大橋みつるの平和ト-ク・・世直しご一緒に!

世界の変化を見ながら世直し提言
朝鮮・韓国・中国・ロシアとの友好促進
日本語版新聞紹介

文部科学省は、教育に不当介入してはなりません・

2011-09-17 | ちょっと気になるマスコミ報道

育鵬社不採択は「有効」

八重山教科書問題 沖縄県教育長が

見解


 沖縄・八重山地区の中学校「公民」教科書採択をめぐる問題で、沖縄県教育庁の大城浩教育長は16日記者会見し、石垣、竹富、与那国の3市町の全教 育委員が集まり、育鵬社版を不採択と

し、東京書籍版を採択した8日の協議について「協議の場として成立している。採決の状況については有効と捉えている」 と話し、同協議を無効とした中川正春文部科学相と異なる見解を示しまし

た。

 石垣市、与那国町の両教育長が同協議の無効を訴えていることについては、「教科書は教育委員会の事項。教育委員会は一義的には教育委員長が責任を 有しており、(両教育長の訴えは)不

適切だ」と批判。両教育長の主張を根拠に協議を無効と判断した中川文科相の発言には「いささか困惑している」と不快感 を示しました。

 3市町の教育委員長は15日、連名で8日の協議の正当性を訴える文書を国、県に送付。大城教育長は「状況は異なってきているかもしれない」と文科相の判断が変化する可能性を指摘しまし

た。

 今後の対応については、「採択権を重視しながら」3教委に助言を続けるとしました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

民団ホームページより

2011-09-17 | 日本と韓国・朝鮮・中国との友好

済州《当確》あと一歩…電話投票在日の追い込みに期待

東京・大阪で初の海外公演を行った耽羅文化祭
タッチスクリーンで済州島に投票した李明博大統領

「世界7大自然景観」選定締め切り2カ月切る

  世界7大自然景観を決めるイベントの投票締切(11月10日)まで2カ月を切った。済州島・新世界7不思議自然版選定日本地域推進委員会の呉賛益委員長 は、在日同胞はもちろん、日本人にも電話投票を呼びかけるなど、最後の追い込みに奔走している。結果は、締切翌日の11月11日に発表される。

 スイスの非営利財団ニューセブンワンダーズ基金が選定する世界で最も美しい7大自然景観の最終候補に残ったのは、済州島をはじめ、ベトナムのハロン湾、エクアドルのガラパゴス、米国のグランドキャニオンなど28カ所。このうち7カ所が最終的に選ばれる。

 世界遺産などに登録されたところばかりで、いずれも甲乙つけがたく、激烈な競争が続いている。

 済州島の場合、主催者が挙げた島・滝・火山など8項目の自然要素をすべてそろえた唯一の候補地であるばかりでなく、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保護地域と世界自然遺産、世界ジオパークの3冠に、世界で唯一認定されている点、評価が高い。

  日本地域担当の呉委員長は、全国の民団で開催された第66回光復節行事をはじめ、50回記念で初めて海外(東京・大阪)で開かれた耽羅文化祭などさまざま なイベント会場で電話投票を実施してきた。FM世田谷放送など地域のマスコミにも出演し、日本人にも協力を呼びかけた。

 今月下旬に韓国で実施される婦人会(余玉善会長)本国研修会では、女優で広報名誉大使団長の高斗心さんとともに全国の婦人会会員に投票を依頼する。呉委員長は「民団および各傘下団体の底力を示すチャンスだ」と強調する。

  韓国でも官民をあげて電話投票を呼びかけている。7日に光州で開催された「地域発展週間行事」に出席した李明博大統領は済州道広報館を訪ね、タッチスク リーンを通じて投票に参加した。李大統領の「済州は何番目ぐらい」との質問に、済州道の禹瑾敏知事は「現在、5、6位あたり」と予想した。

 済州観光公社によると、今年、済州道を訪れた外国人観光客は8月末現在、前年比16%増の約58万人で、7月の12万人超は月間新記録となった。7大自然景観の候補地にノミネートされたことによる観光客誘致効果のあらわれと見られている。

  呉委員長は「広報活動を通じて済州の魅力を多くの人に語ってきた。ぎりぎりの競争が予想されるので、最後の追い込みに向けて全力を尽くしたい。電話は何度 でも可能なので、協力をお願いしたい。成功すれば、世界的な観光地として位置づけられるため、韓国の新しい観光文化を誕生させることになる」と期待感を込 めた。

 問い合わせは、済州・新世界7不思議自然版選定日本地域推進委員会(℡03・3834・0491)。

■□
電話投票方法

①国際電話番号(010など)+44+75+890+012+90 をダイアル
②英語の案内終了後に「ピー」の音が聞こえたら、済州コード「7715」を入力

(2011.9.14 民団新聞)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

勿論留学生も無料なのでしょうね!

2011-09-17 | 市民のくらしのなかで

独 大学授業料 廃止

16州のうち14州へ

“不公正広げない”


 ドイツで大学授業料廃止の動きが強まり、13日までにドイツ全16州のうち14州で廃止ないしは、これから廃止の方針を持つことになりました。

 2月にノルトラインウェストファーレン州議会が今年の冬学期(9月から翌年3月)から廃止を決めたのをはじめ、4月にはバーデン・ビュルテンベルク州で新たに与党となった90年連合・緑の党と

社会民主党が2012年から廃止することを政策合意に盛り込みました。

 13日にはハンブルク特別市で同市の与党、社会民主党が12年冬学期からの廃止を決定し、ドイツの全16州のうち、大学授業料が残るのはバイエルン州とニーダーザクセン州の二つになりま

した。

 背景には、この間続いてきた州議会選挙で、国政与党の保守系会派が多くの州で敗北し続ける一方、国政野党で革新的な政策を掲げる傾向のある緑の党、社民党、左翼党が伸長していること

があります。

 ドイツの大学は06年までは、全国で無料でした。ところが、05年に連邦憲法裁判所が、学費徴収を全国一律に禁じる法律を無効とし、授業料を徴収するかどうかは16の州・特別市の判断に任さ

れました。

 このため、保守のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)や自由市場に重きを置く自由民主党(FDP)が与党となっている州では、相次いで一学期(半年)に375~650ユーロ(4万~7万円)の

大学授業料徴収を開始。徴収する州の数は一時、8州になりました。

 北ドイツ放送(NDR)によると、13日、大学授業料廃止の方針を決めたハンブルク市社民党のシュターペルフェルト科学教育相は、「大学授業料は社会的な不公正を広げるものであり、大学に

(貧富の格差による)障害を設けてはならない」と語りました。 (片岡正明)

図

 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アメリカは、経済が破壊し15.1%が年171万円以下、医療保険未加入16.3%

2011-09-15 | 市民のくらしのなかで

米国:貧困層が過去最多の4618万人 失業率も高止まり

 【ワシントン古本陽荘】

 米国で昨年、「貧困層」に分類される国民が、過去最多の4618万人(前年比261万1000人増)に上ったことが、13 日に発表された商務省統計局の調査で明らかになった。人口比では全体の

15.1%(同0.8ポイント増)。金融危機以降の景気対策にもかかわらず、米国の 失業率は9%台に高止まりしたままで、米国民の生活実態が厳しさを増していることが改めて裏付けられた。

 調査開始は1959年。今回の調査では、平均的な4人家族の場合は年収が2万2314ドル(約171万円)以下などの世帯を「貧困層」と定義し た。約4割にあたる1907万2000人は南部に集

中していた。また、医療保険に加入していない国民が4990万400人で全体の16.3%に上ることも 判明した。

 オバマ政権は新たな景気対策の実施に理解を求めているが、増税を伴う景気対策に下院多数派の共和党は反対しており、状況改善の見通しは立っていない。

 

<資生堂>中国国内向けサイト開設 新ブランドをネット通販


毎日新聞 9月14日(水)20時23分配信

 【上海・隅俊之】中国事業を始めて今年で30周年となる資生堂の末川久幸社長は14日、上海市内で記者会見し、中国国内向けにインターネットの専用サイトを開設し、15日から新開発ブラン
ド「ピュア マイルド ソワ」のネット通販を始めると発表した。

 同社の中国での売り上げは年間約810億円で全体の1割強。専門店も中国全土で5200店舗を数える。末川社長は今後の中国市場が「まだまだ堅調に伸びていく」との見通しを示した上で、
中国での売り上げについて年15%以上の伸びを目指す考えを示した。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

行き詰った菅政権のどこを直すのか、同じならすぐ行き詰るのは当然!

