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ハワード・ホークス監督『ピラミッド』

2020-08-04 07:07:00 | ノンジャンル
 DVDで、ハワード・ホークス監督・製作の1955年作品『ピラミッド』を観ました。山田宏一さんの『ハワード・ホークス映画読本』から一部転載させていただくと、

 この映画については、1987年9月に個展のため来日した美術監督のアレクサンドル・トローネルにインタビューしたときに、ちょっと聞いてみた。
━━『ピラミッド』の美術監督の仕事はハワード・ホークス監督からの依頼だったのですか。
トローネル そうです。ハワード・ホークスから話があって、わたしはふたつ返事でひきうけました。ホークスの映画は大好きでしたから。そして本人に会って、さらに好きになりました。映画づくりをたのしむ天才と言っていいでしょう。演出の面ばかりでなく、すべての面に配慮を怠らなかった監督です。
━━『ピラミッド』の忘れがたいラストシーン、砂がこぼれて石と石とのあいだを埋めて出口をふさいでしまうピラミッド構築の仕掛けを考えたのは、シナリオライターの一人であった作家のウィリアム・フォークナーでしょうか。息を呑む見事な仕掛けでした。
トローネル いや、ウィリアム・フォークナーは酒ばかり飲んでいて、何もしていなかったと思います。もう一人のシナリオライターがいたでしょう。ハリー・カーニッツという人が。彼がホークスにつきっきりでシナリオを書き、撮影中も手直しをしていました。フォークナーはむしろ名前だけの飾りもののような存在でした。飲んで酔っぱらって、「古代エジプトの人間の立居振舞や話しかたなんて、わたしらにわかるもんかね」なんて言ってましたよ。すべてはホークスのアイデアです。直接にはシナリオを書かないというだけで、すべては彼が考えだしたことです。映画全体がホークスの世界ですよ。

『ピラミッド』のラストの、映画ならではのすばらしい仕掛けとともに、半裸の美しい悪女ジョーン・コリンズが、舌を切られた僧侶たちとともに、生き埋めにされるのだ。

 エキストラを9787人の使ったモブシーンが見ごたえ満点の映画でした。

 →サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto