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チャールズ・チャップリン監督『モダン・タイムス』その6

2014-04-20 06:24:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 「指名手配、浮浪罪、少年鑑別所より逃亡の容疑によって」と書かれ、娘の写真が貼られた書類。刑事はそれを持って警察を出発する。“その夜”。ウエイターとして食事をお盆で運んでいて、客の犬のリードが足に絡まり倒れるが、お盆の食事はこぼさないチャーリー。「もう1時間もローストダックを待ってる」と言って怒る客。チャーリーは上司に叱られ、腹いせに調理場との間の出口の扉を蹴とばすと、向こうにいたウェイターが倒れ、食事を体に浴びる。チャーリーはその場を離れ、別のウエイターが入口から調理場に入っていくと、倒された男とケンカになる。それを横目に調理場に新たな注文を出すチャーリー。チャーリーはローストダックをお盆に乗せてフロアに出ていくが、ちょうどダンスタイムとなり、人込みにもまれ右往左往し、お盆を高く差し出す。やがてローストダックが天井の飾りにひっかかり、客に届けた時には皿が空になっている。不思議がるチャーリー。上司が飾りにかかった紙テープを引っ張ると、チャーリーの皿の上にローストダックが落ちて来る。やっとロースト・ダックを客に届け、それを切ると、滑ってローストダックが丸ごと飛んでいってしまい、酔ったラグビーチームの男がそれをラグビーボールに見立てて手にし、チャーリーから逃げる。チャーリーはパスカットし、ラグビーチームの男たちのタックルを次々とかわし、客の手に渡す。控え室に戻ると、店主は「歌は唄えるんだろうな」と言い、チャーリーは歌詞カードを見直す。ファンファーレが鳴り、照明が落ち、4人組のウエイターがフロアに現れ、見事な合唱をする。娘がチャーリーの許に来て「歌を練習しましょう」と言うが、チャーリーは踊り始めてもなかなか歌詞が出てこない。「歌詞を忘れた」と言うチャーリーに「カフスに書いてあげるわ」と言う娘。“老紳士が美しい娘を車に乗せ、娘が男のダイヤの指環を見て‥‥”。カフスを見ながら、パントマイムのフリをつけて歌うチャーリーに、拍手する娘。店主に呼ばれ、ファンファーレが聞こえる中、娘と握手してフロアに向かうチャーリー。序奏の踊りでカフスを飛ばしてしまい、歌いだそうとしてそれに気づき、序奏の踊りを続けながら周りを探すチャーリー。カフスが無いことを娘に示すと、娘は「唄うのよ! ! 何でもいいから」と言う。客からのブーイングを手で抑えて、いいかげんな言葉でパントマイムのフリをつけながら唄うと、客は笑い出し、拍手する。控え室にチャーリーが帰ってくると娘が抱きつく。店主はアンコールの挨拶をチャーリーにさせた後、チャーリーと握手し、肩を叩き、「素晴らしい! 採用しよう」と言ってくれる。次に娘の出番となるが、すぐに客として来ていた刑事が娘の腕を掴む。容疑の話をする刑事。泣き出してチャーリーに抱きつく娘。チャーリーと娘は部屋に逃げ込み、そこに押し入ってきた刑事と入れ替わり、チャーリーは椅子を倒してバリケードを作りながら逃げる。
 “夜が明けて”。田舎の一本道。道端に座る2人(『スマイル』の調べ)。荷物を布に包んだ娘は宙を見つめ、やがて傍らの石に腕を置き、そこに顔をうずめて泣き出す。それに気づいたチャーリーは、彼女の両腕を持って顔を上げさせる。娘は「いくら努力してもムダだわ」と言うが、チャーリーは自分の胸を叩いて「へこたれないで。元気を出して。運は開ける!」と言い、拳を握り、励ます。やがて娘も拳を握り、力強く声を出すと、チャーリーは微笑み、娘の手を取って立ち上がる。2人は手を結んで歩き始めるが、チャーリーは娘が硬い表情なのを見て立ち止まり、微笑むように言う。娘が微笑むと、それでいいと言い、2人は微笑んだまま歩き出す。山へと向かう1本道を2人が歩いていく姿が逆光で映され、フェイドアウトして「The End」の字幕となり、それも暗転し、やがて『スマイル』の音楽が終わる。

 この映画は私が子供の頃、父が日比谷まで車を運転して連れていって見せてくれた映画で、私が映画狂になるきっかけとなった映画です。前作の『街の灯』に比べ、カット数が多く、台詞や状況はすべて字幕で示されているものの、バックに流れる音楽や音響効果については全てトーキーとなっています。改めてチャプリンの音楽の才能に触れることができる作品でもありました。

 →「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/