2011-09-14 | 市民のくらしのなかで

臨時国会開会 野田首相が所信表明

原発「再稼働」、増税打ち出す

新基地建設・TPPも推進


 178回臨時国会が13日、召集され、野田佳彦首相が衆参本会議で自身の基本姿勢を示す所信表明演説を行いました。与党は、予算委員会の開会を求める野党の反対を押し切り、会期をわずか4日間とすることを賛成多数で決めました。

 野田首相は、東日本大震災からの復旧・復興について課題を並べるだけで具体的対策は示さない一方、復興特区制度を早急に具体化すると述べました。

 原発政策については、「『脱原発』と『推進』という二項対立でとらえるのは不毛」として、「定期検査後の再稼働を進める」と表明。まともな安全対策もないまま再稼働にふみきる構えです。

 復興財源については、「今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合う」として、増税でまかなう考えを表明。「税と社会保障の一体改革」の名で10%を狙う消費税増税について「次期通常国会への法案提出をめざす」と強調しました。

 国家戦略の司令塔として財界代表が加わる「新たな会議体」の設置を打ち出しました。

 沖縄・米軍普天間基地問題では、名護市辺野古への新基地建設をあくまでも進めることを表明。農業、日本経済などを破壊する貿易・サービス自由化の環太平洋連携協定(TPP)については、「できるだけ早期に結論を出す」と述べました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

退職して一ヶ月が過ぎました。いっそう時間が経つのが早くなってきました。

2011-09-13 | 市民のくらしのなかで

現職時代の出来事を書いておこうと奮闘中

 朝起きて、通学途中の「子供見守りたい」のボランテイア、朝食・原稿作成かゲートボール、昼食後から妻の医者へのアッシー君、帰るのは夕方、さらに会議や集会などが主な行動範囲だが、東京に一週間ほど行っていたのでその段取り、と 本当に時間がない。  さらに、次々自分で段取りを立てねばならない。これが公人との違いである。スケジュールに追われるのではなく・・・

 減ったことは、他人に会う数が減ったこと、ファックスと電話がほとんどなくなったこと、決められた行動が減ったこと。時間に追われるという緊迫感が減ったこと。増えたことは、この一ヶ月に限っていえば、調べものと原稿をかく時間が増えたこと。交通手段で移動している時間が増えたこと。暑かったので疲れが増えたこと。

 退職後の時間をどうするか?というような本も出ているが、重要なテーマだと思う。これはまた本にしなければならないかもしれない。「ある構想」を持っているが、今は内緒である。

 現職最後の生活相談を無事終えたが、まだその後の暮らしがうまく行っているか、どうか、私のアドバイスが適切だったのか、聴かねばならない方がおられる。

「共産党としての生活相談所の看板を上げてもよい」と言っているが、何の音沙汰もないので自分でどうしようかと考え中である。個人の仕事にしたくないからである。

 本の原稿は、着々と進んでいて一部の方に途中経過を見せているが、「長いけど、面白かったのですぐ読んだ」「いろいろあったんやね」などの感想をもらっている。ある出版会社の担当者の方にもお会いし「こんな目次ですが、ものになりそうですか?」とお聞きしたら、「早く原稿を書き上げてください。」とのことだった。入稿後3ヶ月はかかるという。早くても年内、遅ければ3月、ピッチを上げて仕事をしなければならない。

 何とか時間を見つけて、ジョギング散歩、と トレーニングセンターに行きたい。  思案中である。午前7時30分、  そろそろ学校前へ・・・・・・・・

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大橋の祖父以前のご先祖は、福島県の出身です。  頭も胸も痛い!

2011-09-12 | 市民のくらしのなかで

東日本大震災6カ月

9割「生業再建進まず」


 未曽有の被害をもたらした東日本大震災発生から11日で6カ月を迎えました。死者・行方不明者は約2万人にのぼっています。いまなお避難生活をお くる被災者は、約8万2千人です。本紙は、その実態や要望を聞くために岩手、宮城、福島3県で被災者への「300人実態調査アンケート」を実施しました。 3カ月時点で行ったアンケートと比べても、生活と生業(なりわい)の再建は進んでおらず、国の全面的な支援を求める切実な声が噴出しました。(東日本大震 災取材団)


被災者300人アンケート

支援切望「国の施策不十分」

写真

(写真)青空バザーに笑顔 少女に合う服をさがすボランティア=10日、宮城県気仙沼市

 アンケート回答者は岩手、宮城で計200人、福島で100人。仮設住宅、借り上げ住宅、避難所、被災した自宅などで暮らす被災者(14歳~95歳)を直接訪ねて聞きました。

 仮設住宅の設備や環境について「改善してほしい点が多い」(46%)と入居者の約半数が要望。「軒が短く雨が入ってくる」など劣悪さを訴えています。

 震災後の家計・収入状況は、苦しくなったという回答が「少し」(27%)、「かなり」(39%)で計66%に上ります。3カ月時(計71%)から あまり改善がみられません。主な生活費として支援金や義援金を充てている人が半数近くで、先の見通しのない暮らしが浮かび上がります。

 困っていることや不安な点として、約5割が仮設住宅を出たあとの「住居確保」や「将来への不安」を訴えています。

グラフ

 宮城県山元町の仮設住宅で夫と息子の3人で暮らす早坂征(ゆき)子(こ)さん(66)は切々と訴えました。「生活は苦しい。津波で1階が壊れた家は、広いので修理費が多額になる。仮設は2年限りなので、その先どうすればいいのか本当に心配」

 自営業者の再建の遅れも極めて深刻です。生業の再建が「あまり進んでいない」(24%)、「めどが立たない」(64%)と計9割が回答。福島では、全員がそう答えました。

 福島では、原発事故をめぐる補償や除染対策についてもたずね、地域で除染を「ほとんど実施していない」(88%)などの実態が改めて示されました。

 「国が全面支援しないと地方は再生しない」(岩手県宮古市の自営業男性)という声が圧倒的で、生活と産業再建に「国の全面的な支援」を求める人が、3カ月時と同様の9割に達しました。

 それだけに、国の救援・復興施策について7割以上が「不十分」だと感じています。「将来不安で、胸が張り裂けそうな思いを理解できないのですか」(福島県浪江町から福島市に避難した女性)と、政府に対し厳しい批判が相次ぎました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

原子力は、経済的で安全な電力ではないことが分かった。

2011-09-12 | 世界の変化はすすむ

ノーベル文学賞:リョサ氏が来日…「世界が日本に連帯」

文学は偏見を超えると語るマリオ・バルガス・リョサさん=東京都千代田区で2011年6月20日午後6時54分、塩入正夫撮影
文学は偏見を超えると語るマリオ・バルガス・リョサさん=東京都千代田区で2011年6月20日午後6時54分、塩入正夫撮影

 2010年のノーベル文学賞を受賞したペルー出身の作家、マリオ・バルガス・リョサさん(75)が20日、来日し東京都内で記者会見した。リョサ さんは東日本大震災について、「苦難に勇気を

もって対処している日本に、世界中が連帯の意を表明している」と述べ、「文学は、問題に直面する人類に確信と 知識を与え、障害を乗り越える力をもたらす」と説いた。

 4度目の来日で、スペイン語文化の普及と、日本の読者との交流が主な目的。リョサさんは震災後の日本人の冷静な対応に、「今後このような困難に陥るかもしれない人々への、模範となるだ

ろう」と敬意を表した。

 福島第1原発事故については「原子力は、経済的で安全な電力ではないことが分かった。不信感は当然で、違うエネルギー源を探すべきだ」と話した。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新外相記者会見

2011-09-11 | ちょっと気になるマスコミ報道

-北朝鮮による拉致問題の解決をどう定義するか。
 拉致、核、ミサイルの諸懸案を包括的に解決するというのがまずはベースだ。何をもって拉致の解決とするのかは大事な問題だ。定義をきちっと省内で検討したい。そうでないと諸懸案の解決はできない。(2011/09/05-20:33)

 

玄葉外相:北朝鮮拉致問題 解決の「定義」議論

インタビューに答える玄葉光一郎外相=外務省で2011年9月5日、竹内幹撮影
インタビューに答える玄葉光一郎外相=外務省で2011年9月5日、竹内幹撮影

 玄葉光一郎外相は5日、毎日新聞などの取材に対し、北朝鮮による拉致問題について「何をもって解決とするかという定義は大事な問題で、きちんと省 内で検討したい」と述べた。北朝鮮に求める解決の内容を明確にしたい意向とみられるが、具体的な内容については「自分自身の考えはあるが、まだ議論してい ないのでここ(まで)にとどめたい」と言及を避けた。

 日本政府は拉致被害者として17人を認定しており、「すべての被害者の一刻も早い帰国を実現する」との立場。外相周辺は「従来の政府の立場の範囲内で、問題の最終解決に資する定義を検討する趣旨だ」としている。【犬飼直幸】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

