青空が見えているが、湿気が多いためか雲も青空ぼんやりとしている。昨日、七草のことを書いて、ホトケノザが葉を広げていることに触れたが、植物が冬を越すことについて少し調べてみた。ものの本によると、葉はただ広げているだけでなく、地に這うよう広げる。その状態がバラの花びらに似ているからロゼットと呼ばれると書いてあった。その効用として、外気よりも地面の方が温度が高く、厳しい寒さが和らぐこと。また冬の土の湿りで、冬の乾燥から守ってくれること。さらに、姿勢が低いため風の影響を受けにくい。さらには、葉を放射状に重なりあわないように広げているため、冬の弱い太陽光をいっぱい受け取れる。
冬の寒気の中だけでこんなにも効用があるロゼットだが、雪がとけて春の日差しが降り注ぐと、いち早く背丈を伸ばし、太陽を独りじめにする。他の植物に邪魔されないように場所取りをもしている。そういえば我が家で植えているコリアンダーも秋に芽を出しロゼット状で冬を越すと、いち早く伸び出して他の雑草がはびこる前に、春に咲く花の準備を始める。
論語にでてくる「歳寒松柏」という言葉がある。「歳寒くしてしかる後に松柏の凋むに後れるを知る。」常緑樹の寒さに強いことに例え、人が逆境にあっても、志を貫くことを尊いこととしたものだ。では常緑樹はなぜ寒さに強いのか。それは夏の太陽の恩恵がたっぷりある間にせっせと寒さに強い栄養素、例えば糖分などを葉に貯えているからである。寒じめコマツナ、雪下キャベツ、完熟ミカンなどは植物の持つ力が作用して、おいしい冬のおいしい食べ物になったいる。