11月4日の朝日新聞の朝刊3面に、上記のような題の記事が載っていたので、そのままこちらに転載させていただきます。
責任銀行原則に日本で最初に賛同した三井住友トラスト・ホールディングスの大久保哲夫社長に、本紙SDGsプロジェクトのエグゼクティブ・ディレクター、国谷裕子さんが聞いた。
国谷 責任銀行原則で何が変わりますか。
大久保 銀行と取引先の企業、双方の意識が変わります。企業は社会の一員であり、社会の土台にあるのは環境です。収益だけでなく、社会や環境に良いインパクトをもたらすことが企業価値の向上に結びつくとの意識が高まり、それを銀行がサポートすることになります。
国谷 銀行はバブル期に過剰融資をし、バブル崩壊後には貸しはがしや貸し渋りに走りました。マネー資本主義を改め、社会に価値を創造する融資ができるのでしょうか。
大久保 銀行は本来、日本の産業と経済をサポートする黒衣です。それが表舞台で収益を稼ぐ活動に過度に走ったことでバランスが崩れた時期もありました。我々の意識の根底に元々あるものを整理し直し、持続可能な社会を実現する黒衣の役割を果たします。
国谷 (三井住友トラストは)石炭火力発電への新規融資は原則として行わない、としながらも、例外もあるとしていて歯切れがよくありません。新たに建設されれば何十年も使われることになり、地球環境に大きな影響を与えます。
大久保 以前から進めていた案件は検討を続けています。二酸化炭素の排出を抑える高度な技術や開発途上国における電力の安定供給を考えると、石炭は完全に否定できません。ただ、気候変動の影響は明らかですから原則として新規融資はしませんし、例外を広げようとも思っていません。
国谷 脱炭素が進めば資産だったものが負債に変わる、いわゆる「座礁資産」となる可能性があります。
大久保 銀行ごとに座礁資産への考え方が異なるのは好ましくないので、知見を集める必要があります。当社なりのリスクの捉え方も考えていきます。
国谷 融資先のサプライチェーン(供給網)管理にはどこまで踏み込みますか。調達先が技能実習生を劣悪な環境で働かせている例もあります。
大久保 企業にはサプライチェーンをサステイナブル(持続可能)な目線で見ていただきたい。企業価値の維持向上のためにコンサルティングやサポートをしていきます。
国谷 SDGsはきれいごとだと言う方もいます。融資先との関わりのなかで、どのような力になると思いますか。
大久保 意見の対立が起きる場面では常に立ち戻ることです。バックボーンができたという、大きな意味を持つものだと思います。
以上が記事全文でした。とても希望の持てる記事だと思いました。
→サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
責任銀行原則に日本で最初に賛同した三井住友トラスト・ホールディングスの大久保哲夫社長に、本紙SDGsプロジェクトのエグゼクティブ・ディレクター、国谷裕子さんが聞いた。
国谷 責任銀行原則で何が変わりますか。
大久保 銀行と取引先の企業、双方の意識が変わります。企業は社会の一員であり、社会の土台にあるのは環境です。収益だけでなく、社会や環境に良いインパクトをもたらすことが企業価値の向上に結びつくとの意識が高まり、それを銀行がサポートすることになります。
国谷 銀行はバブル期に過剰融資をし、バブル崩壊後には貸しはがしや貸し渋りに走りました。マネー資本主義を改め、社会に価値を創造する融資ができるのでしょうか。
大久保 銀行は本来、日本の産業と経済をサポートする黒衣です。それが表舞台で収益を稼ぐ活動に過度に走ったことでバランスが崩れた時期もありました。我々の意識の根底に元々あるものを整理し直し、持続可能な社会を実現する黒衣の役割を果たします。
国谷 (三井住友トラストは)石炭火力発電への新規融資は原則として行わない、としながらも、例外もあるとしていて歯切れがよくありません。新たに建設されれば何十年も使われることになり、地球環境に大きな影響を与えます。
大久保 以前から進めていた案件は検討を続けています。二酸化炭素の排出を抑える高度な技術や開発途上国における電力の安定供給を考えると、石炭は完全に否定できません。ただ、気候変動の影響は明らかですから原則として新規融資はしませんし、例外を広げようとも思っていません。
国谷 脱炭素が進めば資産だったものが負債に変わる、いわゆる「座礁資産」となる可能性があります。
大久保 銀行ごとに座礁資産への考え方が異なるのは好ましくないので、知見を集める必要があります。当社なりのリスクの捉え方も考えていきます。
国谷 融資先のサプライチェーン(供給網)管理にはどこまで踏み込みますか。調達先が技能実習生を劣悪な環境で働かせている例もあります。
大久保 企業にはサプライチェーンをサステイナブル(持続可能)な目線で見ていただきたい。企業価値の維持向上のためにコンサルティングやサポートをしていきます。
国谷 SDGsはきれいごとだと言う方もいます。融資先との関わりのなかで、どのような力になると思いますか。
大久保 意見の対立が起きる場面では常に立ち戻ることです。バックボーンができたという、大きな意味を持つものだと思います。
以上が記事全文でした。とても希望の持てる記事だと思いました。
→サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)