常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

三吉山

2012年11月21日 | 日記


わが家のベランダの正面に上山の三吉山が見える。右の肩が尖って見える山である。標高574m、頂上に神社があり、上山市民に親しまれている山だ。斉藤茂吉が生まれた金瓶から、三吉山は手に取るように眺められた。

おさなくて見しごと峯のとがりをる三吉山は見れども飽かず 斉藤茂吉

茂吉が子どものころ遊び歩いた野山から、三吉山はその姿を隠すことなくどこからでも見ることができた。子どものころから馴れ親しんだ山の姿は、年を重ねても身体のなかに埋め込まれたような記憶として残り続ける。東京への空襲が激しくなって、茂吉は生地金瓶へ疎開するが、傷心の茂吉を抱き抱えるように三吉山は茂吉を癒したのである。

茂吉の父・熊次郎は長男広一の満州従軍中に、武運長久を祈って、金瓶から三吉山頂上の神社へ日参するのを欠かさなった。私もこの山には5度ほど登ったが、頂上までの標高差は400mもあるので、日参はよほどの強い意志がなければ叶わぬであろう。

ベランダから三吉山の山容が毎日眺められる。稜線を左へ進むと葉山だ。この山の左端は、山砂利採集のため削られ、その山容を大きく変えた。
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