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デボラ・カーさん、亡くなる

2007-10-21 16:22:35 | ノンジャンル
 10月19日の朝日新聞の夕刊にアメリカ女優のデボラ・カーさんの死亡記事が載っていました。
 題名は「映画『王様と私』家庭教師演じる」というもので、記事は、「英国人女優、16日、死去、86才。英スコットランド生まれ。」代理人によると、最近はパーキンソン病を患っていたという。
 1950年代を中心に活躍。『地上(ここ)より永久に』(53年)でバート・ランカスター演じる軍曹と不倫の恋に落ちる人妻を熱演。『王様と私』(56年)でユル・ブリンナーの相手役をして、タイ王宮に来た絵異国人家庭教師アンナを演じて人気を博した。6回、アカデミー賞候補になったが、受賞は逃した。94年にアカデミー特別名誉賞を受けた。」というものです。
 英国女優と紹介されていますが、日本ではアメリカ映画の女優さんでした。デボラ・カーという名前から「王様と私」を先ず思い出す人というのはかなりの少数派だと思いますが、「地上より永久に」では、浜辺に波が寄せ来る中を肉体派のバート・ランカスターと抱き合ってキスするシーンが扇情的だとして、公開当時かなり話題になったようです。
 しかし、私がデボラ・カーのベスト作品を挙げるなら迷わず「めぐり逢い」を選ぶでしょう。レオ・マッケリー監督の'57年の作品です。内容は、船で知り合ったケーリー・グラントとデボラ・カーはエンパイア・ステートビルの展望台でデートをし、1年後もまだ愛しあっていたら、同じ日の同じ時間にここでまた会う約束をして別れます。そして一年後。ケーリー・グラントは早めに着きますが、デボラ・カーは時間ぎりぎりになって急ぎ、エンパイヤ・ステートビルを見上げながら道路を横断して、車に轢かれます。グラントは彼女は心変わりしたのだと思い、彼女を忘れようとします。カーは事故で下半身マヒになり車椅子の生活を余儀無くされ、彼の負担になるのが嫌でひっそりと隠れて生活します。そしてある日、グラントは街中の画廊で、カーの自画像を発見し、画廊の主人に彼女の住所を聞き、訪ねて行きます。グラントはカーの心変わりをなじりますが、カーはソファーに座ってマヒであることを隠し、理屈をつけて彼を追い返そうとします。が、グラントはカーテンの裏に隠された車椅子を発見し、彼女がまだ彼のことを愛しているのを知り、彼女も彼の愛を受け入れる決心をします、という話です。
 知る人ぞ知る名作ですが、この映画を語らずしてデボラ・カーを語ることはできないでしょう。控えめでしかし強い意思を感じさせ、美しいデボラ・カーさんは本当に素晴らしい女優でした。彼女の素晴らしさは永遠にフィルムの中で生き続けてくれる事でしょう。御冥福を心よりお祈りいたします。