熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

特許の価値

2012-04-11 18:16:52 | Weblog
インターネットビジネスにおける特許の価値が高くなってきているようです。

米ソフト大手マイクロソフトが総額11億ドル(897億円)でAOLの約1100件の特許を買収したり、そのライセンスを取得したことは、大規模テクノロジー企業の間の特許買収のブームを浮き彫りにしました。
これはインターネット時代の核抑止力となると考えられています。

グーグルやアップル、フェイスブック、それにマイクロソフトといった企業は、モバイルとインターネットの市場でのシェア拡大を目指して、法的レバレッジを獲得しようと努力しています。

このことがインターネットビジネスにおける特許の価値を押し上げているようです。

昨年のグーグルによる125億ドルでの通信機器大手モトローラ・モビリティ・ホールディングス買収など、最近の特許買収の多くは対抗訴訟を行うための武器庫取得と考えられています。

ヤフーから特許侵害の訴訟を起こされたフェイスブックは最近、IBMIから特許を取得して、ヤフーへの特許訴訟を起こしました。

特許の価値というと、対象となる特許を事業に活用した場合に想定される事業利益に基づいて算定されますが、インターネットビジネスにおける特許の価値のように、他社との特許訴訟の武器としての価値に基づいて算定される場合があります。

特許の価値と言っても、特許を取り巻く環境によって、その価値評価方法も変わってきますね。

私も知財コンサルティングで特許価値評価を行うことがありますが、価値評価の対象となる特許を取得しようとする企業の思惑、資産状況等によって大きく変動します。

つまり、企業によって特許の価値も大きく変動することになり、絶対的なものではなく、相対的なものということになります。

特許の価値を評価するというのは、本当に難しいですね。






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