3閣僚 白紙領収書認める
菅官房長官・稲田防衛相・高市総務相 開き直り “規正法の根幹揺らぐ”小池書記局長が批判
参院予算委
日本共産党の小池晃書記局長は6日の参院予算委員会で質疑に立ち、安倍内閣の閣僚による「白紙領収書」問題や年金積立金の巨額損失、社会保障の大改悪、「働き方改革」を取り上げました。政治腐敗を根絶し、国民の命と暮らしを守る対案を示しながら、安倍内閣の姿勢をただす質問に対し、「よくぞ取り上げてくれた」「素晴らしい質問だった」などの反響が寄せられました。
小池氏は、菅義偉(すがよしひで)官房長官、稲田朋美(いなだともみ)防衛相、高市早苗(たかいちさなえ)総務相が自民党議員らの政治資金パーティー券代を支払った際、白紙の領収書をもらい自分たちで金額などを書き込んでいたことを明らかにし、政治資金規正法の根幹を揺るがす重大問題だとして追及しました。3閣僚は、自らの事務所で金額を書き込んだことを認めたものの、「パーティー主催者の委託をうけており、問題ない」と開き直りました。
小池氏は「赤旗」日曜版編集部が依頼した領収書の筆跡鑑定をもとに、菅氏の資金管理団体「横浜政経懇話会」の収支報告書に添付されたパーティー券購入の領収書に、金額欄の筆跡が同じものが2012年から14年の3年間で合計約270枚、約1875万円分あると告発。稲田氏については、同氏の資金管理団体「ともみ組」も3年間で約260枚、約520万円分の領収書が同じ筆跡だと述べました。政治資金の所管大臣である高市氏が代表の自民党支部も3年間で約340枚、約990万円分の領収書で同様の疑いがあります。
政治資金規正法第11条は、「当該支出の目的、金額及び年月日を記載した領収書」の徴収を義務付けています。小池氏は、白紙で発行されたものは、規正法が義務付ける領収書にあたらないと指摘し「金額が正しいことをどう証明するのか」と追及しました。
菅氏、稲田氏、高市氏はいずれも「(パーティー主催者が)金額を確認して記入していては、パーティーの開始が遅れる」などと説明。「パーティー主催者の委託をうけて金額を書き込んでいるからなんら問題ない」とし、自民党内で白紙領収書のやりとりが常態化していることについて開き直りました。
小池氏は「委託があったら金額をあとで書いていいと言ったら、中小企業の社長さんはびっくりだ」「規正法の根幹が、がたがたになっている」と厳しく批判しました。
菅氏の資金管理団体は14年に政治資金パーティーで2952万円を集め、そこから1369万円をパーティー券などの会費として支出しています。小池氏は「企業・団体にパーティー券を売って、そのお金で(同僚議員の)パーティー券を買う。そうして政治力を強めることをしてきた。パーティー券を含めて企業・団体献金を禁止すべきだ」と強調しました。
白紙領収書閣僚 苦しい答弁
小池氏が切り込む
閣僚を含む自民党の国会議員に相次いで発覚する白紙領収書疑惑。日本共産党の小池晃議員が6日の参院予算委員会で切り込みました。閣僚の苦しい言い逃れに、委員会室から失笑がもれました。
稲田氏「『赤旗』の指摘受け検討する」
菅長官「金額書くとパーティー混乱」
高市氏「発行者側の作成法規定ない」
金額などが同じ筆跡の領収書が3年間で約260枚、約520万円分あった稲田朋美防衛相。2009年11月の衆院法務委員会では「政治資金規正法の趣旨を理解せずに何が議会制民主主義ですか」と発言していました。
小池 こんな領収書を出しておいて何が民主主義か。
稲田 小池委員や「赤旗」で指摘されたことを受けてこれからどういったかたちができるか検討していく。
小池 (白紙領収書の記入が)まずいということを認めていることになる。語るに落ちたということだ。
疑惑は安倍政権の中枢にまでおよびます。菅義偉官房長官の政治団体にも、3年間で約270枚、約1875万円分の同じ筆跡の領収書が。小池氏の追及に、菅氏は白紙の領収書に菅氏側で金額を記載した事実を認めました。
菅 受付で宛名と金額を記載すると混乱する。パーティーの円滑な運営に大きな支障をきたす。
小池 翌日、議員会館を回って領収書を配ればいいではないか。
菅氏は、パーティーの主催者と参加者の間に面識があり、主催者の了解を受けて領収書に全額を記入しているので「水増しは一切行われていない」「合法だ」と強弁。小池氏は「面識があればいいというなら、中小企業の社長はみんな取引先と面識がある。民間では到底通用しない話だ」と述べました。
政治資金を所管する高市早苗総務相は「法律上、発行者側の領収書作成法が規定されていないことから、問題は生じない」などと必死に白紙領収書問題を擁護しました。
小池氏は「総務省政治資金課の手引には“後から追記してはいけない”と書いてある」と指摘。高市氏が他の自民党議員から受け取ったパーティー券代の領収書の写しを提示しました。
小池 なぜこういう答弁をするかわかる。高市氏も同じことをしているからだ。
質問が終わると、委員会室は野党側の席から大きな拍手が起こりました。