韓国国情院
派遣された北朝鮮軍の死傷者3千人…トランプ氏、朝米対話進める見通し
韓国国家情報院は13日、ドナルド・トランプ次期米大統領が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記兼国務委員長との対話を通じて、核凍結など「スモールディール」(小規模交渉)に乗り出す可能性があるとの見通しを示した。さらに、ロシアに派遣された北朝鮮軍の被害規模は、死亡300人余り、負傷2700人余りに達すると推算した。
国情院は同日、国会情報委員会の全体会議で「トランプ氏自らが過去、金正恩(国務委員長)との首脳会談の成功を第1期の代表的な成果と認識しており、金正恩との対話を進める可能性がある」とし、「短期間内に北朝鮮の完全非核化の達成が難しいと判断した場合、核凍結と軍縮のような小規模のスモールディールもあり得る」と報告した。情報委の野党幹事パク・ソンウォン議員(共に民主党)が伝えた。
国情院はまた、北朝鮮は当分の間ロシアに追加の支援と派兵を通じた経済的見返りの確保に邁進する一方、今年上半期中に金正恩委員長のロシア訪問を進めるかどうかを決めると予想した。
さらに、ロシアに派遣された北朝鮮軍と関連し、「派兵軍の交戦参加地域がクルスク全域に拡大している」とし、「被害規模は死亡300人余り、負傷2700人余りで、死傷者が3000人余りを越えたと推算している」と、情報委の与党幹事のイ・ソングォン議員(国民の力)が伝えた。北朝鮮が昨年10月からロシアを支援するために兵力約1万1000人を派遣したとみられているだけに、すでに兵力の約4分の1が死傷したわけだ。国情院側は、無意味な遠距離ドローン照準射撃と、後方の火力支援のない突撃戦術など、現代戦に対する理解不足とロシア側の北朝鮮軍の活用方式が結果的に大規模な死傷者を発生させる主な原因となったと分析した。
また、「戦死者のメモに、北朝鮮当局が捕虜になる前に自爆と自決を強要するとの内容がある」とし、「最近、(ウクライナ軍に)捕まりそうになった北朝鮮兵1人が、『金正恩将軍』を叫びながら手榴弾を取り出し、自爆を試みて射殺された事実も確認された」とも伝えた。
ウクライナ軍が9日に捕虜にした北朝鮮兵2人については、「彼らは偵察総局所属の戦闘員2500人が派遣される際、一緒に派兵されたことが確認された」とし、「北朝鮮当局は派兵の給与に対する約束もなく、『英雄』として待遇するという公示を受けたと供述した」と伝えた。
さらに、「北朝鮮当局が口を閉ざしているにもかかわらず、北朝鮮内部に派兵の噂が密かに広がっている中、派兵軍の家族は『奴隷兵』『大砲飯』(弾よけ)という自嘲と心配、恐怖を訴え、(一方)直接的な利害関係がない人々はロシアからの支援と民生改善を期待する相反する反応が観察された」とし、「北朝鮮当局が派兵軍の家族に食糧、生活必需品など物質的補償を提供した情況もあった」と補足した。