寒気が入って、雨の夜は冷えて、朝ベランダから見える里山に雪が降った。昔から、龍山に雪が3回降ると、いよいよ平地に雪がくると、この地方では言い伝えられてきた。朝の外気は当然のことに冷たい。道路に散った落ち葉を濡らす初しぐれの季節である。
芭蕉の句に
初しぐれ猿も小蓑をほしげなり
去来と凡兆が編纂した蕉門の発句・連歌集である「猿蓑」の最初に掲げられた芭蕉の発句である。普通、発句集では、春から始めるが、いきなり冬の初しぐれを出したところに、この一門の思い切りのよさと面白さがある。
そんな猿の心境も分かるような寒気の到来だ。畑の片付け、春に向けての準備となにかと心さわしない季節だ。