皆さんは、どのように思われますか

2011-09-11 | 市民のくらしのなかで

鉢呂経産相辞任:「当然の結果だ」 深まる政治不信

2011年9月10日 22時11分 更新:9月10日 23時45分

福島入りし放射線量の高い地域の除染について説明を受ける鉢呂吉雄経産相=福島県伊達市霊山町の下小国中央集会所で2011年9月8日、小林努撮影
福島入りし放射線量の高い地域の除染について説明を受ける鉢呂吉雄経産相=福島県伊達市霊山町の下小国中央集会所で2011年9月8日、小林努撮影

 福島第1原発事故を巡って失言を重ねた鉢呂吉雄経済産業相が10日、あっけなく辞任に追い込まれた。「辞任で済む問題ではない」「痛みの分かる大 臣を」。震災半年を前に起きた辞任騒動に、各地で失望と怒りの声が上がる。「泥臭い政治」で復興に取り組むと誓った野田政権は、発足からわずか1週間余り で大きくつまずいた。

 「辞任はしょうがない」。夫と離れ、京都市に9歳と1歳の子供2人と避難している福島市の主婦、佐藤美由起さん(36)は「放射能がうつるかのよ うな表現で、子供たちがいじめに遭うかもしれないと心配している」と話した。福島県田村市で「みやこ旅館」を経営する吉田幸弘さん(55)は「永田町では 『放射能がうつる』とか、その程度の認識がまん延しているんじゃないかと悲しくなった。次の大臣は国会議員でなくても痛みの分かる地元の人がいい」と望ん だ。

 放射性セシウムに汚染された稲わらが見つかった宮城県登米市で肥育農家を営む佐野和夫さん(58)は「あまりにも資質に欠ける発言で辞任は当然。 7月以降は牛をほとんど出荷できず収入はゼロで、われわれは放射能の恐ろしさを日々感じている。本気で取り組まなければ解決できるはずがない」と厳しい口 調で話した。

 被爆地からも怒りの声が上がった。13歳の時に被爆した広島市の画家、原広司さん(80)は「原爆が落とされた後、被爆者が『放射能がうつる』と 侮辱されたことがあった。辞任で済む問題ではなく、66年もたっているのにそういう考え方があることに憤りを感じる」と話した。

 一方で、辞任は不要との意見もある。原発事故で警戒区域や計画的避難区域に指定されている福島県浪江町から福島市内の仮設住宅に移った農業の男性 (63)は「原発周辺が『死の町』になっているのは事実で辞める程の言動ではなかったと思う。政界はいつも揚げ足取りばかりでうんざり」と嘆いた。

 鉢呂氏の地元・北海道では落胆の声が聞かれた。鉢呂氏は首相と会談した直後、「ご迷惑をかけて申し訳なかった」と複数の民主党道議に電話してき た。地元道議らが「辞める必要はないのではないか」と励ましたが、「首相に迷惑をかけることはできないので、潔く辞任した」などと、さばさばした様子だっ たという。小樽市の山本文雄・連合後援会会長は「彼は元々、原発に反対だった。辞任は残念」と話した。

 ◇福島県知事「遺憾」

 佐藤雄平・福島県知事は「『福島の再生なくして日本の再生なし』との新政権の姿勢に期待していただけに極めて遺憾に思う。事故の収束や風評被害対 策等に全力を挙げなければならないこの時期に、とりわけ経済産業相という重要閣僚のこのような言動は言語道断であり、辞任は当然の結果と受け止めている」 とコメントした。

 ◇舞い上がり型失言

 元民主党事務局長の伊藤惇夫さんの話 かつての自民党の閣僚の失言は、思想信条による確信犯的な発言が多かったが、民主党の場合は、自分が権力の 中枢にいる自覚を欠いた舞い上がり型の単純な失言が目立つ。元々が「権力成り金」のようなものだから、大臣の発言の重みがわからず、浮かれてしまう。

 ◇自覚のなさを示す

 前宮城県知事で慶応大教授の浅野史郎さんの話 本来はこの時期の職務の重要性を考えれば、身の引き締まる思いになるはずで、こうした発言がそもそ も出てくるはずがない。大臣としての自覚のなさを示しており、辞任は当然だ。それを見抜けなかった野田首相も不明を恥じるべきだ。早期に辞めたのが不幸中 の幸いとも言える。

 

東日本大震災:発生半年 戦後最悪の自然災害、復興遠く

2011年9月10日 20時55分 更新:9月10日 22時36分

11日で津波による倒壊から半年を迎える南三陸町防災対策庁舎。庁舎の前で手を合わせる人が絶えない。周辺では今もがれき撤去が続けられている=宮城県南三陸町志津川で2011年9月10日午後4時10分、丸山博撮影
11日で津波による倒壊から半年を迎える南三陸町防災対策庁舎。庁舎の前で手を合わせる人が絶えない。周辺では今もがれき撤去が続けられている=宮城県南三陸町志津川で2011年9月10日午後4時10分、丸山博撮影

 東日本大震災は11日、発生から半年を迎える。10日現在の警察庁のまとめによると、死者は自然災害で戦後最悪の1万5781人。津波被害の大き さを物語るように、今なお4086人が行方不明のままだ。被災者の避難先は全都道府県に広がり、8万2945人が避難生活を続ける。東京電力福島第1原発 事故は収束せず、津波被害地の復興も遅れ、被災者は今も苦しい生活を強いられている。

 被害の大きい3県の死者は、岩手4656人、宮城9456人、福島1603人。発見された遺体の7%は身元が分かっていない。

 行方不明者は岩手1692人、宮城2149人、福島241人。3県では9日時点で計460人の警察官が捜索に当たるが、時間の経過とともに困難さを増している。遺体発見は7月133人、8月105人で、9月は8日までで23人だった。

 法務省は6月、行方不明者の死亡届に関する家族の負担を軽減するため、受理要件を緩和した。各地の法務局によると、2日現在で岩手1429人、宮城1630人、福島191人の計3250人の死亡届が受理され、行方不明者の約8割にあたる。

 岩手県大槌町の里舘園子さん(73)は7月下旬、津波で行方不明の夫(当時77歳)の死亡届を出した。「葬儀も出して一区切りと思ったが、紙を出すことで実感がわいて悲しかった。今も毎朝、写真の前で手を合わせると涙が出る」と話した。【北村和巳、鮎川耕史、神足俊輔】

top
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テレビを見た方から、いろんな意見が出ています。文字で再確認してください。

2011-09-10 | ちょっと気になるマスコミ報道

BSフジ 志位委員長、大いに語る


 日本共産党の志位和夫委員長が生出演した8日夜放送のBSフジ番組「プライムニュース」。野田新政権をどうみるか、日本共産党の震災復興、原発・ エネルギー政策などテーマは多岐にわ

たり、志位氏は、司会の反町理(そりまち・おさむ)フジテレビ報道局政治部編集委員、八木亜希子同元アナウンサーらと 語り合いました。


“アメリカ直結政権”示した前原発言

 冒頭、民主党の前原誠司政調会長の発言をめぐって議論に。前原氏は、訪問先のワシントンでの講演(7日)で「自衛隊とともに行動する他国軍隊を急 迫不正の侵害から防衛できるようにす

る」と述べ、国連平和維持活動(PKO)での自衛隊の武器使用基準緩和や武器輸出三原則の見直しに言及しました。

 志位 「自衛隊とともに行動する他の軍隊を防衛できるようにすべきだ」というのは、言葉をかえていいますと、他国の軍隊と自衛隊が 共同で武力の行使を行えるようにするということなんです

よ。これは、PKOの法律ができたときも一番の要の問題として議論されて、政府側は「正当防衛のみ に限る」ことをもって(憲法)9条と背反しないという説明をしました。その一番の要の部分をと

外してしまおうというわけですから、9条に反する動きで す。

 そして、いったんこうやって外すとどうなるか。国連が決定、あるいは「授権」した戦争がいろいろありますよね。たとえばアフガニスタンに対する報 復戦争。あれは国連安保理が一応「授権」した

ことになっている。こういう場合に多国籍軍が編成される。そういう多国籍軍でも国連の旗があれば、一緒に肩を 並べて武力の行使をやる道が開かれてくる。その先に、国連の旗がなくても集団

的自衛権ということで、日米で共同の軍事行動をとる。そこにずっと道を開いて くる方向ですから、(前原氏は)大変危険な発言をされた。

 しかも総理が(国会で)所信表明演説をする前に、アメリカに政調会長が出かけて、アメリカに最初に「所信表明」をしてくること自体も、どっちの方を向いて政治をやっているのかが問われる発

