「彼が愛したケーキ職人」
ベルリンでカフェを経営するパティシエの青年トーマスは、妻子あるイスラエル人のオーレンと恋に落ちる。しかし、オーレンは帰国中に事故死。エルサレムに来たトーマスは、オーレンの妻アナトに近づくが…
最近は世界各国で意欲的な、社会派ドラマとしても人間ドラマとしてもラブストーリーとしても秀れたLGBT映画が製作されていますが、ライトなBL好きの腐女子にはちょっとしんどい作品も少なくない。腐が好きなのは、イケメン同士の萌える恋愛。ゲイの生きづらさ、彼らの暗くて重い現実を知りたいわけじゃないんです。この映画を観て、あらためてLGBT映画とBL映画って似て非なるもの、ということを思い知りました。腐にとってBLは甘美なファンタジー。そこに女は存在しないんです。存在してもいいけど、男たちの恋愛に絡むなど言語道断。女性も重要な存在になることには、どうしても抵抗感を覚えてしまいます。現実逃避できるファンタジーじゃなくなってしまう…
それにしても、この映画。男女の関係が私からすると不可解かつ気持ち悪くて、ファンタジーどころかホラーでした。アナトの自分から離れようとしていた夫の突然死に狼狽する女心、そんな自分を静かに支えてくれる寡黙でミステリアスな青年に心惹かれる女心は、よくある話ながらも嫌いじゃない題材なのですが、やっぱそっちよりも男同士の愛の機微や葛藤に重きを置いてほしかったです。喪失感や後悔に苛まれているトーマスとアナトが、しだいに距離を縮めて親愛感情を抱くようになる、という展開も優しくホロ苦くていい感じだったのに、ああ、ダメよダメダメ!(古っ)何でセックスまで発展するかなあ?
夫を失くしたばかりの女盛り未亡人アナトが、若い男にハアハアになるのは解かるけど、ゲイのトーマスが熟女とあんな簡単に寝るとか、ええ?!そんなんあり?!トーマスはバイセクシャルだったってこと?それまでのオーレンへの愛や追憶の切なさが、一瞬で崩壊しましたわ。あそこはやっぱ、ハアハア迫ってきたアナトを、やんわり拒絶して気まずくなりつつ、精神的な絆で結ばれた姉弟みたいな関係に落ち着く、が理想的でしたわ。トーマス、いったい何しにエルサレムまで来たんだよ?アナトには真実を告げようとする気振りはなかったし、あのままノンケとして平和に幸せに生きようとしたのなら、とんだ卑怯者です。そんなことができる心と体って不潔。甘美に哀切に描いたつもりだろうけど、かなり爛れた異常な男女関係でした。
トーマス役のティム・カルコフは、大柄で色白で真面目そう、といういうドイツ男のイメージ通りな風貌。イケメンなんだけど、一歩間違えればデブなガチムチ体型で、ケーキ職人というよりラグビー選手みたいだった。やたら裸になるシーンあり。ムッチムチマッチョです。M字髪が気になった。
トーマスが作るケーキやクッキーが美味しそうでした。黒い森の羊ケーキ、食べてみたくなりました。イスラエルの首都エルサレムが舞台の映画というのが珍しく、ユダヤ教の安息日などのしきたりや料理、飲食店の経営管理や外国人との関わりにおける禁止事項などが興味深かったです。イスラエルも昔から行ってみたい国のひとつ。トーマスに対するオーレンの兄の態度とか、イスラエル人にとってドイツ人は韓国における日本人、みたい感じなのでしょうか。
ベルリンでカフェを経営するパティシエの青年トーマスは、妻子あるイスラエル人のオーレンと恋に落ちる。しかし、オーレンは帰国中に事故死。エルサレムに来たトーマスは、オーレンの妻アナトに近づくが…
最近は世界各国で意欲的な、社会派ドラマとしても人間ドラマとしてもラブストーリーとしても秀れたLGBT映画が製作されていますが、ライトなBL好きの腐女子にはちょっとしんどい作品も少なくない。腐が好きなのは、イケメン同士の萌える恋愛。ゲイの生きづらさ、彼らの暗くて重い現実を知りたいわけじゃないんです。この映画を観て、あらためてLGBT映画とBL映画って似て非なるもの、ということを思い知りました。腐にとってBLは甘美なファンタジー。そこに女は存在しないんです。存在してもいいけど、男たちの恋愛に絡むなど言語道断。女性も重要な存在になることには、どうしても抵抗感を覚えてしまいます。現実逃避できるファンタジーじゃなくなってしまう…
それにしても、この映画。男女の関係が私からすると不可解かつ気持ち悪くて、ファンタジーどころかホラーでした。アナトの自分から離れようとしていた夫の突然死に狼狽する女心、そんな自分を静かに支えてくれる寡黙でミステリアスな青年に心惹かれる女心は、よくある話ながらも嫌いじゃない題材なのですが、やっぱそっちよりも男同士の愛の機微や葛藤に重きを置いてほしかったです。喪失感や後悔に苛まれているトーマスとアナトが、しだいに距離を縮めて親愛感情を抱くようになる、という展開も優しくホロ苦くていい感じだったのに、ああ、ダメよダメダメ!(古っ)何でセックスまで発展するかなあ?
夫を失くしたばかりの女盛り未亡人アナトが、若い男にハアハアになるのは解かるけど、ゲイのトーマスが熟女とあんな簡単に寝るとか、ええ?!そんなんあり?!トーマスはバイセクシャルだったってこと?それまでのオーレンへの愛や追憶の切なさが、一瞬で崩壊しましたわ。あそこはやっぱ、ハアハア迫ってきたアナトを、やんわり拒絶して気まずくなりつつ、精神的な絆で結ばれた姉弟みたいな関係に落ち着く、が理想的でしたわ。トーマス、いったい何しにエルサレムまで来たんだよ?アナトには真実を告げようとする気振りはなかったし、あのままノンケとして平和に幸せに生きようとしたのなら、とんだ卑怯者です。そんなことができる心と体って不潔。甘美に哀切に描いたつもりだろうけど、かなり爛れた異常な男女関係でした。
トーマス役のティム・カルコフは、大柄で色白で真面目そう、といういうドイツ男のイメージ通りな風貌。イケメンなんだけど、一歩間違えればデブなガチムチ体型で、ケーキ職人というよりラグビー選手みたいだった。やたら裸になるシーンあり。ムッチムチマッチョです。M字髪が気になった。
トーマスが作るケーキやクッキーが美味しそうでした。黒い森の羊ケーキ、食べてみたくなりました。イスラエルの首都エルサレムが舞台の映画というのが珍しく、ユダヤ教の安息日などのしきたりや料理、飲食店の経営管理や外国人との関わりにおける禁止事項などが興味深かったです。イスラエルも昔から行ってみたい国のひとつ。トーマスに対するオーレンの兄の態度とか、イスラエル人にとってドイツ人は韓国における日本人、みたい感じなのでしょうか。