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奥田英朗『邪魔』

2006-06-20 16:25:40 | ノンジャンル
 奥田英朗氏の「邪魔」を読みました。
 ある放火事件を捜査する若い刑事の行動を中心に、その刑事に放火の犯人と怪しまれている、放火当日現場の当直をしていた経理課長とその妻、放火時に若い刑事相手におやじ狩りをしようとした不良少年3人組、それに警察と放火された会社と関係する地元の暴力団、暴力団とつるむなど服務規程を破りクビ寸前の警官らが、放火の犯人探しの話にからんで、複数のドラマを形作って行きます。
 そうした中で、派閥にしばられ正当な捜査ができない警察内部の実情や、市民運動と悪徳企業の癒着、暴力団の凶暴さなどが描かれます。
 ドラマの展開のスピード、ドラマ自体の面白さ、登場人物の簡潔で適切な心理描写、どれをとっても一級品だと思いました。
 この小説はとても気に入ったので、「Favorite Novels」の「奥田英朗」の項に、細かいあらすじなどを載せました。興味のある方は、ご覧ください。