言だと思います。

 反町 国際貢献のあり方の一つの論点だと思いますが、国会で正面から議論が展開される材料になりますか。

 志位 本当の意味での世界平和への日本の貢献とは何か、国連との関係はどうあるべきかは正面から議論されるべきだと思いますね。

 私自身も去年国連本部でやられたNPT(核不拡散条約)再検討会議に参加して、核兵器廃絶のための(国際)交渉を開始すべきだと主張しましたが、 (国連の)活動の99%は非軍事の活動、

平和のための活動、飢餓や貧困をなくすなどの活動です。そこに力を注がず軍事の方でばかり国連の旗を利用する。そ れが武器輸出三原則の緩和問題とも重なってくる。結局、日米で共同し

て、たとえば戦闘機などを技術開発するという名目だけれども、日米が軍事的にさまざま な一体化をはかる。情報の面でも作戦でも一体化する。こういう流れの一こまですからね。これも武力行

使の問題とリンク(連動)する、非常に危険な方向だと 思います。

 反町 そうすると、日米安全保障体制というものが是か非かというところから全部話が広がってくると思うんですけども。

 志位 つながってくる話だと思いますね。PKOということになっているけれども、結局はアメリカとの共同の軍事作戦が念頭に置かれている。武器輸出三原則もそうです。ですから、そういう方向

に日本がどんどん進んで、軍事共同を進める方向が、果たして未来はあるのかと。

 アメリカがやった戦争は、アフガン戦争もうまくいってない。イラク戦争は違法な侵略戦争でした。いまの世界は、そういう戦争のやり方、物事を力ず くで解決しようという時代ではなくなっている

わけですよ。そのときにこういう(軍事的対応の)ことばっかり熱心に唱える。しかもアメリカに最初に行って誓 約する。これは本当に“アメリカ直結政権”というのが出たと思いますね。

 「ブレインキャスター」役の中野晃一上智大学准教授は前原氏の発言に「あさましい」「政治家としての学習能力に関して不思議な感じ」とコメント。 志位氏は、先の民主党代表選でも沖縄・米軍

普天間基地問題が何も議論されなかったことを指摘し、「国内で議論しないでアメリカに行っていう。『あさまし い』という発言がありましたが、私も同感です」。

野田新政権どうみる――看板は民主党でも、中身は自民党とかわるところなし

 テーマは野田新政権の見方に移り、志位氏はこの政権で「象徴する行動が二つあった」と指摘しました。

 志位 一つは、(野田佳彦首相は)内閣をつくる前にまず自民党、公明党の党首と会談されたでしょ。そして「『3党合意』を守りま す」と誓約した。「3党合意」というのは、子ども手当を廃止する、

高校(授業料)無償化を見直す、民主党の看板政策を全部見直してしまおうという内容で す。さらに3党の枠組みで、法人税の減税を一緒に進めましょう、復興増税も一緒に進めましょうというも

のです。そのための協議機関をつくりましょうという のが最初の行動だった。「民自公3党の翼賛体制」でことを進めようという性格がはっきり出たと思うんですね。

 もう一つは、これも組閣の前の日に(野田首相は)日本経団連の米倉(弘昌)会長と会って、“これからはお知恵を拝借したい”と(要請した)。経 済・財政に関して、経団連も入ってもらって“司令

塔”――「国家戦略会議」をつくり、ここでいろいろな物事を決めていく仕掛けを新たにつくるのでご協力 を、といった。(元首相の)小泉(純一郎)さんのときに「経済財政諮問会議」がありましたよ

ね。あそこで社会保障の切り捨てとか、庶民増税とか、いろいろ な問題をみんな決めて、一気に押し付けてきた。同じ仕掛けをつくろうということを財界側にいって、米倉さんの方は大喜びで、一

緒にやりましょうと。

 この「民自公の3党翼賛体制」「財界直結内閣」という二つが出たと思うんですよ。さっきの前原さんの(立場を)含めると「財界・アメリカ直結」ですね。看板は民主党政権でも、中身は自民党に

なった。自民党とかわるところはもうほとんどないのが印象ですね。

 八木 実際に(野田首相が就任の)あいさつにこられたときはどういうお話を。

 志位 これは最初のごあいさつですから、お互いに立場は違うけれども、フェアに論争しましょうというような話です。

 民主党の立場が自民党と違いがなくなってしまった。そうなると考えてみなければならないのは、2年前の夏の総選挙で民主党は「自民党政治を変えま す」といって政権交代したわけですよ

ね。あのときに民主党に1票投じた方は、民主党だったら自民党(政治)を変えてくれるだろうと思って1票を投じたはず なんですね。ところが自民党と同じになってきますと、これはそういう方々の

気持ちをみんな裏切ることになると思う。ですからこういう流れには正面から対決 して、大いに論戦もし、国民と一緒の運動も大いに起こしていきたいと思っています。

 反町 前原政調会長は、事実上の事前審査制、法案を国会に提出する前に党の了承を得てくださいよと(している)。

 志位 前の自民党の政策決定システムは、まさにそういうシステムだった。その結果、「族議員」をたくさん生んだわけです。だからや めようということで、いったんはやめたはずだった。今度そう

いう形ですべて政調会長を通して政策が決定されるということになると、政調会長の部屋の前にた くさんの人が列をなすということになるでしょう。こういう体質という点でも自民党と似たり寄った

りということになったと思います。

財界・アメリカ中心――二つの根っこを切り替え国民中心に

 民主党政権2年をめぐって「鳩山(由紀夫)さんや菅(直人)さんのこういうところを残してほしかったというところは」(八木氏)との質問も。志位氏は次のようにこたえました。

 志位 鳩山さんが最初に総理になったとき掲げたマニフェスト(政権公約)――日米安保、大企業・財界に対する姿勢は私たちと違いま すけれども――には、「政治を変えてほしい」という国民

の願いがプレッシャーとしてはたらいていますから、前向きの政策の要素もいろいろあったと思うんで すよ。たとえば子ども手当、高校授業料の無償化、生活保護の母子加算の復活などですね。

そういう問題では私たちは協力しましょう、しかし間違いは厳しく反 対しますよ、ということでやってきました。

 しかし、だんだん(民主党政権が政策を)進めていくうちに悪い要素が前面に出てきました。そのきっかけになったのは普天間基地の「移設」問題だっ たと思うんですよ。「国外・県外(移設)」と鳩

山さんは公約したのに、結局「県内移設」を押し付けることになった。これが大きな最初の公約破りになった。

 菅さんに交代して出てきたのは消費税の増税です。これも公約に背くことを言いだした。それからTPP(環太平洋連携協定)参加を急に言いだした。 大震災が起こったあと、震災・原発にまとも

に対応できない。こういう流れの中で、アメリカ・財界中心の政治という土台が変わらないものですから、結局3代 目(の野田首相)は自民党(政治)に帰ってしまったということですね。

 土台を変えないと日本の政治は変わらない。外交といえばアメリカの方ばかり向いている、世界全体を見ない。内政といえば、財界の言いなりにやって いればうまくいくと考えている。この土台

そのものを変えないと、本当の変革を日本の政治でやることはできないと思うんですね。それを私たちが担って大いに やっていきたいと思います。

 反町 与党になるのは、こういうことなのかなという2年間だったというのは違うんですか。

 志位 与党になる際の軸足が定まってなかった。普天間の問題で最初につまずいたのは、日米同盟をとるのか、それとも沖縄県民の意思 をとるのかと迫られ、(民主党は)日米同盟は絶対守

りぬくという立場を変えられませんから、結局沖縄県民の気持ちを捨ててしまうということになるわけです よ。それから、「国民の生活が第一」といいながら、実際は「財界第一」の立場を捨てられ

ないから、突然消費税(増税)やTPPが出てきたりする。このアメ リカ・財界中心という二つの根っこを本当に国民中心に切り替えないと政治はよくならないことを実証したのが、この2年間だった

と私は思っています。

野党であっても、国民要求にこたえて政治を前に動かす

 中野氏は、非正規労働の広がりなどをあげ、「本来であれば共産党のような政党が(国民の)受け皿になるべきなのに、そういうふうには見えていない のは、共産党が国民に対して責任を果た

していないということにはならないのか」と質問。志位氏は、日本共産党が国会で派遣労働の問題を繰り返し取り上げ、 使い捨て労働を許さないたたかいも起こっていることをあげてこたえまし

た。

 志位 私たちはたしかに与党の経験はありません。ただ野党ではあっても、たとえば派遣労働の問題についても、震災の問題についても、政治を一歩でも二歩でも前に動かすためにいろいろな

