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チャールズ・チャップリン監督『殺人狂時代』その3

2014-04-12 07:05:00 | ノンジャンル
 昨日、六本木のサントリー美術館で行なわれている『のぞいてびっくり 江戸絵画』と、新宿高島屋で行なわれている『円谷英二 特撮の軌跡展』を見に行ってきました。前者では司馬江漢が1793年頃に描いた『地球全図』(ほとんど今の世界地図と変わりない)に圧倒され、後者では、怪獣映画や『ウルトラ』シリーズの雰囲気を十分に味わえた上、円谷英二が53歳で初の本格的な特撮怪獣映画『ゴジラ』に携わり、62歳で円谷プロを設立、『ウルトラQ』の時には既に63歳になっていたことを初めて知りました。(亡くなったのはその5年後です。)前者は5月11日まで(火休)、後者は来週の月曜日までやっています。

 さて、また昨日の続きです。
 列車の中で手錠をしてアンリの隣に座った刑事は、やがて眠ってしまいます。手錠を外して、刑事の財布の中身を改め、1人で列車を降りるアンリ。“モロー刑事、列車内で心臓マヒのため死去”の新聞記事。路上で若い女性と再会したアンリは、女性からマネージャーを探していると言われますが、知らないと言い、金を握らせて、(路上で男に声をかける)仕事を続けたまえ、と冷たく言い放ち、バスに乗って去ります。
 “脱色剤”と書かれた瓶に毒を入れるアンリ。アナベラから電話がかかると、瓶にキスします。車輪。
 アナベラを家に訪ねると、アナベラは家の名義を自分に戻したいと言い、アンリはメイドに休暇を与え、月曜まで2人だけで過ごそうと言います。髪の脱色に使おうとして、アンリの“脱色剤”の瓶から無断で液体をもらったメイドは、うっかりして瓶を割ってしまい、棚にあった同じ瓶にすり替えます。知らずに普通の脱色剤をワインに入れて、アナベラに飲ましたアンリは、医師に言われていると言って自分は別のワインを飲みます。盆が回転し、うっかりしてアナベラのワインを飲んだと分かったアンリは、「毒を飲んだ」と言って大騒ぎし、そこに現れたメイドは髪の毛が抜けてしまっていました。やって来た医者はアンリに、胃ポンプをしたので、2、3日薬を飲んでおけば大丈夫と言い、アナベラにも田舎で静養することを勧めます。田舎に行き、湖にボートで漕ぎ出すアンリとアナベラ。アナベラが大物を釣って船が揺れ、クロロホルムを嗅がせようとしたアンリは倒れてしまい、自分が嗅いでフラフラになります。次に、錨のついた首縄をアナベラにかけると、ヨーデルの声が聞こえ、望遠鏡で見られているのを知り、アナベラを溺死させることも断念します。
 グロネイ夫人に花束が届けられ、夫人は友人に、私を付け回している妙な男から贈られているのだと言います。花屋の電話をかりて、グロネイ夫人を口説くアンリ。その情熱的な言葉を聞いて、当てられる花屋の若い女性。アンリは夫人宅を訪れ、直接口説くと、次の場面は2人の結婚式の場面になります。夫人の友人の友人ということで、そこに現れるアナベラ。彼女の声に気付き、姿を隠すアンリ。結局、アンリは結婚式場から逃げ出します。
 グロネイ夫人が警察に行くと、刑事はそれは名前をいくつも持つアンリの仕業だと断定し、セルマの家族も呼ばれます。夫人はアンリが自分の職業は探検家と言っていたと言いますが、彼が所属していると言っていた協会は実在していませんでした。彼らはマスコミに知られずに彼を探すことにします。
 “株の暴落続く”の新聞記事。混乱する証券取引所。“銀行に取り付け起こる”の新聞記事。銀行に対する暴動。拳銃自殺や飛び降り自殺する人。アンリは、奥さんと子供を守るために家と土地は処分されたとの電話を受け、証券会社に電話をすると、自分が破産したことを知らされます。呆然とするアンリ。“欧州に危機迫る”の新聞記事。広場を埋め尽くす群衆。演説するムッソリーニ、ヒトラー。歓談する2人。ナチスの軍隊の行進。“ナチ空軍の爆撃、スペイン人民を殺戮”の新聞記事。その新聞を読み終わったアンリがカフェテラスから歩き始めると、高級車の後部座席から、以前助けた若い女性が声をかけてきます。車に乗り込むアンリ。彼女は今日は私が食事をおごると言い、あなたの家具店にも行ったが会えなかったと言います。アンリはやっと彼女のことを思い出しますが、彼女が現在、軍需産業の社長と付き合っていると聞くと、「今、一番稼げる商売だな」と皮肉を言います。レストランで女性は「会いたかった。今の私があるのは、あなたの親切のおかげ。社長は親切で心は広いけど、事業には厳しい」と言い、愛について語ると、アンリも「誰にも愛は必要」と同意し、女性から「ずいぶん弱気になったのね」と言われます。アンリは「戦うものがなくなった。暴落の後、妻と子を亡くした。家族を失って、夢から覚めた。以前は毎日が単調な銀行員で、他人の金を数えていたが、不況で職を失い、その後は混乱と悪夢の連続だった。失意は麻薬と同じで、心をマヒさせる」と語ります。女性が「運命に従って生きていくのよ」と言うと、「運命ね」と言ってアンリは笑います。そこへセルマの家族が2人やって来て、アンリを見つけ、警察に通報されます。アンリは女性と別れ、もらった名刺を破くと、一時は逃げようとしますが、最後は自分から警察に捕まります。車輪。(また明日へ続きます‥‥)

 →「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/