桂花
2016年09月27日 | 花
桂花は金木犀の中国名で、丹桂ともいう。桂は日本のカツラではなく、木犀類の総称である。奇岩で有名な中国の桂林は、この木が多くあるためにこの地名がついたらしい。それにしても、この花は突然に咲き、独特の香りをふりまく。むしろ匂いがして、この花が咲いたことも知る人も多い。きのうまで、葉ばかりだったものが、ある朝一斉に花を開く。
冷露 声無く桂花を湿す
今夜 月明人尽く望む
仲秋の満月に、夜露がこの花をしっとり濡らすというのだから、まさにこの季節に咲く花である。中国も日本も、金木犀が咲く季節は同じだ。王建の詩を引用させてもらったが、この香りに秋を感じる人も少なくないだろう。
木犀や月の夜道のまくらがり 木津 柳芽