提言をやってきましたし、一致点があれば他党と協力するということもやってきました。

 たとえばいま被災地に行きまして一番大きな問題の一つになっているのが「二重ローン」の問題なんです。借金を抱えたまま津波で(自宅・店舗を)流 されてしまった事業者がたくさんいらっしゃ

るんですね。このまま放置しておけば大量の廃業が起こる。ですからこれは一刻も猶予できないということで、国が 責任をもって債権を買い取って凍結、減免する。そういう債権買い取りの公的機

構をつくる必要があることをずっと国会で提案してきました。これは珍しい形な んですけれども、参議院の段階で自民党、公明党に共産党も賛成して法案が通るというようなことにもなりました。こ

れはまだ実現していませんが、ぜひ実行さ せたい。一つひとつの課題で、そういう努力は私たちなりにやっているということも知ってもらいたいと思います。

 反町 なるほど。

震災復興――生活と生業の基盤回復のためにこれまでの枠を超えた公的支援を

 志位 復興の目的が何に置かれるべきかといえば、一人ひとりの被災者の壊された生活と生業(なりわい)の基盤を回復すること。これは自力ではできませんから。これまでの枠を超えた公的

な支援が必要だという考え方で、私たちはいろいろな提言をしてきました。

 たとえば、私も先日岩手県に行ってきましたけれども、地域医療の破壊が大問題になっている。(陸前高田市の)高田病院とか(大槌町の)大槌病院、 県立病院が全壊です。ところが(県の)「復

興計画」に病院(再建)が入らないわけですよ。この機会に病院の機能を「集約化」してしまおうという動きになっ ている。病院が「集約化」されて遠くになってしまったら、ますます人が住めなくなり

ますね。公的病院への支援を強め、民間の診療機関にも抜本的な支援の仕 組みを創設することを求めていきたいと思っています。

 反町 個人資産にたいする損害補償と、都市インフラ(基盤)に対する復旧策というのがまぜまぜになっているんですけれども、その線 を引かれていますか。家を流された人への支援と、道路と

か病院とか公的インフラに対するものとの線引きはされているんですか。それとも全部、国が面倒みる べきだという考えですか。

 志位 まず公的なインフラ、たとえば公立病院とか学校とか、そういうものが壊された。これに対する支援はやはり国が全面的にやるの は当然です。同時に、(破壊された)個人資産に対する公

的支援、補償も拡充する必要がある。被災者生活再建支援法では、住宅の全壊の場合で300万円が出 るようになっているわけですけれども、拡充が必要です。それから住宅以外には公的支

援の枠組みがないんですよ。たとえばご商売されている方が商店を壊され た。こういうものに対する公的支援の枠組みがない。民間の病院がいま支援の枠外にあるのも、これも個人資産の形成

には公金は使わないという考え方があるか ら民間病院は支援しないということになるわけですね。しかし、実際にはそれでは立ち直れないということは明らかなわけですから、やはり被災者のお

一人お一 人が自分の力で再出発できるところまでの基盤を回復する。これは、憲法13条の幸福追求権、25条の生存権に照らしても当たり前の仕事ではないかというこ とで、私たちは阪神・淡

路大震災の時から一貫してずっと求め続けてきた問題なんです。

復興財源どうする――歳出・歳入の見直しと、大企業の内部留保の活用で

 八木 いろいろな支援を被災地の方々にというお話だったんですけれども、そういうなかでも問題になるのが財源の確保ですが、これについてはどういうふうにお考えですか。

 志位 (日本共産党の復興財源の提案を示したフリップを示して)私たちは二つの柱を提案していまして、まずは歳出全般の見直し。と くに不要不急の大型公共事業という点では、たとえば東

北でも鉄道の再建はそっちのけにして高速道路を最初につくるという動きがあります。こういうのを見直 す。それから米軍への「思いやり予算」。これはこの際きっぱりやめる。それから原発の推進

経費で3500億円くらいのお金を使っています。それから政党助 成金。これはやめると。

 もう一つ、法人税減税をこんな時にやっていいのか。これは中止する。さらに、証券優遇税制というのがありましてね。株で取引したり配当にかかる税 金が日本の場合はたった10%と、これを

また継続しようとしているわけですね。私がこの前、外国特派員協会で話したらびっくりされまして、アメリカ、フラ ンス、イギリスはみんな株にかかる税は30%前後ですよ。ですからこれは10%

を引き上げてまともな水準にする。法人税減税と高額所得者減税のバラマキの 中止で、2兆円くらいのお金は出てきます。

 それをやりながら「震災復興債」を一般の国債とは別枠で出そうと(いう提案です)。つまり市場に出さない、相対(あいたい)取引の国債という形で 出す。いま大企業が巨額の内部留保をためこ

んでいますでしょう。リーマン・ショック後の2年間もさらに増やして257兆円と、すごい額なんですよ。ですか らこの大企業に復興債の引き受けを要請して、当座のお金はこれで確保すると。こう

いう全体の考え方を持っています。

政府のいう臨時増税――大企業に負担増なく、サラリーマンだけに負担増押し付け

 志位 (フリップに)「復興増税には強く反対」とあるのは、いま「復興増税」ということで、法人税と所得税の臨時増税をすると(政 府は)いっているんですが、これはちょっとインチキでしてね。法

人税の増税というのですが、まず法人税の減税をしようとしているわけですよ。この減税分を 戻しましょうという話なのです。ですから増税でもなんでもなく、大企業からすれば1円の出費にもなら

ないんですね。これを何年かやって(法人税)減税はい ずれやるわけです。つまり減税の時期を少しずらしましょうというだけのもので、そうすると大企業の方は増税ではない。のこるのは所得税

の定率増税というこ とになると、サラリーマンだけが一方的に取られる。庶民増税に頼るやり方は、私たちは反対です。

 大山泰解説キャスター 野党同士で増税反対で組む考えはあるんですか。

 志位 全体の考え方に違いがあるんですね。たとえば法人税減税にたいする態度とか、証券優遇税制にたいする態度ではずいぶん違ってくる。ですから対案のところで分かれてくるという問題

があるから、本格的な共闘というのはなかなか難しい。

 反町 郵政株の売却はどうですか。いま議論が出ていますけれども。

 志位 私たちは賛成できないですね。株式会社化という方向に私たちは賛成できません。株式会社になったら、もうからないところからは撤退するということになりますから。

 反町 なるほど。

 志位 過疎のところから郵便局がどんどんなくなるということになりますから。

 反町 (国民新党の)亀井静香さんの理屈じゃだめなんですね。

 志位 亀井さんにはよくいっているんですよ。亀井さん、民営化反対というなら、ちゃんと公社化すればいいではないですか。そうしなかったら筋が通らないでしょうと。

 中野 いまおっしゃっていた法人税減税に関しては、私もあまりそういう考え方したことがなかったので、「ああなるほど」と思わせる 部分はある。そういった意味ではどういう公平な分担を納得

できる形でつくるのかというと、もちろん経済成長も必要なわけですけれども、なかなかこれを一般 国民だけで負担しろというのは難しい話かなという感じはしますね。

原発再稼働――まともな対策もなく、規制機関もないもとで、再稼働など許されない

 八木 野田さんは、現在定期点検中の原発の再稼働に前向きな姿勢を見せているわけですが、志位さんはどういうお考えでしょうか。

 志位 まだ原発事故の収束もできていない。原発事故に関する事故調査もできていない。教訓も引き出されていない。対策もとっていないわけでしょう。そういうなかで原発を動かすというのは、

とんでもないことだと、まずいいたい。

 それからもう一つ。原子力を規制する規制機関が問題になったわけですよ。原子力安全・保安院が経済産業省という推進機関のもとにある。しかも「や らせ」までやっていたことが問題になりま

したでしょう。保安院というのはまったく規制機関としては失格です。保安院に代わる本当の規制機関をすぐにつくら なければならないわけですよ。つまり、本当の意味で推進機関から独立し、

「安全神話」にもとらわれない、「原子力村」の人たちには退いてもらって、専門家 を結集した規制の体制をつくる必要があるわけです。ところがそれをやらないまま稼働だけやる。それでは、なん

の規制と監視もないなかで(原発を)動かすと いうことになりますから、私たちは反対です。

「原発ゼロの日本」へ――撤退の政治決断を求める

 反町 共産党の「エネルギー基本計画」というのはどういう形なんですか。たとえば原発依存度は何%くらいまでもっていったらいいのか。再生可能エネルギーはどのくらいか。そのイメージはあ

りますか。

 志位 私たちは今度の福島原発事故を受けて、原発には、他の事故にはない「異質の危険」があるといっているんですよ。いったん放射 性物質が外部に漏れ出したら、これを抑える手段を持っ

