![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/bc/65f9902b5f4c8d19321b122ad5b6897e.jpg)
雪の来る前、山道には分厚い落ち葉の絨毯になる。青春の日には、こんな落葉を見て感傷に誘われたこともある。それは、上田敏の訳なるヴェルレーヌの詩を口ずさんでいたからかも知れない。
秋の日の
ヴィオロンの
ためいきの
身にしみて
ひたぶるに
うら悲し。
鐘のおとに
胸ふたぎ
色かへて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもひでや
げにわれは
うらぶれて
ここかしこ
ささめなく
とび散らふ
落葉かな。
こんな詩を暗記して、朗誦するのが恥ずかしく、口のなかでひとり飴をしゃぶるようにして味わった。青春の日のなつかしい思い出である。