リンカーン演説:「人民の…」150年式典 数千人が参加
毎日新聞 2013年11月20日
【ゲティズバーグ(米東部ペンシルベニア州)西田進一郎】
「人民の、人民による、人民のための政治」と いう有名な一節で知られるリンカーン元大統領のゲティズバーグ演説から150年を記念する式典が19日、ゲティズバーグ国立軍事公園で開かれた。数千人の 参加者は、民主政治の原則を示した演説を改めてたたえた。
演説は、南北戦争中の1863年11月19日、大激戦地のゲティズバーグに造った国立戦没者墓地の開所 式で行われた。わずか272語で演説時間も約2分間だが、米国が自由と平等の原則でつくられていることを強調し、民主政治を守るため身をささげる決意を示 した。民主政治のくだりは日本国憲法前文にも反映されている。
式典では、トム・コルベット州知事が「リンカーンは演説の言葉を我々の胸にも刻んだ」と語り、サリー・ ジュエル内務長官も「彼の言葉は米国人とは何かを伝えるものだ」とあいさつした。元大統領そっくりの役者、ジェームズ・ゲッティさんが演説を再現すると大 きな拍手がわいた。
4人の子供と参加したクリスティン・チャペルさん(41)は「歴史的な演説で、子供たちにも理解しても らうために来た」と話した。リンカーンの装いで参加したジョン・ボールさん(62)は「『すべての人間は平等につくられている』と記した独立宣言の理想を 追求した姿勢が演説に表れている」と語り、他の参加者からの撮影依頼に応えていた。