ていない。「空間的」にどこまでも広がっていく。「時間的」にもいつまでつづくかわからない。それか ら一つの地域社会を破綻の危機に陥れていく。こんな種類の事故というのは他にないですよ

ね。

 これは原発という技術が、本質的に「未完成で危険な技術」だということからきています。その一番の危険の本質は、どんな原発も、原子力エネルギー を取り出す過程で莫大(ばくだい)な「死の

」をつくる。100万キロワットの原発でしたら、1日で広島型原爆3個分の「死の灰」をつくる。これを閉じ込 めておく保障がない。

 八木 そういうなかでどういう中長期的な(計画を)…。

 志位 私たちは、原発からの撤退をまず政治決断すべきだという立場です。

 反町 即時ですか、徐々にですか。

 志位 私たちとしては、5年から10年以内に「原発ゼロの日本」にする。それと同時並行で、再生可能エネルギーの普及に全力で取り 組む。日本で利用可能な再生可能エネルギーの量は、環

境省の試算でだいたい原発の40倍はあるといわれていますから、最大のスピードでこれをやりながら、 5年から10年以内には「原発ゼロの日本」にしようと。

 反町 (再生可能エネルギーで)電気料金が高くなってもいいんですか。

 志位 よく電力会社から「原発は安い」といわれるが、これはインチキでね。たとえば「バックエンド」の費用――使えなくなった炉は 廃炉にしなければならない。それを含めた後始末が必要です

ね。これにはものすごい費用がかかるんですよ。この「バックエンド」の費用などは計算されていま せんしね。ですから実際は安いということはないんですね。

 しかも今度みたいな事故を起こしてしまったら、これは安いどころの話ではないわけで、いったいどれだけのお金が後始末にかかるのか想像もつかない わけですね。そういう意味からいっても、

安いということにはならない。だいたい人間の命と、電気料金の低い高いということはてんびんにはかけられないです よ。やっぱり人間の命、子どもたちの未来を考えたら、原発との共存はつづけ

られないというのが私たちの立場です。

アメリカや大企業についてどう考えるのか?

 番組では視聴者から寄せられたメールが紹介されました。このなかで「アメリカも大企業も否定する共産党の未来像が見えません。たとえば、どんな国のようになるのでしょうか」(宮城県の50

代の自営業者)との質問に志位氏は次のようにこたえました。

 志位 私たちは、アメリカを否定しているわけでもないし、大企業の否定でもないんです。アメリカだけを見て、アメリカのいいなりに なっている状態から、本当の独立国といえる日本にしていく必

要があるということをいっています。大企業との関係でも、大企業をつぶそうとか、大企業を敵視 しようという立場でもないんです。

 反町 「復興債」を買わせるとか。あまりフレンドリーにはみえませんよ。(笑い)

 志位 野田さんみたいなフレンドリーじゃないですよ(笑い)。ただ、私たちが大企業に求めるのは、大企業がその力にふさわしい社会的責任を果たしてほしいということなんです。

 たとえば、ヨーロッパでは同じ資本主義国でも、ずいぶんたくさんのルールがあるでしょう。解雇を規制するルールがある。均等待遇のルールがある。 それから男女平等だってずっと進んでいま

すよね。こういういろいろな問題で、大企業が社会的責任を果たす。中小企業との取引をみても、日本は下請けの重層 構造になっているけど、ヨーロッパのほうでは下請けという概念そのものが

なくて、対等な取引を行っています。

 ですから、私たちが求めているのは、大企業が目先の利潤追求だけに熱中し、社会全体のことを考えないやり方をあらためて、社会的な責任を果たす必 要があると。そのために政治が、社会

「的ルールをつくる必要がある。ヨーロッパのような「ルールある経済社会」をつくろうというのが、私たちの考えなんで す。

若者の中での活動はどうなっているのか?

 中野 原発のこともおっしゃっていたんですが、いろんな反対運動が起きていないわけではなくて、日本なりの形で若者たちの運動とか 出てきている。そこにたいして、どこまで(共産党は)目が

向いているのか。そこをくみ上げないことが結局、自民党でもないし、民主党でもないしという無党 派層であったりとか、あるいは政治そのものに期待しないというふうになっていて、それが差別だ

とか暴力だとかに向かっている場合もあると思うのですが。

 志位 若いみなさんとの関係は、私たちの努力を、もっともっとやらなければならない分野だと思うのです。ただ、この間、いくつか接 点が大きく広がったなという点もあるんですよ。先ほどお話し

した派遣労働の問題は、私たちが国会で取り上げ、インターネットでも爆発的にたくさん見ていた だいて、連帯の活動が広がっています。それから、原水爆禁止世界大会に先日私も参加しました

が、若者がたくさん参加している。そういう連帯がずいぶんこの 間広がりました。

 反町 その若者が投票行動に行かないのはどうしてだと党としては分析されているのですか。それが議席に結びつかないのは、投票に行かないというのが一番大きいのではないですか。若者

の政治的無関心を投票所まで動かすところまでいっていないということですか。

 志位 若い方々に、私たちの目指す日本の未来像、ビジョンが伝わっていない、これは私たちがうんと努力しなければいけない。ただ、 先ほどの原発の問題でも、いま若者のなかでいろんな運

動が起こっています。「素人の乱」という運動もある。それに共産党も参加します。そうしますと、自然 な対話になりまして、宣伝カーを貸して一緒になって動いたりしています。いま、若い人たちの

中で、震災・原発を受けて、「自分もなにかしたい」「これまで の政治でいいのか」という新しい探求が起こっていますよね。震災ボランティアなども私たちが募集しますと、いまのべ1万4千人に

なっていますが、若い方々 の活躍が目立ちます。平和の問題、震災の問題、原発の問題、若い方が「なにか人の役に立ちたい」という思いをずいぶん強めているという新しい流れがあると 思う

ので、ここは私たちの頑張りどころだと思います。

解散・総選挙にたいする態度は?

 反町 その頑張りどころの中で、いつごろ、どんなテーマが争点になって解散・総選挙になると推測されますか。

 志位 推測の問題は私がいう問題ではないのですが、私がいっておきたいのは、野田首相が掲げているような「税と社会保障の一体改 革」といって、消費税を10%に引き上げるという動きが

ありますが、こういう大きな問題を来年3月までに法案を出して、一気に通してしまおうといってい る。しかし、この前の総選挙では少なくとも「4年間は上げません」といっているわけです。上げま

せんといったら、上げる法律も通さないものだと普通みんな 思いますよ。

 反町 それは、また別。プログラム法は準備しておかなかったら、そんとき急に今日から上げるというわけにはいかないじゃないですか。

 志位 そういうふうには説明しなかったじゃないですか。私たちは、「一体改革」といわれているものは、社会保障についても、年金も 医療も切り縮めていく「一体改悪」ですから反対です。少なく

ともそういうことを国民に相談抜きにやるのはよくない。そういうことをやるというなら、(事前 に)国民の審判をあおぐべきです。

日本の大企業の税・社会保障負担は、けっして高くない

 反町 神奈川県の方からこういうメールが来ています。「株式取引にかんする件です。10%をやめてアメリカ・ヨーロッパ並みにとい う話ですが、それならば、消費税、所得税、法人税もアメリカ・

ヨーロッパ並みにということになると考えますが、いかがでしょうか」。そういうことではない んですよね。

 志位 はい、それは違いますね。ただ先ほどいった法人税のことで一ついっておきますと、よく日本の法人税は高いといいますが、そこ も一つ「神話」がありまして、ヨーロッパと比べると、ヨーロッ

パは社会保険料の企業負担が日本よりずっと重いんです。企業が払うのは税と保険料です。これ をセットで考えると、日本(の大企業の負担)はだいたい、ドイツの7割、イギリスの9割程度。で

すから、決して高い水準じゃないということは言っておきた いと思います。

尖閣諸島の領有権をどう考える?

 八木 東京都の30代の方です。「共産党は中国の尖閣(せんかく)諸島への領土主張をどう考えますか。自国防衛が欠かせない事項と思いますが」

 志位 尖閣諸島は日本の領土だと強く主張しています。この問題で、日本政府の姿勢で一番問題だと私が思うのは、1972年に日中国 交回復をしたさいに、周恩来首相と田中角栄首相が会

談しているんです。その記録を見ると、田中首相のほうから、「尖閣をどうしましょうか」と聞いている。 周恩来首相は、「あれは、いま議論しないほうがいい」という。それで引き下がっている。ただ

の一回も、中国側に、これは日本の領土だと、国際法上も歴史上 も日本の領土だということを、正面から理を尽くしてちゃんと言っていないんです。92年に中国が(自国領に)編入する手続きを

自分の国でとったさいも、日 本は本格的に抗議していない。言うべきことを言わないで、いままできているということが、私は一番の大きな問題だと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

何事も原理原則から学ぶことが大切です。・・・考えがふらふらしないために!

