常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

後烏帽子岳

2016年09月03日 | 日記


今日、これから蔵王の後烏帽子岳に登る。写真で見ると左奥の尖った山だ。先日、不忘山からこの山が見えた。若い人が、標識を見てうしろとりぼうし、と読んだので思わず「えぼしでしょ」と言うと、「え、そう読むんですか。漢字苦手なんですよ。」と言葉を交わした。今日は次の台風が来るまでの晴れ間、いい写真が取れたらアップしたい。



結果からいうと、満足できる写真は撮れなかった。これほど晴天に恵まれた山行であったのに、山をひとつ越えるだけで、これほど条件が異なるものとは思いもよらなかった。宮城県側にある登山道は、雨になることはないが、ずっと薄い霧に閉ざされた。頂上にいたるまで、青空が見えたのは3度ほどにすぎない。「ろうずめ平」のあたりで、ようやく後烏帽子の頂上が見えた。標高1681m、この姿から烏帽子と名付けられたのはうなづける。



蔵王といえば、誰もが樹氷を思い起こすが、後烏帽子の山麓のあたりにあるのが、ダケカンバの奇形だ。地から伸びる枝は、上に伸びず、大きく広がって苦悶の表情を見せる。風雪に耐えるダケカンバの生命力に思いを寄せるべきか、雪の圧倒的な力に恐れを感ずべきか。すぐには答えが出ない。夏にこそ、木々の穏やかな表情に癒されるものの、雪に閉ざされながら生き抜くダケカンバの力に畏敬すら覚える。



拾いものの写真といえば、オオカメノキの赤い実だ。台風が連れてきた秋だが、この実がそれを実感させたくれる。この山行の参加者は11名、山登りの経験が浅い人も多かった。それだけに、山の雰囲気が少しでも発見できることは貴重だ。先週の大雨で、沢の水が増え、渡渉の場所も5ヶ所を超えた。キアゲハが、なぜか人を恐れない。美しい羽を広げて飛び去ったと思えば、戻って来て登山帽の上で羽根を休める。汗が乾燥した塩分を求めてやってくる、という話をした人もいたが、案外当たっているかもしれない。歩行距離7.9キロ、涼しいとはいえ、汗をかく。下山して汗を流すのは黒沢温泉。

コメント
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