでる、どっかで見たことある感ハンパないデジャヴ映画でした。目新しさが全然なくて残念。いろんなものが見える予知能力者って大変だな~と同情、もっと美味しく予知能力を活かせばいいのにと思った。

 主役のジョン役は、英国の重鎮俳優アンソニー・ホプキンス。ホプキン爺さん、もう何やってもレクター博士にしか見えん!無敵感もハンパなくて、ピンチに陥っても全くハラハラしないです。コリンのような若造(ホプキン爺からすると)に負けるわけがなく、はじめっから勝敗の行方は決まってるのがつまんなかったです。ジョー役はジェフリー・ディーン・モーガン。執念深い殺人鬼役だった「ノー・エスケープ」とは別人みたいな素敵熟年!いい男!ちょっとコリンに似てる?十数年後のコリン、あんな感じになりそう。キャサリン役のアビー・コーニッシュは、シャーリーズ・セロン+ニコール・キッドマンを骨太に頑強にした感じの美人。

↑ この頃のコリン、ほんと好き~コリンの新作“The Gentlemen ”は、マシュー・マコノヒー、チャーリー・ハナム、そしてヒュー・グラントが豪華共演するガイ・リッチー監督作品。楽しみ!
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