ある夜のこと、池田万寿夫は、酒の勢いも手伝って、
数人の友人と鎌倉の澁澤龍彦の家を訪ね、
三島由紀夫に対する澁澤の態度が煮え切らないことについて詰問した。
すると、澁澤さん、烈火のごとく怒って、
「なにを、三島は、おれの友達だ。」と、言い放ったという。
私は、この話が大好きだ。
この時の、澁澤さんの胸中は、どんなだっただろうか。
池田万寿夫に対する怒りでもあり、
三島に対する、なぜなんだという怒りでもあり、
三島を止められない自分に対する怒りでもあるような気がする。
この怒りは、出口の無い魂の悲しみに通じる。
それなのに、この話が好きなのは、この友情の中に、愛の本質を感じてしまうからだ。
数人の友人と鎌倉の澁澤龍彦の家を訪ね、
三島由紀夫に対する澁澤の態度が煮え切らないことについて詰問した。
すると、澁澤さん、烈火のごとく怒って、
「なにを、三島は、おれの友達だ。」と、言い放ったという。
私は、この話が大好きだ。
この時の、澁澤さんの胸中は、どんなだっただろうか。
池田万寿夫に対する怒りでもあり、
三島に対する、なぜなんだという怒りでもあり、
三島を止められない自分に対する怒りでもあるような気がする。
この怒りは、出口の無い魂の悲しみに通じる。
それなのに、この話が好きなのは、この友情の中に、愛の本質を感じてしまうからだ。