2011-09-08 | 質問に答えます。

第7回「古典教室」開く

不破社研所長、弁証法を解説


写真

(写真)講義をする不破哲三社会科学研究所所長=6日、党本部

 第7回「古典教室」が6日、党本部で開かれました。2カ月ぶりの再開で、不破哲三社会科学研究所所長がエンゲルスの『空想から科学へ』の第2章を講

義しました。 

 「社会主義を科学にするためには、世界を『科学の目』でとらえる科学的な世界観が必要」とのべ、とりわけ弁証法を中心に解説しました。

 今回の講義では、党員が日常的にとりくんでいる「党活動や革命運動のなかの弁証法」についていくつもの実例を示して縦横に語りました。

 「哲学の面白さもわかってきました。質的変化をしているのかもしれません。弁証法的な考え方、とらえ方はまさに的確だと感じました」(33歳・男 性)、

「党活動、革命運動の中で弁証法的な見方が必要となるということが大きく胸に響いた」(59歳・女性)など各地から感想が寄せられています。

 

「古典教室」不破社研所長の第7回講義

第3課『空想から科学へ』(2章)

党活動の中の弁証法


写真

(写真)講義する不破哲三社会科学研究所所長=6日、党本部

 第7回「古典教室」が6日に党本部で開かれ、不破哲三社会科学研究所所長がエンゲルス『空想から科学へ』の第2章を講義しました。

 不破さんは、前回学んだ第1章が「社会主義を科学にするためには、まずそれが実在的な基盤の上にすえられなければならなかった」という文章で結ば れているが、「そのためには、世界を『科学の目』でとらえる科学的な世界観が必要であり、第2章は、その科学的な世界観の全体を短い文章で説明していま す」と語りはじめました。

 エンゲルスの説明の順序は〈弁証法―唯物論―史的唯物論―経済学〉とたいへん独特なもので、「この流れはマルクス、エンゲルスの思想的発展の歴史とほぼ一致しているんです」とのべ、2人の思想の発展を略年表に沿ってあとづけました。

 エンゲルスが青春時代にキリスト教との思想的格闘のなかからヘーゲル哲学に到達し、21歳のとき、政府の指示でベルリン大学にのりこんできた反動的な大哲学者の見解を批判する論文を書いて論破したエピソードは、受講者を驚かせました。

 エンゲルスは、イギリスの経済と労働者の状況をつぶさに調べたうえで直観的に唯物論的な社会観に到達し、マルクスは、ヘーゲルの社会論(「法哲 学」)の徹底的な批判的研究を通じて理論的に到達しました。意気投合した2人は、それ以来、終生尊敬し、切磋琢磨(せっさたくま)し、科学的社会主義の理 論を仕上げていったと解説しました。

連関と運動の中で見るか、バラバラで固定的に見るか

 テキストの本論に入った不破さんは、社会の見方―史的唯物論と経済学―はすでに講義で勉強済みとして、弁証法を中心に語りました。

 ものの見方の大きな二つの流れである弁証法的な見方と形而上学(けいじじょうがく)的な見方を対比して説明するのは「ヘーゲルに源流を持ち、エンゲルスが発展させたもので、マルクスにはないもの」と指摘し、古代ギリシャ以来の哲学の歴史を概観しました。

 古代ギリシャの哲学者は「万物は流動しており、不断に生成し消滅している」とのべたヘラクレイトスをはじめ、世界を連関と運動の中で見る弁証法的 な見方を身につけていましたが、その後、ものごとをバラバラにして固定的にみる形而上学的な考え方が優勢になります。その背景には、自然を研究する初期の 段階では、事物をまずバラバラにして、動かないように固定して見ることが必要だったという事情がありました。

 「形而上学的な見方は、常識的に見えるが、突っ込んで考えるとそうはいかなくなる」とのべた不破さん。「生と死」をどこで判定するか、脳死判定の 難しさや、われわれの体が絶えず死んだ物質を生命活動に利用し、いらなくなったものを死んだ物質として捨てていることなどを例にあげました。

 「形而上学的」を「石頭的な考え方」と言いかえた不破さんは、中世から近世にかけて科学が大進歩をとげていくと、「固くなった頭をほぐして、世界をありのままに受け入れる見方、弁証法的な見方を意識的に身につける必要が生まれてきた」とのべました。

 弁証法的な見方の特徴として、ものごとを連関のなかでとらえる、変化と運動のなかでとらえる、対立物を発展の生きた推進力ととらえ、固定した境界 線を認めない――をあげ、カント(1724―1804年)の星雲状の回転する物質から太陽系が発生したとする学説やダーウィン(1809―82年)の進化 論など、自然科学の発展のなかで、弁証法的な見方が復活してきたことを語りました。

 弁証法的な見方はヘーゲル(1770―1831年)の哲学体系で一つの頂点に達しましたが、ヘーゲルには二つの弱点がありました。

 ヘーゲルは、世界の発展を「絶対理念」が体現し、発展するものとして説明する観念論者でした。また、自然から歴史、人間の精神まで、すべての分野 にまたがる大体系を完成しようとしたために、一方で変化と発展を大いに強調しながら、他方では「この体系をもって歴史が完結してしまう」と主張する矛盾に 陥りました。

 不破さんは、「ヘーゲルの矛盾から抜け出すためには唯物論にすすむ必要があり、弁証法的な考え方は、唯物論の立場にたってこそ、その真価を発揮できる」と力説しました。

 エンゲルスが論じている「弁証法的な見方」と「形而上学的な見方」との違いと特徴がよく分かるように、表(上の表)に整理して説明しました。とくに弁証法の「変化と運動」の特徴として、「発展、進歩の契機を重視する」ことの意味を強調しました。

 東大での講演で学生から「自然にも発展があるのですか」と質問を受け、物質の世界にも前向きの発展があると答えたことがあると紹介し、「まして人間社会では、いろんな逆流があっても進歩するというのが私たちの見解です」とのべました。

図

広い視野で 歴史の中で 複眼で――前進の芽を大切に

 このあと「弁証法の諸法則」(左の表)といわれる法則を簡潔に説明して、それらを含め、われわれが日常取り組んでいる「党活動や革命運動のなかの弁証法」に話をすすめました。

 こういう弁証法の話は初めてという不破さん。「石頭ではものごとは動きません。党活動は階級闘争の中心部分で、弁証法の宝庫」と強調して、いくつかの注意点を豊富な材料で語りました。

 ――あらゆる問題を広い視野のなかで見ること(連関)。日本の「ルールなき資本主義」の実態をヨーロッパなどと比べるといかにひどいかが分かり、日本のマスメディアが世界の動きを伝えていない大きな弱点も、世界との「連関」のなかでとらえられる。

 ――どんな問題も、歴史の流れのなかでとらえる(変化と運動)。政治や社会の現状を固定的に見ない。

 不破さんは、最近の例として、民主党野田内閣への見方をあげました。歴史の短い尺度で言うと、2003年の民主党結成の背景には、自民党政治の危 機を同じ土俵の上の「二大政党制」で救おうという財界の思惑がありました。野田首相は、組閣前にまずやったのが財界3団体へのあいさつ回りという、むき出 しの財界直結ぶり。この歴史のなかでみると、2年前からの「政権交代劇」がなんだったのかがよく分かります。

 より長い尺度でみると、1970年代に、野党全部が安保、財界本位の政治に反対して競い合って国会討論もおもしろかったが、1980年の「社公合 意」が転機になって、日本共産党以外の野党がみな自民党と同じ土俵に乗り、「オール与党」政治へと大きく変わった。いまの民主党政権はその最後の局面にあ たる。こういうことを毎日新聞のベテラン記者に話したら「なるほど。そういう意味があったのか」と合点してもらえたことを紹介しました。

 ――どんな問題も複眼で見る。そこには対立する側面も必ずある(対立物の統一と闘争)。

 2年前の総選挙では党の得票が後退したのは事の一面だが、当時民主党が圧勝したことを分析して「自民党政治の崩壊が始まった。国民が新しい政治を探求する時代が本格的に始まった」と指摘したことは、現実の政治のなかで実証されているとのべました。

図

 

◇   ◇

 不破さんはつづいて「弁証法の諸法則」との関連でもその実例をいくつかあげました。

 「量的変化と質的変化」では、「私たちが毎日やっていること」とのべ、党活動は日常的な積み重ねがないと質的な変化が起きない、「果報は寝て待 て」とはならないとし、国政選挙を例に引きました。中選挙区制の時代の選挙では、得票の量的変化が議席獲得という質的変化になる飛躍を実感しやすかった が、比例代表選挙ではそれが分かりにくくなっており、それが実感できるやり方、工夫を課題にあげました。

 「否定の否定」では、前に否定されたものが、より高度な内容で復活することがあると説明。戦前の党が大弾圧のもとで侵略戦争反対、民主政治の旗を 掲げたことが戦後の党の発展に大きな力になったとのべ、「最も否定的な経験のなかにも前進と飛躍のバネがあり、その局面を乗り越えたときに党の質的な発展 がある」と力をこめました。

 60年代から70年代のソ連と中国の両党からの干渉との闘争を通じ、自主独立の強固な路線を築いたこと、「社公合意」後の「オール与党」体制のも とで革新の旗を掲げ続けたこと、原発問題でも一貫して建設に反対してきたことを示して、「わが党の歴史は、『否定の否定』の歴史の体現だ」「まさに弁証法 ここにあり」と喝破しました。

 「対立物の統一と闘争」では、さまざまな形態があるが、生きた関連と相互作用が大事だと説明。対立する二つの緊張した関係が、発展的な運動形態を生み出した一例として、日本共産党の組織原則の「民主集中制」があると解説しました。

 「民主主義」と「集中」は常識では対立するが、党規約で、民主的な議論を尽くす、決定したことはみんなで実践するなどを決め、この二つの側面を統一し、政党として生きた力を発揮できるようになっており、ここにも弁証法があると強調しました。

 最後に、「日常の党活動でも、広い視野で見ることや、変化、運動、前進、進歩の芽を大切にすること、複眼の目でみることなど、弁証法を生かしていただきたい」とのべて、講義を結びました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

呼びかけに答え、今度は私たちががんばり、首相の考えを変えさせましょう。

2011-09-07 | 市民のくらしのなかで

首相の再稼働発言危惧

さようなら原発集会、よびかけ人ら声明


写真

(写真)野田首相へのアピールを発表する(左から)鎌田、大江、落合、宇都宮の各氏=6日、東京都内

 「さようなら原発集会」(19日午後1時半から、東京・明治公園)をよびかけている、大江健三郎、落合恵子、鎌田慧の3氏と集会の賛同者で、反貧 困ネットワーク代表の宇都宮健児氏は6日、東京都内で記者会見し、経済重視で原発の再稼働が必要であるという野田佳彦首相に、「非常に危惧を覚えます」と する声明を発表しました。

 集会は、東京電力福島第1原発の事故をうけて、原発社会からの脱却を求めるもの。声明は「果たして、経済活動は生命の危機より優先されるべきもの か」と指摘。野田政権に、「核の脅威からいのちや国土、人類の公共財産である自然を守るという理念を明確に示」すよう求めています。

 落合さんは、野田首相発言に二つの疑問を持ったと発言。一つは、現在進行形で被ばくしつづけている事態についての答えがないことです。もう一つは、「核のゴミ」と呼ばれる使用済み核燃料の処理をどうするのか答えがないことだ、と話しました。

 大江氏は、交流のあるヨーロッパでは、福島原発事故について、広島、長崎に続く放射能被ばくだと受け止められ、日本国内の受け止めとは落差がある ことを、放射能雲や内部被ばくなどを例に紹介。自身の体験から、さきの戦争・敗戦に続く大きなものが今回の大震災と原発事故だったとして、敗戦を教訓に新 しい憲法ができたように、原発を廃炉にする国民的な決意をしなければならない、と語りました。

 宇都宮氏は、原発事故は人災だと強調。「原発現場で働く労働者が下請け・孫請け以下の非正規雇用で働かされ、ピンはねもひどい。非人間的な労働で しか原発は支えられないことを考えると廃炉しかない」とのべました。また、原発差し止め訴訟をことごとく退けてきた司法・最高裁の責任も指摘しました。脱 原発の運動について、「政治的、イデオロギー的立場をこえて国民全体、市民全体がつながっていけるような発展」が必要だと語りました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アメリカは、まだ世界の進歩を、妨害し続けるのですか!

2011-09-06 | 世界の変化はすすむ

パレスチナ国家承認問題・・・米が議題化を妨害

国連総会を前に


 【カイロ=伴安弘】

パレスチナ自治政府がパレスチナ国家の承認を国連に求める問題が、13日開会する国連総会を前に早くも国際的焦点に浮かび上がっています。米国はこの問題を国連の議題にすることを妨

害する外交的動きに出ています。


 米紙ニューヨーク・タイムズ3日付(電子版)によると、米政府はこのほど、アッバス自治政府議長に、パレスチナ国家の国連への新加盟に対しては安 全保障理事会で拒否権を行使すると伝え

ました。同時に米国務省は先月、70カ国以上に送った公式のメッセージで、国連でのパレスチナ側によるいかなる一方 的な行動に対しても反対するよう要請。米国は「拒否権を行使すれば(中

東)地域全体にわたり反米の感情に火をつけ、燃え上がらせる」(米政府のパレスチナ 問題担当者ゲース・オマリ氏)ことを恐れています。

 パレスチナの国連加盟には安保理での勧告が必要で、米国が拒否権を行使すれば、葬り去られます。しかし、国連総会の「パレスチナ独立国家承認」の 決議は加盟国の過半数または出席国

の3分の2で可決できます。総会がパレスチナ国家を承認すれば、パレスチナ解放機構(PLO)が1970年代から得てい るパレスチナの資格が「投票権なしのオブザーバー」から「投票権なしの

国家」に格上げされることになります。

 これはバチカン市国と同等の資格で、パレスチナが世界保健機関(WHO)など国連の十数の機関や会議への参加資格を得るだけでなく、イスラエルを国際刑事裁判所(ICC)に訴えることも可能になります。

 PLOの幹部のナビル・シャース氏は4日、安保理で正式加盟の勧告が得られなくとも国連の機関に加わると述べ、同時に安保理の勧告を「何度でも」要請すると語りました。

 国連総会での国家承認について自治政府は国連加盟国193カ国中「150カ国以上」の賛成を期待できるとしています。

 一方、欧州連合(EU)は2日の外相理事会でこの問題への統一した立場を打ち出せませんでした。ドイツ、イタリアなどがパレスチナの要請に反対、 スペインなどは支持しています。シャース氏

によると、アシュトン外交安全保障上級代表(EU外相)がアッバス議長と近く会うまでEUは最終的態度を決定し ないことを約束しました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これ以上災いが広がらないよう祈っています。

2011-09-06 | ドイツの友人からのメール
大橋様
 
台風が紀伊半島、奈良のほうに大きな爪あとを残して行ったようですが、
皆様に被害は無かったでしょうか?
 
今年はなんと災害の多い年かと、思っています。
大きな天災が、必ずそれに輪をかけた大きい人災を後続させるようで、今までの暮らしの不確かさが明瞭になってくるようです。
 
大変な数の死者が出たようすですが、これ以上災いが広がらないよう祈っています。
 
まずはご無事でお過ごしでありますように。                                                 0000

 

ありがとうございます。

 被害が出たところは本当にお気の毒です。早速お見舞いいただきありがとうございます。

和歌山・奈良などの山間部です。山崩れや小規模河川の氾濫で特殊なところがやられたようです。

四国や中国地方は、被害が出ました。

近畿地方の西のほうを通過したので、京都は案外どうもなかったようです。

お寺などでも お堂がひっくり返ったとか、かわらが飛んだと言う被害もありませんでした。
 
 私は、8月27日の夜から9月1日まで、東京の渡君のマンションに行っていました。

これから何度も行かねばならない第一回目でした。高速夜行バスなら1人¥4000で行けるというので、体力検査もかねて行こうと

妻と2人で京都発23時30分新宿着7時、わたるクンの迎えあり、で行きました。

 自主運営の高麗博物館(新大久保・日本の中の韓国といわれる町にある)、関東大震災88周年、朝鮮人犠牲者追悼式、日朝協会本部事務所などをウロウロしていました。

最初の予定は2日の夜行で帰るつもりでしたが、 天気予報では東京直撃と言うので、1日の夕方新幹線でかえってきました。

 それで、特に何もなく、2日から小雨、夜は大雨3日はちょっとだけ台風を感じて家にいて、4日は朝から大阪に行きました。

4日は、もう時々小雨程度で傘はもって行きましたが使わずじまいでした。

 時間があれば原稿の続きを書いています。

5日は、妻のアッシー君(府立病院)と、本を作る業者に段取りを聞きに行きました。

一日経つのが早くて・・・

 とりあえず京都は被害にあわなくてよかったです。   ありがとう         マンさん より

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする